9.しとしとぴっちゃん


初めて尽くしで見始めた「子連れ狼」でしたが、実相寺昭雄の構成センスが光るタイトルバックと、哀愁と男気を感じるバーブ佐竹のテーマソング「ててご橋」がぴったり噛み合っていて、とにかく感激しました。
その素晴らしさに、本編だけでなくオープニングからはまってしまっていたのだ。

第三シーズンからはテーマソングが、あの大変有名な橋幸夫の「子連れ狼」に変わりました。こちらの歌なら私にも聞き覚えがあります。

♪しとしとぴっちゃん しとぴっちゃん しーとぉぴっちゃん♪

知ってる、知ってる〜!と調子よく聴いていると…。

♪帰りゃーいいが 帰らんときゃあ〜
 こーの子も雨ん中 ホネになる
 こーの子も雨ん中 ホネになる…♪

ほ、骨?!

そうか、ちゃんが言ってたもんね。
「人の情けにすがってはならぬ。父が戻らぬ時は、大五郎、お前もここで死ぬのだ…。」って。

あどけない子供を歌った心暖まる歌詞なのかと適当に思っていたのだが、いやいや、こんなディープな歌詞だったとは今まで知りませんでした。

二番三番なんて、土になったり、凍え死んだりと、かなり非情で悲しい内容だったんですね。物語の内容としっかりリンクしていて、大五郎のいじらしさに思わず涙しそうになります。

そう、忘れてはいけないのだ。子連れ狼は冥府魔道に生きる者ということを…。

これはファンタジー(=時代劇)の世界ですし、これをまだ時代が許したという事もありますが、ストーリーのみならず、歌の内容からして、これほど露骨に描く事は、(流行らないし)今ではもう出来ないだろうな…と思うのです。(やはり欣也さんのがギリギリなんでしょうね。)

だから、責任やリスクを避ける生温さに食傷ぎみの現在に、善悪は(都合が良いかもしれないが)別として、自分に嘘を付かない強さと、決して長いものに巻かれないアウトローな生き様が、私などには新鮮で、一種の憧れめいた気持ちが沸き上がってくるのです。

さて、音楽に関しては、第二シーズンが本当に充実していましたね。
大五郎の口ずさむ「一条戻り橋、二条の何とか…」(既に忘れてしまったが)そして留守番の大五郎のバックに流れる「かぁーさんはーぁぁどこにいる〜ちゃーんーはーまだ帰らない…」などとにかく大五郎に歌が多かった印象があります。
第三シーズンに入ってからも大五郎が別の数え歌を歌ってましたね。佐藤大五郎は声が良いので歌も上手いです。

音楽にいまいち疎い私ですが、自然と口ずさんでしまうような入ってきやすいメロディーと歌詞の上手さがこのドラマのヒットの一端を担った事は間違いないでしょうね。('03.10)