G-NET 最新厳選地球深部探査船「ちきゅう」

 

 

JAMSTECなど、東北地方太平洋沖地震の巨大地震/津波の発生メカニズムを解明(マイナビニュース)よりH25.12.06紹介
 海洋研究開発機構(JAMSTEC)は12月6日、2011年3月11日に発生し、東日本大震災を引き起こした東北地方太平洋沖地震が発生した際に日本海溝軸付近の浅部プレート境界断層が地震性滑りを起こしていたことを科学的に実証することに成功したと発表した。

JAMSTECなど、東北地方太平洋沖地震の巨大地震/津波の発生メカニズムを解明

 同成果は、JAMSTEC、京都大学、筑波大学、東北大学、山形大学らによる共同研究グループによるもので、詳細は米国科学雑誌「SCIENCE」に、3編の論文として同時に掲載された。
 従来、プレート境界断層浅部は地震性滑りを引き起こさない領域と考えられてきたが、東北地方太平洋沖地震では、海溝軸付近で約50mの水平地殻変動と、約7〜10mの垂直地殻変動が推定されており、これが巨大津波発生の原因になったものと考えられている。
 このような大規模な地殻変動は、浅部のプレート境界断層が地震性滑りを起こしたためと考えるのが妥当であるが、今回、研究グループは、なぜ、これまで地震性滑りを起こさない領域である海溝軸付近にまで断層運動としての破壊(滑り)が伝播したのかの解明に、実際に日本海溝の海溝軸付近において深海科学掘削を行うことで挑んだ。
 具体的には、実際に2012年4月1日〜5月24日と7月5日〜19日の期間に、地球深部探査船「ちきゅう」を用いて震源海域のプレート境界断層浅部から地質試料を採取し、そこから巨大地震を引き起こしたプレート境界断層を構成している岩石の種類と物性の解明を行ったほか、断層面および近傍の残留摩擦熱(の温度変化を長期(9カ月間)にわたる直接計測を行ったという。
 一般に残留摩擦熱は、プレート境界断層の滑りにより発生するもので、この熱が計測できれば、そこから地震発生時にどのような滑りが発生したのかを解明することができると考えられているが、地震発生後およそ2年ほどで周囲の地層中に拡散し、計測が困難となるほか、プレート境界断層を構成する岩石自体も変質してしまうため、時間が経過すると摩擦特性(断層の滑る性質)の分析が困難になると考えられてきたが、実際に海溝型巨大地震において地震発生後早期にプレート境界断層の温度計測や地質試料の採取を実施することは技術的に困難であるとされてきた。
 今回の科学掘削も、掘削パイプの総延長は水深約6,900m、海底下約850mという世界最高記録となる掘削で、かつ掘削孔内に複数の温度計を設置・回収するという、技術的に難易度が高いオペレーションであったが、「ちきゅう」の高い運用能力などの活用により実現できたという。
 研究グループが、これらの調査で得られたデータを解析した結果と、プレート境界断層物質を用いた地震性滑りの再現実験、断層運動による残留摩擦熱の計測データの解析結果を合わせたところ、非常に狭い(薄い)範囲の断層部で、非常に低い剪断応力(断層を滑らせる力)のもと、海溝軸付近まで大きな滑りが伝播したことが明らかになったという。
 具体的には、同地震発生時、水深6,900mでの掘削地点では海底下深度820mの所に存在し、日本海溝軸付近まで破壊が伝搬した、強度が低く、かつ透水性が低い遠洋性粘土(スメクタイト)を約78%含んだプレート境界断層は、地震時に断層の摩擦発熱により膨張した間隙水(プレート境界断層物質の隙間にある水)が透水性の低い地層に挟まれて逃げ場を失うことで間隙水圧を上昇させて断層を滑りやすくさせた(剪断応力を低下させた)と考えられる結論を得たとする。また、残留摩擦熱の計測データの解析結果からも、滑りが生じた時の摩擦係数は0.08程度と小さい値が見積もられており、断層が極めて滑りやすい状態であったことが推定されたという。
 さらに、同プレート境界断層は5m未満の厚さしかなく、しかもスメクタイトを多量に含み強度が低いため、断層が動きやすいことも、巨大地震/津波を発生させた要因と考えられるとのことで、同地震が大きな変位を伴って巨大な津波を発生させたのは、地質条件に起因したスメクタイトに富む滑りやすい断層であったこと、さらに断層運動時の摩擦発熱による間隙水圧上昇により、低い剪断応力のもと断層が滑ったことが原因と結論づけられたとする。
 なお研究グループでは、今回の成果は、地震時の断層における剪断応力が低ければ、海溝軸付近にまで破壊が伝播して地震性滑りを引き起こし、破壊的な巨大津波を引き起しうることを示すものだとしており、東北地方だけでなく、南海トラフや琉球弧、伊豆小笠原弧、日本海沿岸などでも新たな視点での地震/津波発生ポテンシャルに関する調査研究、さらにはモデル化と数値シミュレーションが必要であることが示されたものだと説明しており、津波に関しては、海溝軸付近までの破壊の伝播を考慮に入れて、科学的根拠に基づく最大規模の津波発生を想定するべく、巨大地震・津波発生規模の推定方法を見直す必要があるとしている。
 また今回の知見については、環太平洋地域での巨大地震/津波はすべて同一のメカニズムで説明できるわけではなく、各海域での特性を理解するためにさらなる調査研究が必要であることも示していることから、今後は、これまでに得られたコア試料や地層物性データ、検層データなどの詳細解析を進めていく予定としている。

 

南海トラフ、来月から掘削調査 分岐断層の実態解明へ(FujiSankei)よりH25.10.20紹介
 南海トラフ付近で起きる大地震の発生メカニズムを解明するため、紀伊半島沖にある巨大分岐断層の掘削調査が来月から始まる。海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」で海底下5200メートルまで掘り、分岐断層の試料を採取して活動の実態を探る。
■世界記録更新へ
 掘削調査を行うのは、和歌山県新宮市から南東75キロの熊野灘。南海トラフのプレート(岩板)境界から複数の巨大な分岐断層が枝分かれしている場所だ。計画では水深2千メートルの海底から5200メートル掘削し、分岐断層の根元まで掘り抜く。
 この場所での掘削は昨年11月にいったん着手したが、強い風と潮流の影響で掘削機器が損傷し、海底下2千メートルまで掘ったところで中止した経緯がある。今回はその仕切り直しだ。
 ちきゅうはすでに現場海域に到着。前回の掘削孔を一部利用するため、穴を密閉してガスや水の逆流を防ぐ装置の設置や、孔内の清掃などの準備を進めており、順調に行けば来月中旬に掘削を始める。
 掘削孔をパイプで補強しながら掘り進むが、前回の穴は深部が未補強で崩壊している可能性がある。このため海底下860メートル地点からは、わずかに斜めにずらして新たな穴を掘る。来年1月下旬に同3600メートルに到達し、来年度から巨大分岐断層の試料を採取する計画だ。
 ちきゅうの掘削性能は世界一で、昨年9月には青森県八戸沖で研究目的としては世界最深の同2466メートルまでの掘削、試料採取に成功している。同5200メートルの巨大分岐断層まで掘削できれば、世界記録の更新は確実だ。
■昭和東南海で連動
 南海トラフは西日本を乗せた陸側プレートの下に、海側のフィリピン海プレートが沈み込む浅い海溝。両プレートの境界面ではマグニチュード(M)8級の東海・東南海・南海地震が繰り返し起きてきた。
 熊野灘付近では、プレート境界の途中から上方に枝分かれした巨大な断層が伸びている。海洋機構は一昨年、ちきゅうで採取した試料の分析から、この分岐断層が昭和19年の東南海地震でプレート境界の深部と一緒に動いたことを証明した。
 分岐断層が動くと津波が巨大化する恐れがあり、綿密な調査が必要になった。調査では掘削を行いながら岩盤の硬さや、周囲からかかる力を測定。採取した試料は肉眼だけでなく、コンピューター断層撮影(CT)も駆使して調べ、地震で生じた摩擦熱による有機物の変性などを解析する。
 同機構地球深部探査センターの高瀬弘次サブリーダーは「過去の地震で分岐断層がどう動いたかを調べ、発生メカニズムの解明や予測につなげたい」と話す。
 昨年の調査は低気圧で荒れ狂う風と波浪の中、ちきゅうと掘削パイプを切り離す判断が遅れ、機器が損傷して中断に追い込まれた。「今回は気象情報を綿密に分析し、危険なときは無理をせず速やかに離脱する」(同機構)としている。
■地震観測にも活用
 地震が多発する熊野灘周辺の海底には、地震計と津波計を網の目のように張り巡らせた観測監視システム「DONET」を同機構が整備している。異変をキャッチしたら、光ファイバーの超高速通信で陸上局にデータを送り、気象庁などに配信して津波警報や緊急地震速報に生かす仕組みだ。
 生命に直結する防災情報は少しでも早い方がいい。このため分岐断層の掘削調査後は、残った穴の底部に地震計やひずみ計を設置し、DONETと接続して情報の補強に役立てる。
 掘削計画に参加している千葉大の金川久一教授(構造地質学)は「巨大分岐断層付近に観測機器を設置してデータを収集できれば、地震の察知がこれまでより確実に早まり、防災に役立つだろう」と話している。


南海トラフ、紀伊半島沖で掘削調査 「巨大分岐断層」実態解明へ(産経新聞)よりH25.10.15紹介
 紀伊半島沖にある巨大分岐断層の掘削調査が始まる。海底下5200メートルまで到達予定。南海トラフ地震予知への活用が期待される。
 南海トラフ付近で起きる大地震の発生メカニズムを解明するため、紀伊半島沖にある巨大分岐断層の掘削調査が来月から始まる。海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」で海底下5200メートルまで掘り、分岐断層の試料を採取して活動の実態を探る。
 ■世界記録更新へ
 掘削調査を行うのは、和歌山県新宮市から南東75キロの熊野灘。南海トラフのプレート(岩板)境界から複数の巨大な分岐断層が枝分かれしている場所だ。計画では水深2千メートルの海底から5200メートル掘削し、分岐断層の根元まで掘り抜く。
 この場所での掘削は昨年11月にいったん着手したが、強い風と潮流の影響で掘削機器が損傷し、海底下2千メートルまで掘ったところで中止した経緯がある。今回はその仕切り直しだ。
 ちきゅうはすでに現場海域に到着。前回の掘削孔を一部利用するため、穴を密閉してガスや水の逆流を防ぐ装置の設置や、孔内の清掃などの準備を進めており、順調に行けば来月中旬に掘削を始める。
 掘削孔をパイプで補強しながら掘り進むが、前回の穴は深部が未補強で崩壊している可能性がある。このため海底下860メートル地点からは、わずかに斜めにずらして新たな穴を掘る。来年1月下旬に同3600メートルに到達し、来年度から巨大分岐断層の試料を採取する計画だ。
 ちきゅうの掘削性能は世界一で、昨年9月には青森県八戸沖で研究目的としては世界最深の同2466メートルまでの掘削、試料採取に成功している。同5200メートルの巨大分岐断層まで掘削できれば、世界記録の更新は確実だ。
 ■昭和東南海で連動
 南海トラフは西日本を乗せた陸側プレートの下に、海側のフィリピン海プレートが沈み込む浅い海溝。両プレートの境界面ではマグニチュード(M)8級の東海・東南海・南海地震が繰り返し起きてきた。
 熊野灘付近では、プレート境界の途中から上方に枝分かれした巨大な断層が伸びている。海洋機構は一昨年、ちきゅうで採取した試料の分析から、この分岐断層が昭和19年の東南海地震でプレート境界の深部と一緒に動いたことを証明した。
 分岐断層が動くと津波が巨大化する恐れがあり、綿密な調査が必要になった。調査では掘削を行いながら岩盤の硬さや、周囲からかかる力を測定。採取した試料は肉眼だけでなく、コンピューター断層撮影(CT)も駆使して調べ、地震で生じた摩擦熱による有機物の変性などを解析する。
 同機構地球深部探査センターの高瀬弘次サブリーダーは「過去の地震で分岐断層がどう動いたかを調べ、発生メカニズムの解明や予測につなげたい」と話す。
 昨年の調査は低気圧で荒れ狂う風と波浪の中、ちきゅうと掘削パイプを切り離す判断が遅れ、機器が損傷して中断に追い込まれた。「今回は気象情報を綿密に分析し、危険なときは無理をせず速やかに離脱する」(同機構)としている。
 ■地震観測にも活用
 地震が多発する熊野灘周辺の海底には、地震計と津波計を網の目のように張り巡らせた観測監視システム「DONET」を同機構が整備している。異変をキャッチしたら、光ファイバーの超高速通信で陸上局にデータを送り、気象庁などに配信して津波警報や緊急地震速報に生かす仕組みだ。
 生命に直結する防災情報は少しでも早い方がいい。このため分岐断層の掘削調査後は、残った穴の底部に地震計やひずみ計を設置し、DONETと接続して情報の補強に役立てる。
 掘削計画に参加している千葉大の金川久一教授(構造地質学)は「巨大分岐断層付近に観測機器を設置してデータを収集できれば、地震の察知がこれまでより確実に早まり、防災に役立つだろう」と話している。


南海トラフの地質を調査する掘削探査船「ちきゅう」を公開 海洋研究開発機構(全国私塾情報センター)よりH25.09.12紹介
南海トラフ付近での海底の掘削調査に向け、水深約2000メートルの場所の海底下を約3600メートル掘り進めて巨大地震発生源の断層の近くの地質を直接採取する地球深部探査船「ちきゅう」が海洋研究開発機構で公開された。
掘削調査は今月13日から2014年1月20日まで。和歌山県新宮市沖の南東約75キロメートルの地点で取り組む。14年度以降は海底下約5200メートルまで掘り進め、巨大地震を引き起こす断層の上下の地質も直接調べるという。


佐渡沖の天然ガス試掘開始 経産省資源エネルギー庁(FujiSankei)よりH25.04.16紹介 
 経済産業省資源エネルギー庁は15日、新潟県・佐渡島の南西沖約30キロの海底で、石油と天然ガスの試掘調査を14日から開始したと発表した。調査期間は3カ月を予定し、早ければ6月下旬から数日間にわたって海底下から石油・天然ガスを取り出す産出試験を行う。
 政府主導で石油・ガスを試掘するのは約9年ぶりで、今年3月に愛知県沖の深海で産出試験を行った次世代エネルギー資源「メタンハイドレート」に続く成功が期待される。
 調査は、JXホールディングス傘下のJX日鉱日石開発と、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)に委託、地球深部探査船「ちきゅう」を使って水深約1100メートルの海底で掘削を始めた。海底下約2700メートルまで掘削し、試掘地点周辺の石油・天然ガスの存在状況を確認する。


「ちきゅう」探査に高まる期待 4月中旬から佐渡沖で海底油田試掘 (FujiSankei)よりH25.04.09紹介
 経済産業省資源エネルギー庁が新潟県・佐渡島の南西沖約30キロで今月から行う石油と天然ガスの試掘調査に、エネルギー関係者の期待が高まっている。
 調査には、世界最高レベルの掘削能力を持つ地球深部探査船「ちきゅう」を投入。順調にいけば6月下旬に数日間、海底下から石油と天然ガスを取り出す産出試験を行う。
 国内最大で中東の中規模程度に当たる石油・天然ガス田が存在する可能性が指摘されているだけに、調査の結果次第では、海底に眠るメタンハイドレートの開発とともに国産エネルギーの活用拡大に向けた取り組みが加速しそうだ。
 試掘調査そのものは、JXホールディングス傘下のJX日鉱日石開発と独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が経産省から委託を受けて実施。4月中旬から活動を始め、水深約1100メートルの海底を約2700メートル掘削する。
 経産省が2008年度に実施した調査では、現場海域の100平方キロを超える範囲に石油や天然ガスが埋蔵している可能性があることが判明している。
 探査船のちきゅうは、海底から約7000メートルの深さまで掘る能力を持つ。3月中旬、愛知県沖の深海でメタンハイドレートから天然ガスを取り出す産出試験に世界で初めて成功。現在は清水港(静岡市)で資機材の積み込みなどを進めており、準備が整えば試掘海域に向かう。
 一方、経産省は日本海側のメタンハイドレートについても13年度から15年度まで集中調査。埋蔵量の把握に努め、まとまった量の回収に向けた技術開発にも取り組む。期待の高まりを受け、茂木敏充経産相は5日の衆院予算委員会で「日本も資源大国になる気概で取り組んでいきたい」と意気込みをみせた。


海底下1千mで地震の「巣」探る 海洋研究開発機構(asahi.com)よりH25.02.04紹介 
 

写真・図版

海底下の地震・地殻変動観測システム
 海洋研究開発機構などの研究チームは今週にも、紀伊半島南東沖の南海トラフに近い水深1900メートルの海底に掘った穴で、岩盤のひずみなどわずかな地殻変動をとらえる研究を始める。巨大地震の巣であるこの海域の地殻活動を把握し、地震予測の手がかりを見つける狙いだ。
 海底下980メートルまで続く穴は、同機構の地球深部探査船「ちきゅう」が掘った。そこに微小な地震も検知できる地震計、岩盤のひずみや傾きがわかる計器、温度変化で水の動きがわかる温度計を設置。基地局にリアルタイムでデータを送るようになっている。
 周囲の海底にはすでに20個の計器が備え付けられていて水圧の変化や地震の計測を続けているが、今回、穴を掘って設置することで「巣」に肉薄する。
 今回の研究は、地震の前兆をとらえて直前予知することが目的ではないが、プロジェクトリーダーの金田義行さんは「これまでのセンサーは聴診器のようなもの。今回は地震の巣に内視鏡を入れるようなもの。地下深くで何が起きているかより詳しく知ることができるのではないか」と話している。


津波、粘土層がずれ発生? 東日本大震災 探査船が調査(asahi.com)よりH24.09.21紹介
 東日本大震災は、なぜあれほど大きな被害をもたらしたのか。答えの手がかりになる粘土の地層が、地球深部探査船「ちきゅう」による震源域の掘削で見つかった。プレート境界が50メートルもずれて巨大津波が起きたのは、この地層が原因の一つだった可能性がある。
 ちきゅうは今年4〜5月、宮城県・牡鹿半島沖220キロで掘削を行った。ここは日本海溝の西側で、海底下に太平洋プレートと北米プレートの境界がある。境界がずれ動いた震源域の中でも、とくにずれが大きい場所で、巨大津波を起こした。
 堺市で17日まで開かれた日本地質学会で、掘削試料の分析結果を発表した筑波大の氏家恒太郎准教授らによると、水深6900メートルの海底下850メートルまで掘り進めたら、821メートル付近で、ずれ動いたとみられる層が見つかった。

 

探査船「ちきゅう」、震災震源の地層を回収(asahi.com)よりH24.05.26紹介
 地球深部探査船「ちきゅう」を使い、東日本大震災を起こした震源域の海底のボーリング調査をしていた海洋研究開発機構は25日、調査航海を終えたと発表した。宮城県の220キロ沖で、地震が起きた場所と見られる太平洋プレートと北米プレートの境界の地層を回収できたという。
 宮城沖の水深約6900メートルで約850メートルまで掘削することに成功したという。今後、回収した地層に含まれる岩石の分析と、プレート境界の滑りやすさなどを調べ、巨大地震が起きたメカニズムを探る。プレート境界で地震後に発生した摩擦熱を調べる温度計の設置は、悪天候や水中カメラの故障などで断念し、今夏に再び挑戦するという。


海面下7740m…「ちきゅう」が掘削最深記録(読売新聞)よりH24.04.29紹介
 海洋研究開発機構は27日、日本海溝付近の海底を調査している地球深部探査船「ちきゅう」(5万6700トン)のドリルが海面下7740メートルに達し、海洋の科学掘削としては世界最深を更新したと発表した。
 ちきゅうは、東日本大震災で巨大津波を起こした海底の震源域を調査するため、今年4月に静岡県の清水港を出発。宮城県・牡鹿半島の沖約220キロに停泊し、先端にドリルをつけたパイプを下ろしていった。水深6883・5メートルの海底に着いた後、センサーで地層の放射線などを測りながら海底下856・5メートルまで掘り抜き、海面下7740メートルに到達した。
 海洋の科学掘削では、米国船が1978年にマリアナ海溝で達成した7049・5メートルがこれまでの最深だった。


ちきゅう:震源解明に挑む 水深6910mを掘削(毎日新聞)よりH24.04.14紹介
 海洋研究開発機構(神奈川県横須賀市)の地球深部探査船「ちきゅう」(約5万6700トン)が、宮城県牡鹿半島の約220キロ沖で、東日本大震災をもたらした巨大地震のメカニズムを探るため、震源掘削に向けた作業を進めている。11〜13日に乗船取材した。調査は5月24日まで続く。
 地震後間もないプレート(岩板)境界の断層(海底下約850メートル)を掘り抜く世界で初めての試み。ここ数日は、強風やしけが続いたため作業が遅れ、掘削開始は今月15日ごろになる見通し。水深6910メートルの海底で最初の掘削を始め、海底下1000メートルまで掘り進める。
 船上では、技師らが海底の状態を見る水中カメラをワイヤで海中に下ろしたり、地殻の岩石の性質を分析しながら掘り進めるドリルパイプの設置準備をしたりしていた。研究者たちは断層近くに埋める温度計の点検などを行った。
 10カ国28人の研究チームを率いる共同首席研究者のジェームズ・ジロウ・モリ京都大防災研究所教授(地震学)は「地震学、地質学、海洋科学の専門家を集め、この地震で実際に何が起きたかを突き止めて社会に説明する責任がある」と語った。


新型の海洋資源調査船を公開=2種の掘削装置搭載−石油ガス機構(時事通信)よりH24.03.24紹介
 独立行政法人、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は21日、海洋資源の探査、開発を行う新型調査船「白嶺(はくれい)」(6283トン)を公開した。2種類の大型掘削装置に加え、最新鋭の調査機器を搭載。エネルギー資源獲得の重要性が増す中、次世代ガス資源「メタンハイドレート」をはじめ、日本近海に豊富に存在するとされる海洋資源の調査を加速する。


南海トラフ:巨大地震の巣探る 7キロ掘削、岩石調べ津波予測−−高知大など研究チーム /高知(毎日新聞)よりH24.02.29紹介
 国内の地質学者や地球物理学者らの共同研究チームが今秋、南海地震震源域の南海トラフ海底を約7キロ掘削して岩石を採取する調査を行う。岩石を分析することで南海地震がどれぐらいの巨大津波を引き起こすかを調べる。
 研究チームは東大や京大、高知大などの研究者約70人が参加。調査の詳細は高知大で28日開幕する「プレート沈み込み帯の巨大地震に関わる国際研究集会」で発表する。
 調査は海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」を使い、9月19日〜来年1月31日に実施。和歌山・紀伊半島の南東沖約120キロの海底に掘削装置を下ろして海面から約10キロ下まで掘り進み、フィリピン海プレートの岩石を取り出す。
 採取した岩石の性質や強度を調べることで、南海地震発生のメカニズムや前兆現象、地震発生帯周辺の水圧などを明らかにしていく。
 研究チームの1人、高知大の橋本善孝准教授=理学=は「南海トラフの掘削は科学史上初めて。断層に何が起きて巨大地震や大津波が発生するのか、明らかにしていきたい」と話している。


底微生物の活動を初観察=下北半島沖の46万年前地層―海洋機構(asahi.com)よりH23.10.11紹介
 海洋研究開発機構(神奈川県横須賀市)などの研究チームは、青森県下北半島沖にある約46万年前の海底地層から採取した微生物が実際に栄養分を取り込む様子を世界で初めて観察したと発表した。研究成果は11日付の米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。
 微生物の種類までは特定できなかったが、調査を行った同機構高知コア研究所の諸野祐樹主任研究員は「生命の起源や進化の解明、海底資源の研究につながる可能性がある」としている。
 研究チームは2006年、同機構の探査船「ちきゅう」を使い、青森県八戸市から北東約80キロ、水深約1180メートルの海底を掘削。海底から219メートル下の地層から試料を採取した。
 回収試料を詳しく調べた結果、1立方センチメートル当たり1000万個を超える微生物が、炭素や窒素を取り込む様子が観察できた。微生物の大きさは最大1000分の1ミリほどで、特にグルコースやアミノ酸といった代謝エネルギーが高い物質を与えると細胞増殖した。取り込む速度は大腸菌の10万分の1以下だった。
 研究チームによると、観察に成功した微生物は、海底地層と同様に約46万年前のものである可能性が高いという。


1944年地震の断層見つけた 紀伊半島沖(asahi.com)よりH23.10.03紹介
 紀伊半島沖の熊野灘にある海底断層が、1944年の東南海地震時に活動したことを海洋研究開発機構や東京大、高知大のグループが突き止めた。過去の地震の仕組み解明や、将来予測につながる可能性がある。米地質学会誌10月号に発表した。
 熊野灘は、繰り返し発生した東南海地震の震源域で、プレート境界から枝分かれした「分岐断層」が多数ある。このため、どの断層がいつ活動したか、歴史記録や陸上の観測網で突き止めるのは難しかった。グループは、地球深部探査船「ちきゅう」で分岐断層を掘削。柱状に掘り出した地層をX線CTで調べた。
 地震発生時の強い揺れで、泥の層が破砕してできた「マッドブレッチャ」と呼ばれる層を5層見つけた。いちばん上の層の年代が1950年前後とわかり、44年の東南海地震で活動したことがわかった。
 分岐断層の位置や傾きで、断層の動きに伴って発生する津波の高さが変わる。「今後さらに詳しく調べて、地震の繰り返し間隔や将来の被害の予測に役立てたい」と同機構の坂口有人技術研究主任は話す。


東南海地震の断層特定…大規模地震過去に5回(読売新聞)よりH23.10.02紹介
 海洋研究開発機構などの研究チームが、1944年の東南海地震を引き起こした熊野灘沖の断層を、地球深部探査船「ちきゅう」が採取した試料の分析で特定した。
 これまでの地震波観測などで明らかになってきた断層の存在を物的な証拠で示す成果で、1日発行の米地質学会誌に掲載された。
 熊野灘沖の海底では、プレート(岩板)境界から、幾つもの分岐断層が延びており、1944年の地震は、この一つが破壊されて起きたとみられる。
 研究チームは、南海トラフ(海溝)に近い震源域を調査。和歌山県新宮市の南東約90キロ沖で、分岐断層を深さ3キロの海底まで掘削した。得た試料を解析したところ、断層破壊に伴う強い揺れで破砕された泥の層が複数見つかった。
 中に含まれる放射性物質で年代測定を行った結果、1944年の発生とほぼ一致するものがあった。また3500年前、1万600年前頃など、ほかに少なくとも4回、大きな地震が起きていることがわかった。


東日本大震災:探査船で震源域掘削 津波の仕組み解明へ(毎日新聞)よりH23.09.24紹介
 東日本大震災の地震や津波の仕組みを解明するため、海洋研究開発機構は所有する地球深部探査船「ちきゅう」(約5万6700トン)を使って来年、震源域の掘削調査に取りかかる。特殊なドリルパイプを水深7000メートルの震源域海底まで下ろし、さらに海底から約900メートル掘削して震源域の地層を採取する。震源域は、陸のプレート(岩板)と太平洋プレートの境界に当たり、境界の地層採取は世界初となる。
 津波は、地震で海底と海水が一緒に持ち上がって発生する。これまでの調査で最も大きく持ち上がったのは、宮城県牡鹿半島の250キロ沖付近で、100キロ四方の海底が東へ約50メートル、上へ約7メートル動いた。これが、津波が巨大化した原因の一つと考えられており、この地点を掘削して岩石を詳しく調べる。
 一方、掘削した穴に温度計を設置、地震で発生した地殻内の摩擦熱も調べる。現時点ではかなりの摩擦熱が残っているとみられ、冷え方から発生時の摩擦熱を逆算できる。岩石の分析と合わせれば、巨大津波を生んだエネルギーの量が推定できるという。
 「ちきゅう」は近い将来起きる可能性が高い東海・東南海・南海地震の想定震源域となっている紀伊半島沖でも調査を行う計画だ。宮城県沖での調査との比較を通して、同地震が生み出すエネルギーを予測できる可能性があるという。
 宮城沖での調査にかかる費用は約10億円。参加する東北大の日野亮太准教授(海底地震学)は「エネルギー量が分かれば、海底が動く広さや津波の大きさを推定できるかもしれない」と話す。


大震災の震源断層を掘削へ…探査船「ちきゅう」(読売新聞)よりH23.08.15紹介
 

 東日本大震災を引き起こした震源断層を掘削し、海底地盤の変化を調べる国際共同計画が、日本の海洋研究開発機構などの参加で来春にも実施される見通しになった。
 地震直後の摩擦熱が残る海溝型地震の断層を掘削する世界初の試みで、マグニチュード9・0という巨大地震の解明につながる成果が期待される。
 掘削調査は、日米など24か国によるプロジェクト「統合国際深海掘削計画(IODP)」の一環として検討されている。来春にも同機構の地球深部探査船「ちきゅう」を投入し、プレート(岩板)の境界が最も大きく動いた宮城県沖の海底(水深6000〜7000メートル)で、地下1000メートルまでの断層を含む地層を採取する予定だ。
 東日本大震災では、日本海溝付近で最大20メートル以上もプレート境界がずれたと推定されている。しかし、これほど大きく動いた理由は分かっていない。また、プレート境界だけでなく、陸側のプレート内部で枝分かれした断層も動いたため、津波が大きくなった可能性も指摘されている。


<地球深部探査船>「ちきゅう」修理完了…津波で損傷(毎日新聞)よりH23.06.18紹介
 海洋研究開発機構は16日、東日本大震災の津波で損傷した地球深部探査船「ちきゅう」(約5万6700トン)の修理が終わったと発表した。ちきゅうは、海底を最大7000メートルまで掘削して地層を採取し、地質や生物などの研究を行う船。
 3月11日の震災当日は、青森県八戸市沖での研究航海に向け、八戸港で資材積み込みのため停泊していた。津波に備え岸壁から200メートル離れて、いかりを降ろしていたが、津波で流され、左後部の船底が岸壁に衝突。掘削時に船を安定的に保つための6基あるプロペラの1基が折れ、船底に縦1.5メートル、横50センチの穴が開くなどした。このため4月から修理を行っていた。


南海トラフの巨大地震と、深海掘削船『ちきゅう』(Wired Vision)よりH23.05.09紹介 
 
地球深部探査船『ちきゅう』に乗った研究者たちは2008年、世界でも有数の地震発生帯で地震活動を理解するためのデータの収集するための初の深海掘削の研究航海を行なった。『ライザー掘削』と呼ばれる特殊な技術を使用して、日本の南東58キロメートルほどに位置する地震発生帯である『南海トラフ』の上部まで(海底から1.6キロメートルほど)貫通させたのだ。
 [ちきゅうは、日本・米国が主導し24カ国が参加する統合国際深海掘削計画 (IODP)において中心的な活躍をしている科学掘削船だ。水深2500 メートルの深海域で、地底下5000メートルまで掘削する能力を備えており、マントル物質等を採取することができる。建造・運用は、独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の一部門である地球深部探査センター(CDEX)。
 南海トラフとは、四国の南から駿河湾内まで連なる、海底にある水深4000メートル級の深い溝(トラフ)のこと。ちきゅうが2009年に掘削した場所は、和歌山県新宮市の南東沖の複数箇所だ]
南海トラフの断層が直近で大きく動いたのは、1944年[昭和東南海地震、M7.9]と1946年[昭和南海地震、M8.0]の2回だ。広範囲に大地震を発生させ、破壊的な津波を引き起こした。
 [日本では、1945年の敗戦前後にかけて、4年連続でそれぞれ1000名を超える死者を出した4大地震が起こった(1943年の鳥取地震、1944年12月 7日の昭和東南海地震、1945年1月13日の三河地震(前述の地震の余震)、1946年12月21日の昭和南海地震)。当時の日本軍部の情報統制により情報が隠蔽・改竄され、また多くの1次的記録も消滅・散逸していることなどから、被害の全体像は把握されていないが、昭和東南海地震時に発生した津波の最大波高は、尾鷲市賀田地区で記録された9メートルとされる。
1946年に起きた昭和南海地震の被害は高知県、徳島県、和歌山県が中心で、津波は静岡県より九州にいたる海岸に来襲した]
 1944年と1946年の大地震以来、両プレートは動き続けているが、プレート境界は固着しており、圧力を高める原因となっている。
 「固着した断層帯が安定したものではないことはわかっているが、それがなぜかははっきり解明されていない。固着が何を意味するかがわかれば、どのようにエネルギーが蓄積されて次の段階へと進むのかが明らかになる」と、カナダ地質調査所(Geological Survey of Canada)所属の地質学者Kelin Wang氏は語る(同氏はこのプロジェクトには参加していない)。
 ちきゅうによる南海での掘削と試料採取活動は、2007年9月から開始、2009年8月1日に完了した。さまざまな計器や記録装置が孔に降ろされ、温度や孔内圧力、水圧、岩盤の透水性などを測定した。さらに、孔内に将来のための長期的な観測装置を設置した。
岩石資料を採取し、長期観測装置を設置することによって、フィリピン海プレートが日本列島の下に滑り込んでいる南海のようなプレート沈み込み帯で、圧力がどのように蓄積されていくかが解明できると期待されている。
 今回南海トラフの調査で明らかになることは、ブリティッシュコロンビア州からカリフォルニア州北部まで太平洋沿岸に伸びている『カスケード沈み込み帯』など、地震が発生しやすいほかのプレート境界を理解するのにも役立つだろう。
 [南海トラフは、北西に進んできたフィリピン海プレートが、ユーラシアプレートの一部である西南日本と衝突してその下に沈み込んでいる場所に相当し、非常に活発で大規模な地震発生帯。東海地震、東南海地震、南海地震などのマグニチュード8クラスの巨大地震がそれぞれ90 - 150年の間隔で発生している。このうち静岡県南方では1854年12月23日の安政東海地震(推定M8.4)以来150年以上が経過しており、次の東海地震の発生が懸念されている。

 今後発生が予測されている東海・南海・東南海連動型地震のうち、最大の場合はマグニチュード8.7、破壊領域は長さ700キロメートル程度の宝永地震(1707年)]クラス。10メートルから30メートルの津波が発生する可能性があるとされている]
 [ちきゅうは、2009年5月中旬からは熊野灘周辺での本格的な南海掘削を再開したが、同年11月、掘削プロジェクトが行政刷新会議による事業仕分けの俎上にあがり、次年度以降の継続が不透明な状況となった。
 2011 年3月には、下北八戸沖の海底探査のために八戸港に停留していた所に東北地方太平洋沖地震に遭遇し、津波の被害を避ける為に一時沖合に待避。見学の為乗船していた中居林小学校の生徒・教師は船内で一夜を過ごし、翌日海上自衛隊のヘリコプターにより下船する事態となった。
 ちきゅうが行なうライザー掘削システム(PDF) では、ライザーと呼ばれる巨大な金属パイプのなかに深海ドリルを入れ込んでおり、これを船体から掘削地点まで伸ばし、効率よく船体と海底とを固定する。地層圧よりも比重をやや高く設定した泥水を、ドリルパイプを通して送り込み、ライザーパイプによって回収して循環させる[二重のパイプを掘削坑に下ろして泥水を循環させながら掘る。これは通常海洋石油掘削に利用されているが、科学掘削では初となる]。
 コネチカット大学の地質学者で、このプロジェクトを率いる1人であるTimothy Byrne氏は、ライザー掘削システムについて、電子メールで次のように説明した。「主な利点の1つは、ドリルパイプに孔壁が崩れかかるのを、比重を高めた泥水が防ぐので、うまく制御しながらより深く掘り進むことが可能になることだ。たとえば、ほとんど垂直に近い孔や、急角度で傾斜する孔を掘削することが可能だ」
 さらに、ライザーの使用によって、柱状地質試料(コア)や掘り屑(カッティングス)、小さな岩のかけらなどを掘削しながら集めて、船に回収することも可能になる。


マントルから初の直接サンプル採取へ(ナショナルジオグラフィック)よりH23.03.25紹介
 これは地球の中心への旅ではないかもしれない。だが、これまでで最もそれに近づくものになる可能性はある。厚さ何キロもある地殻を貫き、その下にある高温のマントルまで掘削して、史上初めてマントルのサンプルを回収するという計画が進められている。科学者に言わせると、マントルのサンプルは、科学的な重要性において、そして採取の困難さにおいても、月の石にほぼ匹敵するという。
「これは地球科学者の長年の夢だった」とイギリス、サウサンプトン大学の地質学者デーモン・ティーグル氏はナショナルジオグラフィック ニュースに語った。
 しかしその夢は、適切な技術が存在せず、地殻に関する理解が不足していたために長い間抑えられてきた。今では地殻についての知識が増え、技術も進んだため、この夢に手が届くところまできたと、論文の共著者であるティーグル氏は言う。例えば、日本の掘削船は10キロにも及ぶ掘削パイプを備えている。
 すべてが計画通りに進めば、2020年までに掘削に着手できるだろうとティーグル氏は言う。研究チームは来月にも太平洋で試掘を開始する。論文によると、チームのスタッフは太平洋の「海底地殻を史上最深の深さまでボーリングする」という。
 マントルは、地球の融解したコア(核)と硬く薄い地殻の間にあり、厚さは約3200キロある。そこには、地球の岩石が大量に含まれている。しかしマントルについてはよく分かっていない。現在手にしているのは、火山から地表に噴出したものや、古い山脈に取り残されたものなど、マントルのほんの断片にすぎない。
 これらの断片的なサンプルも、地表に上がってくる長いプロセスの間に変質しているため、もはやマントル本来の状態と組成を示しているとは言えない。
 掘削を行えば、マントルの様子だけでなく、モホロビチッチ不連続面(モホ面)と呼ばれる地殻最下部の謎の多い遷移層の性質も明らかになるだろう。
 また、掘削により地殻深部の岩に存在する生命の徴候を探すこともできると考えられる。「摂氏120度まで、どの深さを見ても微生物の活動の証拠が見つかる。マントルまで掘り下げる途中で、これについて検証できることは間違いないだろう」とティーグル氏は話す。
 しかし、本当に価値があるのはマントルそのものだ。サンプルを採取できれば、地球の起源と歴史について多くのことが分かるとティーグル氏は言う。
 マントルの岩石からは、現在のマントルの活動プロセスについて知見が得られる。これは、多くの地震や津波や火山の噴火を引き起こしているプレートテクトニクスを理解するために非常に重要な知見となるとティグル氏は続けた。
 ティーグル氏によると、掘削に最も適しているのは海洋の真ん中だという。地球の地殻は海洋底で最も薄いからだ。大陸では地殻の厚みは数十キロに達するが、海洋底ではわずか6キロほどしかない。
 もっとも、言うまでもなく海洋の真ん中は海自体が深い。計画されている海域では水深が4キロほどある。これは、現在の沿岸での掘削技術で掘れる深さのほぼ2倍にあたるとティーグル氏は言う。
 海底は温度が低いとはいえ、掘削機は摂氏300度に達する深さまで掘り進まなければならない。その深さでの圧力は2000気圧にもなる。これは1平方メートルあたり2万トン以上の圧力に相当する。
 海洋の真ん中には石油や天然ガスの堆積層は存在しないため、ドリルが誤ってそこに穴を開け、メキシコ湾の石油流出事故のような噴出が起こる危険性はないとティーグル氏は言う。また、穴からマントルの岩石が突然噴出するということもない。穴が狭すぎるだろうし、マントルの岩石は融解していないからだ。


メタンハイドレート調査、掘削船・ちきゅう投入(読売新聞)よりH23.01.31紹介
 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は、次世代資源の切り札として期待される日本近海のメタンハイドレート開発のため、海洋研究開発機構の探査船「ちきゅう」を使った海底掘削調査を2月5日から実施する。
 日本近海の海底はメタンハイドレートの宝庫で、埋蔵量は国内の天然ガス消費量の約90年分に上るとの試算もある。ただ、海底下の厳しい低温高圧環境に封じ込められ、取り扱いが難しい。採掘の際にメタンガスが異常噴出し、制御不能になるといった事故を防ぐには、事前に地質を綿密に調べ、採掘の地点や方法を注意深く決める必要がある。
 今回の調査では、水深700〜1000メートルの海底を100〜400メートルくらいまで掘り抜き、ハイドレートを取り巻く層の地質構造や、掘削穴とパイプの安定性などを調べる。ちきゅうは、海底下7000メートルまで掘り進める、世界最高性能の掘削船。学術探査を目的に建造されたため、コンピューター断層撮影法(CT)などの高度な分析装置まで搭載し、海底地質の調査能力は飛び抜けている。


「ふつうの海洋底」観測 水循環など全体像解明へ(FujiSankei)よりH22.09.27紹介 
 
水深約6千メートルの太平洋沖の深海底で、プレート(岩板)の下の海洋マントルの実態を探る最先端の観測が6月に始まった。地震や火山活動が活発に起こるプレートの沈み込み帯(海溝)や中央海嶺の周辺ではなく、「ふつうの海洋底」に高精度の海底地震計と電位差計を設置し、地球内部の水収支などの解明を目指すという。あえて「ふつうの海洋底」を観測する意義は何なのか−。研究代表者である東京大学地震研究所海半球観測研究センターの歌田久司教授に聞いた。                   ◇
 地球の表面は何枚もの固いプレートで覆われ、それぞれのプレートはマントルの対流に乗って動いている。マントルが上昇しプレートが作られる中央海嶺やプレート同士がぶつかる沈み込み帯では、地震や火山噴火などが活発に起きる。これが「プレートテクトニクス理論」の考え方だ。
 これまでの地震学、地球科学は中央海嶺や沈み込み帯の観測、メカニズムの解明に重点が置かれた。「でも、それだけでは、地球活動の全貌(ぜんぼう)解明にはつながらない」と歌田さんは話す。
 広大なプレートの大部分は、マントルの対流に乗って水平に移動している。「ふつうの海洋底の下にある、ふつうの海洋マントルを解明することが大切なのだ」という。                   ◇
 深さ約2900キロまで続くマントル層は、660キロを境に上部マントルと下部マントルに分かれる。上部はさらに、410キロより上がアセノスフェア、下がマントル遷移層と呼ばれる。
 アセノスフェアは、かんらん岩が主成分で水をほとんど含まない。その上を、固いプレートが滑っていくのはなぜか。
 プレートテクトニクス理論の根幹部分だが、「アセノスフェアが圧力で部分的に溶けてやわらかくなっているという説や、プレートに水が染み込んで流動性を高めているという説などがあるが、実はよく分かっていない」という。
 また、地球の成り立ちを考えると、海や河川などの表層の水は全体の水分量のわずか10分の1で、残りは地球内部にあるはずだという説がある。これまでの研究で、沈み込み帯では地球内部への水の経路が分かってきた。一方、マントル遷移層は、地球内部の圧力でかんらん岩が分解され、地表水の最大約5倍の水を蓄えられる状態になっているらしいことが岩石実験で判明している。
 しかし、沈み込み帯での研究成果や岩石実験の結果だけでは、マントル遷移層が地球の水貯蔵庫になっているとは断定できないし、水の輸送経路も未解明だ。                   ◇
 「ふつうの海洋底」観測で歌田さんらが目指すのは、プレート運動に直接的にかかわるアセノスフェアの構造を解明し、内部の水循環から地球活動の全体像に迫ることだ。歌田さんらは6月、北西太平洋の深さ6千メートル前後の海底で調査を開始した。
 海洋研究開発機構の深海無人探査機「かいこう7000II」で海底地震計と電位差計を設置し、地震波伝播(でんぱ)速度、電気伝導度を精密に収集。「データからマントルに含まれる水の量やプレート近くの溶融度などを解析する」という。
 地震波が微弱でノイズの比率が高くなるため、ノイズを低減した新型海底地震計を開発。また、電位差計も感度を従来の1千倍に高めた新型を投入した。現在は試験運用中で、来年夏から本格観測を始める。2013年度に観測を終え、14年度に解析を終了する。
 歌田さんは「海洋マントルの実態や水循環の仕組みが判明すれば、地球の成り立ちや未来像も分かる」と話している。


「ちきゅう」事故、潮流の読み甘く逃げ遅れ(読売新聞)よりH22.08.13紹介
 地球深部探査船「ちきゅう」で、ドリルなど総額1億3000万円の機器が破損し、海底に沈んだ事故について、海洋研究開発機構は12日、「潮流の変化に対する想定が甘く、安全な海域に逃げ遅れたことが事故につながった」とする調査結果を発表した。
 事故は今月1日、紀伊半島沖での掘削作業中に発生した。同機構は当時の作業海域の状況を分析、潮流が安全基準の1・6倍の速さまで急激に強まっていたことがわかった。周辺にいた警戒船が潮流を観測していたが、「ちきゅう」との距離が近すぎて、通報が間に合わなかった。
 同機構は今後、潮流の上流3キロ・メートルで警戒船が監視し、潮流が強まった時は「ちきゅう」を退避させるほか、船体とパイプをつなぐ機器を強化するなどの対策を講じるとしている。沈んだ機器を回収するかどうかは、10月に機器の状態を調べたうえで判断する。


<地球深部探査船>「ちきゅう」掘削部品が脱落 紀伊半島沖で作業中(毎日新聞)よりH22.08.07紹介 
 海洋研究開発機構は2日、地球深部探査船「ちきゅう」が紀伊半島沖の熊野灘で海底掘削の作業中、海中につり下げていた鋼鉄製の管「ケーシングパイプ」(直径約50センチ、長さ約860メートル)が折れて脱落するトラブルが起きたと発表した。船や乗組員に異常はなく、ちきゅうは同日夕、新宮港(和歌山県新宮市)に帰港、予備のパイプを積んで3日に現場へ戻り、作業を続行する。
 海底掘削は、東南海地震など巨大地震が起きる「南海トラフ」と呼ばれる海溝付近の地質を解明する国際共同研究の一環。来年度から3年かけ、水深約2キロの海底に深さ6〜7キロの穴を掘る計画で、7月15日から今月8日までの予定で予備掘削の作業中だった。
 同機構によると、トラブルは1日午後4時半ごろ、新宮市の南東約70キロの海上で発生。予備掘削した穴(深さ868・5メートル)の壁面が崩れるのを防ぐため、ケーシングパイプを船から下ろして穴の中に納める作業の途中、水面下約30メートルの部分で接続部品が破断し、パイプ内部のドリルパイプとともに脱落した。黒潮の流れが予想以上に強かったため、作業を一時中断して近くの海域に退避中だったという。脱落部分は水深約2キロの海底で確認された。周辺の海底ケーブルや漁具への影響はなく、回収の予定もないという。
★掘削した孔の中で折れなくてよかった。


JOGMEC、海洋資源調査船を三菱重工に発注(goo自動車&バイク)よりH22.01.19紹介 
独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は、日本周辺海域に存在する海洋資源の探査、開発を加速するため、現在運航中の調査船「第2 白嶺丸」に代わる新たな海洋資源調査船を、1月12日付けで三菱重工業に発注したと発表した。契約金額は173億円で、2012年2月頃の就航を予定する。
新しい海洋資源調査船は、日本で初めてとなる、海底や地質の状況に応じて選択できる2種類の大型掘削装置や各種の調査機器を搭載する。これによって海底熱水鉱床、コバルト・リッチ・クラスト鉱床の海底鉱物資源をはじめメタンハイドレートなどのエネルギー資源の調査に役立てていく計画。
JOGMECが保有する深海底鉱物資源探査専用船の第2白嶺丸は、公海域でマンガン団塊の鉱区取得や大陸棚延伸申請に使用する科学的データを取得してきたが、就航から30年が経過し、資源量を把握するための地下深部の掘削ができないこと、充分な定点保持機能がないため長時間の掘削作業ができないことなど、調査能力、機能に限界があった。
このため、政府の海洋基本計画に海洋調査船の代替整備に関する記述が盛込まれ、今年度の補正事業として予算化された。


地球深部探査船:「ちきゅう」にまた会える! 新宮で17、18日に公開 /和歌山(毎日新聞)よりH21.10.15紹介 
 紀伊半島沖の熊野灘で、地震発生帯「南海トラフ」の研究航海を終えた海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」(7万5000トン)が、支援拠点港の新宮港に帰港。17、18両日、一般公開される。
 ちきゅうは今年5月から、熊野灘の地震発生帯海域で、特殊なドリルを使い海底下約1600メートルまで掘削。巨大分岐断層部や、沈み込む前のトラフ底堆積(たいせき)層から、柱状地質試料(コア)を採取するなどした。
 一般公開は08年2月に続く2回目。今回は新宮港供用開始30周年記念イベント。午前9時半〜午後3時。無料。問い合わせは市商工観光課(0735・23・3333)。


探査船「ちきゅう」、2千万年前の玄武岩溶岩回収に初成功 海底下540メートル(MSN産経ニュース)よりH21.10.13紹介
 東南海・南海地震など津波を伴う巨大地震の発生メカニズムを解明するため、紀伊半島沖の熊野灘で海底掘削を行っていた海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」が、大規模な活断層がある海溝「南海トラフ」で初めて堆積(たいせき)岩と基盤岩の境にある枕状玄武岩溶岩の回収に成功し12日、入港中の新宮港(和歌山県新宮市)で報道関係者に地質試料が公開された。


東南海・南海地震の震源断層、195万年前から活動(読売新聞)よりH21.08.19紹介 
 紀伊半島から四国沖で発生する東南海・南海地震の震源となる海底断層は195万年前から活動を開始し、155万年前に、現代と同規模の地震が起きていたことが、海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」の掘削調査で明らかになった。数千年前までしかさかのぼれなかった海溝型地震の起源が100万年単位で判明したのは初めて。地震発生の仕組み解明に役立つと期待される。科学誌ネイチャー・ジオサイエンス電子版に掲載された。
 東南海・南海地震は、日本列島がのる陸側のプレート(板状の岩盤)の下に海側のプレートが沈み込むプレート境界面と、そこから分岐した海底断層(分岐断層)で発生する。
 東大理学部の木村学教授(構造地質学)らの研究チームは、2007年9月から08年2月にかけ、紀伊半島の南東約80キロの沖合、水深2500メートルにある分岐断層周辺の海底を「ちきゅう」を使って約400メートル掘削。採取した岩石を分析、断層の活動年代を推定。その結果、海底の下約10キロにある分岐断層は、195万年前から地震活動を始め、155万年前から活動が活発化し、マグニチュード8級の地震が起きることがわかった。


日米、「南海トラフ」地殻構造調査 巨大地震の想定震源域(NIKKEI NET)よりH21.08.16紹介
 日米の研究機関や大学が共同で2010年度から、日本列島南岸でマグニチュード(M)8級の大地震を繰り返す巨大断層の掘削調査に乗り出す。東海・東南海・南海地震の想定震源域が連なる「南海トラフ(溝)」沿いを深さ約6〜7キロまで掘り、地殻のひずみなどを調べる。巨大地震の巣を直接探る世界初の調査で、地震発生メカニズムの解明に役立てる。
 日本の海洋研究開発機構を中心に米ウィスコンシン大学などの研究者が参加する。海洋機構の地球深部探査船「ちきゅう」を利用。紀伊半島南東沖のトラフ沿いの海域で、船からパイプやドリルを突き立て、海底下に直径約20センチの穴を掘り進める。 13年ごろまでに約300億円を投じ、3回の航海に分けて掘削する。


観音寺第一高:カナダ沖からネットで授業 /香川(毎日新聞)よりH21.07.06紹介 
 観音寺市茂木町の県立観音寺第一高校(若宮道男校長、897人)で3日、カナダ・バンクーバー沖に停泊中の米・深海掘削船「ジョイデス・レゾリューション号」との間をインターネット回線で結んだ、海洋地質学の遠隔授業があった。
 授業で地学を選択する生徒や、天体部で活動する計約40人が出席。先月23日から2週間の予定でジ号に乗り込んでいる県立丸亀高校の川村教一教諭らが、教室の大型スクリーンに映し出される動画や写真を通して、海洋地殻の紹介や海底で起こっていることなどを説明。生徒が「海底どれぐらい掘れるのか」と質問、「約2キロまで」と答えるなどのやりとりもした。
 普段は見ることのない、最先端の地球科学の生映像を、生徒らは興味深そうに見入った。2年の秋山芙美さん(16)は「研究の現場が見られて大変勉強になった」と話した。


科学目的で初のライザー掘削=「ちきゅう」、紀伊半島沖で開始(時事通信)よりH21.06.27紹介 
 海洋研究開発機構は26日、科学掘削船「ちきゅう」(約5万7000トン)が紀伊半島沖の東南海地震震源域付近で25日夜から「ライザー掘削」を始めたと発表した。ライザー掘削は、ライザーパイプと呼ばれる太いパイプの中にドリルパイプを通し、すき間に泥水を循環させながら掘削する海底油田用の技術。科学掘削で使うのは世界初で、掘った穴が崩れるのを防ぎ、震源域であるプレート境界付近の解明作業が進むと期待される。
 ちきゅうは2007年9月から紀伊半島沖で断続的に掘削作業を実施。今年度は5月12日に和歌山県新宮市の新宮港を出て、約60キロ沖でライザー掘削の準備作業を進めてきた。7月末までは、水深約2000メートルの海底下を約1600メートルまで掘削する計画。穴の中に地震計を約20台設置し、研究船「かいれい」から音波を発信して測定することで、地質構造を調べる。
★成果を期待したい。


横浜港で、世界最深の潜水調査船「しんかい6500」を一般公開(ヨコハマ経済新聞)よりH21.06.11紹介 
有人潜水調査船「しんかい6500」
 横浜開港150周年協会は6月13日、横浜港で、深海探査の最先端をゆく海洋研究開発機構(JAMSTEC)の船舶を一般公開する。
 今回一般公開するのは、深海潜水調査船支援母船「よこすか」と有人潜水調査船「しんかい6500」。
 同イベントは「開国博Y150」および「海フェスタよこはま2009」の一環として行われ、横浜開港150周年記念テーマイベント「開国博Y150」の期間中に、海洋調査船や帆船などのさまざまな機能・働きを持つ船舶を招聘し一般公開する。海洋研究開発機構や東海大学、海上自衛隊などの協力により、ベイサイドエリア内の埠頭で普段見ることのできない船舶の内部を見学することができる。
 「しんかい6500」は1990年に完成し、日本近海、太平洋、大西洋、インド洋などで海底の地形や地質、深海生物などの調査を行い、2007年に通算 1,000回目の潜航を達成した。全長9.5メートル、幅2.7メートル、高さ3.2メートル、空中重量約26トン、最大潜航深度6,500メートル、乗員数3人、通常潜航時間8時間。
 支援母船「よこすか」は、最大潜航深度6,500メートルの能力を持つ、世界最高水準の大深度潜水調査船「しんかい6500」の支援母船。深海底表層・断層地形や地質構造を解明するためのさまざまな機能を持ち、深海・海溝域の総合的な調査観測研究を行う。全長105メートル、幅16メートル、深さ7.3 メートル、総トン数4,439トン、定員60人。


地球深部探査船:「ちきゅう」船内を報道公開−−新宮 /和歌山(毎日新聞)よりH21.05.12紹介 
 ◇地球の深部へ
 独立行政法人海洋研究開発機構(神奈川県横須賀市)の地球深部探査船「ちきゅう」(5万7100トン)がこのほど新宮港に入港し、同機構は10日、船内を報道陣に公開するとともに、今年度の「南海トラフ地震発生帯掘削計画」について説明した。「ちきゅう」は12日に紀伊半島沖の熊野灘に向け出港予定で、最も活発な巨大地震発生帯「南海トラフ」で掘削調査し、地質構造を解明する。
 この日の説明会などによると、同計画は、4段階に分けて実施計画が進められており、07年9月〜08年2月の第1段階に続き、今回が第2段階。5月中旬〜10月上旬に計3次にわたり新宮港の南東沖約60〜135キロの3海域で実施する。
 水深約2000メートルの地点で、特殊なドリルで海底下1600メートルまで掘削するほか、地質試料を採取し地質構造や状態を解明する。また、地震発生帯に沈みこむ前の海底堆積(たいせき)物の組成を明らかにする。
 調査には日米欧などの研究者約50人が参加。この日の「ちきゅう」のブリッジでは、資材や機材の積み込み作業が進んでいた。


海底1600メートル 掘削調査(読売新聞)よりH21.05.11紹介 
 海洋研究開発機構は10日、新宮市の新宮港に停泊している地球深部探査船「ちきゅう」(5万7100トン)で、南海トラフ地震発生帯掘削計画「ステージ2」について発表した。ちきゅうは海底7000メートルを掘ることができる世界一の科学掘削船で、12日に出港し、10月まで熊野灘沖で調査する。
 21か国が参加する統合国際深海掘削計画で、2007年から熊野灘の南海トラフを掘削調査している。今回は、新宮市沖58キロから126キロの熊野灘で3か所を予定。このうち1か所で、より深く安定したライザー掘削を世界で初めて行い、海底1600メートルを掘る。
 同掘削による掘削孔は崩れにくいため、長期計測が可能。掘削孔内に20台の地震計を入れ、同機構所属の深海調査研究船「かいれい」から音波を発信し、プレート境界の地質構造を探る。