G-NET 最新厳選★建築関連情報

 

公共建築相談、自治体から急増/入札不調・不落対策関連が7割/国交省(日刊建設工業新聞)よりH26.03.19紹介
 国土交通省が各地方整備局に設けている「公共建築相談窓口」に自治体などから寄せられる相談が急増している。1〜2月の2カ月に寄せられた相談は計198件。うち入札の不調・不落に関連した相談が133件と7割近くに上っているという。不調・不落対策への関心が都道府県・政令市に加え、市町村にも広がっていることをうかがわせている。相談を寄せたのは、国の機関や自治体など延べ136団体。市町村も40団体あったという。
 同省は、自治体の大型建築工事で目立つ不調・不落に対応し、1月に「公共建築工事の施工確保対策」を発表。総務省と共同で▽最新単価の適用徹底▽見積もりを活用した単価設定▽スライド条項の適切な設定・活用▽適切な数量・施工条件の設定−などを自治体に促した。予定価格の設定に関する相談を窓口で受け付けることも周知した。同省官庁営繕部によると、不調・不落に関連した133件の相談のうち、1月は対策全般に対する問い合わせが68件と多かった。2月に入ると個別の措置内容に関する相談が増加。中でも、資材価格の高騰などに対応して施工途中で請負額を変更するスライド条項の適用方法に関連する相談が40件ほどに上った。
 今年に入ってから市町村を含めて問い合わせが急増した背景には、1月の対策発表に先立ち、年末から年始にかけて各地域ブロックで自治体担当者向けの説明会を開いたことがあるようだ。国交省が対策を打ち出して以降、予定価格を大幅に引き上げて実施した2回目の入札で東京都の豊洲新中央卸売市場新築工事の落札者が2月に決定。今月10日にも、4回目の入札が行われた東京・北区の赤羽体育館(仮称)の落札者が決まるなど効果が出始めている。
 大型建築工事の不調・不落は予定価格と実勢価格がかい離していることが主因とされる。国交省は、自治体向けにスライド条項や見積もり活用方式に関するマニュアルを整備。相談窓口でも周知しており、今後も実勢に合った価格での発注を促していく。

   

社整審/大雪対策で構造基準の見直し検討/屋根崩落被害受け、部会にWG新設(日刊建設工業新聞)よりH26.03.11紹介
 2月に関東甲信地方を中心に降った記録的な大雪で、建築物の屋根が崩落するなど被害が相次いだことから、国土交通省は社会資本整備審議会(社整審、国交相の諮問機関)で新たな対策を検討することを決めた。12日に、社整審建築分科会の建築物等事故・災害対策部会に学識経験者でつくる「雪害対策ワーキンググループ(WG)」を新設。積雪荷重に対する構造基準の見直しなどを約3カ月かけて検討する。
 国の調査によると、先月14〜16日に降った大雪では首都圏の多くの地域で最大積雪量の観測記録を更新。建物の全・半壊などの被害が発生した建築物は、住宅が611棟、非住宅が307棟(うち公共建築物は37棟)に上った。首都圏では東京都内や群馬、栃木両県内で商店街のアーケード屋根が崩落する被害が発生したほか、東京都内と埼玉県内では体育館の屋根が崩落する被害も相次いだ。
 建築基準法では、地域ごとに50年に1度の大雪による積雪荷重に耐えられる強度を求める構造基準を定めている。WGでは今回の大雪による建築物被害の原因を分析した上で、構造強度の計算方法や、構造計算に使う積雪荷重の計算方法について見直しの是非を検討する。大雪を想定した維持管理のあり方についても議論する。
 WGの委員は、▽太田勤・堀江建築工学研究所所長▽久保哲夫東大名誉教授▽高橋徹千葉大大学院工学研究科教授▽西山功建築研究所理事▽山田哲東工大建築物理研究センター准教授−の5氏。


建築設計大手/中途採用を拡大/業務量増加に対応、即戦力の獲得競争激化(日刊建設工業新聞)よりH26.03.03紹介
 大手建築設計事務所が、即戦力を期待できる中途採用を増やしている。日刊建設工業新聞社が20社を対象に行った人材採用に関するアンケートによると、13年度の中途採用は「未定」と答えた1社を除く19社合計で282人(12年度209人)と、前年度の実績を73人上回った。2020年東京五輪の関連施設整備や景気回復による建設需要の拡大に対応し、事務所間で優秀な人材の獲得競争が激化しそうだ。
 13年度に中途採用を増やしたのは13社、減らしたのが6社。増やした13社のうち、梓設計は50人(前年度22人)と倍増させ、意匠、構造、設備など各分野の技術者を確保した。このほか、前年度より10人以上増やしたのは、ジェイアール東日本建築設計事務所37人(15人)、日建設計28人(18人)、山下設計20人(8人)。当面は業務量の増加が見込まれるため、中途の通年採用を継続する社が多い。
 一方、今春入社の新卒者は計202人と、前年度の実績と同水準だった。採用を増やしたのは9社、同水準が2社、減らしたのが8社。増やした9社のうち、日建設計は32人(前年度25人)、梓設計は16人(10人)、ジェイアール東日本建築設計事務所は13人(11人)、東畑建築事務所は11人(6人)と、4社が2桁の人員を確保した。来春の新卒採用については、「未定」と答えた事務所を除く15社のうち10社が「今春と同水準」または「増やす」と回答した。各社とも「年代に偏りが生じないよう毎年一定の人数を確保する」など、安定した採用に徹する傾向が顕著だ。
 業務のグローバル化に伴い、外国籍の社員も増え始めている。日本設計はグループも含め外国籍社員が14年4月1日時点で62人(13年4月1日時点48人)と見込む。久米設計は9人(7人)で、ベトナムと中国の現地法人で外国籍社員の採用を進めており、「グループ全体で順次増加させていく」方針を打ち出している。ほかにもIAO竹田設計が6人(4人)、日立建設設計が5人(2人)、佐藤総合計画が3人(2人)と外国籍社員を増やす。東畑建築事務所は4月1日に中国籍の社員1人を採用する予定で、「積極的な採用計画は無いが、アジア圏を対象に良い人材があれば採用したい」としている。「海外案件の対応要員や母国で設計する人材を育て、ネットワークを構築したい」「優秀な人材がいれば採用したい」など、海外展開を進めている設計事務所で人材のグローバル採用が進んでいる。


国交省/建基法改正案/適判制度見直し、簡易な構造計算は対象外に(日刊建設工業新聞)よりH26.02.19紹介
 国土交通省が今国会に提出する建築基準法改正案の概要が18日、明らかになった。合理的な建築基準制度を構築する観点から、構造計算適合性判定(適判)制度を見直し、比較的簡易な構造計算については、建築主事に十分な審査能力があれば、適判の対象外とする。建築主による審査者や申請時期の選択が可能となるよう、判定機関への直接申請が行える規定も設ける。
 今回の法改正は、建築関連手続きの合理化が目的の一つ。工事中の建築物の仮使用について、一定の安全要件を満たし、指定確認検査機関が認めれば可能とする措置も講じる。このほか、現行基準では対応できない新建築材料や新技術の採用について、国土交通相の認定制度を創設し、円滑な導入を促進する。住宅に限って地下室の床面積を容積率に参入していない特例の適用を老人ホームなどにも拡大する。
 建築物で発生した事故を契機とする措置として、定期調査・検査の対象を見直し、防火設備の検査を徹底したり、調査・検査の資格者に対する監督を強化したりする改正も実施。建築物のエレベーター事故や災害が発生した場合に、現在は認められていない国自らの調査を可能にする規定も設ける。
 木材利用を促進する観点では、耐火構造にしなければならない3階建ての学校などについて、一定の防火措置を講じていれば準耐火構造にできるようにする。


建築センター/天井脱落対策の技術評価業務開始/建基法施行令に基づき大臣認定(日刊建設工業新聞)よりH26.01.29紹介
 日本建築センター(松野仁理事長)は、国土交通相から特殊天井に関する性能評価機関の指定を23日付で受け、天井脱落防止技術の評価業務を開始した。特定天井の技術基準(国交省告示771号)が適用されない特殊構造の天井に対する性能評価と、特定天井の工法などに関する評定の二つの業務を行う。特定天井審査委員会(委員長・元結正次郎東工大教授)を設置して審査に当たる。
 4月1日施行の改正建築基準法施行令で、地震の揺れによる建築物の天井脱落を防止する措置が新築・増改築時に義務付けられる。対象は6メートル以上の高さにある面積200平方メートル以上のつり天井。施行後は、国交省が告示で定める構造方法を採用するか、個別に大臣認定を取得することが必要になる。
 建築センターは、天井脱落対策に関する指定性能評価機関として業務を実施。特殊な構造の特定天井について性能を審査・評価し大臣認定する。超高層や免震など時刻歴応答解析を用いる建築物で特定天井を有するものを対象にした性能評価も実施。建築物全体の構造安全性の性能評価の一部として特定天井の性能評価を行い、大臣認定する。
 法令には定められていない特定天井に関する評定業務も任意で実施。特定天井に関する技術基準(告示566号と771号)への適合性を評価し、天井工法の選定や確認申請手続きの円滑化につなげる。詳細は建築センターのホームページ(http://www.bcj.or.jp/)へ。


都市機構検討会/高齢者向け住宅改修施策で中間まとめ/全国でモデル事業実施へ(日刊建設工業新聞)よりH26.01.10紹介
 都市再生機構の有識者検討会「超高齢社会における住まい・コミュニティのあり方検討会」(座長・辻哲夫東大特任教授)は9日、同機構が管理する団地を高齢者や要介護者向けに改修するための施策を柱とする中間まとめを発表した。高齢者が住み慣れた地域で明るく暮らせる住まいの形成に向け、同機構が今後行う施策や解決すべき課題を明示。全国で医療福祉施設の整備や高齢者向け住宅約2万戸供給などのモデル事業を実施することを求めた。
 同機構は、中間まとめを踏まえ、全国にある団地から約100カ所を選定し、改修などのモデル事業を重点的に行う。団地の選定基準は、▽急速な高齢化が見込まれる大都市郊外に立地し、在宅医療福祉施設の地域拠点となり得る1000戸程度の団地▽既にエレベーターが設置され、住戸内の一部改修で高齢者の生活環境を改善できる団地▽住宅の平均家賃が一定額以下の団地―などとする。モデル事業では、24時間対応可能の医療福祉施設「地域医療福祉拠点」の整備などを実施する。
 中間まとめでは、医療福祉施設の整備に向けた行動指針となる「高齢者等安心居住アクションプラン(仮称)」も明示。5年程度の整備目標・方針を盛り込み、ストック改修の計画を示した。今後整備すべき住宅の種類については、▽高齢者の自立歩行を前提とした一定の改修を施した自立高齢者向け住宅▽介助用車いすでの生活を前提とした高度な改修を施した要介護高齢者向け住宅▽認知症高齢者のためのグループホーム―の三つに絞り込むよう提案。ハード整備が必要な既存住宅の修繕実施状況などを把握するとともに、段階的に整備を進めるためのプログラムを作成し、事業を効率的に進めるとした。
 同機構は、事業で得た専門的な知見や経験を体系的に・継続的に蓄積し、高齢者が住みやすい環境を研究する組織を機構内に立ち上げる予定だ。


設計事務所各社/入札不調で手戻り増加/追加フィー少なく、利益の圧迫要因に(日刊建設工業新聞)よりH26.01.09紹介
 建築設計事務所各社が設計業務の手戻り対策に苦慮している。多発する入札不調によって設計や仕様の変更を迫られ、設計内容のミスではない要因で手戻り作業が発生。追加のフィーを得られないケースも多く、利益が圧迫される一因になっている。各社ともコストマネジメントの重要性を訴えるが、建設コストの先行きが読めない現状では、施工期間を見据えた高い精度での積算が困難な状況だ。
 建設業界では、労務費や資機材価格が上昇し、入札の不調や応札者なしという状況が官民を問わず頻発。その影響が建築設計界にも及んでいる。設計事務所には、不調案件の事業計画見直しや設計内容・仕様の変更、民間工事ではゼネコンとの交渉などさまざまな作業が手戻りとして発生。手戻りの業務には報酬が追加されないケースも多く、ある設計事務所の経営者は「単純なコストアップ。利益に直結する極めて大きな問題だ」と頭を抱える。
 大手設計事務所各社は、プロジェクトの初期段階からクライアントにコストを説明。各段階ごとに状況や相場観を伝えるなどして不調リスクの回避に努めている。コストマネジメントの重要性から、コストや積算の部門・部署の強化に動いている事務所もある。手戻りが生じても利益を確保できるよう、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を活用したフロントローディングや、外注費削減に向けた生産システムの内製化に取り組む事務所もある。
 ただ、現状では工事費の先行きは不透明。着工前の見積もり時に、竣工までを見据えた精度の高い積算は困難な状況に陥っている。そうした中、建設コストの実態を把握しているゼネコンが、プロジェクト全体でVE(バリュー・エンジニアリング)提案ができる「デザインビルド(DB)」や「設計・施工一括」発注を求める動きを活発化。設計界の危機感は強まっている。実際に設計・施工一括発注は増加傾向にあり、ある設計事務所の幹部は「こうした流れを食い止めるためにも、設計事務所が円陣を組んで社会的に大きな力にならなくてはいけない」と訴える。別の事務所経営者は「景気浮揚で動きだしたプロジェクトがまた『待ち』の状態になった」とコストアップによる発注手控えを懸念する。
 建設コストの上昇は、これまでに下がりすぎた建設技能労働者の賃金のアップなど処遇改善につながるプラス面がある一方、回復傾向にある建設投資の腰折れを招くマイナス面もあり、業界は当面、難しい対応を迫られることになりそうだ。


4〜9月の新設住宅着工、12・7%増/持ち家・貸家が押し上げ/国交省(日刊建設工業新聞)よりH25.11.01紹介
 国土交通省が10月31日発表した13年度上半期(4〜9月)の新設住宅着工戸数は49万9032戸と前年度同期を12・7%上回った。14年4月の消費増税を控え、10月1日以前に工事契約を結べば増税以降に物件を引き渡しても旧税率が適用される特例措置があるため、主に持ち家と貸家で駆け込み需要があり、全体を押し上げた。年度半期ベースで見ると、着工戸数はリーマンショック直前の08年度上期に次ぐ水準で、増加率は同様に消費増税を翌年に控えていた96年度上期に次ぐ高水準となった。
 着工戸数の内訳は、持ち家(注文住宅)が18万2940戸(前年度同期比13・5%増)、貸家が17万7412戸(13・4%増)、分譲住宅が13万6042戸(12・0%増)。分譲住宅のうち、マンションは6万7631戸(12・9%増)、一戸建ては6万7775戸(11・1%増)だった。マンションの着工戸数を3大都市圏別にみると、首都圏が3万6408戸(2・1%増)、中部圏が4042戸(31・9%増)、近畿圏が1万3614戸(9・3%増)。すべての住宅の着工総床面積は4474万7000平方メートル(12・3%増)だった。9月単月の着工戸数は前年同月比19・4%増の8万8539戸と13カ月連続で増加した。季節調整済み年率換算値は104万4000戸で、リーマンショック以降では08年10月に次ぐ高い値だった。
 一方、住宅を除く民間非居住用建築物の13年度上半期の着工床面積は2468万1000平方メートル(前年度同期比12・7%増)。建物の使途別では、事務所が264万平方メートル(3・8%減)、店舗が461万3000平方メートル(33・8%増)、工場が410万平方メートル(1・5%減)、倉庫が361万2000平方メートル(14・5%増)だった。特に郊外型の大型店舗やネット通販用の物流倉庫が堅調だった。
 9月単月の民間非居住用建築物の着工床面積は前年同月比8・8%増の436万平方メートルと8カ月連続の増加。事務所は3カ月連続の減少で延べ2万平方メートル以上の物件がなかった一方、店舗と工場、倉庫の伸びが全体の増加要因となった。


国交省/中古住宅市場活性化へ環境整備/長寿命化改修に補助、評価手法見直しも(日刊建設工業新聞)よりH25.10.28紹介
 国土交通省は、中古住宅市場を活性化させるため、リフォームや売買を促す環境整備に乗りだした。新築が対象の長期優良認定住宅の建設費補助を14年度から中古の長寿命化改修にも拡大。ホームインスペクション(住宅検査)の充実や建物評価手法の見直しを進めるほか、リフォーム関係の金融商品開発も促す。住宅の取引履歴などの情報を集約したデータベースも構築する。
 政府の成長戦略「日本再興戦略」では、2020年までに中古住宅のリフォーム・流通市場の規模を現在の10兆円(10年度時点)から20兆円に倍増させる目標が設定されている。国交省は14年度予算概算要求に中古住宅市場の活性化に向けた経費として82億円を計上している。このうち65億円を「長期優良化リフォーム推進事業」に投入。現在は新築限定の長期優良認定住宅への建設費補助を既設住宅の改修にも広げる。軸組みを補強する耐震改修や、外壁の断熱性を高める省エネ改修などを行う場合、1戸当たり100万円を上限に改修費の3分の1を補助する。住宅診断の実施と維持保全計画の作成を補助の条件にする。
 住宅の売買前に建築士などが行う住宅検査では、劣化状況や欠陥の有無などをより正確に調べて資産価値を明示できるよう、検査方法のガイドラインを今年6月に作成した。11〜12月には国交相指定の住宅瑕疵(かし)保険法人でつくる住宅瑕疵担保責任保険協会が、東京や大阪などの全国10都市で検査技術者向けにガイドラインに準じた講習を行う。中古住宅の購入希望者が講習を修了した技術者に住宅検査を行ってもらった場合、保険加入審査が簡素化され、費用負担も軽減される。
 木造一戸建てでは築20年で建物価値がほぼゼロになる現在の中古住宅の評価手法も13年度中に見直す。築年数だけで評価する現行手法を、基礎・躯体と部材ごとに評価する手法に改め、正確な耐用年数などを算出できるようにする。9月には金融機関や不動産業者らと意見交換する「中古住宅市場活性化ラウンドテーブル」を設置した。この中で、リフォームローンや、自宅を担保に老後資金を借りるリバースモーゲージなど中古住宅に関係する金融商品の開発を金融機関などに促す。住宅の取引履歴や周辺環境などの情報を一元管理するデータベースも構築し、売買を後押しする。18年度以降の本運用を目指す。


ゼネコン/民間建築の価格競争敬遠/労務・資材高騰で、ウイン・ウインへ正念場(日刊建設工業新聞)よりH25.10.07紹介
 民間建築工事で発注者と価格が折り合わない−。建設業界でそんな声が強まっている。技能労働者が不足し、資材価格も上昇する中、「価格競争は怖くてできない」(ゼネコントップ)のが実情。工事の引き受け手が見つからず、デベロッパーが複数案件をまとめて発注する動きも出始めた。2020年東京五輪の開催決定などを追い風に首都圏では民間建築工事が一段と増える可能性もあり、事態はさらに深刻化するとの見方もある。
 民間建築工事をめぐっては、08年秋のリーマンショック以降の景気の落ち込みなどもあって競争が激化。ゼネコンの間ででは低価格でも受注する傾向が強まった。デフレ状況だったことも要因として大きい。受注時よりも労務・資材価格が下がれば利益を確保できる可能性もあるからだ。しかし、東日本大震災の復旧・復興需要が本格化したことなどで状況は一変。「技能労働者の確保が厳しさを増し、コストが急上昇している」(都内の工事現場の担当者)。13年3月期決算では、労務・資材費の高騰で採算が悪化したゼネコンが多く、低価格での受注は将来の赤字を生む要因になりかねない。
 あるゼネコンのトップは「低価格でも手を挙げるのは、運転資金がない会社。安くても面目のために仕事を取るような大手は、今はいないのではないか」と話す。今後の価格動向について、ゼネコントップの一人は「ゼネコン側の思いが(発注者側にも)徐々に伝わってはいる」としつつも、「デベロッパーも無い袖は振れない。『分譲価格やオフィス賃料を多少上げても大丈夫だ』とならなければ動けないだろう。デベロッパーの工事予算に反映されるまでには時間がかかる」とみる。あるゼネコン幹部は「今までは(利益の面で)民間発注者が一人勝ちしていた。受発注者ともウイン・ウインとなる関係を築き上げたいが、まだ予断は許さない」と指摘する。
 建設業界では、技能労働者の賃金の引き上げや社会保険加入促進など処遇改善へ向けた動きが活発化している。これまでの行き過ぎた価格競争が結果的に下請や技能労働者にしわ寄せされ、産業の魅力が失われると同時に、入職者の減少や離職の増加といった事態を招いてきたからだ。今後は、民間の発注者や一般消費者に対する理解促進が一段と重要になりそうだ。


東京都/豊洲新市場整備が始動/主要施設4棟の工事入札公告(日刊建設工業新聞)よりH25.09.30紹介
 東京・築地(中央区)にある中央卸売市場を豊洲地区(江東区)に移転する事業が本格的に動きだす。都は30日、主要施設4棟の施工者を決める入札手続き4件を公告する。総工費は1300億円。4件とも11月18日に開札の予定。16年2月の完成を目指す。
 移転先は東京ガスの工場跡地約40ヘクタール。敷地内の土壌から環境基準を大幅に上回る有害物質が検出されたことから、都は11年から汚染物質の処理や地下水の浄化などの工事を進めてきた。処理土壌の規模が当初計画よりも大きく膨らんだため、都は工期を今年3月から最長で14年3月まで延長。その影響で市場施設の建設工事も入札が先延ばしにされていた。
 新市場建設予定地の周辺では、先に開催が決まった2020年東京五輪の競技場となる「有明アリーナ」の整備計画や、デベロッパーによるマンション建設計画が相次ぐなど、開発の機運が高まっている。新市場の整備が始まることで、周辺開発もさらに活発化しそうだ。


国交省/公共建築の見積標準書式に法定福利費内訳明示/10月から試行(日刊建設工業新聞)よりH25.09.27紹介
 国土交通省は、公共建築工事の見積書式に、法定福利費の事業者負担分を別途明記する新たな項目を追加し、10月1日以降に入札公告する官庁営繕工事で試行を始める。予定価格の算出に使う見積書式に法定福利費を明記することで、技能労働者の社会保険加入促進につなげるのが狙い。14年度から統一書式として他府省庁などの発注機関でも運用を始められるようにする。
 改定書式の試行にあわせ、予定価格の算出に用いる四つの単価(材料単価、複合単価、市場単価、見積単価)のうち、「複合単価」と「市場単価」について、法定福利費に相当する補正も行う。複合単価は、下請経費の率を従来の中間値から上限値に変更。市場単価が法定福利費に相当する補正を実施する。これにより、予定価格は従来より1・5%程度上昇する効果があるという。
 公共建築工事の予定価格算出に当たっては、1工種につき製造業者や専門業者など3社以上から見積もりを収集した上で単価を決めている。これまでは書式の中に法定福利費の事業者負担分を明示する欄がなかったため、「提示された金額が法定福利費を含むものなのかどうか分からなかった」(官庁営繕部)という。10月1日から試行する新たな見積標準書式には、見積金額の合計欄の下段に、法定福利費の内訳を記す個所を設ける。見積内訳の諸経費は法定福利費を除く金額とし、法定福利費を別途記す項目を追加する。
 国交省は業界団体とともに進める社会保険未加入対策で、元請企業と下請企業の間で法定福利費の内訳を明示する標準見積書の提出が一斉に始まるのに合わせ、公共建築の見積書式も改正することにした。官庁営繕事業で先行的に試行を始め、他省庁などが参加する公共建築工事積算研究会での改定作業を経て、14年度には統一書式の運用を始められるようにする。統一書式は、国立大学を含む独立行政法人や自治体などの活用も想定されている。国交省は、新書式の運用が浸透していけば、民間を含めた建築工事に従事する技能労働者の社会保険加入促進への波及効果も期待できるとみている。


NTTファシリ、竹中工務店ら/BIMとFMデータを連携/建物情報を一貫管理(日刊建設工業新聞)よりH25.09.18紹介
 NTTファシリティーズ、竹中工務店、日本IBMは17日、建物情報を設計から施工、維持管理まで一貫して管理する手法を確立したと発表した。BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)データとFM(ファシリティー・マネジメント)データを連携させる手法で、竣工前に仮想的な竣工や引き渡しが可能になり、維持・運用を反映させて設計を見直し、ライフサイクルコスト(LCC)を削減することができる。実際の建物を対象に試算した結果、LCCを約20%削減できることが分かった。
 従来は維持・運用の視点が設計に反映されず、LCCを削減できる設計や仕様が採用されにくい問題があった。設計・施工時のBIMと、運用・維持管理のFMが別々のシステムのため、竣工図面・図書、設備台帳の作成などに多くのコストと時間がかかるのも課題だった。3社は共同でBIMデータとFMデータを連携させる手法を考案。14年4月に完成を予定しているNTTファシリティーズの自社ビル(S一部RC造地下1階地上4階建て延べ4341・59平方メートル)新築プロジェクトに導入し、内容や効果の検証を行った。
 新手法の導入により、建物の竣工前にコンピューター上で仮想的な竣工(バーチャル竣工)や引き渡し(バーチャルハンドオーバー)が可能になった。バーチャル竣工によって鉄筋や配管の干渉チェック、機器設置スペースの確認、手戻りやトラブルの回避ができる上、LCC削減に有効な設計や仕様を維持・運用の視点から評価できる。バーチャルハンドオーバーにより、通常は引き渡し後数カ月から半年をかけて作成する竣工図面・図書、設備台帳を竣工前に準備でき、ビルオーナーはエネルギーや清掃などの維持管理費を竣工前に正確にシミュレーションできるようになった。
 今回の新築ビルと同規模(約4300平方メートル)の建物で60年間のLCC総額を試算した結果、新手法を導入した新築ビルは同規模建物よりも約20%のLCC削減が見込めることを確認した。3社は今後、BIMとFMの連携手法のさらなる検証を進め、建物のライフサイクル全体を捉えた価値提供の拡大を目指す。


建築学会/震災復興でタスクフォース設置/成果や経験生かし具体的行動促す(日刊建設工業新聞)よりH25.09.03紹介
 日本建築学会(吉野博会長)は、震災復興に関するタスクフォースを設置する。東日本大震災後に発表してきた提言や会員の被災地での活動などを踏まえ、学会の果たすべき使命や担う役割をあらためて検討し、復興に向けた実効性のある行動を促す。8月31日に13年度大会を開いた札幌市の北海道大学で準備会を開き、検討内容や組織体制などを議論。「岩手・宮城」「福島」「将来対応」の3テーマを設定した。今後、具体的な活動方針をまとめ、10月にも1回目の正式会合を開く予定だ。
 学会では、人と生活という視点に立ってまとめた第1次提言(11年9月)を受け、具体的な行動と解説を示した計67項目の第2次提言を8月30日に大会で披露した。このほか、復旧・復興での地域まちづくりに関する提言も12年11月に公表している。
 今回の大会では、震災復興をテーマにした研究集会やシンポジウム、学術講演が数多く行われ、被害調査やまちづくり支援に当たっている会員が成果や課題などを発表した。学会ではこうした成果と経験を生かし、「被災地の復旧・復興に対して継続的、全面的な支援をしていく」(吉野会長)ため、震災復興に関するタスクフォースの設置を決めた。3テーマのうち「岩手・宮城」では、復興に向けた具体的な行動・活動について議論する。「福島」では福島第1原発事故の課題整理を含め復興への対応策などを探る。「将来対応」では、南海トラフや首都直下など発生が予想される巨大震災に対する備えについて検討する。
 総括には副会長の古谷誠章氏(早大)が就き、全般を小野田泰明氏(東北大)が担当する。三つのテーマごとに担当者を据え、分野横断的な組織体を構成する。古谷副会長は「(復興に関して)学会の役割自体を見定める。行政と住民の間に立ち、両者に対して言うべきことを言わなくてはいけない。時には耳の痛いことを言うのも学会の役割だろう」と指摘。さらに「多くの会員がそれぞれ関係のある自治体を支援しているが、その経験を学会内で共有できていない。成功だけでなく、失敗も引っ張り出さなくては駄目だ。実行力があり有効に支援できる人材を育てていく。人的支援の基盤づくりを進めたい」との方針を示している。


国交省/住生活基本計画の実態調査へ/市町村の策定後押し、効果や活用事例把握(日刊建設工業新聞)よりH25.08.27紹介
 国土交通省は、住生活基本法に沿って全国の市町村が進める住生活基本計画の実態調査を行う。住生活基本計画は国と都道府県が策定すると同法で義務付けられているが、市町村による策定は任意。このため既存の住宅マスタープランを含めても策定は4割に満たないのが現状という。国交省は、計画づくりが進まない理由や、地域に密着した市町村が住宅行政を進める上で計画が果たす役割を整理し、計画づくりが進む手だてを検討する。
 住生活基本法は、住宅政策の重点を、「量」の確保から住生活の「質」の向上へと転換する目的で06年6月に制定された。住生活基本計画は、同法に基づき、国が全体計画を作るとともに、都道府県にも策定が義務付けられている。国交省は全体計画の第1弾を06年度に策定。15年度までの10年間の目標と基本的な施策を定めた。その後の社会経済情勢の変化や施策効果への評価を踏まえて、11年度から20年度までを期間とする変更計画を策定。特に、▽ソフト面の充実による住生活の向上▽住宅ストックの管理・再生対策の推進▽既存住宅流通・リフォーム市場の整備推進−などを重視した内容とした。全体計画の変更に伴い、各都道府県での計画の見直しが順次行われている。
 一方、法律上は計画策定義務を課せられていない市町村も、地域に密着した行政機関として国や都道府県と同様に計画を策定することが期待されているが、12年度末現在、策定している市町村は4割に満たない。実態調査では、既に計画を策定している市町村での策定効果や活用事例などを把握。計画づくりがなかなか進まない現状を打開できる施策の検討につなげる。同省は「中身はそれぞれの市町村で違っても、住生活の向上に対する問題意識を持ってもらうためにも計画を策定することを期待している」(住宅局住宅政策課)としている。
 市町村計画の現状と課題の整理に加え、実態調査では深刻化している空き家問題も調べる。空き家や所有者の特定、劣化状況の把握などの先進的な取り組みを調べ、空き家調査マニュアルの作成に反映させる。最低居住水準などを踏まえた賃貸住宅の現状の整理・分析も行う予定だ。


スポーツ振興センター/国立競技場整備発注者支援業務/山下設計JVに(日刊建設工業新聞)よりH25.08.23紹介
 日本スポーツ振興センター(JSC)は22日、公募型プロポーザル方式(WTO対象)で選定した「新国立競技場等整備に係る発注者支援業務(平成25年度)」の委託先を山下設計・山下ピー・エムコンサルタンツ・建設技術研究所JVに決めた。JSCは今後、同JVと見積もり合わせを行い、契約を結ぶ。プロポーザルでは、山下設計JVのほかにレンドリースジャパンが技術提案(480点満点)も行ったが、山下設計JVが最も高い415・6点だった(レンドリースジャパンは275・8点)。
 山下設計JVは今後、JSCが新国立競技場(東京都新宿区霞ケ丘町10の1、延べ床面積約29万平方メートル)の本体の基本・実施設計を発注する際の技術的な支援を行う。業務内容は、▽業務方針の説明▽設計図書の確認(設計の進行状況や設計内容の確認ほか)▽設計図書の確認結果の報告―など。業務の履行期間は14年3月31日。発注者支援業務には山下設計JVのほか、構造アドバイザーとして川口衛法政大学名誉教授、環境アドバイザーとして尾島俊雄早稲田大学名誉教授が加わる。
 新国立競技場は19年ラグビーワールドカップや、東京招致を目指す20年夏季五輪のメーン会場として使うため、デザインを英国在住の建築家ザハ・ハディド氏に委託して8万人集客できる全天候型屋根付きのスタジアムとして建て替える。総工費は1300億円を想定する。
 基本計画に当たるフレームワーク設計は日建設計・梓設計・日本設計・アラップ(オーヴ・アラップ・アンド・パートナーズ・ジャパン・リミテッド)JVが担当し、9月末までの納期で業務を進めている。13〜14年度の基本・実施設計を経て14年7月に既存施設の取り壊しに着手、15年10月に完了させる。本体着工は同年10月、19年3月完成を目指す。


国交省/住宅性能表示制度改正案/1次エネ消費量の評価項目追加、液状化情報も(日刊建設工業新聞)よりH25.08.21紹介
 国土交通省は、住宅の構造耐力や省エネ性能などを評価・表示する住宅性能表示制度を見直す。評価項目(新築は全10分野32項目)に、給湯などの設備を含めた1次エネルギー消費量を評価する項目を導入する点が大きな柱。必須評価項目も住宅購入者の関心が高い省エネなどに厳選。地盤の液状化に関する情報も提供できるようにする。15年4月の施行を目指す。
 制度改正案を20日に開かれた社会資本整備審議会建築分科会(会長・久保哲夫東大名誉教授)に提示した。意見募集と分科会の承認を経て年内にも新制度を告示する。改正案の柱は、▽省エネ性評価項目の見直し▽必須・選択評価項目の範囲変更▽液状化に関する情報提供−の3点。改正の最大のポイントは、温熱環境分野の評価項目にある省エネ対策項目を見直し、給湯や冷暖房といった設備の性能や太陽光発電などの創エネを総合的に評価する1次エネ消費量(家電除く)の項目を設ける点。住宅の1次エネ消費量は年々増え続けているため、ここに特化した評価項目を設けて省エネ設備の導入を促す。
 1次エネ消費量の評価では、低炭素建築物認定基準の評価方法にならい、消費量が改正省エネ基準比でマイナス10%以上となった場合に最高評価の5等級を与える。5等級を得ると具体的な消費量(見込み)も併記でき、省エネ性能をアピールしやすくなる。吹き抜け空間が広い住宅などがあることを考慮し、断熱性能の評価もより正確に行えるよう評価算定方法を変更。現行制度では床面積だけの総熱損失量としている評価算定方法を、外壁や窓なども含めた外皮表面積当たりの総熱損失量に変える。
 このほか、必須としている評価項目の割合を大幅に減らし、住宅購入者の関心が特に高い省エネや耐震、維持管理などの一部に限定する。新築の共同住宅の場合、必須評価項目は現在の28項目から7項目に減らし、評価にかかる負担軽減を図るとともに、住宅の選択自由度を高める。東日本大震災を教訓に、評価書の中で液状化に関する情報提供を行う仕組みも整備する。住宅性能表示制度は住宅品質確保促進法に基づき、住宅の構造耐力や省エネ性能などを評価・表示する任意の制度。12年度は新築住宅の20%強に利用されている。


長崎建産連が発足/地域建設業発展へ27団体参加/会長に谷村隆三氏選任(日刊建設工業新聞)よりH25.07.26紹介
 長崎県内の建設関連産業が一つになり、労務単価の引き上げなど問題解決に取り組むことを目的に組織化の準備を進めていた「長崎県建設産業団体連合会(長崎建産連)」の設立総会が24日、長崎市内のホテルで開かれ、会長に長崎県建設業協会(長崎建協)の谷村隆三会長を選出するとともに、事業計画などを承認した。長崎建産連には、正会員22団体、賛助会員5団体の計27団体が参加。参加団体に加盟している会社の総数は1600社程度、従業員数は数万人規模に上るとしている。ほかにも14団体が参加を検討中という。地域建設業の発展に向けた取り組みが加速しそうだ。
 長崎建産連の設立は、県内の総合建設業者で構成する長崎建協の谷村会長の呼び掛けで実現。谷村会長によると、2年前の東日本大震災以降、災害に強い国土を形成するために社会資本整備を推進する必要性が指摘され建設投資の拡大など建設業界に明るい兆しが見えているが、一方で若年労働者が不足。将来に向けて技術・技能の継承が難しくなっているなどの問題を抱えているという。谷村会長は、公共事業に対する国民の見方が変化しているのを機に、地域建設業の将来の発展に向けた布石を打つため、関連団体が一致協力して問題の解決に取り組む必要があると判断。建築士事務所団体や設備業者団体、専門工事業団体などに参加を打診し、長崎建産連を設立するための準備を進めていた。
 事業計画では、元請・下請関係の適正化や公共事業費の確保などに取り組むとしているが、当面の課題として労務単価の引き上げと社会保険未加入問題に重点を置き、活動を展開する方針。組織体制を強化するため、未加入団体への参加呼び掛けや一般社団法人化、全国建設産業団体連合会(全国建産連)への加盟に向けた手続きなども進める。長崎建産連の全国建産連への加盟が決まれば全国で35番目となり、九州・沖縄地区の全県がカバーされる。
 設立総会には、参加団体の関係者をはじめ、来賓の日原洋文国土交通省大臣建設流通政策審議官や全国建産連の北川義信会長らが出席。日原審議官は「労務単価の引き上げは、若い人材の入職を促進させるのが大きな目的。こうした問題には、建設関連産業が一体となって取り組むことが重要なので、長崎県建産連の活動に大いに期待している」と述べた


天井脱落防止対策を義務化/改正建基法施行令が閣議決定/14年4月施行(日刊建設工業新聞)よりH25.07.11紹介
 地震の揺れによる建築物の天井脱落を防止する措置を新築時や増改築時に義務付けた改正建築基準法施行令が14年4月1日に施行される。対象となるのは6メートル以上の高さにある面積200平方メートル以上のつり天井。施行後は、国土交通省が告示で定める構造方法を適用するか、個別に国土交通大臣認定を取得することが必要となる。非構造物材である天井に関する耐震基準を設けるのは初めて。構造方法を定める告示も近く出す予定だ。
 改正施行令は9日の閣議で決定した。告示で定める構造方法では水平方向の地震力に対して斜め部材を配置するとともに、天井が揺れて壁にぶつからないよう周辺にクリアランスを確保することを求める。大臣認定を取得する場合は、時刻歴応答解析などで性能を検証することが必要になる。
 増改築の際は既存天井も対象になるが、新築と同様の措置を求めることは難しいため、特例措置を導入。天井材が地震で損傷しても落下しないようネットを張ったり、天井面の構成材をワイヤでつったりすれば増改築を認めるようにする。エレベーターやエスカレーター、遊戯施設にも脱落防止措置を義務付ける。天井と同様に、告示で定める構造方法の採用や大臣認定が必要となる。


設計指針を1月策定/文科省/防災、長寿命化に対応(建設通信新聞)よりH25.07.01紹介
 文部科学省は、国立大学法人施設を設計する際の基本方針や、施設水準の確保と設計に当たっての留意事項を示す「文教施設設計指針(仮称)」を、2014年1月に策定する。1999年に制定した「国立文教施設設計指針」をほぼ全面的に改定する考えで、災害時の安全確保や施設の長寿命化、効率的な施設の維持管理、省エネルギーなどの記述を充実させる。研究室や講義室など、大学施設の主要諸室設計の留意点も新たに記載する。14年度から各法人で指針を使ってもらう。
 指針の策定に向け文科省は、特別協力者を含む有識者11人で構成する「国立大学等施設の設計に関する検討会」を設置、4日に初会合を開く。また、技術的、専門的な知見から指針の内容を効率的に検討するため、検討会の下に7人で構成するワーキンググループ(WG)も設けた。WGは31日から始動する。ともに設計事務所や維持管理関係などの実務経験者が委員に就いている。
 大学は現在、大学機能の再構築・強化や教育の質的転換、グローバル化対応、地域社会との連携といった改革が求められている。教育研究活動の基盤である施設も、安心・安全の確保と長寿命化、効率的な維持管理などの課題を抱えている。
 こうした状況から文科省は3月、既存キャンパスの長所を生かすことを前提に知恵とアイデアを集め、大学の機能強化とともに個性、特色が伸びるようキャンパスを創造的に再生することを、今後の国立大学キャンパス整備で目指すべき姿として打ち出した。この「キャンパスの創造的再生」を踏まえ、国立大学法人がそれぞれの施設を設計する際に参考となるよう指針を策定することにした。
 指針には、10年3月にまとめた「実験施設の整備などにおける安全衛生対策の留意点」の内容も反映させる方針。
 施設設計指針は「施設設計に当たっての留意事項を示す各論的なもの」(官房文教施設企画部)で、同指針の上位に位置付けられ、今後のキャンパス整備の基本的な視点を示す総論的な「キャンパス整備計画指針(仮称)」も今秋までに策定する予定だ。2つの指針に基づいて、各法人は長期的な視点に立った施設整備を進めていく。
 検討会とWGの委員は次のとおり(敬称略)。
 〈国立大学等施設の設計に関する検討会〉
 ▽伊香賀俊治(慶大理工学部教授)▽上野武(千葉大キャンパス整備企画室長・教授)▽香山壽夫(東大名誉教授、香山壽夫建築研究所長)▽小山薫(東工大施設運営部長)▽澤野由紀子(聖心女子大文学部教授)▽竹内徹(東工大大学院理工学研究科教授)▽田村圭子(新潟大危機管理本部危機管理室教授)▽古橋秀夫(全国ビルメンテナンス協会専門委員、東京美装興業技術顧問)▽堀川晋(日建設計執行役員設備設計部門副代表)▽山本仁(阪大安全衛生管理部教授)▽齋藤福栄(国立教育政策研究所文教施設研究センター長、特別協力者)
 〈国立大学等施設の設計に関する検討会ワーキンググループ〉
 ▽安蘓秀徳(日本ファシリティマネジメント協会理事公共施設FM研究部会長、東京美装興業事業開発部長)▽上野武(千葉大キャンパス整備企画室長・教授)▽金田勝徳(構造計画プラス・ワン代表)▽小泉治(日本設計第2建築設計群副群長)▽小山薫(東工大施設運営部長)▽矢島知子(お茶の水女子大大学院人間文化創成科学研究科准教授)▽山口義雄(日建設計設計部門計画長)


建築学会・吉野博会長ら会見/レジリエントで持続可能な社会実現へ総力結集(日刊建設工業新聞)よりH25.06.26紹介
 日本建築学会の吉野博会長(東北大名誉教授、秋田県立大客員教授)ら首脳は25日、東京・芝の建築会館で記者会見し、13年度の活動方針などを明らかにした。5月末の通常総会で就任した吉野会長は「東日本大震災の経験を生かし、レジリエント(回復力のある)で持続可能な社会の実現に向けて総力を結集できる学会を目指す」との方針を表明。復興支援活動を通じて、エネルギー需給や限界集落など日本全体の課題解決にもつなげていく考えを示した。
 吉野会長は、原発事故の影響で岩手、宮城両県と比べ福島県の復旧・復興が目に見えて遅れていると指摘。「放射能汚染の問題や、復興格差・支援格差などの課題について、他の学協会と連携しながら力を尽くしていきたい」と述べた。「気候変動による災害の防止についても検討を進める」と強調。近年増加している豪雪や豪雨、竜巻などの気象災害や猛暑による熱中症を例に挙げ、「集中的に研究を進める必要性を感じている。タスクフォースを設けて情報収集し、課題を明確にした上で調査研究を推進する」との考えを示した。
 吉野会長と共に会見した副会長の六鹿正治(日本設計社長)、竹脇出(新任、京大教授)、古谷誠章(同、早大教授)、小林照雄(同、大林組常務執行役員設計本部長)の4氏も各担当分野の活動方針を説明した。総務財務担当の六鹿副会長は「定款に『社会貢献』を明記した学会が健全に歩んでいけるようにしっかりと下支えしていく」と述べた。学術レビューと支部を担当する竹脇副会長は、活動を活発化させて会員増強を図るためにも、「若手や支部への支援に重点的に取り組む」との方針を示した。
 教育推進(新設)と国際を担当する古谷副会長は、JABEE(日本技術者教育認定機構)認定制度によって日本の建築教育の国際化が始まっていることを説明。「多くの大学にJABEE認定を推進してもらうよう働き掛けていきたい」との考えを示した。社会ニーズへの対応と普及啓発を担当する小林副会長は、産学連携に意欲を示すとともに、「学会活動を通じて建築学の発展・向上、サステナブル社会の実現に力を尽くしていきたい」と述べた。


国交省/「適判」制度の見直し着手/社整審部会に方向性提示、仮使用承認も議論(日刊建設工業新聞)よりH25.05.22紹介
 国土交通省は、建築物を計画する事業者の負担が大きいとされる構造計算適合性判定(適判)制度や建築確認の変更手続きなどを見直すための具体的な検討に着手した。建築確認を行う建築主事と指定構造計算適合性判定機関への二重説明や、判定員不足による審査期間の長期化といった申請者の負担を軽減する仕組みを検討。建築確認の変更申請については、テナント決定のたびに変更が必要になっている実態を踏まえ、手続きの円滑化方策を探る。国交省は、20日に開かれた社会資本整備審議会(社整審、国土交通相の諮問機関)建築分科会の建築基準制度部会に、確認検査制度の見直し検討の方向性を記載した資料を提出した。同部会の次回会合で具体的な議論に入る。
 現状の適判審査では、建築主事と指定構造計算適合性判定機関が別々のため、申請者はそれぞれに相談をし、指摘を受ける必要がある。加えて、判定機関が事実上一つしかない府県が15に上り、判定員の人数にも限度があるため審査期間が長期化する傾向もある。このため国交省は「申請者側の負担軽減と審査側の効率的な対応を可能とする仕組みを検討する」としている。
 適判件数に対応した審査・相談体制づくりや、判定機関が審査対象外の図面の整合性なども審査している問題についても改善策を探る。さらに、現状では地上3階建ての一部住宅やエキスパンションジョイントで接続された小規模な建築物まで適判の対象になっているため、対象建築物の見直しも検討する。
 建築物の着工後、テナント決定のたびに建築確認の変更申請が必要となっている問題や、指定確認検査機関が建築確認を行った建築物で工事中の一部使用(仮使用承認)まで時間と手間がかかる問題についても是正策を検討する。このほか▽昇降機や遊戯施設の建築確認審査▽昇降機などの定期検査報告制度▽昇降機などの維持・運行管理−なども検討課題としている。


渋谷駅ビル開発(東京都渋谷区)が本格始動/東急電鉄、東横線旧駅舎解体に着手(日刊建設工業新聞)よりH25.05.20紹介
 東京の渋谷駅で計画されている高さ約230メートルの超高層駅ビル開発が本格的に動きだした。建設地にある東急東横線の旧地上駅舎の解体が東急建設などの施工で始まった。駅ビルを計画している東京急行電鉄などは15年度の本体着工、20年の完成を目指す。
 渋谷駅の超高層駅ビル開発は東急電鉄が中心となり、同駅に乗り入れているJR東日本や東京メトロと共同で進める。東急電鉄は、渋谷駅南側にある代官山駅方面に伸びる東横線の旧地上線路跡にも高さ約180メートルのホテル・業務ビルを建設する。東急建設などの施工で線路を解体した後、本年度中に本体着工、17年度に完成を目指す。
 新たな駅ビルは都内最高層の駅ビルになる見通し。昨年4月に渋谷駅前に開業した高さ約183メートルの複合ビル「渋谷ヒカリエ」と並ぶ渋谷のランドマークになりそうだ。


国際建築活動支援フォーラム/3助成事業を本格始動/タイ交換研修やスペイン留学(日刊建設工業新聞)よりH25.02.26紹介
 若手建築家の海外進出など建築界の国際化を支援するため12年3月に発足した国際建築活動支援フォーラム(JSB、小倉善明理事長)は、若手の海外活動への助成事業を開始する。日本とタイ両国の30歳未満の実務経験者による交換研修を支援する助成事業を実施。タイへの研修生と、タイからの受け入れ事務所を近く募る。スペインの大学が主催する建築デザインプログラムの学費や、海外と関わる機会になる自主プログラムの活動費にも助成を行う。小倉理事長は「まずは3年間活動を続け、良い成果を挙げていきたい」としている。
 JSBは、11年秋に開かれた国際建築家連合(UIA)2011東京大会の収益を基に次世代の人材育成活動を支援する一般財団法人として設立された。東京大会日本組織委員会(JOB)の正副会長が役員に就任。日本建築家協会(JIA)、日本建築士会連合会、日本建築士事務所協会連合会、日本建設業連合会、日本建築学会の5会がバックアップし、海外での実務経験や学生の留学などを支援する。
 今回、先導的事業として開始するのは、▽日本・タイ建築設計実務交換研修助成▽国際建築士養成プログラム助成▽海外活動自主プログラム助成―の三つ。タイとの事業は、JIAとタイ王立建築家協会(ASA)が12年11月に交わした覚書に基づき、両国それぞれの若手建築家を相互交換するプログラムとして実施。30歳未満で2〜3年の実務経験者を両国でそれぞれ3人ずつ研修させる。研修期間は原則1年。日本からの研修生は英語で会話ができる1級建築士を原則とし、タイからの研修生はASA推薦の若手建築家で研修に必要な会話能力と職歴があることを原則とする。応募要項などは5会のホームページからダウンロードできる。
 国際建築士養成プログラム助成事業は、スペイン・マドリード欧州大学の「建築デザイン・3大陸マスターコース」への留学を支援する。同コースでは14年1〜9月の間にマドリード欧州大、中国・同済大、米サンディエゴ大の順で3カ月ずつ滞在し、すべて英語で建築・都市計画を学ぶ。修了者には修士号が授与される。JSBは2人を選抜し学費の全額を支給する。申し込み期間は3月4日〜4月30日。

 

大手ゼネコン/建築の粗利が低下傾向/労務費上昇で採算厳しく(日刊建設工業新聞)よりH25.02.08紹介
 大手ゼネコンの建築工事の完成工事総利益率(粗利益率、単体ベース)が低下している。12年4〜12月期決算を7日に発表した鹿島、清水建設、大成建設の粗利益率は期初から減少傾向。労働者不足が深刻化し、労務費が上昇しているのに加えて、大型案件で受注時に見込んでいた採算改善が進まなかったことなども背景にある。年度末の繁忙期にかけて、労働需給はさらにひっ迫する見通しで、労務を経営環境の悪化要因に挙げる社も出てきている。
 期初と比較すると、12年4〜12月期は鹿島は2・8ポイント、清水は1・7ポイント、大成は0・4ポイントそれぞれ粗利益率が下落した。
 労務費は上昇基調にあり、各社とも施工中のコスト削減に一段と力を入れている。ただ型枠工や鉄筋工の不足が慢性化していることで、躯体関係の工程が長引いた工事では、玉突き的に仕上げ工事に影響が及ぶことが予想される。工期順守のための追加工事などが必要になった場合、利益率はさらに低下する懸念がある。上昇傾向に転じた資材費を吸収する余力も乏しくなってきている。
 労働者不足を認識し、今後の発注工事の価格に現状を反映させる民間発注者も出てきてはいる。しかし、ある大手ゼネコンは「労務費上昇の影響はこれから」と見ており、適正価格をめぐる受発注者間の協議の行方が注目される。


12年の新設住宅着工、5・8%増/3年連続増、首都圏・近畿圏で堅調/国交省(日刊建設工業新聞)よりH25.02.01紹介
 国土交通省が1月31日発表した12年(1〜12月)の新設住宅着工戸数は、前年比5・8%増の88万2797戸となり、3年連続の増加となった。マンションは、堅調な首都圏に加え、近畿圏が3年連続で2桁増となるなど、増加傾向が鮮明になってきた。100万戸台で推移していた08年秋のリーマンショック以前に比べると依然、低水準だが、東北の震災被災地での住宅整備が今後加速することなどから「緩やかながら回復基調が続く」(総合政策局建設統計室)としている。
 着工戸数の内訳は、持ち家31万1589戸(前年比2・0%増)、貸家31万8521戸(11・4%増)、分譲住宅24万6810戸(5・2%増)。分譲住宅のうちマンションは12万3203戸と前年比5・5%の増加。3大都市圏別にマンションの着工戸数を見ると、中部圏が3年連続で7000戸台にとどまり足踏み状態が続く一方、首都圏と近畿圏は堅調に推移した。
 新設住宅の着工床面積は7841万平方メートル(前年比4・1%増)となっている。住宅を除いた12年の民間非居住建築物の着工床面積は4・1%増の7841万平方メートルとなった。使途別では事務所(529万平方メートル)、店舗(656万平方メートル)、工場(806万平方メートル)、倉庫(596万平方メートル)の全分野で2桁の大幅増となった。住宅も含めた全建築物の着工床面積は4・8%増の1億3261万平方メートル。内訳は公共が1・6%増の860万平方メートル、民間が5・1%増の1億2401万平方メートルだった。


政府・与党/13年度税制改正大綱を決定/住宅ローン減税・改修特例を拡充(日刊建設工業新聞)よりH25.01.25紹介
 自民・公明両党は24日、13年度の与党税制改正大綱を決めた。経済成長を後押しし、防災・減災対策を加速するため、13年末に期限が切れる住宅ローン減税や、住宅の耐震改修などリフォーム工事の特例措置をそれぞれ拡充。都市再生緊急整備地域などでの税制特例も拡充し、産業競争力の強化につなげる。15年10月に自動車重量税を減税した上で、その使途を道路整備に限定する「特定財源」に改めることや、工事請負と不動産譲渡の契約書にかかる印紙税の大幅な負担軽減措置も盛り込んだ。
 09年度から一般財源となっている自動車の取得税と重量税については、15年10月に取得税を廃止。重量税は減税した上で、使途を道路整備に限定した特定財源に移行する。山梨県の中央道笹子トンネルの天井板崩落事故を受け、道路施設の維持管理・更新事業などを加速するための財源を確保する狙いだ。
 住宅購入者を支援するための住宅ローン減税については、14年4月から17年12月まで4年間延長し、所得税や住民税から控除できる額を現行の2倍となる40万円に拡大する。さらに、住宅のリフォーム工事(耐震・省エネ・バリアフリー)をした場合は工事費などの10%を所得税から控除できる特例措置も延長・拡充する。14年4月から耐震・省エネのリフォーム工事は最大控除額を現行の20万円から25万円に、バリアフリーのリフォーム工事は最大控除額を現行の15万円から20万円にそれぞれ引き上げる。期限は17年12月まで。リフォーム市場の拡大を通じて不動産流通を促進し、経済活性化につなげる。
 都市再生緊急整備地域と特定都市再生緊急整備地域で認定事業者が行う開発事業への特例措置(所得税・法人税・登録免許税・不動産取得税・固定資産税などの控除・軽減)も14年度から2年間延長する。このほか、Jリート・特定目的会社に対する不動産流通税(不動産取得税の課税標準の5分の3を控除など)の特例措置(13年4月から15年3月まで)の延長など国土交通省関係では28項目の改正事項が盛り込まれた。


日建連/住宅委員会が始動/マンション建替・改修促進へ議論・提言(日刊建設工業新聞)よりH25.01.24紹介
 日本建設業連合会(日建連)は23日、新設した「住宅委員会」(委員長・大栗育夫長谷工コーポレーション社長)の初会合を開き、老朽化マンションの建て替え促進をはじめとする住宅分野の課題解決策の検討をスタートさせた。大地震に対する危険性が指摘される老朽化マンションなどの建て替えや改修を促進する制度・税制面の方策などを議論し、国土交通省などの関係機関への提言などを展開していく。
 マンション・住宅分野の課題にはこれまで、建築本部制度委員会の住宅部会で対応していたが、発信力を高める狙いで委員会に格上げした。初会合の冒頭、大栗委員長は「建築の安全・安心の確保などへの貢献を目指し、関係団体と協力して諸課題に取り組む」と方針を語った
 老朽化が進むマンションや団地などの集合住宅では、大地震時の危険性や居住環境の悪化などの問題が指摘されているが、区分所有者の合意形成などがハードルとなって建て替えや改修がなかなか進まないのが現状。会合後の記者会見で大栗委員長は「分譲マンションは権利者が多く、合意形成が難しいが、老朽マンションがスラム化するとの予測もあり、民間の立場から意見を出していきたい」と述べた。さらに、日影条例などの既存不適格マンションの問題も指摘し、「住民が満足し、円滑に建て替えや改修ができるような制度・税制・補助金が必要だ」との認識も示した。
 会合では、国交省住宅局の担当者による講演も行われ、当面の重点課題について議論。建て替えやストックの質向上を図る改修などを促進するための調査・研究や要望・提言を行っていくことを確認した。日建連は、消費税引き上げ時の住宅取得に対する税負担軽減、マンション建て替えの決議要件緩和、容積率の緩和などを政府に要望済みで、こうした課題でも議論を深める。


文科省/木造校舎の構造設計標準で骨子案/現行標準は存続、教室の多様性に対応(日刊建設工業新聞)よりH25.01.21紹介
 文部科学省の「木造校舎の構造設計標準の在り方に関する検討会」(長澤宏座長)は18日、第3回会合を開き、報告書の骨子案をまとめた。現行の木造校舎の構造設計標準(JIS A3301)は存続させるが、現在の状況に対応した改正を行うとした。その際、大規模な木造建築物の設計経験がない設計者でも設計できるようにするほか、木造ならではの魅力ある空間を実現することも求めている。3月の次回会合で報告書をまとめる。
 改正後も現行の設計標準と同様、ユニット(単位教室部分)ごとに規定。教室の多様性に対応するため、ユニットにはバリエーションを設けるとした。寸法体系もある程度幅のあるものにして、多様な空間構成を可能にする。当面は平屋と2階建てまでとし、3階建て以上は建築基準法の改正後に対応を検討する。
 骨子案は木造軸組工法を前提にまとめている。ツーバイフォー工法など、他の工法の取り扱いは今後検討する。木材は今のところ国産材には限定していない。屋根形状は切り妻だけでなく、片流れも認める方向だ。現行基準は1956年に制定され、83年の改正以降見直されていないため、技術開発の進んだ現状に適していないという指摘があった。一方で、大規模な木造建築の設計経験のある建築士は少ない。


老朽ビル耐震化 官民ファンド創設へ(NHK)よりH25.01.06紹介
 政府は緊急の経済対策として、老朽化したビルの耐震化や省エネ化を支援する官民連携のファンドを創設する方針を固め、今年度の補正予算案に補助金として数百億円を盛り込む方向で調整に入りました。
 政府はデフレからの脱却を最重要課題とする安倍総理大臣の指示を受け、緊急経済対策として今年度の補正予算案の編成作業を急いでいます。
 この中で、政府は老朽化したビルの改修事業を支援するため、政府と民間の金融機関などが連携して出資する官民ファンドを創設する方針を固めました。
 国土交通省によりますと、バブル崩壊以降の不動産市場の低迷で、ビルの所有者の資金不足から老朽化が進んでも改修されず、耐震性が低いビルも少なくないのが実情だということです。
 このため、新たに作る官民ファンドは、ビルの耐震化や省エネ化を進めることなどを条件に、建物の建て替えや修繕を資金面で支援し、民間の不動産投資の呼び水にしたいとしており、そのための補助金について今年度の補正予算案に数百億円を盛り込む方向で調整しています。
 政府が民間の不動産事業を直接的に支援するのは極めて異例ですが、不動産市場の活性化が長引くデフレからの脱却にもつながる措置だとして実施する方針です。


鉄骨建物、短工期でコスト抑える新工法 職人不足に対応(asahi.com)よりH24.11.26紹介
 建設会社の新日鉄住金エンジニアリングは、鉄骨の工場や倉庫などの工期をこれまでの3分の2に短縮する工法を開発した。建設に携わる工員の数が減り、建設費も1割程度抑えられるという。復興需要で人手不足になっている東日本大震災の被災地での活用も見込む。
 新しい工法でつくる最初の建物は、宇都宮市にある工業団地内の倉庫で、10月から建設を始め、11月中に完成する予定だ。
 建設現場での作業を極力減らすため、事前につくっておく部品の数を増やした。現場に持ち込んだ部品を組み立てればよいので、時間がかからない。


11年度下期の建築リフォーム受注、1・9%増/東北3県で大幅増/国交省(日刊建設工業新聞)よりH24.11.19紹介
 国土交通省は、11年度下半期(11年9月〜12年3月)受注分の建築物リフォーム・リニューアル調査結果をまとめた。受注高は、4兆2583億円(前年同期比1・9%増)。地域別に見ると、東日本大震災で特に大きな被害を受けた岩手、宮城、福島の3県で受注高の合計が前年同期比115%増と大幅なプラスとなった。内訳は、住宅が171%増、非住宅が106%増で、住宅の方が伸びが大きい。工事目的別でも、住宅では耐震性能の向上に関する工事が21・4%増と伸びており、震災の影響が現れているといえそうだ。
 全体の受注高のうち、住宅は1兆6408億円(0・9%増)、非住宅は2兆6175億円(2・5%増)だった。非住宅の内訳を見ると、事務所が60・5%増と増加幅が大きく、宿泊施設が13・8%増、生産施設が9・6%増で続いている。
 工事目的別では、「劣化や壊れた部位の更新・修繕」の受注件数が住宅・非住宅とも最多となっている。増加率で見た場合には、住宅では「耐震性向上」、非住宅では「アスベスト(石綿)対策」が最も高かった。工事部位別の内訳では、住宅では「内装」「給水給湯排水衛生機器設備」、非住宅では「内装」「空気調和換気設備」の受注件数が多い。
 平均工期は、受注額100万円以上200万円未満の住宅の場合で21・4日、受注高500万円以上1000万円未満の事務所の場合で46・7日だった。11年度全体の受注高は、8兆5053億円(前年度比1・6%増)で、このうち住宅は3兆0706億円(1・6%増)、非住宅は5兆4347億円(1・7%増)となった。


日建連/新国立競技場整備にDB方式採用を再要望/「最高の建築」実現に不可欠(日刊建設工業新聞)よりH24.11.13紹介
 日本建設業連合会(日建連)は9日、2019年のラグビーワールドカップ開催や20年五輪の招致を視野に構想が進む国立競技場(東京都新宿区)の改築プロジェクトについて、デザインビルド方式などの発注方式を検討するよう事業主体の日本スポーツ振興センターに要望した。日建連は今年8月にも同様の要望書を出しているが、基本構想の国際コンペの最終結果が近く発表されることから、次のステップへ進むに当たって、設計と施工が一体となる発注方式の重要性をあらためて訴えた。
 改築プロジェクトの基本構想コンペでは、第1次の審査結果が10月30日に発表され、計11のデザイン案が公表されている。各作品とも開口部が極めて大きく、複雑な形態の開閉式屋根などを設ける案となっている。日建連では、こうしたデザイン案で実際に工事を進めることになれば、構造や機械設備、架設などについて極めて慎重な検討が必要となるとみている。
 高度の技術と知見を結集した最高の建築を目指すためにも、設計と施工を切り離す発注方式は望ましくないと指摘。基本設計以降は、設計と施工を一体のチームで担当できるような手法を採用し、施工上の技術やノウハウを早期に設計へ反映すべきだと主張している。屋根が開閉するかどうかによって、風力や音響効果、消防活動、観客の避難といった条件が大きく変わることから、風洞実験や音響実験、煙の拡散実験などの綿密な検討・検証も必要だと強調している。


国交省/BIM導入へ環境整備検討/民間プロの実態調査、維持管理含め活用推進(日刊建設工業新聞)よりH24.11.06紹介
 国土交通省は、官庁営繕事業へのビルディングインフォメーションモデリング(BIM) の活用に向けた本格検討に乗りだす。設計段階でBIMを試行した物件で、施工段階にも導入して効果を検証。BIMを採用した民間ビルの設計・施工者や管理者へのヒアリングも行って活用状況を調査する。設計・施工・維持管理の各段階でのBIMモデルの作成ルールをまとめ、一連の事業サイクルの中でBIMを円滑に活用できる環境を整える。
 BIMは、建築物の計画段階から設計、施工、維持管理までの過程で、建築の3次元モデルにさまざまな属性情報(仕上げ、材料・部材の仕様・性能、コストなど)を加えることで、計画内容の可視化や設計・施工時の整合性確認といった一連の業務の効率化・高度化を図る。国交省はこれまで、新宿労働総合庁舎(延べ約3500平方メートル)の設計に試行導入し、効果を検証した。今後の施工段階でさらにBIMを活用(基準階施工図の作成、建築・設備の干渉チェックなど)し、効果を詳細に検証する。このほか、本年度は「静岡地方法務局藤枝出張所設計業務」と「前橋地方合同庁舎(仮称)外設計業務」でもBIMの試行活用を進める。
 国内外のBIMの導入事例も調査し、メリット・デメリットを分析。官庁営繕事業でBIMに移行可能な業務内容を整理する。国内事例については、BIMを活用した首都圏の事務所ビルなど5件程度の民間プロジェクトを抽出。それぞれの設計事務所やゼネコン、ビル管理者などにヒアリングを行って活用実態を把握する。加えて、PFI事業の「気象庁虎ノ門庁舎(仮称)・港区立教育センター整備等事業」「中央合同庁舎第8号館整備等事業」の2件では、それぞれ事業者側の提案で設計から施工、維持管理まで事業サイクルにBIMを活用する計画。こうした民間の取り組みも参考にし、官庁施設でのBIM活用のあり方を探る。
 BIMを導入するには受・発注者双方の業務環境が整っていることも必要。国交省は今後の市場動向や導入環境の進ちょくを見ながらBIMの活用を本格化させる考え。同省は「使用ソフトの互換性の問題のほか、設計・施工段階のデータを施設の維持管理段階でいかに効率よく活用できるかが大きな課題」(官庁営繕部整備課)とみている。


12年度上期の新設住宅着工、2・4%増/緩やかに回復基調/国交省(日刊建設工業新聞)よりH24.11.01紹介
 国土交通省が10月31日発表した12年度上半期(4〜9月)の新設住宅着工戸数は44万2948戸と前年度同期を2・4%上回った。全体的に緩やかな回復基調が続いているものの、着工戸数は1965年度の統計開始以来、上半期としては5番目に低い水準にとどまっている。
 上半期の着工戸数の内訳は、持ち家(注文住宅)が16万1247戸(前年度同期比0・7%減)、貸家が15万6503戸(6・3%増)、分譲住宅が12万1457戸(2・3%増)。分譲のうちマンションは5万9908戸(1・3%増)、一戸建ては6万1006戸(3・1%増)だった。着工総床面積は3985万平方メートル(1・0%増)。
 着工戸数は、前年度下期以降、月平均で6万戸台が続いていたが、今年4月以降は7万戸台で推移している。マンションは月ごとに増減のばらつきが大きいものの、春先に大型物件の着工が集中した近畿圏が、低調な首都圏や中部圏をカバーする形で全体を底上げした。9月単月の着工戸数は前年同月比15・5%増の7万4176戸、着工総床面積は12・6%増の665万平方メートルと、いずれも2桁の大幅増で、4カ月ぶりにプラスに転じた。
 一方、住宅を除いた民間非居住用建築物の上半期の着工床面積は2190万平方メートル(4・0%増)。建物の種類別に分けると、事務所274万平方メートル(17・6%増)、店舗345万平方メートル(23・3%増)、工場416万平方メートル(20・4%増)、倉庫315万平方メートル(6・8%増)だった。用途別では医療・福祉用が4月以降マイナスが続いており、国交省では国の補助金事業による需要増の反動と見ている。9月単月の民間非居住用建築物の着工床面積は33・1%増の401万平方メートルと2カ月連続の増加。事務所が大型物件の着工などによって132・8%の大幅増となった。

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社整審分科会/建築基準制度部会が議論開始/木造基準・耐震化促進・確認検査(日刊建設工業新聞)よりH24.10.26紹介
 社会資本整備審議会(社整審、国土交通相の諮問機関)建築分科会の建築基準制度部会の初会合が25日開かれ、当面は建築法体系の中で特に見直し要請の強い▽木造建築関連基準▽確認検査制度▽耐震改修関連規制−の3項目を中心に議論を進めることを確認した。初会合ではこれまでの建築基準制度の経過を踏まえ、基準の合理化や手続きの迅速化、災害時の危険性が高い建築ストックの改善などに向けた課題を整理。12月18日に開く次回会合から個別テーマごとに本格的な議論を始める。今後1年をめどに当面の課題について成果を取りまとめる考えだ。
 部会では、木造建築関連基準のあり方を先行して議論。法令上明記されていない建築物の最低基準として求める防火上の性能(在館者の避難安全の確保、周囲への危険防止など)を検討した上で、木造3階建ての学校に対する要求性能を具体化する。木造3階建て校舎の普及を図るため、一定の仕様などを満たす場合は準耐火建築物とできるよう基準を改正する計画。基礎データ収集を目的に実大火災実験を11年度に実施しており、本年度は基準化を想定した仕様で火災安全性を検証するための実大火災実験を11月にも行う。
 既存住宅・建築物の耐震化促進では、耐震改修に対する支援策強化のほか、耐震性を確保している建物の表示制度、新技術の活用促進策などを検討する。将来発生が想定される大地震に備え、重要建築物に対する規制強化など、耐震化促進策の拡充の方向性も詰める。
 確認検査制度については、構造計算適合性判定制度や計画変更・仮使用承認制度など一連の建築手続きが確実かつ円滑に実施されるよう、審査体制や効率的な手続きのあり方などを検討。建築物の維持保全・事故調査体制の充実強化策も探る。

 

リノベーション・マネジ協会/マンション大規模修繕にオープンブック方式採用へ(日刊建設工業新聞)よりH24.10.23紹介
 マンションの大規模修繕に関わるマンション管理会社や工事会社、設計事務所などで組織する日本リノベーション・マネジメント協会(会長・岡廣樹鹿島建物総合管理顧問)は、分譲マンション大規模改修工事をターゲットに、工事原価や利益、施工体制の情報を開示して施主の管理組合と契約し、施工する「オープンブック方式」による受注活動を会員会社が全国で展開すると発表した。同方式を採用することで契約金額を透明化し、不必要な重層下請を解消。低迷が続く建設技能者の賃金の適正化も促す。
 施主と元請建設会社が契約する一般的な総価請負方式では、下請が重層化するごとに専門工事各社の一般管理費や利益が発生するのに対し、同協会がマンション大規模改修工事向けにオープンブック方式などをとり入れた「価格開示方式」(リノベーション・マネジメント〈RM〉方式)では外注費、材料費、労務費などを積み上げた原価と、報酬(一般管理費+利益)を開示し、完成後に精算する仕組み。
 過度な重層請負を排除することで、積算した労務費を建設技能者に支払えるため、適正な価格による良質な工事と技能者の待遇改善を実現できるという。協会は「オープンブック監査委員会」を設置し、会員会社が受注した工事のRM方式の運用状況をチェックする。専門の委員会で優秀な専門工事会社の育成や職業倫理の啓発にも取り組んでいく。
 同協会は、専門工事会社やマンション管理会社、設計事務所などでつくった「マンションの計画修繕工事専門CMモデル協議会」が中心となり、専門工事会社で構成する「関西分譲住宅仕上業協同組合」が参加して6月27日に設立された。両者は11年度に国土交通省の「建設企業の連携によるフロンティア事業」の補助を受けてRM方式を開発した。新団体には、マネジメント業務を行うマンション管理会社や設計事務所、コンサルタントと、施工を担う専門工事会社が参加、14社でスタートした。今後、ゼネコンの参加も見込んでいる。12月14日に関東、関西、九州に支部を設け、北海道、東北、東海、中四国の支部も順次開設する予定だ。