メールマガジン 『水南の森』から

 ホームページ『水南の森』リニューアルを記念して、メールマガジンを創刊しました。
内容は、ほとんど短説一作品。かつて書いた短説作品と、新作の短説を交互に掲載する予定です。
 刊行は不定期刊ですが、一カ月に1〜2回を目指しています。講読は無料です。
 講読希望の方は、下記に講読希望メールをお送り下さい。そのメールアドレスにお送りしますので、
送付先が異なる方は、そのアドレスをお忘れ無く。
 下に、見本として、創刊号を掲載いたします。

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見本

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>   メールマガジン 「水南の森」から

>   第2号 2003年5月3日 (不定期刊・講読無料)
>   発行者 水南森   作成 工房水南の森

>   ☆短歌☆
>   バリウムを一口飲んでは君のため二口飲んで…… すべて飲み干す

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   ☆お知らせ☆
   ・近々ホームページ更新予定
    ホームページ「水南の森」の更新情報ですが、連作を
   まとめて読めるようにしたいと考えています。
    5月中には更新予定なので、みなさん、ご覧下さい。
   ・情報があったら、お知らせ下さい。
    何か情報(座会情報、出版情報など)がありましたら
   お知らせください。この部分に掲載可能です。

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   ☆短説(新作)☆

      昭次の馬券

    美紀子が、言った。
    「あの。すみません、父から電話があって、
   近くに来たから、これから来るって」
    昭次はテレビから目を離さずに答えた。
    「また、仕事を探せってことだろ」
    「すみません」
    テレビを消して、昭次は立ち上がった。
    「競馬、当ててくるから、義父さんにはて
   きとうに言っておいてくれ」
    「はい」
    美紀子は台所に入って行った。
    昭次はバッグを持って、玄関に向かう。美
   紀子が走って来て、昭次に白い封筒を渡した。
    「うん。今日こそは、倍にしてくるからな」

    昭次は公園のベンチに座っていた。バッグ
   からラジオを取り出して、横に置く。競馬中
   継を聞きながら、昭次は封筒の中を確認した。
   今日も一万円札。
    バッグの中には同じ中身の同じ封筒が、3
   つ入っている。ここ3回は、スッタことにし
   てあるのだ。
    実況アナウンサーの声が激しくなってきた。
   そしてゴール。払い戻しが発表された。
    よし、これにしよう。このレースにかけた
   ことにして……。昭次は、バッグの中の封筒
   を3つとも取り出した。そして中身を抜いて、
   今日の封筒にまとめて入れた。
    競馬は、確率論だからね……。そう言って
   美紀子に封筒を手渡す時のことを思い浮かべ
   てみる。美紀子は、ありがとうございます、
   と言って封筒を胸に抱くに違いない。
    昭次は、ラジオをしまって立ち上がり、公
   園の出口に向かった。ゴミ箱に3つの空の封
   筒を丸めて捨てる。そして立ち止まった。
    義父さん、まだ帰ってないよな……。
    昭次は、ベンチに引き返して、座った。

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