12.最終回へ向けて
『子連れ狼』連続放送が始まったのは夏真っ盛り(今年は冷夏だったけど)の頃でした。「ちくわぶ。」(本当は「竹阿弥。」)
こんな風に聞き違えてしまった錦之介さんの発したセリフに、おでんが恋しい季節の訪れを(半ば強引に)感じます。
脇差しを振り下ろす一刀。朱色の背景に黒墨の血飛沫が飛び散る。
毒薬使い阿部頼母様…本当にお疲れ様でした。
この物語の中で、誰よりも一番生きる事が楽しそうでしたね。
極悪人だが嘘が顔にでてしまう正直者で、詰めの甘さが御愛嬌の、確かにどこか憎めない男でした。
目を背けたくなるような見苦しい死に様が、何だか哀れで可哀想でした。迷わず成仏できるんでしょうかね?この人は。
怪異が登場したあたりから、うさん臭そうに怪異を見つめる大五郎の顔つきがキリリと締まってきた気がします。
不用意に笑わなくなったし、成長して少しスリムになったみたいですね。眼差しには、そこはかとなく哀愁が漂ってきています。
死装束をまとったあたりからは、武士の子らしい厳粛さで、元拝家下僕の竹阿弥に「若様」と呼ばれることに違和感一切無しの偉丈夫に成長しております。ちゃんの背後を棒で襲い続ける大五郎と、無反応で叩かれ続ける一刀。
この親子の唐突な行動は何か理由あっての事とは思うが、なにしろ冥府魔道に生きる親子です。
二人とも何考えているのか見えてこない(何を仕出かし始めたっておかしくない)ので、新手の愛情表現か何か、かといらぬ憶測(というか心配)をしてしまいます。結果として、これは侍の魂「刀」を持つ事の意義を、身を持って会得させる為の、父から息子へのレクチャーであった訳だが、親父を叩き続ける幼児の図は、はたから見て、何とも無気味な光景だ。
そして、ヤクザに首を締められ、窮地に陥った大五郎がとった反撃法は、第2シーズンの最後の方で、一刀が悪・小池朝雄に行ったあの攻撃技だった!
そう「めつぶし〜!!」である。
やはり子は親の背中を見て(大五郎は叩いてましたけどね)育つのです。そんな大五郎の目覚ましい成長ぶりに、さすがの一刀も、時に驚かされ、時に喜ばされ、抱き締める表情と指先が感無量といった様子です。
さて、老いた老いたと言われる割に、風呂上がりのセミヌードがやけに眩しい烈堂さんですが、あのヘアースタイルに裃が似合わないことと言ったらないですね。やっぱりいつもの陣羽織か虚無僧姿が一番お似合いです。
自ら一刀を討つ…とか言って男気たっぷりで、以前の非道はどこへやらの烈堂だったが、「悪」のデパート阿部怪異が居なくなったとたん、思い出したかのように、持ち前の「悪」さを発揮しはじめました。
「いかなる手段を用いても拝一刀を倒せ!」と最後の草の者達に発破を掛ける烈堂の変節ぶりに正直ホッとしました。
やっぱりこの人、悪くないと盛り上がりませんからね。最終回へ向けて準備万端整いました。どうやら壮絶なクライマックスを迎えるようですね〜。楽しみでもあり、寂しくもあり。複雑な心境です。('03.10)
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