2.公儀介錯人時代

拝一刀が刺客道を歩む経緯がついに明かされました。

拝一刀の役職であった公儀介錯人とは、大名の介錯のみを行う首切り人で、葵のご紋の着用を許された重役である。
しかし幕府の暗黒支配の掌握をめざす裏柳生、柳生烈堂の謀略により、拝家は一族郎党を虐殺され、お役御免並びにお家断絶の憂き目にあったのだ。
そんなわけで、復讐の鬼、冥府魔道に生きる親子になったのですが…

役人を演じる時の錦之介さんは余裕を持った小綺麗な表情をするので、何を考えてるのか分からない怖さもあるのだが、おおむね介錯人時代は案外気さくな雰囲気で、身重の奥方を気遣うところなんか、とっても紳士です。

しかし何よりも、嵌められた一刀もとい錦之介さんの真に迫った迫力の演技は圧巻でした!
後の『柳生一族の陰謀』に生かされたであろう大切なものを失った人間の、あの取り乱し方は尋常では無かった!

「はぁああ〜!」って。

奇跡的に生き残った大五郎を満身の力でギューっと抱き締めて、妻の亡骸にすがりつきワンワン泣くところなんて、非情な刺客となった一刀からは想像も付かない位の打ひしがれようなのだが、錦之助さんのメーターが振り切れるような感情の演技が、拝一刀の人間の深さを感じさせてくれるんですね。

ちょこちょこと出てくる介錯人時代の回想シーンによって、回が進むごとに知らず知らずの内に濃くなっていた刺客拝一刀のメイクに気付かされるのであった。('03.8)