シェールガス採掘、地震誘発? 米中部、M3以上6倍(asahi.com)よりH24.04.26紹介
米中部で起きるマグニチュード(M)3以上の地震が、10年前に比べ6倍以上に急増していることが米地質調査所(USGS)の調べでわかった。もともと地震があまり起きない地域で、研究チームは、日本でも輸入に向けた動きがあるシェールガスなどの採掘活動などに伴う「人為的な地震」が関係しているとみている。
米地震学会での発表によると、米大陸中部でM3以上の地震は、1970年から00年までは平均年21回。それが01〜08年には平均29回、09年は50回、10年は87回、昨年は134回と6倍以上になっていた。昨年はコロラド州とオクラホマ州でM5を超える観測史上最大級を記録した。
研究チームは「自然原因とは考えにくい」とし、この地域で増えているシェールガスや石油の採掘との関連を指摘。採掘で出てくる大量の廃水を深井戸から高圧で地下に戻しているため、これが地震を誘発している可能性を挙げた。
メンフィス大地震研究情報センターのホールトン研究員によると、地下に戻された水が、断層の隙間に入り込んで滑りやすくなり、地震が起きやすくなったと考えられるという。

米内陸部での地震増加、「ほぼ確実に人為的」=USGS(ロイター)よりH24.04.19紹介
米地質20+
件調査所(USGS)の研究者らは、米内陸部にある石油やガスの掘削で利用した廃水を処理する場所の近くで、地震の回数が「飛躍的に」増えたとする報告書をまとめた。
報告書は、アーカンソー州、コロラド州、オクラホマ州、ニューメキシコ州、テキサス州の米内陸部で昨年、マグニチュード(M)3以上の地震が20世紀の平均の6倍に増えたと指摘。
化学処理された水や砂を地下に注入して石油やガスを採掘する「水圧破砕」と地震の増加をはっきりとは関連付けていないが、水圧破砕で出る廃水などが断層をずらす原因になっている可能性を示唆している。
同報告書の内容は、サンディエゴで開催される米地震学学会の会合で詳しく協議されるが、抜粋では「M3以上の地震増加は現在進行中」と指摘。「ここに記述された地震活動率の変化は、ほぼ確実に人為的だが、採掘方法の変化もしくは石油・ガス生産の生産速度にどれぐらい関係しているかはいまだに分からない」としている。
USGSの統計によると、M3以上の地震発生回数は1970─2000年には年間21回(誤差7.6)だったが、2001─2008年には同29回(誤差3.5)となり、2009年には50回、2010年には87回、2011年には134回と飛躍的に増えた。
USGS地震科学センターのアーサー・マッガー氏は、急激な地震の増加について「理由は分からないが、自然現象とは思わない。なぜなら自然では、これほどまでの増加は余震や火山環境でしか見られないからだ」と語っている。
地震より恐ろしい・・・絶えず拡大する巨大な陥没穴(秒刊SUNDAY)よりH24.04.18紹介
日本が地震なら、スゥェーデンでは巨大陥没穴だろうか。こちらの巨大な穴はスゥェーデンのイェリヴァーレ地方に存在し、自然にできた穴ではなく、鉄鉱山で鉄を採掘している際になんらかの原因で落盤したものと思われる穴である。恐ろしいのはこの穴、3月20日に開口してから常に拡大し続け地元住民は眠れない日々を送っているという。
まるで気功砲でできたようなこの穴は、Malmberget鉄鋼山によるもので、直径約150メートルもあるという。しかも徐々に穴が大きくなり、地元住民は、轟音が鳴り響くたびに、眠れない日々を送っているという。
その音はますます大きくなり、飛行機が通過する様な音から、火山が噴火する様な音にまで発展しているという。ヒドイ時には45分間ぐらい音が鳴り続け、いつ山が崩壊してもおかしくない状態だと言う。そしてこの落盤が収束するのはいつになるかはよく分かっていないと言う。
いつ終息するのかが判らないと言うのは恐ろしいのですが、それ以前に穴が拡大していくというのは恐ろしい話だ。近隣に住む方は、穴が家に迫ってくるわけだから、それは津波に匹敵する恐ろしさだ。地震や津波に比べまだ逃げる猶予があるものの、いつXデーが訪れるのかは判らない。
日本が東電なら、スゥェーデンはこのMalmberget鉄鋼山を管理するLKAB社に賠償請求が行きそうだが、残念ながらLKABは国営の企業。ということは、通常に考えれば税金でなんとかするのだろうか。
米中部の地震頻発、ガス掘削の注入廃水が原因か−地質調査所(ブルームバーグ)よりH24.04.16紹介
4月13日(ブルームバーグ):米中部で地震が頻発しているのは「ほとんど間違いなく」人為的なもので、油・ガス田掘削の際に地下に注入される廃水が原因ではないか、との見方を米地質調査所の研究が示した。
同研究によると、2000年までの30年間で米中部の地震は年間平均21件だったが、09年に50件、10年に87件、11年に134件と増加傾向にある。
この統計を含め研究報告の抜粋は来週サンディエゴで開かれる米地震学会に提出され、議論される。水圧破砕に対する規制強化の動きがある中で、エネルギー業界に一層圧力がかかりそうだ。
デービッド・ヘイズ米内務次官は12日に掲載されたブログで、「地質調査所は、深堀井への廃水注入が大幅に増えている地域で地震活動が増加傾向にある一連の例を示した」と述べた。
ヘイズ次官は、地震の規模が「かなり小さく」被害はほとんどないと指摘。廃水を注入した井戸が全て地震を誘発しているわけではなく、井戸が地震を引き起こしているかどうかを判断する方法もないと述べた。
オハイオ州当局は先月、昨年の地震の原因について天然ガス掘削の際に実施された水圧破砕の廃水注入によるものと結論付けた。
チェサピーク・エナジーやキャボット・オイル・アンド・ガスなどの企業が所属する米天然ガス連合の広報担当者、ダニエル・ウィッテン氏は電子メールで「廃水を注入している井戸と水圧破砕を行っている井戸には違いがある。国内には廃水を注入している井戸が14万カ所以上あり、地震活動と関連する可能性があるものはほんの一握りにすぎない」と述べた。
環境保護局はガス井の大気汚染や廃水処理を規制する規則を準備している。内務省は油井設計の基準改正や水圧破砕に使われる化学物質の開示を義務付ける規則を検討している。
北京・上海高速鉄道も「地盤沈下」に直面…地下水採取で普遍的現象(サーチナ)よりH24.02.22紹介
中国の50都市以上で、地盤沈下による被害が出ている。最大の原因は過度の地下水採取と見られている。北京と上海を結ぶ高速鉄道「京滬高速鉄路」も地盤沈下に直面している。中国新聞社などが報じた。
中国地質環境監視・観測院の張作辰副院長によると、中国全国で20センチメートル以上の地盤沈下が発生している面積は7万9000平方キロメートルだ。日本でいえば東北地方の面積(約6万6900平方キロメートル)より大きい。
特に目立つのは上海市や浙江省などの長江デルタ地区、北京や河北省などの華北地区で、陜西省から山西省にかけても、広い範囲で地盤沈下が発生している。
地盤沈下の最大の原因は、地下水の採取だ。最も早く「危機的状況」に直面したのは上海市で、1921年から65年までに市街地全体が1.69メートル沈降した。「このまま対策を施さねば、2000年までに上海市は水没する」と考えられたほどだ。
そのため、同市は1966年に地下水の採取を厳しく制限し、水道需要が低くなる冬季は、人工的に地下水脈に注水するなどの努力を続けた。その成果、上海市は“下海市”になることを免れているという。
しかし上海市が危機的状況を脱したわけではない。市全域の地盤がゆるいため、2012年1月には地下鉄4号線で「不均衡な地盤沈下」が発生し、一部区間を閉鎖して補修工事を行った。同市で「最も高いビル」として建設中の上海中心大厦では、周辺地域の地面が沈降して、ひび割れが発生した。
上海市は現在、全市外地域にわたって年間の地盤沈下を5ミリメートル以下に抑える努力をしているが「楽観視はできない」状態という。
古都・西安市でも地盤沈下の害は深刻だ。唐代に建てられた大雁塔は傾きが1メートル以上の「斜塔」になってしまった。構造部分に裂け目ができて住めなくなった集合住宅や、人が落ちるほどの大きなひび割れが発生した道路もある。「数十年後に西安は消滅する」と警告する人もいるほどだ。
河北省滄州市人民医院では、産婦人科病棟が沈み出した。1970年代の極端な地下水採取で地面の不均等な沈降が発生したためとされる。もともと3階建てだったが、2009年には「地上2階、地下1階」の傾いた建物になってしまった。
地盤沈下は個別のビルを破壊するだけでなく、鉄道、水道管、石油用パイプライン、橋、通信ラインなどを容赦なく破壊する。これらの建造物は、1カ所が破壊されただけで全体が機能しなくなるという点で、被害はさらに深刻だ。
2011年6月に開通した上海と北京を結ぶ高速鉄道「京滬高速鉄路(京滬高速鉄道)」も地盤沈下に対応するため、毎年線路下の敷石を追加せねばならない状態という。
鹿島「軟弱な地層確認できず」 トンネル事故で(asahi.com)よりH24.02.16紹介
岡山県倉敷市の海底トンネル事故で、工事元請けの鹿島は、立て坑近くのモニター室にあり、掘削状況を記録するパソコンに残されたデータの一部の解析を終え「非常に硬い地盤を掘っており、軟弱な地層は確認できなかった」と15日、明らかにした。
鹿島によると、解析したのは、事故当日の7日午前にトンネル先端までの約7メートルを掘り進んでいた時のデータ。地盤を削るカッターを回す力を調べたところ、一貫して最大出力の約70%だった。マシンは同日午前11時45分で掘削する作業を終えてバランスを崩すこともなく、停止していた。
鹿島の担当者は「カッターを回すのにかかる力は通常約50%。それより大きい力が必要なほど今回の地盤は硬かった」と説明。掘削マシンが軟らかい地盤の上で自重に耐えきれず、先端部分が沈む「ノーズダウン」が起き、マシンの天井部分に隙間ができて、土砂や水が流れ込んだ可能性は低いとの見解を示した。
鹿島は今後、マシンが停止してから、モニター室のパソコンが立て坑からあふれた水をかぶって電源が落ちた7日午後0時29分までのデータが残っているかも含めて解析を進める。
海底トンネル事故>掘削機前部、沈下か 隙間生じ海水流入(毎日新聞)よりH24.02.14紹介
岡山県倉敷市のJX日鉱日石エネルギー水島製油所の海底トンネル事故で、海底を掘り進む円筒形掘削機の後部とトンネル壁面との境界部に、隙間(すきま)が生じて落盤を引き起こし、大量の土砂や海水が流入した可能性が高いことが、工事関係者や専門家への取材で分かった。境界部は海底に出現した巨大なくぼみの位置とも一致。掘削機の電源喪失により掘削面と岩盤との圧力バランスの機能が失われるなどし、脆弱(ぜいじゃく)な地盤とも相まって掘削機(重さ141トン)の前部が沈む「ノーズダウン現象」が発生したとみられる。
工事会社の鹿島などによると、今回採用したシールド工法では、横穴を1.4メートル掘り進むごとに壁面ブロック(セグメント)を組み上げていた。
社員が事故直前に現場を見たところ、作業員らは掘削作業を中断していた。その後、壁面ブロックを下から組み上げる作業に入り、天井部は壁面ブロックがまだはめられていないか、ブロックを固定するセメントが注入される前の段階だったとみられる。
トンネル内にいた現場責任者の渕原義信さん(61)は事故直前、地上に「漏電」「ブレーカー」と連絡した。電気系統のトラブルがあったとみられ、壁を支える油圧ジャッキが緊急停止したか、掘削面と地盤との間で圧力バランスが崩れるかした影響で掘削機を突っ張って支える機能が失われ、重量で掘削機が前のめりに沈んで、後部の天井に隙間ができた。このため落盤を引き起こした可能性が高いとみられている。
地質専門家によると、現場海域の海底は泥と砂が堆積(たいせき)した軟弱な層が広がり、深くくぼんでいる場所もある。10年前に今回と平行する形で行われた隣接トンネルの工事では、水や石が勢いよく噴き出す「噴発」のトラブルが起きていた。
シールド工法に詳しいトンネル工学の専門家は「掘削面の土砂の取り込み口は閉じられていたことから、前面からの出水はあり得ない。ノーズダウン現象が大規模に起きたと考えられる」と指摘している。
事故は14日で発生から1週間たつが、残る作業員3人の行方は依然として分かっていない。
海底トンネル、水と石が噴き出す異変…10年前(読売新聞)よりH24.02.12紹介
岡山県倉敷市のJX日鉱日石エネルギー水島製油所の海底トンネル事故で、北側の海底に通る「第1トンネル」の工事の際、水と石が勢いよく噴き出す「噴発(ふんぱつ)」という現象が起き、作業が中断するトラブルがあったことがわかった。
工事はともに鹿島が施工したが、事前に地質調査をしなかった。県警は前回のトラブルについても鹿島などから経緯を聞く。鹿島の説明では、第1トンネルは長さ820メートル、外径5メートル。トンネル本体の工期は00年7月〜02年3月で、翌年完成した。今回の「第2トンネル」と同様にシールド工法を採用。掘削は第2トンネルとは反対の西側から始めた。
当時の工事関係者によると、約140メートル進んだ地点で掘削機が突然停止。調べたところ、小石の多い地盤に突き当たり、掘削機から土砂を運び出すスクリューコンベヤーが作動しなくなった。約1週間、作業が中断したという。
岡山の浸水事故、労働安全衛生法に抵触か 地質調査行わず(NIKKEI NET)よりH24.02.09紹介
岡山県倉敷市の海底トンネル事故で、工事元請けの鹿島がトンネルの掘削箇所の地質調査を実施しておらず、事前の地質調査を義務付けた労働安全衛生法の規則に抵触する疑いのあることが9日、厚生労働省などへの取材で分かった。厚労省労働基準局は、古い記録を使ったことが不適切だった可能性もあるとみて調査する方針。
地質調査に関し労働安全衛生法の規則は、工事業者がトンネルを掘削する場合、落盤や出水などによる危険を防ぐため、あらかじめ地質や地層をボーリングなどの方法で調査し、結果を記録することを義務付けている。
業者は調査結果や掘削方法などを計画書に添付して労働基準監督署に届け出て、監督署の審査を受けた後に着工する。
鹿島によると、10年ほど前に1本目のトンネルを建設した際、両海岸の陸地部分の地質調査は実施したが、比較的2地点が近いこともあり、海岸を結ぶ地下の調査は実施しなかったという。2本目のトンネル建設にあたり、今回は海底の地形調査のみ実施。以前と変化がみられず、今回も2地点を結ぶ調査は行わなかった。
労安法の規則は、調査を実施すべき時期を明記しておらず、現場の労働基準監督署が判断することになっているが、10年前の別の調査を参考にしたという鹿島の対応が適切だったかが焦点となる。
また、鹿島は9日午前3時半から、行方不明者5人の捜索再開に向け、立て坑内の水を浄化する濁水処理プラントを稼働させた。鹿島によると、午前6時時点で視界が約1メートルまで回復しており、担当者は「今日中に不明者の捜索を再開できる程度まできれいになる可能性がある」と話した。
プラントは立て坑入り口付近に2機を設置。水深16〜18メートルからポンプで1時間最大200トンの濁水をくみ上げ、特殊な薬品で水と沈殿物を分離。水は再び立て坑に戻す。
トンネル5人不明 海底地質調査せず工事(産経ニュース)よりH24.02.08紹介
岡山県倉敷市の石油元売り最大手「JX日鉱日石エネルギー」水島製油所で7日、海底トンネルを掘削中に坑内が浸水、5人が行方不明になった事故で、工事を受注した鹿島(本社・東京)が事前にトンネル周辺の海底の地質調査をせず工事に入っていたことがわかった。一方、第6管区海上保安本部は同日、水深11・5メートルのトンネル付近の海底を水中音波探知機(ソナー)で調べたところ、直径約20メートル、深さ3・5メートルのくぼみを確認。落盤箇所の可能性があるとみて調べている。
海底トンネルは、製油所内のB工場と対岸のA工場をつなぐルートで、坑内に石油製品を運ぶパイプラインを通すため2010年に着工し、13年完成予定。現在はAB両工場で立て坑(直径11メートル、深さ33〜34メートル)を掘り終え、さらに海底を通る横坑(直径5メートル、長さ790メートル)をシールド工法で掘り進めていた。
鹿島は同日夜の記者会見で、事故原因について地下水脈に当たったか、岩盤が崩落した可能性を挙げ、「調査中で確定できない。想定を超える異常出水だった」とした。
地質調査は、立て坑は行ったものの、横坑は実施しなかったと説明。トンネルの30〜50メートル北側に同規模の海底トンネルを同社が2003年に建設しており「前回の工事で掘った時のデータがあり、地質は同じと判断した」と釈明した。
◇
岡山県警によると、事故当時、坑内で作業していたのは、工事を下請けする弘新建設(愛知県知多市)と弘栄建技(東京都台東区)のシールド工の6人とわかった。うち弘新建設の角井健次さん(61)(宮崎県えびの市)は脱出したが、弘新建設の渕原義信さん(61)(大阪府豊中市)、宮本光輝さん(39)(愛知県知多市)、小荒勝仁さん(47)(同)と、弘栄建技の眞鳥晴次さん(43)(長崎県五島市)、南坪昭弘さん(57)(北海道函館市)が行方不明。
消防隊員に語った角井さんの話によると、立て坑の底で作業中、横坑から「危ない」と声が聞こえ、らせん階段を駆け上がって逃げる途中に海水があふれてきたという。
脊振山中に30キロのトンネル計画? 長々と解説してみた(佐賀新聞)よりH24.02.07紹介
ことしの1月17日、海外から3人の研究者が佐賀・福岡にまたがる脊振山の地質調査にやってきました。研究者は、それぞれ米カリフォルニア工科大、スタンフォード大、英オックスフォード大の物理学の教授です。全長30キロメートル、建設費用8000億円規模にもなる巨大な研究施設「リニアコライダー」を脊振山に設置できるかどうかを確かめにきました。彼らは、国際設計協力チーム(Global
Design Effort、GDE)と言って、この施設の設計図を協力して作っている国際チームのリーダーたちです。一行はその後、岩手県の北上山地に向かいました。岩手もこの施設の候補です。さらに言えば、アメリカのシカゴ、スイスのジュネーヴ、ロシアなども候補地で、この巨大な国際プロジェクトを誘致しようとアピール合戦を繰り広げています。
ところで、この「リニアコライダー」とは何を研究する施設なのでしょうか。30キロメートルものトンネルを掘って、どんな実験をするのでしょう。佐賀大学の先生に取材をお願いし、2時間かけて一から教えてもらいました。その後も、分からないことは佐賀大学の先生や九州大学の先生と何度もやり取りしながら、ようやく全容をつかむことができました。リニアコライダーは、佐賀新聞の紙面には「全長30キロ超のトンネルで電子と陽電子を衝突させ、宇宙誕生の謎を探る研究施設」と書いてあります。ここでは、さらに踏み込んでもっと詳しい説明に挑戦します。紙の面積や写真の掲載点数に縛られないブログの長所を生かして、リニアコライダーの長い長い説明の始まりです。
◆ものに「重さ」があるのはなぜ?
物には「重さ」があります。でも、これってなぜだかわかりますか? 当たり前すぎて「はぁ…?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、物理の世界では物に重さがあるのにも必ず「理由がある」と考え、その理由を突き止めようと研究が行われています。「重さ」の理由を解き明かそうと、物質を細かく細かく突き詰め、突き詰め…ついには原子のレベルまで。この、原子のレベルまで突き詰めて物質の仕組みを解明しようという学問を「素粒子物理学」と言います。
中学校の理科の授業で習ったとおり、物質を構成しているのは「原子」です。素粒子物理学が扱う「素粒子」とは原子よりさらにもうひとつ小さい! 素粒子は、原子を構成している粒子で、これ以上物質を細かく分けられない、物質の最小単位です。近年、日本ではこの素粒子物理学の分野で、続けてノーベル賞受賞者が生まれました。2008年の小林誠さん、益川敏英さん、南部陽一郎さん(米国籍で受賞)です。なので、素粒子物理学と聞いて、聞き覚えがある方も多いかもしれません。
この素粒子の分野で昨年末、「ヒッグス粒子」が新聞などで大きな注目を集めました。「ヒッグス粒子」はこれまで、理論上の存在だったのですが昨年12月13日、ふたつの国際研究チームがスイスにある国際的な素粒子研究の権威「欧州合同原子核研究機関・CERN(セルン)」の施設で実験を行った結果、「ヒッグス粒子が存在する確からしさは98・9%だ」と発表しました。これまで、理論上の存在だったヒッグス粒子を「つかまえられそうだ」という大ニュースでした。このヒッグス粒子こそがエネルギーに「重さ」を持たせる立役者として、長く素粒子物理学の計算式に使われてきました。
さて、ここでやっと「リニアコライダー」の出番です。リニアコライダーとは、この「ヒッグス粒子」をつかまえる装置なのです。
◆リニアでコライドさせてビッグバン!
では、どうやってヒッグス粒子をつかまえるのでしょうか? 「リニア(linear)」というのは「直線上の」という意味です。「コライド(collide)」とは「衝突する」という意味。ふたつをつなぐと「直線上で衝突させる」装置になります。何を直線上で衝突させるのか。それは「電子」と「陽電子」です。
電子も陽電子も素粒子の仲間です。ただし、帯びている電気が違っていて、電子は「マイナス」、陽電子はこれとは正反対の「プラス」の性質を持っています。あとの性質はまったく同じのそっくりさんです。
リニアコライダーは、電子と陽電子のふたつを30キロメートル離れた筒の端と端から猛烈な勢いで加速させて中央でぶつけます。こうすると、宇宙の始まりの状態である「ビッグバン(大爆発)」が起きた直後(1兆分の1秒後)に存在していたはずの素粒子が発生し、初めてその素粒子の性質を調べることができるのです。宇宙が始まった瞬間を再現することで、そのとき、何が起こったのか、物質同士でどんな反応が起こったのかが解き明かされるというのです。
「そもそも、何で電子と陽電子ばぶつけたら、宇宙の始まりになると?」と疑問に思われるかもしれません。宇宙が誕生した直後(1兆分の1秒後)、宇宙空間には数100GeV(ギガエレクトロンボルト)のエネルギーが満ちていたと言われています。電子と陽電子を光の速度まで加速してぶつけると、これに近いエネルギーを発生させることができます。現在、スイスの「CERN(セルン)」にある施設は原子核を構成する陽子と陽子を光速でぶつける実験ができますが、この方法だと不純物が多いので、ヒッグス粒子が不純物に隠れてしまい、つかまえるのが難しそうなのです。
リニアコライダーは、より不純物が少ない環境で、宇宙が誕生した直後の状態を再現できると期待されています。人工的に宇宙誕生のビッグバンを再現した際に、ヒッグス粒子もつかまえられるのではないかと期待されています。こうした背景から、昨年12月のヒッグス粒子を「つかまえられるかも」という発表以降、急速にリニアコライダーへの国際的な期待が高まってきました。宇宙が誕生し、物質が生まれる瞬間に、「重さ」はどうやって決まるのか。その役目を果たす粒子を、ついにつかまえられそうだというのです。実験が成功したら、まさに大発見です。
ヒッグス粒子を一度つかまえて性質を調べれば、科学の常識が大きく塗り替わるかもしれないとも言われています。たとえば、科学で「真空状態」といえば、「何もない状態」を表します。ところが、ヒッグス粒子をつかまえて調べてみたら、真空状態の中にもいるかもしれません。もし、真空状態の中にもヒッグス粒子がいたら「ヒッグス粒子がいるんだから、何もない状態って言えないよね…」という話になるはず。こうして、科学の常識に変更が迫られる可能性があるのです。
◆来るか?! 8000億円事業
リニアコライダーは、各国がお金を出し合って世界に1カ所つくります。8000億円という事業費は、佐賀で言えば玄海原子力発電所1〜4号機すべての建設にかかった費用を単純に足すと9000億円ですから、たいへんなビッグプロジェクトです。プロジェクトには海外の多くの研究者が関わり、設置されれば数千人の研究者が居住する国際的な学術都市になると言われています。
果たして、この事業を日本に呼べる可能性はどれほどか? アメリカは、設置国が拠出すべき資金協力面において問題が起きそうだと言われています(各国がお金を出し合ってつくるのですが、設置国にはより多くの出資が求められるためです)。スイスは、「CERN(セルン)」という施設がすでにありますから、国際拠点としては、「スイス以外の国にしよう」という意見が出る可能性が大きい。そこで日本は有利だ、という見方をする学者もいます。
国際リニアコライダー建設計画は、来年3月までに、各候補地でリニアコライダーをつくる場合の具体的な設計案が提出される見通しです。設計案が提出されれば、設置が可能な場所の選定はさらに絞り込まれてくるでしょう。もし佐賀県にリニアコライダーが来れば、国際社会における佐賀の印象がまったく変わるかもしれません。皆さんもぜひこのビッグプロジェクトの行方に注目してみてください。
(取材協力ありがとうございました:佐賀大学理工学部教授 杉山晃氏 九州大学理学研究院教授 川越清以氏)=佐賀新聞メディア戦略局記者 中島康晴
◆ ◆ ◆取材こぼれ話 「佐賀県にある、よく似た施設」◆ ◆ ◆
リニアコライダーの施設はどんなものになるのでしょう? 実は、佐賀県にはリニアコライダーのモデルともいうべき施設があります。それは唐津市厳木にある九州電力の天山揚水(ようすい)式水力発電所。2012年1月17日にはGDEのメンバーが視察に訪れました。「揚水」というのは、水を揚(あ)げること。発電に使う水を電力需要が少ない夜のうちに高い所に上げておき、電力需要の多い昼間に水を落としてタービンを回します。
この発電所の設置条件や形が、これからつくるリニアコライダーに似ているのです。リニアコライダーは長い直線が固い岩盤の中に横たわる設計ですが、天山揚水式発電所も岩盤の中にあり、また、研究者が地上から地下の施設に行き来するための斜めに掘り下げた通路も参考になります。水を落下させて回す発電タービンのある位置は、リニアコライダーでいうところの「衝突させる場所」だったり「測定機を設置する場所」になります。科学者の一行は、かなづちを手に持って「コンコン」と丁寧に、岩盤の強さなどを確かめていました。さて、その印象はどうだったでしょうか。
ブルガリア:シェールガス探査禁止 環境汚染懸念、仏につづく(毎日新聞)よりH24.01.27紹介
ブルガリア国会は、堆積(たいせき)岩の頁岩(けつがん)層に含まれる「シェールガス
」と呼ばれる天然ガスの開発について、環境問題を引き起こす可能性が指摘されている「水圧破砕法」での探査を禁じる決議案を賛成多数で採択した。ロイター通信などが伝えた。掘削コストの低下とともに「未来のエネルギー源」として注目されているシェールガスだが、環境破壊のリスクを改めて浮き彫りにした格好だ。
水圧破砕法は、砂や化学薬品を混ぜた高圧水を放出し、頁岩層のガスを採取するもので、環境団体などから地下水の汚染や地震の誘発などを懸念する声が上がっている。
欧州連合(EU、27加盟国)では、フランスが昨年7月に水圧破砕法による開発を禁止したが、ポーランドなどで探査計画が進んでいる。
ブルガリア政府は昨年6月、米石油会社シェブロンに対し、北東部ドブルジャ地方での試掘を認めた。ロシア産ガスへのほぼ全面的な依存度を改めるため、シェールガス開発で資源自給率を高める狙いがあった。
だが、環境問題への懸念から各地で反対デモが発生。政府は今月17日、シェブロンへの採掘許可を取り消していた。
巨大加速器 産官学挙げ誘致へ(NHK)よりH24.01.07紹介
物質に質量がある起源とされる「ヒッグス粒子」など未知の素粒子の解明に用いられる「加速器」と呼ばれる世界最大の実験施設を日本に誘致しようと、ことし国内の2か所の候補地で本格的な地質調査が始まるなど、誘致に向けた産学官を挙げての動きが活発になりそうです。
「国際リニアコライダー計画」と呼ばれるこの計画は、地下に全長30キロの直線のトンネルを設置して、その中で電子と陽電子を光とほぼ同じ速さで衝突させ、未知の素粒子の解明につなげようというものです。建設費はおよそ8000億円に上る見込みですが、完成すれば世界中から研究者やメーカーなどが集まり、経済の活性化も期待できるとして、世界で誘致の動きが始まっており、日本からも福岡県と佐賀県にまたがる「脊振山地」と岩手県の「北上山地」が名乗りを上げています。予定では、2014年以降に各国政府の協議で設置場所を決めて2020年代半ばの完成を目指しており、日本では先月、野田総理大臣も出席して誘致を目指すシンポジウムが開かれたほか、早ければ今月にも海外の研究者を日本に招いて東北と九州の候補地の環境をアピールすることにしています。また、ことしの春から夏にかけて、政府の予算で候補地の本格的な地質調査が行われるなど、ことしは産学官を挙げて巨大加速器の誘致に向けた動きが活発になりそうです。日本が世界最大の加速器の誘致を目指す背景には「素粒子物理学」の分野でノーベル物理学賞の受賞者を相次いで出しながら、未知の素粒子の解明につながるような欧米並みに規模の大きな加速器が国内にないことがあります。欧米では、アメリカのシカゴ郊外にあるフェルミ国立加速器研究所に1周6キロの大型の加速器があり、現代の物理学の標準理論で予言された17種類の素粒子のうち、16番目となる「トップクォーク」を1995年に発見しています。また、スイスのジュネーブ郊外には、CERN=ヨーロッパ合同原子核研究機関が1周27キロもある大規模な加速器を建設し、標準理論で予言された最後の素粒子「ヒッグス粒子」を早ければ、ことし中にも発見する可能性が高まっています。ただ、今後「ヒッグス粒子」が発見されても、従来の円形の加速器では粒子どうしが衝突する前に失うエネルギーが大きく、詳しい性質まで調べるのは難しいとされ、世界中の研究者が、失うエネルギーを最小限にとどめられる直線状の巨大な加速器を必要としています。日本には、現在、1周3キロの比較的規模が小さな加速器しかなく、これを機会に世界最大となる新たな加速器を日本に誘致したいという機運が高まっています。
フラッキング由来の地震防止には高価な地質調査が必要(時事通信)よりH24.01.06紹介
米オクラホマ州からオハイオ州にわたる一帯で発生した多数の小さな地震と、エネルギー業界のフラッキング(水圧破砕法)の利用増との関連を示す証拠が増えているが、科学者らはより小さな地震のリスクをも最小限にする方法がただ一つあると指摘している。
それは徹底的な地質調査を行うことで、石油や天然ガスが抽出された場所よりも下の岩層を調べることが、地震多発地帯の発見につながる可能性がある。問題は費用が1回につき、約1000万ドル(約7億7000万円)もかかることだ。ボアホールを掘るという従来の方法よりもずっと高価になる。ボアホールによる調査では、岩層の一部のサンプルしか取り出すことができず、断層やプレートについては何の手掛かりも得られない。
しかし、この高価な地質調査はフラッキングと地震との関連を示す反論の余地のない証拠が見つからない限り、受け入れられそうもない。
オクラホマ地質調査所の地震学者、オースティン・ホランド氏は「地中に何があるかが分かれば、地震リスクを完全に最小限にできる可能性がある」と述べた上で、「それを支える十分な科学的根拠がまだない」と語った。
昨年12月31日にオハイオ州でマグニチュード(M)4.0の地震が発生したことを受け、当局はフラッキングに使う液体を処理するのに使用していた5本の井戸を閉鎖した。アーカンソー州が同州ファイエットビルで開発が進むにつれて地震が急増したことを理由に、フラッキングの一時停止を宣言してから、まだ1年も経っていない。
専門家は地震が必ずしもフラッキングの過程で発生しているわけではないようだと指摘している。フラッキングは化学物質を含む水と砂を頁岩(けつがん)層に注入して石油と天然ガスを抽出する方法で、論議を呼んでいる。
第33回沖縄研究奨励賞 新城、樋泉氏が受賞(琉球新報)よりH23.12.16紹介
公益財団法人沖縄協会(東京都、清成忠男会長)は9日、50歳以下の新進研究者を表彰する第33回沖縄研究奨励賞を発表した。自然科学部門で新城竜一琉球大理学部物質地球科学科教授(48)の「琉球弧および周辺海底の地球科学的研究」を、人文科学部門で樋泉(といずみ)岳二早稲田大非常勤講師(50)の「琉球列島における人と自然の関係史」を選んだ。
副賞の研究助成金50万円を贈る。贈呈式は来月19日にパシフィックホテル沖縄で開く。社会科学部門は該当作がなかった。
旧平良市出身の新城氏は陸域火山岩類の岩石学的研究、海底の地球物理学的研究と新しい化学分析手法を総合。海底形状と地震の関連などで多くの成果を挙げ、琉球弧の地質科学的研究の発展に大きく貢献した。
樋泉氏は山梨県出身。遺跡群から出土する脊椎動物の変化に着目し、漁労主体の貝塚時代から農耕主体のグスク時代への変容を分析。自然環境と動物資源、人間の生活を総合的に把握する斬新な歴史観察を確立したとして評価された。
東京都文京区の同協会で記者会見した清成会長は「新城氏の研究は大震災を受けて注目を集めている分野だ。人文科学は樋泉氏と甲乙付けがたい高水準の研究者がいた。再度応募してほしい」と語った。
新城氏の話 コツコツやってきた研究が認められ、うれしい。今後は地球温暖化問題などをはじめ、火山岩という専門分野での研究成果を踏まえ、地球化学などにも領域を広げたい。
樋泉氏の話 沖縄が好きで、歴史を知りたいと思い研究を始めた。栄誉ある賞にうれしく、身の引き締まる思い。考古学は一人ではできない学問。支援してくれた方々に感謝したい。
リニア中央新幹線:環境アセス 4自治体、JRに意見書 /長野(毎日新聞)よりH23.11.14紹介
◇土砂処理など説明求める
JR東海は、9月に示したリニア中央新幹線の環境影響評価(環境アセス)方法書に対する意見書の提出を10日で締め切った。県内の沿線自治体では、飯田市▽高森町▽松川町▽大鹿村−−の4市町村が意見書を提出。トンネル掘削土砂の処理計画の提示や、磁界の影響についての説明などを求めた。
南アルプスを貫く長大トンネルの出口にあたる大鹿村は「トンネル残土の処理計画を示し自然や生活環境への影響回避や低減に向けて取り組むこと」を求めた。橋で通過する天竜川支流の小渋川について「貴重な自然環境の中にあり、地質も脆弱(ぜいじゃく)」と指摘し「トンネルで通過するよう求める」とした。
飯田市と共に中間駅候補地(直径5キロ範囲)に入る高森町は「磁界に住民が不安に感じている」とした上で、山梨実験線での磁界の測定結果と周辺住民の健康状態に関する資料の開示▽分かりやすい表現による住民への説明責任を果たす−−を求めた。騒音や振動の影響や範囲、程度を明確にし、影響を小さくすることも求めた。
松川町は、中央道松川インターチェンジを利用して残土を運ぶ場合の影響の説明と対策▽高圧線を引く場合、電力会社と一体となっての住民への説明−−を要望した。
飯田市は、危惧される自然環境への影響の予測調査▽湧水(ゆうすい)や沢水の流量調査と水質調査の実施▽騒音や振動に関する沿線住民への理解▽トンネル残土の処分や利用▽文化財への配慮−−を求める内容。
地下水の過剰採取で地盤沈下、北京・天津は最も深刻―中国・華北地方(Record
China)よりH23.10.26紹介
24日、中国華北地方では過剰な地下水の採取が原因で大規模な地盤沈下
に見舞われている。特に北京市や天津市等の都市では深刻な問題となっている。写真は2006年7月、河北省。大雨の後に地面が陥没したが、この原因は地下水の過剰採取と言われている。
2011年10月24日、中国国営テレビ局・中央電視台(CCTV)の報道によると、華北地区での過剰な地下水採取により、華北平原が大面積の地盤沈下を起こしているという。広州日報が伝えた。
河北省滄州市人民医院は2年前までは3階建ての婦人科病棟があったが、地盤沈下によって本来の1階部分が“地下室”となり、“2階建て”になってしまった。2009年、この病棟はやむなく解体・建て直しすることになり、その跡地には噴水が作られている。
滄州市中心部の地盤沈下の状況は顕著で、沈下前後の状態が目視できる場所ではで地面が2段になり、約30cmもの段差がある。中国地質環境監測院調査・科学技術外事処の呉愛民(ウー・アイミン)処長によると、1970年代から現在までに滄州市の地盤は約2.4m沈下したという。しかし、滄州市の例は特殊ではない。華北平原では、地盤沈下が2mを超える地域がすでに6万平方メートル余りに達し、その面積は平原全体のほぼ半分を占める。特に北京市や天津市等では深刻な状況であり、この主な原因の一つが、過剰な地下水源の採取である。
呉処長は「華北平原の地下水の採取量は、同地区の水供給量全体の75〜80%を占めている」と述べた。その採取量はすでに1000億立方メートル余りを超え、もし、自然の循環に任せて地下水を補おうとすれば、少なくとも数万年はかかる。
呉処長はさらに、地盤沈下のさらなる進行によって、北京―上海間を結ぶ京滬高速鉄道や南水北調プロジェクト(中国南部の水を北部に送り慢性的な水不足を解消するプロジェクト)の安全面の影響を懸念している。
「風穴」構造ほぼ解明 湯西川ダム周辺、大規模掘削調査 永久凍土から冷気発生か(下野新聞)よりH23.08.07紹介
国土交通省関東地方整備局湯西川ダム工事事務所はこのほど、日光市の同ダム建設に伴う水没地周辺に広範囲に存在する風穴のメカニズムを解明するための大規模な掘削調査を実施した。地質10
件学の専門家によると、風穴調査でこれほどの取り組みは例がないという。これにより、風穴の構造がほぼ明らかになったが、確認されている55カ所の冷風穴のうち貯水により29カ所が水没する。今後は、これまで蓄積したデータと水没後のデータを比較することで、風穴への影響をどのように評価するかが課題となる。
風穴の調査は2000年に着手され、10年以上にわたって継続されている。これまでに冷風穴55カ所を確認、吹き出し口の温度、外気温、降水量などのデータを継続収集してきた。
今年3月には構造を確認するための大規模な掘削調査も実施。これにより、風穴は、あまり細かく割れることのない凝灰岩のガレ場を表土が覆ったような構造であることが判明。地中の岩屑の隙間を空気が流れるメカニズムが確認された。
同工事事務所の調査を指導、助言する湯西川ダムモニタリング委員会の委員を務める宇都宮大の酒井豊三郎名誉教授によると、風穴の調査でこれほど大規模な取り組みは例がないという。
これまで収集されたデータで酒井名誉教授が注目するのは、複数の冷風穴で、夏場の数カ月、4度前後の強い冷気の吹き出しが確認されている点。「地中の岩石が強く冷却されている必要があり、永久凍土の存在なども可能性として考えられる」という。
今後は29カ所が水没した後に、温度や風量などの変化を比較し「守ろうとするならば、何をどうすればいいのか、という科学的な下地をつくることが大切だ」と話している。
頻発する土地陥没・マンション倒壊、原因は中国の建設技師が“皮膚科医”だから!?―中国メディア(Record
China)よりH23.07.30紹介
新華網は中国各地で頻発する土地陥没や建築物倒壊についてとりあげた。専門家は工事を急ぐあまりに安全性を無視した結果だと指摘している。
23日、広東省広州市海珠区の建設現場で陥没事故が発生。20メートルにわたり現場を囲んでいた壁や基礎の杭などが陥没した。付近に住む住民100人が緊急避難する騒ぎとなった。その数日前にはハルビン市のマンションが一部倒壊。住民は避難を余儀なくされた。
なぜこれほど陥没事故、倒壊事故が多発するのだろうか?中山大学地球環境・地球資源研究センターの周永章(ジョウ・ヨンジャン)主任は、中国の都市は多くが地盤が軟弱なデルタ地帯に建てられていること、都市計画の不備で地質災害の危険が考慮できていないこと、工事の安全管理が徹底されていないこと、完成を急ぐあまり安全が無視されがちなことが背景にあると指摘する。
また、中国でも地下空間の利用が盛んになってきているが、都市計画は相変わらず地表の条件しか考慮していない、いわば「皮膚科の医師のようなもの」だという。地下の状況まで考える内科的都市計画の導入が必要だと提言した。
☆彡都市部での地質技術者の欠如、あるいはその報告内容が的確に利用されないまま、設計・施工されているようだ。
新潟大、南極で新鉱物発見(読売新聞)よりH23.06.01紹介
新潟大学と国立極地研究所は31日、南極大陸のセールロンダーネ山地で、新種の鉱物「マグネシオヘグボマイト―2N4S」を発見したと発表した。この山地は、5億〜6億年前に二つの大陸が衝突してできた山脈の一部とされる。鉱物は衝突時の高温・高圧でできたとみられ、鉱物を詳しく調べることで、大陸の形成過程を知る手がかりになるという。
世界の鉱物学会からなる学術組織「国際鉱物学連合」が今年3月、新鉱物と認定した。研究結果は、同連合のホームページなどに近く掲載される。日本の南極地域観測隊が新鉱物を見つけるのは初という。
新潟大理学部の志村俊昭・准教授や極地研などからなる観測隊は、ゴンドワナ超大陸の形成過程を調べるため、南極で地質調査を実施。2009年1月に新鉱物を見つけた。セールロンダーネ山地の中央部で、岩石の中に、サファイアなど他の鉱物と一緒に交じっていた。
ヘグボマイトはチタンやマグネシウムなどからなる。ヘグボマイト類そのものはこれまでも、いくつかの結晶構造のタイプが知られていたが、今回のはこれまでにはない構造だった。
鉱物は高温・高圧の下で違う構造の鉱物に変わる。今回見つかったヘグボマイトができた時期について、志村准教授は「周辺の地質などから考えると、5億2000万年前頃」とみる。大陸が衝突した時代と一致するため、衝突時の高温・高圧でできたとみられる。
また、これまでにない珍しい結晶構造のため、志村准教授は、「今回のヘグボマイトが、どのような原材料から、どの程度の温度や圧力の下でできたのかを調べれば、大陸衝突の経緯、山脈が盛り上がっていった過程が分かるだろう」と話している。