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ピック病とは:働き盛りを襲う『若年性認知症』
1.始めに
加齢に伴い起こる『アルツハイマー病 』と異なり、働き盛りに起こる認知症『ピック病 』が知られるようになり、その数が増加して来ています。これまでアルツハイマー症と混同されていたようで、現在のアルツハイマー病の4分の1〜3分の1がピック病でろうともいわれています。発症が分かりにくくもあったため、ピック病が周知されると逸機に増えてくる可能性があります。
2.働き盛りを襲う変化
次のような変化が具体的な例として起きています。
1)勤勉で活動的な夫
休日でもじっとしておれない、庭いじりの好きな人
2)無気力
庭いじりもせずに、ボーッと過ごすようになる。この時点で「うつ病 」を疑った。
3)無表情
表情が乏しくなる。
4)激怒
ささいなことで、急に激怒する。
5)家事不能
電子レンジとオープントースターを使い分けられなくなる。
6)帰宅不能
外出先からひとりで帰れなくなる。
7)非常識
他人の畑に無断で入るという行動も始まる。
自分自身が「こんな風になったら、どうしよう」、「なるのじゃないだろうか」と不安になる話です。
3.アルツハイマー病とピック病の違い
1)病気の部位
アルツハイマー病:脳の後頭葉や頭頂が侵される。
ピック症:脳の前頭葉や側頭葉に萎縮が起きる。
2)症状
アルツハイマー病:過去の体験を忘れたり、日時を間違えたりする「記憶の障害」
ピック症:同じことを同じ時間に繰り返すなど「行動の障害」
3)診断・治療
アルツハイマー病:
100年ほど前に発見され、原因の究明や治療の開発が不十分ながらも進んでいる。
ピック症:
100年ほど前に発見されるが、世界共通の診断基準すらなく、発生頻度も不明。
4)発病年齢
アルツハイマー病:高齢になるほど増える。
ピック症:40代以降65歳ごろまでに発病することが多い。
4.ピック病のチェックリスト(群馬県こころの健康センター・宮永和夫所長作成)
1)状況に合わない行動
場所や状況に不適切と思われる悪ふざけや配慮を欠いた行動をする。周囲の人に対して無遠慮な行為や身勝手な行為をする。
2)意欲減退
引きこもりや何もしないなどの状態が持続し、改善しない。思い当たる原因は特になく、本人の葛藤(かっとう)もない。
3)無関心
身だしなみに無関心になり、不潔になる。周囲の出来事にも無関心になる。
4)逸脱行動
万引きなどの軽犯罪を犯すが、反省したり説明したりできず、同じ違法行為を繰り返す場合が多い。
5)時刻表的行動
散歩や食事、入浴などの日常生活の様々な行為を時刻表のように毎日決まった時間に行う。この際、やめさせたり、待たせたりすると怒る。
6)食べ物へのこだわり
毎日同じもの(特に甘いもの)しか食べない。際限なく食べる場合がある。
7)言葉の繰り返し
同じ言葉を繰り返したり、他人の言葉をオオム返ししたりする。
8)好みの変化
突然甘いものが好きになるなど、食べ物の好みが大きく変わる。アルコールやたばこなどは毎日大量に摂取するようになる。
9)発語、意味の障害
無口になったり、語彙(ごい)が少なくなったりする。物の意味が分からなくなる。
10)短期記憶の維持
最近の出来事など、短期記憶は保たれる。また、日時も間違えない。外出しても道に迷わない。
5.自己チェック
40歳以上になった人が、上のチェックリストで3項目以上、当てはまると、 ピック病の疑いがあるそうです。
その場合には、早期に病院へ行き、詳細な診断を受けた方が良いそうです。
6.最後に
それぞれの項目ごとに多少思い当たる部分があったりして、恐さを感じます。程度の差があるよねと自分に納得させて、3項目はないと安心しようとする。これは、私だけではないようにも思えるのですが、皆さんはどうですか。私は54歳ですので、ピック病だけでなく、アルツハイマー病の可能性だってある。気にした私は、色々調べて『アルツハイマー病』や『バリデーション療法』について既にブログしているんです。みてやってください。
患者さんには申し訳ないけど、自分は「認知症だけにはなりたくないな!」といつも願っています。家族にどんな迷惑をかけているかも自覚できないなんて、これほど気の毒なことはないですから。
<参考資料>
1)朝日新聞 H18.04.17 朝刊 生活 医療 働き盛り襲う若年認知症 アルツハイマー病と異なるピック病

若年認知症「ピック病」で万引き 厚労省が調査(asahi.com)よりH19.02.26紹介
「 ピック病
」と呼ばれる認知症になった公務員らが、症状の一つである万引きをして社会的地位を失うケースが相次いでいる。脳の前頭葉の萎縮(いしゅく)で感情の抑制を失って事件を起こしてしまうためで、犯行時の記憶がないのが特徴だ。しかし、正確に病気を診断できる医療機関は少なく、厚生労働省の若年認知症の研究班も、初めてピック病の実態調査に乗り出した。専門医は「まじめに仕事をしていた働き盛りの人が万引きをして『なぜ』ということがあれば、ぜひ専門の医療機関を受診してほしい」と話している。
脳の前頭葉と側頭葉の血流低下と萎縮で起きる認知症は「前頭側頭型」といわれ、うち8割が「ピック病」とされる。
アルツハイマー病のような記憶障害が、初期はあまりみられないものの、時に、周囲の状況を気遣わない行動や万引きが症状として出る人もいる。ただ、本人は善悪の判断がつかず、厚労省の若年認知症の研究班メンバーの宮永和夫 ・群馬県こころの健康センター所長によると、欧米でも万引きなどの軽犯罪がピック病の症状の一つとして報告されているという。
宮永医師が診断したケースでは、万引きの疑いで逮捕され、懲戒免職となった神奈川県茅ケ崎市の元文化推進課長、中村成信さん(57)がいる。
中村さんは、昨年2月、自宅近くのスーパーマーケットでチョコレートとカップめんなど計7点(計3300円相当)を盗んだとして逮捕された。しかし、釈放後、話のつじつまが合わないなど家族が「おかしい」と気づき、大学病院を受診。「認知症の疑い」の診断が出た。このため、4月末、市の公平委員会に処分取り消しを求める不服申し立てをした。
昨年末には、別の病院で脳の血流検査を受け、前頭葉と両側の側頭葉に明らかな血流低下がみられたため、「ピック病」の可能性が高いとされた。前頭葉の機能を調べる心理検査の結果なども合わせ、宮永医師がピック病の「軽度と中等度の間」で、発症は「04年1月以前と考えられる」と診断した。
このほかに、会計事務所に勤める東京都内の50歳代の男性も、近所の文具店でボールペンや消しゴムなどを万引きする症状が出た。ひと月もしないうちに、同じものを盗んだ。しかし、本人に盗んだ意識はなく、外出時に家族が付き添ってトラブルを防いでいる。
また、奈良県内の50歳代の放射線技師の男性は「仕事が難しい」と勤務先の病院を休職した。散歩帰りに近所の家の畑から、野菜を毎日のように持ち帰るようになり、苦情が来た。入院先でピック病と分かり、職場を辞めている。
宮永医師は「万引き後に、ピック病と診断される人は少なくない」と指摘。「病気が原因でやった行為なのに、社会的な名誉を失い、その後の人生が大きく変わってしまうのは非常に残念だ」と話している。
〈若年認知症 〉 若年期(18〜39歳)と初老期(40〜64歳)に発症した認知症の総称で、アルツハイマー型のほか、脳血管性、前頭側頭型などがある。「ピック病」は、1898年、精神医学者アーノルド・ピックが初めて症例を報告したことから名づけられた。ただ、画像診断技術の向上などで、正しく診断できるようになってきたのはこの10年。うつ病や統合失調症と誤診されているケースも多い。
若年認知症の患者数の調査は、旧厚生省の研究班が96年に推計した2万5千〜3万7千人があるだけで、現在、ピック病を含め、10年ぶりの実態調査が進められている。
<ピック病(初期〜中期)のチェックリスト>
(1)状況に合わない行動
場所や状況に不適切と思われる悪ふざけや、周囲の人に無遠慮で、身勝手な行為をする。
(2)意識減退
引きこもりや何もしないなどの状況が続き改善しない。思い当たる原因は特になく本人の葛藤もない。
(3)無関心
周囲の出来事に無関心になったり、身だしなみに気を使わず不潔になったりする。
(4)逸脱行為
万引きなどの軽犯罪を犯すが反省や説明はできず、繰り返すことが多い。
(5)時刻表的行動・繰り返し行動
散歩や食事、入浴などを時刻表のように毎日決まった時刻に行う。やめさせたり待たせたりすると怒る。
(6)食べ物へのこだわり
毎日同じもの(特に甘いもの)しか食べず、際限なく食べる場合も
(7)言葉の繰り返し
同じ言葉を繰り返したり、他人の言葉をオウム返ししたりする。
(8)好みの変化
突然甘いものが好きになるなど好みが大きく変わる。酒やたばこなどは以前と違い毎日多量にとる。
(9)発語、意味の障害
無口になったり語彙(ごい)が少なくなったり、品物の名前や使い方が分からなくなる。
(10)短期記憶の維持
最近の出来事などの短期記憶は保たれる。日時も間違えず、外出しても道に迷わない。
<チェック判断基準>
*40歳以降に、当てはまる症状が3項目以上出ると、疑いがある。
*4,5,7,9は1項目でも可能性がある。
宮永和夫・群馬県こころの健康センター所長作成 |
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アルツハイマー病のような記憶障害が、初期はあまりみられないものの、時に、周囲の状況を気遣わない行動や万引きが症状として出る人もいる。ただ、本人は善悪の判断がつかず、厚労省の若年認知症の研究班メンバーの宮永和夫 (←関連図書多い参考にして!)・群馬県こころの健康センター所長によると、欧米でも万引きなどの軽犯罪がピック病の症状の一つとして報告されているという。
若年認知症「ピック病」で万引き 厚労省が調査(asahi.com)よりH19.02.26紹介
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