11.阿部怪異


ぐふおほほほいひひうひいひひ△◇☆※…

やば〜いです。凄い凄いとは聞いていたが、これほどまでとは思わなかった。

阿部怪異。
公儀お毒味役(口役)として、将軍様の信任も篤いらしいが、私が将軍だったらこんな人の口を付けた物を食べるのは、毒を飲まされるのと同じくらい嫌かも…。

私が以前「江戸を斬る」(何シーズンだったかな?)を観ていたのは、遠山金四郎こと西郷輝彦の失脚を狙う金田さんが、毎回毎回「今度こそ遠山の首が飛ぶぞ〜ぅいっひっひ」と(そして毎回ぬか喜び)笑いながら目ん玉を真上にひん剥くところが見たかったからと言っても過言はない。

あの金田さんが見られるんだと、とっても期待していたのだが、これが想像以上…。
前歯を付け、唇を厚く描き込み、無気味に笑う怪異をみたら、ここまでやるか金田龍之介、という怪演、怪メイクに心底肝が冷えました。

やる事なすこと大胆なんだかせこいんだか、普通本気で行動には移さないだろうという、どんな馬鹿馬鹿しい思い付きでも、一刀と烈堂を倒すためなら、お得意の「毒」と「変装」を駆使(?)して、前向きにガンガン実行していきます。

飲むと仮死状態になる薬を自ら服用し、土左衛門のフリをして一刀親子を眠り薬で燻してみたり、生活用水の川に毒を流し公害を引き起こしたり、自宅に来訪した烈堂を眠らせ、その隙に毒薬でよいよいにしてやろうと思ったら返り打ちにあって、ひぃひぃ言わされたり、毒マキビシを踏み弱った住職をスリーパーホールドで冥界送りにした後、自ら剃髪し、坊主のフリをして一刀親子に毒入トロロご飯を食べさせようとしたり、間違った水門を開き、江戸市中を水没させそうになったり、あんまりにも烈堂が怖いから首吊り死体のフリをしたり…

挙げだしたらキリがないが、強い者には卑屈に、弱い者には非常に尊大に振舞い、卑怯未練と罵られようが、なり振り構わない太々しい生きざまに圧倒させられます。
特にあの巨体が、恐怖におののき、怯え、もだえる姿は時代劇史に残るであろう矮小さだ。

ダーティーな部分を一身に背負って暴走する阿部怪異のお陰で、今までの烈堂の非道がすっかり浄化されてしまった感がある。
だって怪異を脅しまくる烈堂さん(佐藤慶)はやたらと格好良く見えますもの。
更に、怪異が引き起こす珍騒動に巻き込まれながら、幾つかの共同作業を余儀無くされていく内に、烈堂と一刀は武士の魂が共鳴しあい、気が付けば、敵同士やけに接近して(武士として)認め合う仲なっちゃったようです。

最後に一曲。

ねんねん さいころ 毒屋の子
すり鉢もてこい 毒作ろ
ねんねんころころ ねんころり

ねんねん さいころ 毒屋の子
毒を飲んだら ねんねしな
寝たら起きずに あの世まで
('03.10)