
何だか趣味の悪いページになってしまってすみません。
今まで、こんなに長いTV時代劇を全話通してしっかりと見きった事が無かったので、最終回を終え、まさかこれ程までに心に風穴があくような、ポカンとした気持ちになってしまうとは思いませんでした…。そして気付いたのは、「子連れ狼」を、自分があまりにもマジになって観ており、すっかりはまり込んでしまっていた事。この壮大な物語は多くの感動と、多くの謎を残し、終わってしまいました。
しかし、既に語られ尽くした謎を私が今さら触れたところで、詮無い事。
それぞれの解釈で余韻として楽しめば良いってことですね。それでも気になってしまうのは大五郎のその後。
「時代劇マガジンvol.5」(若山さんの裏話は笑える)で、原作者、小池一夫先生が驚くべき発言をされていました。
『ひとり残された大五郎がそこからどう生きていくのか?いずれ書かなければならないと思っています。』
先生、本当ですかぁ!!是非とも、薄幸の孤児大五郎には光りあるエンディングをお願いしたいです。一刀と大五郎は、ある一つの親子愛の極致を、余すところ無く見せつけてくれました。
そして一種独特な、この様式美の中でのみ機能する、徹底した武士道精神の具現化に成功しているので、荒唐無稽なのに格調高い、強烈なインパクトのある作品になっていました。
また、物語の人物達の、誰一人白けない真面目さと、良くも悪くもあり得ない程の一途さは、時に笑いを、時に涙を誘い、大変楽しませてくれました。彼等のメイクも行動も、この物語世界の中においては非常にリアルなものでした。時流に合わせた時代劇を創る事はとても重要なことです。
しかしその為に、現実社会でのリアルさを取り入れる事が、物語中のリアルさを生むのだと取り違えてしまうと、その物語がとてつも無く陳腐でショボいものになってしまうのです。
時代のニーズを、物語中のリアルさを失わせずに取り込み、作品としてしっかり昇華させることが面白さの条件だと思うのです。というわけで、大好きな'70年代の「子連れ狼」ですが、
今現在、「子連れ狼」をリメイクする事が本当に適切なのか!?
北大路欣也版をちょっとだけ見て、何となく疑問に思ってしまいました。
欣也さんは好きな役者さんだが、何かと情け深い拝一刀を見るにつけ、本当にここまでの表現しか許されないとしたら、目的のためなら手段を選ばぬ冥府魔道の執念を描き切る事はできないだろうな…と思うのです。
今どきの時代劇としてはなまじ出来が良い分、欲が出ますので、残念に思ってしまうことが、あれこれと色々…。とにもかくにも、萬屋錦之介の役者魂に圧倒されまくった3ヵ月でした。見ているこちらが精根尽き果ててしまうようなクライマックスに、呆然となりつつも、それぞれが信じる武士道を、貫き通した二人の宿敵の熱い生き様を思い返し、慎んで合掌。完 ('03.10)
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