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太平洋セメント/転圧コンクリ舗装の試験施工実施/エコセメント普及拡大へ(日刊建設工業新聞)よりH26.03.20紹介
 太平洋セメントは19日、千葉県袖ケ浦市にあるダクタル袖ケ浦プラントの構内で、エコセメントを用いた転圧コンクリート舗装の試験施工を行った。エコセメントは、ごみを焼却した時に発生する灰を主原料にしたセメントで、これまでコンクリート舗装に適用された事例はない。1年程度の追跡調査を経て、実際の現場での適用を目指す。
 エコセメントは、都市ごみを焼却した際に発生する灰を主に、必要に応じて下水汚泥などの廃棄物も混ぜてセメントクリンカーの原料に用いる。セメント1トンに対し廃棄物を500キロ以上使うため、ごみの最終処分場の延命に寄与することが期待されている。東京都の25市と1町で構成する東京たま広域資源循環組合から製造を委託され、太平洋セメントが生産している。生産量は年間13・3万トン。
 これまでは、インターロッキングブロックや消波ブロックなどに使われることが多かったが、用途拡大を目指し同社と首都大学東京が09年度から共同研究を進めていた。今回、転圧コンクリート舗装への適用が理論上可能であることが確認されたため、試験施工の実施に至った。施工はNIPPOが担当。フィニッシャーによる敷きならしを行った後、振動ローラーによる初期転圧、タイヤローラーによる二次転圧、振動ローラーによる仕上げ転圧を行った。
 試験施工は、首都大学東京とセメント協会(関根福一会長)と共同で開催。コンクリート舗装のPRも兼ねて国土交通省や千葉県、道路関連企業などから約100人を招いた。太平洋セメントは今後、1年程度の施工後追跡調査を経て、実際の現場に適用したい考え。生産拠点が都内にあるため、東京都に積極的に働き掛けていく方針だ。

 

大林道路、土研/ゴム粒子入り凍結抑制舗装を開発/降雨時の水膜発生も防止(日刊建設工業新聞)よりH26.03.19紹介
 大林道路は18日、ゴム粒子を使用した新たな凍結抑制舗装を土木研究所と共同開発したと発表した。粗面型の砕石マスチックアスファルト舗装(SMA)に特殊なゴム粒子を混合するとともに、舗装表面にもゴム粒子を散布接着する。積雪時の凍結を抑制するだけでなく、降雨時の路面上の水膜発生も防止し、走行安全性を高める。試験施工で高耐久性や低騒音効果なども確認した。今後、提案を本格化させ、初年度に施工面積1万平方メートルを目指す。
 同社は、1981年にゴム粒子入り凍結抑制舗装の施工を開始。これまでに密粒ギャップタイプの「ルビット舗装」、ポーラスアスファルト(排水性)機能を付加した「オークサイレント」、ルビット舗装を薄層化した「薄層ゴム粒子入り凍結抑制舗装」の3工法を商品化してきた。今回の粗面型ゴム粒子入り凍結抑制舗装「アイストッパー」は、ルビット舗装とオークサイレントで得た知見を応用。表面より下層は耐流動性や耐久性、耐水性に優れるSMAと同等の緻密性を保持し、舗装表面はポーラスアスファルト舗装と同等の排水性能を確保した。
 12年6月に北海道函館市の横断歩道(施工面積63平方メートル)、13年8月に富山県魚津市の国道(同882平方メートル)で試験施工を実施。冬季の凍結抑制や水膜防止による走行安全性、骨材の飛散抵抗性、重交通路線に適用可能な耐久性、耐流動性、耐水性などの効果を確認した。副次的効果として、舗装表面の凹部により凍結防止剤の残留効果が向上したり、ゴム粒子などによって路面騒音が低減したりすることも分かった。
 混合物の製造・運搬は、ゴム粒子以外は通常のアスファルト舗装と同じ。表面にゴム粒子を散布する専用のゴムチップスプレッダーを使用するほかは一般的な舗装機械で施工が可能。1工程で施工できるので効率性・経済性に優れ、コストはルビット舗装の1割増程度に抑えられるという。同社はアイストッパーの商品化によって、発注者のさまざまなニーズに対応できる「凍結抑制舗装シリーズ」が確立できたとして、提案活動に一段と力を入れていく方針だ。


佐藤渡辺/SFRC鋼床版補強に縦取機導入/機械編成1車線で通行止め最小限(日刊建設工業新聞)よりH26.02.24紹介
 佐藤渡辺は、鋼繊維補強コンクリート(SFRC)による橋梁の鋼床版補強工事に、アジテーター車からSFRCを搬送する「縦取機」を導入した。アジテーター車、縦取機、SFRCを敷きならす増厚機などの機械を1車線に収めることで、2車線のうちの1車線の交通を開放したまま施工する体制を構築した。横浜市港湾局発注の「南本牧大橋舗装打替工事」に適用。通行止めを片側2車線のうちの1車線だけにして交通規制の影響を最小限にとどめた。通行止めが難しい路線の舗装工事に積極的に提案する。
 従来は、フィニッシャーや増厚機がある車線の隣にアジテーター車を並走させていたため、施工に2車線相当のスペースが必要だった。縦取機を導入し、アジテータ車から縦方向にコンクリートを搬送できるよう改善、機械編成が1車線で済むようにした。
 南本牧大橋舗装打替工事は、強度のあるSFRCを打設し、鋼床版の剛性を高めるのが狙い。建設から13年が経過し、全層打ち替えの時期が到来したため、対策が講じられることになった。施工は佐藤渡辺・日成建設JVが行っている。当初は、施工する片側の2車線を通行止めにし、反対車線の交互通行によって交通を確保する計画だった。佐藤渡辺は、縦取機を利用し、通行止めを1車線にとどめる施工計画を提案し、採用に至った。
 工事概要は、SFRC舗装工、表層工、塗膜系防水工がそれぞれ7939平方メートル。既存の舗装を切削した上で研磨し、接着剤を塗布してからSFRCを投入・養生する。SFRCの打設厚は4・5センチ。SFRCは、現場近くのヤードで生コンクリートに鋼繊維を投入した上で敷きならした。工事はこのほど完了した。
 佐藤渡辺は、縦取機の導入に当たり、工事、機械などの担当者で工程や検証作業のポイントを検討。橋上でもSFRCの敷きならしなどを行うため、増厚機への作業台の取り付けをはじめ安全対策の内容も詰めた。工程や作業内容を分析し、作業効率をさらに高める方針だ。


清水建、反射波で地質変化予測−掘削機使い探査(日刊工業新聞)よりH26.01.28紹介
 清水建設は27日、山岳トンネル工事で掘削機による打撃振動の前方反射波を捉え、地質の変化を予測できる切り羽前方探査システムを開発したと発表した。地盤を伝わる振動が地質の変わる地点で反射する特性を利用。掘削作業で反射波が戻ってくるまでの時間を計測し、その変化から地質の変化を事前に把握する。国土交通省近畿地方整備局発注の近畿自動車道紀勢線十九渕第一トンネル工事(和歌山県白浜町)に試験適用し、前方50メートル程度まで反射波を検知できることを確認した。
 トンネル前方の地質は先進ボーリングや弾性波探査など特別な調査を行って把握する方法が一般的。これに対し、開発した切り羽前方探査システムは通常の掘削作業で一日30分程度、切り羽を安定させるために打ち込んだロックボルトを受信センサー代わりにして掘削機による打撃振動の反射波が戻ってくるまでの時間を計測して記録する。日々の変化から地質が変わる地点を正確に予測し、無駄なく詳細な調査や安全を確保する工事を選定できるようにする。
 計測は掘削機とロックボルトそれぞれに振動波形を記録するセンサーを取り付け、パソコンにつなぐだけで可能。解析ソフトにより掘削に伴う計測時間の縮まり方から、地質が変わる反射地点を割り出す。


清水建設/新構造形式つり天井開発/固定クリップ未使用、施工性50%向上(日刊建設工業新聞)よりH26.01.22紹介
 清水建設は、新しい構造形式のつり天井を開発した。はずれた際に天井が落下する危険がある固定器具のクリップを使っていないのが特徴。はずれにくいクリップを使った同社の従来天井と比較しても、部品数が半分で、施工性が20〜50%向上、工期は10〜20%短縮できる。東日本大震災の最大観測波クラスの地震動(2G以上)でも天井が崩落しないことを確認済み。コストは従来天井と同等という。新築、改修の両方で採用を提案する。
 一般的なつり天井は、天井ボードと、それをビス留めする野縁、野縁に接する野縁受け、野縁受けのつり下げボルトで構成。野縁と野縁受けは、クリップで固定される。東日本大震災では、激しい揺れでクリップがはずれ、天井ボードが落下した建物があった。
 開発したのは「SDクリップレス天井」。野縁と野縁受けに代わる長尺の「メインバー」、短尺の「クロスバー」を一体化した「Tバー」と呼ぶ格子状下地材を使用し、2本のバーの交差部をボルトでつる。一定間隔でレ字形とV字形の耐震ブレースを配置し、揺れを抑制する。Tバーは大建工業、そのほかの部材は能重製作所(東京都墨田区、能重彰彦社長)が供給する。第1号として大建工業グループの工場に採用されている。
 従来工法と比較すると、部品が半分で済み、施工性が向上。材料費はアップするが、コストに占める労務の比率が下がるため、従来工法と同程度のコストで施工できるという。野縁と野縁受けを一体化した下地材は海外で使われている。清水建設は天井の耐震ブレースの技術を組み合わせることで、耐震性を確保しつつ、構造を合理化した。

   

高砂熱学工業、日本ピーマック/配管表面から流量・熱量計測/超音波より安価に(日刊建設工業新聞)よりH26.01.17紹介
 高砂熱学工業とグループ会社の日本ピーマック(神奈川県厚木市、樋口裕幸社長)は、空調などの配管を流れる水の流量や熱量を計測する「グリーン・エネルギー・ライト・システム(GEライツ)」を開発した。7月をめどに市場投入する。導入費用は超音波流量計の10分の1程度で済み、設備を停止しなくても取り付けることができる。消費熱量を正確に把握することで、きめ細かいエネルギーマネジメント(EM)が可能になる。
 GEライツは、配管の表面をヒーターで加熱し、流体の温度変化を計測・解析して流量や熱量を算出する。流体に奪われる熱量と流体の速度には相関があり、温度センサーで水温の変化を計測すれば、流速と流量を算出できる。冷凍機などの環配管や往配管に流量計測用センサーを設置し、同一系統で同センサーを設置した逆の配管の表面に温度センサーを取り付けてデータを取れば、流量と往還温度差から熱量も把握できる。
 流量の計測精度は、技術研究所で行ったテストでプラスマイナス5%以内であることを確認している。配管表面にセンサーなどを取り付けるだけの簡単な仕組みで、設備を停止しなくても導入が可能だ。1セット当たりの導入コストは取り付け費込を含め25万〜30万円と、超音波流量計の10分の1程度。25A〜250Aの配管サイズに対応し、測定器に集めたデータはタブレット端末などに出力できる。システムの製造・販売は日本ピーマックが担当する。センサーの設置にはノウハウが必要なため、当面は高砂熱学工業などグループ各社から顧客に納入して取り付ける。同社は品質確保を目的に地域ごとに講習会を開くとともに、販売と取り付けの認定制度も運用する。
 熱源で製造したエネルギーが建物全体にどう配分され、どの場所でどの程度使われているかを正確に把握すれば、空調設備の省エネ対策が効果的に実施できる。エネルギー使用量の報告が義務付けられている工場や施設にGEライツを導入することで、より正確なデータを報告でき、実態に即した省エネ対策によるコスト削減も可能になる。


オリエンタル白石、東急建設/高架橋脚耐震補強の新工法実用化/狭小空間で施工(日刊建設工業新聞)よりH26.01.09紹介
 オリエンタル白石と東急建設は、限られた作業空間でも高架橋脚の耐震補強が可能な新工法を開発した。巻き立て鋼板を分割して地上で組み立て、橋脚に取り付けたチェーンブロックでつり上げて接合する。この工程を繰り返すことで、耐震補強工事を完了させる。従来工法と比較し半分程度の空間で作業ができる。オリエンタル白石は、作業空間の確保が難しい鉄道高架橋などをターゲットに提案活動を展開し、工事受注につなげる考えだ。
 新工法は「RSPリフトアップ工法」。東京急行電鉄が発注し、東急建設が施工した「耐震補強工事田園都市線宮崎橋梁(土木工事その2)」で実用化した。12年7月〜13年9月の工期で4本の橋脚を耐震補強した。工事場所は高架橋の下に博物館や駐輪場、変電・機械室などがあった。橋脚の一つは博物館内にあり、壁と橋脚の隙間が80センチしかないという条件だった。
 オリエンタル白石と東急建設は、施設を解体・移転せずに作業を行うため、同工法を共同開発した。実際の工事では巻き立て鋼板を数ブロックに分割。つり上げと接合を繰り返して地上部の耐震補強を行い、土中に埋まっていたフーチングまでの橋脚は、巻き立て鋼板を圧入して補強する「ピア・リフレ工法」を採用し、作業を完了させた。
 高架下のスペースは都市部の場合、公共施設や店舗などに利用されていることが多い。大地震の発生に備えて橋脚の耐震補強が進む中、作業空間の制約などで工事が実施できないケースも少なくない。今回の工事を通じ、両社は構造物に囲まれるなど作業空間が限定された場所で、周辺への影響を最小限に抑えることが可能な耐震補強技術を確立した。今後は鉄道会社などをターゲットに、二つの工法を活用した耐震補強工事の実施を積極的に提案していく。RSPリフトアップ工法は、オリエンタル白石と東急建設の2社で特許を共同出願しているという。


大林組、大森建設/洋上風況観測技術開発へ実験開始/能代港湾内に小型浮体設置(日刊建設工業新聞)よりH25.12.26紹介
 大林組と大森建設(秋田県能代市、大森三四郎社長)は25日、秋田県能代市の能代港湾内で洋上の風況を観測する技術の開発に向けた実験を開始すると発表した。上空の風を観測できる装置「ドップラーライダー」を搭載した小型の浮体を海上に設置。防波堤の上に観測タワーも構築する。風向きや風速などのデータを収集し、観測の精度を検証。浮体による観測と解析技術を組み合わせ、風況を高精度に予測できる手法の確立を目指す。
 実験は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「風力等自然エネルギー技術研究開発(洋上風力発電等技術研究開発)〈洋上風況観測技術開発〉」の共同研究として実施する。地元自治体など関係機関の協力も仰ぐ。
 ドップラーライダーは、上空に向けて光波レーザーを照射し、大気中に浮遊する微細なちりやほこりからの反射光を分析することで上空の風を観測する装置。浮体式の架台に載せて洋上に浮かべ、風況を観測する。大林組が東京スカイツリーの建設中に用いた建設地上空の風予報システムなどのノウハウを活用。浮体による観測手法や観測点の年間風況を推定するための手法を確立したい考えだ。開発期間は16年2月まで。
 洋上風力発電が先行する欧州では、大規模な建設計画が進む。日本でも長い海岸線を生かした洋上風力発電の導入が期待されており、各地で風力発電の実証実験もスタートしている。風力発電機の稼働効率は風速や風向によって大きく異なるため、設置場所の選定には高精度の風況観測技術が求められる。大林組は、今後拡大が見込まれる風力発電事業への参入者を積極的にサポートするとともに、自社でも事業化を検討。大森建設は、洋上での実用的な風況観測システムの構築に参画していく方針だ。


清水建設、ヤマハ/安全看板に指向性スピーカー内蔵/音声で情報、視認率が向上(日刊建設工業新聞)よりH25.12.25紹介
 清水建設とヤマハは24日、指向性の薄型スピーカーを内蔵した一般歩行者向けの安全看板を現場に設置し、視認性を高める効果を確認したと発表した。音声が届く方向を制御でき、約30メートル先の歩行者にはっきりした音声で必要な情報を伝える。歩道を直進するように音が出るため、現場周辺の居住者への影響を抑えられる。
 現場に設置したのは「指向性音声案内安全看板」。清水建設が看板の企画と効果の実証、ヤマハが製作を担当した。国土交通省近畿地方整備局発注の高速道路工事の現場に設置。視認率が50%にとどまっていた安全看板の視認率は91%に向上した。音声情報を変更していけば視認率を高く維持できるとみている。
 安全看板は、ヤマハの指向性平面スピーカー「TLFスピーカー」と、ポスター、収納フレームで構成。スピーカーはB1サイズ大、厚さ1・5ミリ、重さ370グラムで、丸めても破損しない。ポスターの素材には音の透過性が高く、水滴に強いものを採用。フレームには薄い鋼板を使い、耐久性を高めた。人の視覚と聴覚に訴えかけるヤマハ独自の概念「サウンドサイネージ」を取り入れたのが特徴。音声は、歩道の歩行者に向かうよう制御できる。広がらないために減衰しにくく、明りょうな状態で離れた場所まで届けられる。現地では、伝えたい情報を表記した安全看板の視認性が高まり、設置から1カ月たっても67%の視認性を維持できた。
 車両が出入りする現場は、警備員を配置し、安全確保に努めているものの、長い期間設置される安全看板は、慣れてしまうことで歩行者の視認性が低下することがある。67%は、音声による情報を変えずに記録できた数値となっており、清水建設によると、内容を変えることで高い水準の視認性を維持できるという。設置したのは、掘削や盛り土などを行う「近畿自動車道紀勢線十九渕(つづらぶち)第一トンネル工事」(和歌山県白浜町、工期12年11月〜14年5月)の現場。


戸田建設、精研/水の凍結でRC構造物を解体/膨張圧で破砕、騒音・振動が低減(日刊建設工業新聞)よりH25.12.25紹介 そうなんだ@為五郎
 戸田建設は24日、大型ブレーカーなどの重機を使わずに建物基礎などの大規模な鉄筋コンクリート構造物を解体する技術を精研(大阪市中央区、笹川政美社長)と共同で開発したと発表した。構造物の内部で水を凍結させ、膨張圧によって亀裂を生じさせたり、鉄筋の周囲のかぶりコンクリートを破砕したりする。騒音や振動を低減することが必要な都市部の工事などに利用する。
 開発した新技術では、構造物に一定間隔で削孔。ここに水を充てんするとともに冷媒を循環させて凍結させる。氷になると体積が約9%増え、100メガパスカルの凍結膨張圧が発生。膨張圧が放射状に広がってコンクリートに圧縮応力が生じ、直交方向には引っ張り力が生じる。引っ張り強度を超えると亀裂ができ、躯体を脆弱(ぜいじゃく)にさせられる。鉄筋のかぶりコンクリートは破砕され、構造物の内部には亀裂が入る。鉄筋をガス溶断することでブロック割りが簡単に実施でき、大型ブレーカーを使わずに解体を進められる。
 戸田建設などは、高さ、幅、長さそれぞれ1メートル、鉄筋量0・97%の部材を利用した実験を実施。氷点下約30度まで冷却した冷媒の塩化ナトリウム水溶液を循環させたところ、1・5時間でひび割れが始まり、3・5時間でひび割れの拡張が終了した。最大3・46ミリのひび割れが発生したという。
 都市部の建築工事は既存建物の解体を伴うことが多く、大規模な基礎梁、フーチング、造成杭を解体するケースが増加。大型基礎は、大型ブレーカーで打撃を繰り返して破砕するのが一般的で、連続して出る打撃音、振動、粉じんの低減が課題になっている。戸田建設は、騒音や振動を抑制する環境にも優しい技術としてPRし、実際の工事に適用していく。


西松建設、近畿工業/フレコンバッグ用破袋機開発/連続で大量処理、作業員不要(日刊建設工業新聞)よりH25.12.24紹介
 西松建設は20日、環境・リサイクル機器メーカーの近畿工業(兵庫県三木市、和田直哉社長)と共同で、放射性物質の除染作業で回収した表土などを収納するフレコンバッグを、連続的かつ安全に大量破袋処理できる専用破袋機「テラシュレッダー」を開発したと発表した。従来のフレコンバッグ用破袋機に搭載されている破袋部の形状・配置を改良することで、一般的な処理方法の最大約25倍となる1時間当たり240〜300立方メートルという大量処理を可能にした。
 破袋部を、フレコンバッグを供給するロール部と、大きく切り裂くロール部に分けることで、破袋と土壌分離を確実に行えるようにした。破袋されたフレコンバッグが巻き付かない特殊な構造を採用し、メンテナンス性も向上させた。フレコンバッグ投入から分別・搬送までの作業を自動化したことで通常2〜3人必要な作業員が不要になり、被ばく線量の低減にも寄与する。
 ダブルドラムの回転数や破袋部の形状・配置など破袋に最適な運転条件を決定するため、厚みや硬さが異なる3種類のフレコンバッグで性能試験を実施。1分当たり最大5袋を破袋できることや、フレコンバッグの種類に依存せずに同じ運転条件で処理できることを確認した。今後は、破袋機のさらなる改良と実証実験を進め、除染廃棄物の中間貯蔵施設などの前処理設備として積極的に提案していく方針だ。
 環境省の推定では、福島第1原発事故に伴う除染作業で取り除いた土や放射性物質に汚染された廃棄物は最大で2800万立方メートルに上り、処理作業の高効率化が課題になっている。


鹿島/NATMの急速施工システム確立/国内最高の月進359メートル達成(日刊建設工業新聞)よりH25.12.20紹介
 鹿島は、掘削断面積15平方メートルの小断面トンネル工事で長孔発破を用いたNATMの急速施工システムを確立した。岐阜県飛騨市の実験施設用トンネル(延長3000メートル×2本)の掘削に導入した結果、1回の発破で4メートルの進行を実現。9月には国内最高の月進359メートルを達成したという。大断面に比べずり出しが難しいとされる中、ずりの積み込み用シャフローダーと搬出用ダンプトラックを組み合わせて作業を効率化。送・排気双方の強制換気によって坑内環境も良好に保った。
 工事は「東京大学(宇宙線)大型低温重力波望遠鏡施設(掘削その他)工事」。アインシュタインの一般相対性理論で存在が予言された「重力波」を検出するための実験用に東大が発注した。設計をサンコーコンサルタント(東京都江東区、跡部俊郎社長)、施工を鹿島が担当している。工期は11年12月〜14年3月の約28カ月。早期に研究利用を開始するため、工期短縮に向け長孔発破を採用した。機械ドリルを用いた削孔では、水平レーザーを天端と両側壁の3カ所に照射し、ダイナマイトを設置するための差し角を正確に制御。地質に応じた最適な発破パターンと火薬装量を選定した。
 長孔発破を実現しても、ずり出しを効率的に行えないと工期短縮にはつながらない。このため、切羽の進行に合わせて路盤コンクリートを打設することで、タイヤ工法によるずり出しを可能にした。通常の2倍の能力を持つシャフローダーと25トンダンプを併用。離合・方向転換場所を最適化するなどして施工サイクルを改善し、大幅な工期短縮を実現した。こうした工夫で、掘削機などの入れ替えによるロスも削減。月進359メートルは、北陸新幹線峰山トンネル(新潟県)の工事で03年に記録された月進304メートルを上回り、国内では最高という。
 長距離トンネル工事では、良好な坑内環境を確保することも作業効率の向上に大きく関わってくる。現場では、重機の排ガスや火薬発破の後ガス、覆工コンクリート吹き付け時の粉じんなどの対策として、送気用だけでなく、排気用のダクトも設け、坑内環境を良好に維持した。トンネルの長大化が進む中、急速施工による工期短縮はコスト管理面でもメリットがある。鹿島は残りの掘削についても引き続き長孔発破を適用し、今後の施工につながるデータを蓄積していく方針だ。


竹中工務店、日本ビソー/外壁調査システム開発/画像記録、短期間で報告書作成(日刊建設工業新聞)よりH25.12.19紹介
 竹中工務店は18日、外装工事やゴンドラ開発を手掛ける日本ビソー(東京都港区、黒田美喜雄社長)と共同でビルの外壁調査システムを開発したと発表した。タイル張りの建物などが対象。壁面の打診調査の結果をカメラで撮影し、調査記録の漏れや間違いを防ぐ。画像を基にしたCAD図を用いて損傷部分の数量積算や報告書の作成を行うことで、短期間で正確な結果を報告できる。従来工法と比べて調査から報告までの時間を約4割短縮し、コストも約2割削減できる。
 新システム「カベロク」は、ビデオカメラを搭載した建物外壁打診用の「1人乗りチェア型ゴンドラ」と「画像処理・損傷数量自動集計・報告書作成システム」で構成する。専門調査員がゴンドラに乗って壁面の打診調査を実施し、タイルやモルタルの浮きやひび割れなどの損傷をチョークなどで直接壁面に表示。調査結果をカメラで動画撮影し、画像処理ソフトで壁の立面図のような静止画像に加工してCAD図を作成する。
 外壁に表示した調査結果をすべて画像として記録。事前に壁面図を作成するなどの準備作業が省け、従来は手作業だった損傷の記入や写真の撮影が自動化されたことで人的ミスを防止し、正確な調査結果を報告できる。損傷情報は種別、調査部位ごとに数量が自動で積算集計され、エクセルファイルで出力できる。調査時の状況を画像記録として保存し、建物の長期維持保全にも活用可能だ。タイルの打診調査から損傷部分の数量積算、報告書の作成までの必要日数は、調査面積1000平方メートルの場合、従来工法で約11日だったものが、新システムでは約6日に短縮できるという。コストは従来比約2割減と試算している。
 竹中工務店らは、新システムによる外壁タイル調査業務を関東地域で開始。これまで年平均15件だった外壁調査業務を20件に伸ばす考えだ。来年度中には大阪や名古屋など大都市圏をはじめ全国展開を図り、リニューアル工事の受注拡大につなげていく。
 08年に改正された建築基準法では、特殊建築物の外装タイルなどについて定期的な調査義務が強化された。特に築10年が経過した建物は、落下により歩行者などに危害を加える恐れがある部分の全面打診調査が義務付けられた。


三井住建道路/舗装継ぎ目止水で新工法/乳剤塗布に代替、中央道本線橋梁に適用(日刊建設工業新聞)よりH25.12.18紹介
 三井住建道路は、舗装継ぎ目の「コールドジョイント」の新しい止水工法を開発し、中央自動車道の本線橋梁約1500メートルに適用した。専用の止水材を熱で混合物と一体化し、コールドジョイントに充てんしたり表層に水平に設置したりする。乳剤の塗布に代わる止水工法として売り込む。
 コールドジョイントは、施工幅員が広く、先行して舗装した個所が冷えてから加熱混合物を敷設した個所に生じる。同社は、この部分の止水技術の研究開発を12年度から本格化させた。同年度に止水材料を選定し、13年度に入ってから試験施工を行い、道路管理者と施工性を確認してきた。中央道の橋梁の表層補修工事への適用が決定し、11月に路肩の既存舗装との接点となる部分に施工した。
 開発した工法は、垂直方向、水平方向ともに設置できるのが特徴。仕上がりの性状、止水性能とも確認しているものの、耐久性を長期的に追跡調査し、橋梁以外の個所への適用を目指していく。舗装から雨水が浸透すると、アスファルト混合物の接合力が低下し、支持層の強度低下や床版の劣化が発生しやすい。止水にはアスファルト乳剤の塗布が行われるが、完全な止水が難しいケースがあった。


大成建設/3次元施工図の活用推進/独自DBで情報共有、実のあるBIMめざす(日刊建設工業新聞)よりH25.12.17紹介
 大成建設が、ビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)の取り組みの一環で、3次元施工図の活用を進めている。データ化したさまざまな付属情報を盛り込んだ躯体図、平面詳細図、天井伏図を集約したもので、東京都内で3次元施工図をフル活用する4件目の建設工事を実施中だ。仮設部材から部分的な納まりまで、施工に必要な情報を一元化した独自のデータベース(DB)を通じて幅広い関係者が共有。生産性をさらに高めようと改善活動を続けている。
 4件目として行っているのは「(仮称)メルクロス本社ビル新築工事」(建築主=メルクロス、工事場所=中央区日本橋)。建物は事務所、店舗、展示場で構成し、規模はS・SRC造地下1階地上9階塔屋1階建て延べ6993平方メートル。工期は6月から14年7月まで。現場で行っているBIMの取り組みは、▽3次元施工図▽サブコンと設備の納まり検討に利用する3次元総合図▽全体・部分施工計画▽鉄筋配筋検討▽型枠・躯体・鉄骨・各種仕上げの数量算出▽デジタルモックアップ▽動画作成▽座標・測量管理。このうち、3次元施工図、3次元総合図、数量算出の三つでBIMのメリットを引き出そうと試みている。
 大成建設の場合、3次元施工図は3次元の▽工程管理▽仮設計画▽納まり検討▽出来高管理▽数量管理▽プレゼンテーション資料―と関連付けてある。3次元施工図を現場でフル活用したこれまでの3件の事例を踏まえ、付属する情報を拡充したり、盛り込む情報をきめ細かくしたりと使い勝手を高めてきた。3次元施工図などの利用を促すため、建築本部計画部に設けた「建築生産システム推進担当」が環境整備を実施。3次元施工図を活用する現場に担当者が出向き、運用を支援したり、技術者の教育を行ったりする。支店の所長会議などにも参加し、最新の事例やメリットを紹介している。
 3次元施工図の利用に取り組んできたことで、着工前に行われる協議の早い段階で同施工図の利用が議題になるケースが増えてきている。3次元施工図をはじめ、BIMを運用するに当たっては、膨大な電子データの入力が必要になるが、入力業務をフィリピンのグループ会社「TASPLan」が担う体制を構築し、労力とコストを低減している。
 大成建設は、建設生産活動を進める中で、本社・支店、設計・工事監理者、作業所、専門・別途工事業者、施主それぞれが必要とする情報が集約された「作業所Net」と呼ばれる情報共有DBを活用している。職員が日常的に利用する作業所Netの情報領域にBIMが加わったことで、BIMの運用に役立つ情報を関係者はすぐに引き出せる。「現場の建設生産システムをさらに改善したい」(同)。施工に関する幅広い情報を関係者が正確に共有できる環境を生かし、現場の生産性を高めるとともに「実のあるBIM」(同)を目指す。


鹿島、計測技研/大断面トンネル真円度を自動測定/1リングごとにひずみ修正(日刊建設工業新聞)よりH25.12.12紹介
 鹿島は、シールド工事で構築する大断面トンネルの真円度を自動測定できるシステムを、建設コンサルタントの計測技研(兵庫県尼崎市、橋村義人社長)と共同で開発した。外壁に向かって360度回転するレーザー距離計をシールドマシン2カ所に設置。掘削に合わせて真円度を計測することで、1リングごとにひずみを修正しながらセグメントを組み立てることが可能になるという。堺市で施工中の阪神高速大和川線シールドトンネル工事に初導入し、システムの有効性を確認した。
 シールドトンネルは、土質条件や線形、掘進に伴う圧力変化などの影響で、縦長や横長に変形する場合があり、そのままセグメントを組み立てると過大なひずみが発生し、漏水やひび割れの原因になる。開発した「真円度自動測定システム」は、そうした変形を防止するため、シールドマシンに取り付けたレーザー計測器でセグメントの内径数値を自動測定する。従来の手動による計測に比べ、大幅な省力化を実現し、生産性の向上にもつながる。測定結果は携帯電話などのタブレット端末から確認できるため、測定結果をリアルタイムでモニタリングし、現場施工にフィードバックすることを可能にした。
 初適用した「大和川線シールドトンネル工事」(工期08年2月〜15年5月)は、阪神高速道路会社が発注し、鹿島・飛島建設JVが施工を担当。トンネル外径は12・23メートル、掘進延長は往復で4082メートル。同工事は鉄道や河川の地下を通るため、約9割が曲線、縦断勾配が0・3〜3・0%、土かぶり8〜30メートルと線形が変化に富む。新システムを適用した結果、東向き往路の掘削では、水平・鉛直方向とも当初目標値に定めた500分の1以下(約50ミリ以下)の偏差量に収束。真円に近い高品質・高精度のシールドトンネルを実現した。
 同現場では、シールド工事で発生する掘削残土への対応も工夫した。現場内にプラントを設置し、セメントや水を混合して流動化処理土を製造。最大2000メートルの超長距離圧送技術を用いて路床部の埋め戻しに再利用し、廃棄物の発生を抑えている。同社は、西向き往路の施工でも同システムを継続して利用。条件の厳しい大断面シールド現場で積極的に活用していく方針だ。


清水建設/スマートクレーンが現場で稼働/ICT搭載、作業効率3割向上(日刊建設工業新聞)よりH25.12.11紹介
 清水建設は、さまざまな情報通信技術(ICT)を搭載したタワークレーン「スマートクレーン」を神奈川県内で施工している大型タワーマンションの現場に導入した。運転席のモニターから部材の取り付け位置を瞬時に確認可能で、オペレーター、作業員らがさまざまな情報を共有でき、作業効率が30%程度上昇。作業中の停止時間は3分の1に減る。高さ100メートルの建物の建設工事では工期を約1カ月短縮できるという。
 IHI運搬機械(東京都中央区、吉田豊社長)、エスシー・マシーナリ(横浜市瀬谷区、郷田道雄社長)と共同開発し、11月初旬に稼働させた。スマートクレーンは、揚重作業に関係する情報を関係者が共有し、作業をデータによって可視化できるのが特徴。クレーン作動状況の検出センサーや多機能フックを利用しており、運転席にはパソコン、モニターを備え、作業責任者はタブレット端末を使う。多機能フックは重さ1・2トンで、▽無線LAN▽カメラ▽ジブから受電する非接触型充電器▽スピーカー▽マイク▽カメラ▽LED照明―が付いている。新車のタワークレーンをスマート対応にするには3〜4%のコストアップになる。
 現場では、ビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)のデータを生かした施工計画図、鉄骨柱・梁といった部材の搬入予定の情報をタブレット端末に入れておく。揚重時に、玉掛け作業員が端末画面で各部材を示す記号をタッチすると、フックの通信機能によって、運転席のモニターや、取り付け階の作業員のタブレットに取り付け位置が表示される。
 フックに部材の荷重が生じてからは、揚重時間、取り付け位置、フックの挙動などの情報がカメラの映像とともにサーバーに集まり、作業記録として出力できるようになる。揚重を関するさまざまな情報を玉掛け、運転席、取り付け階で共有できることで、作業がはかどる。揚重作業の実績がチャート表で示されるため、遅延や進ちょく状況が分かると同時に、改善ポイントを見つけやすくなる。30階建ての建物であれば、揚重の効率化によって工期を20日以上短縮できるとみている。
 クレーンは、マストの剛性を高めながらも軽量化し、さらに部品を減らした。51メートルの自立が可能で、壁につなぐポイントが少なくて済み、組み立て・解体に伴う搬送トラックは59台減らせる。一般的なクレーンをスマート対応させる経費は500万円程度と見込む。清水建設は、グループとして新車を5台購入する。さらに稼働中のクレーン7〜8台を1〜2年でスマート対応にする予定で、品質を維持しながら生産性を高め、短工期の施工力をアピールする。


鹿島/都内の雨水幹線トンネル工事に最新技術導入/子機内蔵の親子シールド採用(日刊建設工業新聞)よりH25.12.05紹介
 鹿島は、東京都江戸川、江東両区にまたがって施工中の雨水幹線シールド工事に最新技術を複数導入している。外径7・1メートルと5・34メートルという径の異なるトンネル2本を連続して築造するため、親機に子機を内蔵した特殊泥土圧式「親子シールド」を採用。掘削中のシールドマシンで地中近接物の沈下を防ぐ地盤改良も実施している。直線部と曲線部でセグメントを使い分けるなど、施工環境に応じた最適な技術を組み合わせることで、高品質の施工を実現している。
 工事は東京都下水道局が発注した「東大島幹線及び南大島幹線その2工事」(工期10年10月28日〜14年3月10日)で、施工延長は約1500メートル。発進立坑は、小松川第二ポンプ所内の既設立坑を利用した。鏡切り部の補強材として、鉄筋の代わりに炭素繊維強化プラスチックを使用した新素材コンクリート壁(厚さ2・8メートル)を採用。シールドのカッタービットで壁を直接切削する「NOMST工法」により、12年5月に子機内蔵型の親シールドマシンを発進させた。
 最大土かぶり40メートルの大深度地下を約700メートル進んだ地点で、親機から子機を分離。13年9月に再発進させた。途中、R25〜40メートルの急カーブがあり、くさび形の特殊鋼製セグメント(幅0・3メートル)を使って継ぎ手部の強度を確保した。直線部は二次覆工一体型の特殊RCセグメント(同1・2メートル)を使用している。4日時点の掘削延長は1181メートル。
 シールドマシンには、掘削以外の機能も持たせた。カッター前面に245メガパスカルの超高圧ノズルを装着。特殊高圧噴射攪拌(かくはん)杭工「DO―Jet工法」を用い、河川部の水管橋などを防護するための地盤改良を行うなど、周辺環境に配慮して工事を進めている。今回の工区から北側に伸びる次期工事についても、同社が引き続き施工する予定。完成後は毎秒60トン規模の雨水を荒川に排出できるようになる。


熊谷組/RC造柱・S造梁構造の新工法適用/大型物流倉庫を低コスト・短工期で(日刊建設工業新聞)よりH25.11.26紹介
 熊谷組は、RC造の柱とS造の梁という混合構造で躯体を構築する新工法「新熊谷式柱RC梁S構法」を千葉県市川市の大型物流倉庫に初適用した。積載荷重を満たしながら、顧客のニーズに応える10メートル超のロングスパンを実現。柱を工場製作することで鉄筋や型枠などの現場作業を減らし、短工期での施工を可能にした。60メートルを超す超高層ビルにも適用可能で、増子寛設計本部構造設計部構造第1グループ部長は「再開発事業の複合ビルなどへも提案していきたい」と話している。
 「Super―High―Brid60」と名付けた新構法は、98年に開発した熊谷式柱RC梁S構法が原型。圧縮力に強いRC造部材を柱に、曲げやせん断に強い軽量のS造部材を梁にそれぞれ使用する。12年5月に第三者機関から構造性能評価を取得し、それまでの高さ45メートルから60メートル超へと適用範囲を拡大した。
 初適用となったのは「(仮称)レッドウッド市川原木物流倉庫新築工事」(工期12年11月24日〜13年9月23日)で、物流倉庫を展開するレッドウッド・グループ・ジャパンが設立した「RW3特定目的会社」から設計・施工を一括受注した。規模は4階建て延べ3万2793平方メートル。建設地は市川市原木30141の5。工事は1フロアを4工区に分けて実施。プレキャスト(PCa)化した柱を先行して建てた後、地組みした仕口鉄骨と梁を載せると簡素な作業で1工区(2000平方メートル)当たり5日のスピードサイクルを実現した。オールS造に比べ工期を3分の1〜4分の1に短縮できたという。
 柱の数は1フロア102本の計306本。建物全体で使用したコンクリートは約1万6000立方メートル、鉄骨は約2800トン。「コンクリートに比べ、鉄骨の価格変動は大きい。鉄骨の使用量を抑えることができ、オールS造に比べコスト管理にも優れている」(増子部長)という。第2弾として、鹿児島県で進む病院の新築現場に適用。病院と同様、大空間床が求められる図書館などにも積極的に提案していく方針だ。

 

清水建設、アサヒテクノ/軟弱粘性土の地盤沈下対策技術を実用化/工期2分の1 (日刊建設工業新聞)よりH25.11.12紹介
 清水建設とアサヒテクノ(岩手県北上市、高橋茂吉社長)は11日、軟弱粘性土の地盤沈下対策の工期を半減する技術を開発・実用化したと発表した。水だけを吸引する特殊スクリーンを備えたケーシングを設置し、ケーシングを減圧することで水を吸引・排出するアサヒテクノの特許工法に、固定式と移動式の管からの吸気・送気を組み合わせ、排水を促す。さらに盛り土の荷重で排水を促進する。工期は一般的な載荷重工法の半分で済むという。
 開発したのは「A&S土性改善工法」と呼ぶ技術。排水、排水効率の向上、荷重という三つの対策技術を組み合わせて工期を短縮。工事費が割高な固化処理工法よりも安いコストで行える。地盤沈下対策のメニューに加え、土木、建築工事のさまざなまニーズに対応していく。
 排水をアサヒテクノのスーパーウェルポイント工法(SWP工法)で実施。地盤には、最適な位置に吸・送気管を設置し、空気を吸気・送気することで、水の通り道をつくり、SWP工法の排水効率を高める。併せて盛り土を行うことで、水の抜けた土の粒子の空隙が盛り土の重さによって詰まるようにし、沈下を促す。1000平方メートルを一区画として実施する。層厚約50メートルの軟弱粘性土地盤に適用可能。SWP工法のための井戸は、区画の中央に直径約500ミリのサイズで構築する。吸・送気管の直径は40ミリ。
 埼玉県内の造成工事で、層厚30メートル、N値ゼロの超軟弱シルト地盤に適用したところ、含水比は85・8%から75・0%に低下し、地盤の圧密降伏応力は133キロニュートン(N)/1平方メートルから185キロN/1平方メートルに高まり、建物やインフラを建設できる地盤に改良できた。対策の効果は、載荷重工法の半分となる3カ月で発揮できた。
 地盤沈下対策は、数カ月の工期が必要になるケースもある盛り土の重さで排水を進める載荷重工法と、地盤にセメントを添加・混合することで即効性のある対策が行えるが工事費が載荷重工法の2倍以上となる固化処理工法が一般的。A&Sの工期と工事費は、それぞれ載荷重工法と固化処理工法のほぼ中間となる。


国交省/鉄道高架橋の補強効率化へ民間から工法募集/大都市駅周辺で対策急ぐ(日刊建設工業新聞)よりH25.11.08紹介
 国土交通省は、東京や大阪など大都市の鉄道ターミナル駅とその周辺の高架橋を効率良く耐震補強できる方策を調査する。高架下スペースが店舗などに利用されている所が多く、テナントの移転が難航して耐震補強が思うように進まないケースが少なくないためだ。高架下を利用しながら早く着実に耐震補強ができる方策を民間企業から提案してもらい、鉄道事業者に活用を促す。
 鉄道高架橋の耐震補強は、1995年の阪神大震災などを契機に進められてきた。橋桁を支える鉄筋コンクリートの柱に鋼板などを巻き付ける補強工法が利用されている。国交省によると、本来はすべての柱に補強工事を施す必要があるが、特に利用客の多い大都市のターミナル駅周辺などでは高架下スペースが店舗などに広く利用されており、工事をしづらい部分が少なくない。工事のための移転に消極的なテナントも多く、駅とその周辺にある高架橋の補強は十分に進んでいないことが、鉄道事業者に行った調査で分かったという。
 首都直下や南海トラフなど大都市を襲う大地震の発生懸念は高まっている。そこで同省は、テナントの移転なしでも補強可能な方法など、こうした問題に対応できる新たな方策を探り大地震への備えを急ぐ。具体策として、例えば補強する柱の順序を工夫することで、すべての柱の補強を終えなくても1区間全体の耐震性能を最大限引き上げられる方策を検討する。店舗などがある区画の柱の補強を行うには長期間かかることが予想されるため、高架下未利用場所にある柱のうち耐震強化に即効性のある柱から順に補強していくといった方法だ。設備投資予算に余裕がなく、すべての柱の一斉補強が難しい鉄道事業者にも有効とみられる。
 店舗などがある場所の補強では、露出している柱の1面だけに鋼板や鉄筋を設置する「一面補強工法」をJR東日本が採用した実績がある。鋼板の搬入が難しい狭い場所に有効な工法として、鋼材で柱の周囲に締め付ける「リブバー補強工法」などもあるという。同省はこうしたさまざまな工法の提案を募り、鉄道事業者に情報提供。特にノウハウに乏しい事業者に参考にしてもらう考えだ。調査業務は「ラーメン高架橋の効果的な補強方法に関する調査」として外注。13年度中に成果をまとめる。


大成建設/300N級高強度コンクリを世界初適用/柱の太さ3分の1に(日刊建設工業新聞)よりH25.11.07紹介
 大成建設は6日、設計基準強度1平方ミリメートル当たり300ニュートン(FC300)の強度を確実に出すコンクリート技術を確立したと発表した。世界初の取り組みとしてFC300コンクリを使ったプレキャスト柱の取り付けを技術センター(横浜市戸塚区)に建設中の実証棟で始めた。柱の直径は一般建物の約3分の1。材料や配合を工夫し、強度だけでなく流動性も高めた。今後、「さまざまな空間の柱に使っていく」(成原弘之技術センター建築技術研究所部長)という。
 FC300コンクリは、同250以上の「大成スーパーコンクリート」シリーズの一つ。実現するため、結合材や化学混和剤を工夫。セメントや産業副産物など結合材となる粉体の配合比率、粒度分布を見直し、高温養生(約200度)によって強度を出やすくした。強度は国内最高クラスの鋼材に匹敵する。さらに同社は、BASFジャパンと共同開発した化学混和剤を使用し、従来のFC250コンクリより高い流動性を確保した。建物に導入するに当たり、柱の定着部には剛接合とピン接合のメリットを併せ持ち、地震と火災に強い「半剛接合」を構法に取り入れた。
 FC300コンクリは、変形への追従性と、火災でも座屈しにくい構造安定性を両立した独自のプレキャスト鉄筋コンクリート構造の長柱「Tas−Fine」として、ゼロエネルギービル(ZEB)実証棟(RC造3階建て延べ1600平方メートル)の1階エントランスに5本構築する。直径は通常60センチ(想定FC36)の約3分の1となる22センチ、長さ3・75メートル。東京都内の複合ビルに採用したFC250のコンクリ柱(直径40センチ)よりも細く、見晴らしのいいロビーになるという。
 FC300コンクリは、Tas−Fineを含む同社のコンクリート技術ブランド「T−RC+」として売り込みつつ、細い柱を生かす設計や、新しい水平部材の開発にも役立てる。


西松建設/3D盛り土情報管理システム開発/施工データDB化、CIMの柱に(日刊建設工業新聞)よりH25.10.31紹介
 西松建設は30日、3次元データを含めた盛り土のさまざまな情報を一元管理できるシステムを開発したと発表した。衛星測位システム(GNSS)を利用した振動ローラーによる転圧管理システムの施工データに加え、盛り土の材料情報、沈下量、動態観測の記録、全体の3次元モデルなどをデータベース(DB)化してあり、必要な情報・データを効率よく抽出できる。履歴情報として利用することで、維持管理作業にも役立つ。開発したのは「3D盛土情報管理システム」。建設生産に3次元データを駆使するCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の技術の一つとして運用する。
 システムでは、GNSS振動ローラーをはじめ情報化施工対応の施工機械から得られる▽施工日▽施工座標▽転圧回数▽材料情報−や、盛り土の動態観測と沈下量のデータをDBに登録・管理する。そのデータは3次元モデルがベースになっており、2次元(横断面、縦断面、水平断面)の表示、施工状況の色別の表示が可能。
 任意の位置の各種情報が容易に分かり、施工の過程をアニメーションで時系列に再現できる。土量計算の結果や沈下の情報を踏まえたより最適な盛り土計画の立案にも活用できる。施工日、施工条件、土質などが検索・表示できるため、工事履歴として維持管理に生かすことも可能だ。
 これまでは転圧、材料、動態観測などの情報を個別に管理していた。全体を把握する際にはデータをすべて照合する必要があり、特定の情報を引き出すには多くの時間、労力がかかっていた。システムの稼働によって、施工・品質管理の水準がさらに上がるとみている。同社は生産活動の効率化を目的にCIMに関する取り組みを推進中で、システムはその柱の一つとして活用していく。


鹿島/軟弱地盤のシールドトンネル作業効率化/床版にPCa、ダンプで部材運搬(日刊建設工業新聞)よりH25.10.29紹介
 鹿島は、土かぶりが小さく軟弱な地盤で施工するシールドトンネル向けに作業効率を高める新工法を開発した。セグメントの組み立て直後にユニット化したプレキャスト(PCa)コンクリートで道路床版を構築。掘削土砂の排出や部材の搬入にダンプトラックを使用する。これらの対策を組み合わせ、東京港で進めている海底トンネルのシールド工事に初適用した。現場でコンクリートを打設する従来工法に比べ、床版の整備にかかる工期を約半分に短縮。レールやベルトコンベヤーなどの搬送設備を不要にした。
 適用した工事は、国土交通省関東地方整備局が発注した「357号東京港トンネル工事」(工期10年12月〜14年3月)。東京都品川区の臨海副都心と大井を結ぶ海底道路トンネルを建設するもので、小土かぶりの道路線形などを考慮し、地上からシールドマシンを発進、地上へ到達させる工法を採用した。マシンは泥土圧式で、仕上がり内径10・4メートル、トンネル延長1470メートルとなる。海底掘削部の土かぶりは5〜6メートルと小さく、軟弱な粘土層を通過するため、掘削したトンネル自体が浮力で浮き上がらないように坑内に重しを置き、この重しをそのまま床版として利用することに決めた。
 重しを兼ねた床版は、セグメント幅に合わせた奥行き2メートルのPCaコンクリート6ピースで構成。セグメントの組み立てに合わせて後方に設置した。現場打設に比べ、作業時間を大幅に低減し、安全性の向上にもつながる。掘削・セグメントの構築直後に床版が出来上がっていくため、土砂の搬出やセグメント、床版コンクリートの搬入などにダンプトラックを使用。床版の一部をボックスカルバートにすることで、工事中の換気用風管を兼ね、完成後は避難通路として活用できるという。
 新工法は「ボックスダンプ工法」と命名。シールドマシン直径の半分の深さを掘削するような小土かぶりの現場を対象に採用を検討していく方針だ。今回の工事は、大林組とのJVで10年12月に着工し、今月初旬にシールド掘削を完了した。今後、二次覆工などの仕上げ工事を進め、14年春の竣工を目指す。鹿島がシールドマシンを地上発進・到達させたのは北海道新幹線津軽蓬田トンネル(12年10月到達)に続く2件目。


関東整備局関東技術/メンテ新技術の実証実験開始/道路支柱点検で4技術選定(日刊建設工業新聞)よりH25.10.24紹介
 関東地方整備局関東技術事務所は、道路付属物の維持管理に関する新技術の実証実験を始める。国道上の支柱(道路標識や照明灯など)の点検に有用な新技術を公募した結果、支柱の根元に生じた亀裂、腐食などの早期発見に役立つ四つの技術を選んだ。11月〜14年1月に実際の点検作業で新技術の試験を行い、実用性を評価する。14年2月に結果を公表する見通しだ。
 選定した新技術は、▽地中埋設物長さ測定装置JTM−10▽鋼管ポール埋設部腐食判定・診断システム▽支柱路面境界部検査システム▽ガイド波超音波法による鋼材等の損傷調査技術−の4種類。関東技術事務所は18日付でホームページに公表した。いずれの技術も国の「新技術情報提供システム(NETIS)」に登録済みのため、ウェブサイトで技術概要や開発会社などを確認できる。
 関東技術事務所によると、道路上にある支柱の点検作業は目視で行うのが基本。地中に埋没した根元の状態を確かめるためには周辺の地盤掘削が必要になり、多くの時間と費用がかかるという課題があった。選定した4技術はいずれも超音波を利用し、地中にある構造物の亀裂や腐食、厚みなどを調べることができる。周辺の掘削が不要になり、損傷の早期発見に役立つとみられている。民間の新技術については、開発後も一定の実績が積まれるまで採用に踏み切れない発注者も少なくない。今回の実証実験は発注者自らが新技術の普及を促す一つのモデルケースにもなりそうだ。
 選定した各技術の開発会社は次の通り。▽技術名=開発会社。▽地中埋設物長さ測定装置JTM−10=エム・ケー開発(三重県鈴鹿市)、ジャパンプローブ(横浜市南区)▽鋼管ポール埋設部腐食判定・診断システム=デンロコーポレーション(大阪市東成区)、ニチゾウテック(大阪市大正区)▽支柱路面境界部検査システム=リンク(堺市北区)、MKエンジニアリング(東京都世田谷区)▽ガイド波超音波法による鋼材等の損傷調査技術=非破壊検査(大阪市西区)。


大成建設/中流動コンクリの長距離ポンプ圧送を実現/配合工夫し品質確保(日刊建設工業新聞)よりH25.10.23紹介
 大成建設は、トンネルの覆工コンクリートに使う中流動コンクリートを長距離ポンプ圧送する技術を地下鉄建設工事に適用し、トンネルの築造を終えた。増粘剤一体型高性能AE減水剤を使用するとともに材料の配合を工夫。圧送によるスランプのロスや材料分離への対策を講じ、水平換算585メートルの長距離ポンプ圧送を実現した。中流動コンクリートの長距離ポンプ圧送のニーズは今後増えるとみて、配合や圧送のノウハウを品質、生産性の確保に生かす。
 長距離ポンプ圧送を行うに当たっては、適度の粘性と分離抵抗性を持たせた上で、長時間の圧送によるスランプロス対策を講じ、施工性も維持する必要があった。大成建設は、圧送性能のほか、圧送距離ごとのスランプの変化、管路の閉そく状況を検証し、配合などを検討。配合と増粘剤によってスランプロスと分離抵抗性を改善し、普通コンクリより繊細な中流動コンクリの長距離ポンプ圧送を実現した。中流動コンクリは、材料の分離抵抗性を確保するために用いる石灰石微粉末の専用サイロを製造工場に確保するのが一般的だが、大成建設は粉体サイロを設けることなく、普通コンクリと同様の方法で中流動コンクリの製造が可能になったとしている。
 今回の工事で、「約600メートルの長距離ポンプ圧送は可能」(技術センター)との手応えを得たとしている。中流動コンクリは、充てん性に優れ、締め固め作業が効率良く行えるのがメリット。交通インフラのほか、管路などの小断面トンネルでも今後は長距離ポンプ圧送の増加が予想され、同社は「用途の広い、可能性のある技術」(土木本部)として応用を進める方針だ。
 導入したのは、仙台市交通局発注の仙台地下鉄東西線西公園工区(仙台市青葉区、施工=大成建設・清水建設・アイサワ工業・橋本店JV)の工事。トンネルアーチに複鉄筋が採用され、生産性を考慮し、中流動コンクリートが用いられることになった。ただトンネルの断面積が24・6平方メートルと小さいために、ミキサー車が走行できず、長距離ポンプ圧送を行う必要があった。さらに、震災復興の本格化で、現場近くの生コン工場は石灰石微粉末のサイロを別に確保する余力に乏しく、サイロを不要にできるよう混和剤として増粘剤一体型高性能AE減水剤を用いることになった。


NETISを抜本見直し/新技術の早期活用促す/評価方法改善、要領改定も(建設通信新聞)よりH25.10.11紹介
 国土交通省は、新技術情報提供システム(NETIS)の抜本見直しに着手する。年内にも外部の有識者を交えた検討の場を設け、要領の改定なども視野に検討を始める。見直しにより、申請後の技術を早期に評価して活用できるように体制を整えるほか、申請後に活用が進んでいない技術を掘り起こせるようにする。改定時期は検討の中で探るが、社会資本の老朽化対策に新技術の活用が求められていることもあり、作業を急ぎたい考えだ。
 NETISは1998年度から活用が始まり、2006年に要領を見直して現在の運用形態になっている。当初は開発技術を一括で閲覧できる機能がメーンだったが、06年の見直しで技術を評価し活用を普及できるように変更された。ただ、登録されても活用されない技術も多く、使いやすい技術に活用が集中し、優れた技術が埋もれるケースもみられている。このため、今回の見直しで技術を申請後の早い段階で評価し、活用を促す仕組みに改めることにする。
 評価の仕組みについては、9月に開かれた「社会資本の老朽化対策に関する関係府省庁副大臣級会議」で示された内容を軸に検討する。会議では、申請を受けた技術をまず評価し、現場で直ちに活用でき有用性が高いと見込まれる技術は、積算歩掛の作成などに反映させて活用を促進させることが示されており、検討の場でも評価方法などを詰めることになる。また、活用見込みや有用性が現時点で低いと見られる技術でも、その改善点を申請者に伝えて活用できるようにしていく方針で、その伝達方法なども議論になるとみられる。
 また、現場でのニーズを示し、それに対応できる技術を公募で提案してもらうことも検討する。ニーズに直結する技術を提案してもらう仕組みを整えることで、新技術の早期の活用を促す。
 検討の場は、新たな検討組織の立ち上げや、既存会議の活用などを想定し調整する。いずれの場合でも年内には議論を始めたい考えだ。


建設関連各社/食品工場・調理場向け技術提案競う/異物混入防止や油脂分解処理(日刊建設工業新聞)よりH25.10.10紹介
 建設関連各社が、食品工場や調理場向けの技術提案を強化している。異物混入を防いだり、掃除が簡単に行えたりする機器を設備工事会社が売り込んでいる。プラントメーカーと連携し、油脂分解システムを提案する建設会社や、赤外線による異物検知や、加熱解析のシステムなどの営業に力を入れる社もある。「メーカーが設備投資に前向きになっている」(設備工事会社の担当者)のに加えて、2020年東京五輪に備え調理場の改修を検討する宿泊施設もあり、技術開発や営業活動が熱を帯びそうだ。
 東京都江東区の東京ビッグサイトで行われている食品開発展(主催・UBMメディア、9〜11日)。出展した三機工業は、新製品の「(仮称)毛髪混入防止コンベヤー装置」を初めて公開した。製造・加工ラインの上部に取り付けるエア吹き出しユニットで3方向に風を送る。弁当や食材の加工ラインに設置すれば、毛やほこりがラインに落ちず、金属検出器では検知できない異物の混入を防止できる。気流シミュレーションによって、作業者がストレスを感じない最適な風量に調整してある。点検扉はワンタッチで開閉し、フィルターは工具を使わずに交換が可能だ。同社は、加工ラインのコンベヤーのベルトを10秒で取り外せる「(仮称)丸洗いコンベヤー」も出展。「食空間のトータルエンジニアリング」(同社)のツールとしてPRした。
 森本組は、水処理プラント開発・設計のケイエルプラント(東京都新宿区、野澤喜久夫社長)と共同で、油脂分解装置「オイルバクターシステム」の性能をアピールした。特殊強化微生物を処理槽に入れ、油脂を分解処理する。既存設備の改修で導入できる。汚泥処理に使う沈殿槽が必要なくなるメリットもあり、約120カ所に納入済み。処理水を河川に放流する洋菓子工場や乳製品工場への採用が増えているという。
 住友電気工業は、赤外線を照射し、波長の変化から異物の混入を検知する「コンポビジョン」を紹介。コーヒー豆に混ざったゴムや繊維を見分けたり、食品の水分布を可視化したりする性能を説明した。構造計画研究所は、高周波加熱解析によって、加熱庫内の電界強度が分かるシステム「イーサン」を発表した。食品メーカーと共同開発を進めているもので、加熱むらの少ない食品の開発に役立つという。


奥村組ら/トンネル壁面変位計測作業を効率化/中継機利用、15分でTS移設(日刊建設工業新聞)よりH25.10.04紹介
 奥村組は3日、山岳トンネル工事の壁面変位計測に使用するトータルステーション(TS)の設置替えを大幅に効率化できる「移動式坑内変位計測システム」を地球観測(大阪府吹田市、谷本親伯社長)、マック(千葉県市川市、宮原宏史社長)と共同開発したと発表した。専用車両に搭載した自動整準機構付きのTSから、中継機を利用して坑外に計測データを安定して送信する。TSの移設は、新しい測点の設定を含め約15分で行える。
 システムは不安定な地山の計測に使用する。自動整準機構付きTS、高感度無線伝送システムで構成。TSはアクチュエーター内蔵のステージ、傾斜計、プラスマイナス10度の精度で機材を鉛直方向に合わせる機構を備える。伝送システムには、障害物を回避してデータを送受信する性能に優れた中継機を利用する。車両を任意の位置に停車させた後、スイッチを押すと、傾斜に合わせてステージが水平になり、TSの整準調整が短時間で行える。操作パネルから位置を入力すると、基準点を自動で探し、正確な位置が定まる。
 奥村組は滋賀県から受注した道路トンネル工事に適用し、性能を確認した。導入した現場は、曲線のあるトンネルを発破掘削で施工している。TSの移設を約15分で実施。計測データの転送に当たっては、150メートル間隔で中継機を配置し、トンネル線形の影響を受けずに安定してデータを坑外に送り、地山の挙動を常時把握した。発破の際には専用車両を待避場所に移動する必要があるが、測点設定を効率良く行えるため、掘削が1サイクル(削孔・装薬・発破・ずり搬出・吹き付け・支保工・ロックボルト工)6時間であれば、計測の中断は30分程度で済み、地山の連続監視に大きな影響はなかったという。
 不安定な地山の工事では、TSによる壁面変位計測で安全性を高めている。ただ計測の精度を維持するためには移設に半日ほどが必要になることもある。データ送信は、有線の場合はケーブル敷設が必要。無線方式では大型機械があると通信障害が起きるケースがあり、TSの移設時間の短縮とデータ送信の確実性の確保が課題になっていた。


清水建設ら3社/斜面崩壊検知センサー杭を開発/回転灯で危険を可視化(日刊建設工業新聞)よりH25.10.02紹介
 清水建設は1日、斜面の変状を検知し、崩壊の危険を回転灯で知らせる「光る斜面崩壊検知センサー杭(光るセンサー杭)」をプラスチックリサイクルのリプロ(岡山市南区、岡田謙吾社長)、無線通信機器製造販売のテスコム(東京都八王子市、小林和夫社長)と共同開発したと発表した。岩盤や土砂に約20メートル間隔で設置。管理値以上の傾斜を検知すると回転灯が点灯し、50メートル先からでも視認できる。愛媛県内で行っているダムの洪水吐新設工事に導入した。今後、技術提案に盛り込み、工事受注に生かす。
 光るセンサー杭は、LEDの回転灯、充電式乾電池、電池内蔵型無線センサー端末、プラスチック杭を一体化。長さ900ミリで、杭頭の回転灯と、無線センサー端末などが入った杭本体の二つのパーツで構成する。杭は温度変化の影響を受けないよう表面を断熱セラミック塗装した。削孔した岩盤などに下部の500ミリを差し込み、モルタルで固定する。清水建設・安藤ハザマJVが愛媛県大洲市で施工する鹿野川ダムトンネル洪水吐新設工事(国土交通省四国地方整備局発注)の現場に採用し、山を切った急斜面に設置した。管理値は2度で、それ以上の傾斜をセンサーが検知すると、すぐに回転灯がつく。
 管理値の変更や回転灯のオン・オフは、携帯型の送受信機やパソコンから操作できる。センサー端末の内蔵電池は約2年、回転灯の充電池は半年それぞれ持つ。現地では温度変化によって0〜0・5度の範囲で数値が変化している。トータルステーションによって地山の変形を計測したところ崩壊の兆候は出ておらず、信頼できる検知性能を発揮しているという。
 急斜面のある現場には、安全対策として変状の検知システムが採用されているが、管理値を事務所でチェックするシステムでは警報発令に時間がかかるのが難点。設置に配線工事を伴う製品もある。警報が出ても工事の音が大きい場合は聞こえにくいことがあり、清水建設などは回転灯で斜面崩壊の危険を可視化することにした。


フジタ/端部RC巻き鉄骨梁の初適用物件が完成/躯体工事費10%減(日刊建設工業新聞)よりH25.10.01紹介
 フジタは9月30日、鉄骨梁の端部を鉄筋コンクリートで巻いたハイブリッド梁とRC造の柱で構成する構造形式「FRASH(フラッシュ)構法」を初適用した建物を9月半ばに完成させたと発表した。神奈川県内に建設していたRC造2階建て延べ1271平方メートルの事務所に適用。約14メートルの大梁をハイブリッド梁とした。建物外周はRC造のため、S造に比べ、鉄骨の量と加工作業が少なく、躯体工事費を10%削減でき、剛性が増して揺れと振動も減った。今後、梁の長さが異なる偏芯コアタイプの事務所のほか、病院、商業施設などに採用提案する。
 フラッシュ構法の梁・柱は、工場製作、現場打ちとも可能。ハイブリッド梁の鉄骨は、柱との接合部を貫通せず、一般的なRC造と同じ設計が利用できる。鉄骨梁は柱の内法スパンの長さにでき、RC造の耐力壁、鉄骨ブレースを併用可能。S造に比べて剛性が高まり、同社によると、S造で10・4ヘルツの固有振動数が13ヘルツとなり、床の振動を常に低減できることが分かっているという。
 同構法は、価格変動の幅がS造より狭く、構造的な合理性のあるRC造の建物の工事受注を目的に開発した。性能確認実験などを09〜11年に実施。設計施工指針を12年にまとめ、今年3月にビューローベリタスジャパンから建築技術性能証明を取得した。
 RC造の柱に同構法を適用し、スパンの長い梁をハイブリッド梁、短い梁をRC造としたり、柱がRC造、梁がS造の同社のハイブリッド工法「FSRPC―B構法」と組み合わせたりすることで最も合理的な構造を提案する。都心部などには、柱のない空間を持つ偏芯コアの中低層事務所が目立ってきており、同社はFRASH構法を積極的に売り込む方針だ。


建研、国際航業/被災建築物危険度判定支援ツール開発/訓練版を無償配布(日刊建設工業新聞)よりH25.09.30紹介
 建築研究所は国際航業の協力を得て、大地震の発生時に行う「被災建築物応急危険度判定」の支援ツール(訓練版)を開発し、無償配布を始めた。米アップルのタブレット型端末iPadやスマートフォンiPhoneなどで使える。調査表の作成に機能を特化。調査活動の効率化や記入ミスの防止、集計時間の短縮などを実現する。両者は今後もツールの機能追加や改善に取り組んでいく。
 東日本大震災では、震災発生直後から約80日間にわたって応急危険度判定が行われ、建研によると、延べ8541人の判定士が9万5381棟の危険度を判定した。両者は、判定活動の一層の迅速化・効率化を図るための支援ツール開発を検討。昨年9月に開発段階のツールを公開し、全国被災建築物応急危険度判定協議会の協力を得て自治体の実地訓練などで試用してもらった。その結果を基にツールを改善。今回、支援ツール(訓練版)としてアップルのソフトウエア配信サイトApp Storeで無償配布を始めた。
 訓練版は、インターネット接続環境下で、紙の調査表と同じものが作成できるのが特徴。メーン画面の地図上で調査対象建物と構造を選択すると、調査表が表示され、画面をタッチして入力・修正する。入力を終えると判定結果を自動表示する。記入漏れのチェックなど入力支援機能も備えている。
 データをパソコンに転送すれば表計算ソフトによる集計が可能。データに含まれる位置情報を利用し、電子地図上に調査結果を表示することもできる。両者は今後、訓練版の利用者から操作性や機能などについての意見や要望を収集。実際の地震発生時の活用に備えて改善を進めていく。


国交省/NETIS登録技術の現場活用加速/申請時に2分類、有用なら標準化(日刊建設工業新聞)よりH25.09.25紹介
 国土交通省は、新技術情報提供システム(NETIS)に登録する技術について、民間から登録申請があった時点で「現場での活用見込みの高い技術」と「活用見込みが低く、改善の余地がある技術」に分類する新たな仕組みを導入する。登録から数年を要する現場での活用を早期に実現するのが目的。活用見込みの高い技術に分類されれば、登録から1年をめどに活用・評価できるようにする。評価結果を踏まえて基準や積算歩掛かりの作成など標準化への道筋も付ける。
 現在、NETISに登録されている技術は約4500件。このうち、現場での活用を経て評価に至ったのは1000件程度にとどまっているという。NETIS登録技術が活用・評価されないまま滞留している現状を改め、有用な技術が積極的に活用される環境を整えるのが狙いだ。活用見込みが低い技術については、現場で活用するための改善点を申請者に伝え、再チャレンジできるようブラッシュアップを促す。
 申請段階で技術を分類する仕組みを設けるのは、インフラの老朽化対策など現場ニーズとのマッチングを行って活用を加速するのが目的。現場での活用見込みの高い技術に分類されれば、直轄現場での活用を国交省側で調整。登録から1年程度で現場での活用と評価を行い、有用な技術と認められれば標準化に向けた基準作成などに取り組む。
 NETISの枠組みで評価するのに加え、現場ニーズに基づいて公募した技術や、各高速道路会社や水資源機構、自治体などが独自のスキームで現場での活用と評価を行った技術も取り込み、同省直轄工事の現場でも活用するなど、有用な新技術を積極的に取り込むことも検討する。国交省は、新技術の活用加速に向けた新たな仕組みを「できるだけ早く導入したい」(官房技術調査課)としており、早ければ本年度中に適用する考えだ。