1.始めに
10月19日に内閣府は、地震の際の揺れやすさを7段階に分類し、地域ごとに色分けして示した全国マップをホームページ上で公開しました。これについて少し調べて、ブログにまとめました。
2.地震動予測地図
平成7年1月の阪神・淡路大震災
をきっかけに、政府の特別の機関として「地震調査研究推進本部」が設置され、日本の地震に関する調査研究を推進されてきました。
阪神・淡路大震災から10年となる平成17年3月には、同本部の地震調査委員会において、これまでの活動の集大成ともいえる「全国を概観した地震動予測地図」が作成・公表されました。
今後、この地震動予測地図が、地域住民などの地震防災意識の啓発や、国や地方自治体などの地震防災対策
などに役立てられるように、地方自治体や国民へ広報しかつ指導していくようです。
「全国を概観した地震動予測地図」報告書
3.地震の際の揺れやすさを7段階に分類し、地域ごとに色分けして示した全国マップ
1)名称
分かりやすいマップ(地図)の名称ですが、長くて閉口しますね。正確を期すのは悪いことではないのですが、3分の1の長さにしてもらうと助かります。
なお、上記した地震調査委員会のホームページで今回、朝日新聞に取り上げられた地図を探してみると、次のものが当たるようです。
図2.4−1 「浅い地盤構造」による最大速度の増幅率の分布 (pdf 7,575KB)
2)何を表しているのか
朝日新聞の図は赤から深い青まで7段階に表されたカラフルな図になっています。その元となっている図2.4−1なる図はもっと高精度のカラフルな図です。新聞に掲載する段階で図をコンパクトにまとめたようです。全国の地盤を1キロ四方ごとに区切り、揺れやすさを分類したとしてあります。
では、元の図は何を表しているのでしょうか。「浅い地盤構造」による最大速度の増幅率の分布とあります。もう少しわかり易く説明しましょう。
人が生活する地表面近くには、ゆるい軟弱層が厚くある箇所や全くなく硬い岩盤が露出あるいは極近くにある箇所と様々です。特に日本は多くの異なる地質が分布し、深部から到達する地震動もこの表層地質によって様々に増幅されることになります。その結果、同じ地震でも場所によって揺れ方がことなるわけです。
その揺れ方の違いを浅い地盤の構造(種類・構成と構造といった方がよいかもしれない)によって、地震動
がどれだけ強くなるかを表してみたのが、今回紹介された図のようなのです。国民としては、自分の生活する場所が『地震に強いのか、弱いのか』という感覚で捉えれば良いように思えます。
4.分類の特徴
1)揺れやすいランク(赤、橙、黄)
これらの箇所がどこにあるかというと、大きな河川の下流域すなわち沖積平野と呼ばれる地域に当たります。そこには厚い沖積層、山を削って運ばれた砂や粘土や礫からなる新しい柔らかい地層からなります。地震で揺すられると震動を増幅させ、建物を大きく揺らします。また、これらの軟弱層の中の砂粒の揃ったようなところでは砂と間を埋める水が共に激しく揺すられることによりダイラタンシーという現象を起こし、中の水が地表に向かって勢い良く噴出します。いわゆる『液状化現象』といわれるものです。大きな地震が起きるたびに、建物や橋を倒壊させたり、沈ませたり、浮き上がらせたり信じ難い現象を起こしています。直接的な揺れだけでなく、この液状化しやすいかどうかも地震の被害として気になるところです。赤や橙の箇所ではこの液状化現象にも気をつけましょう。
ご心配な地域では、具体的にボーリング調査を行えば、液状化を起こす地層が分布するかを把握することができます。
最も揺れやすいと分類された地点を抱える市区町村は、全国で126。東京都は中央区や港区など12区、政令指定市は札幌、さいたま、千葉、横浜、川崎、大阪、神戸、広島の8市。
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2)揺れやすさ中ランク(緑、水色)
中間的な揺れやすさに当たる箇所には、大まかに見て、地質の古さが中くらいの地層である第三紀層あるいは第四紀洪積層が分布しているようです。地形でいうと、台地・丘陵及び段丘をなしているようです。地質は分からずとも、地形でおよそ揺れやすさを類推することができるでしょう。
3)揺れにくいランク(青、深青)
中生代や古生代の堆積岩・火成岩などからなるいわゆる硬い岩盤(地山)からなる地域です。地形的には侵食がまだ継続しているような山地に当たります。揺れには強い地質領域です。直下に岩盤があるため揺れを一般に増幅せず、揺れに強い地域に当たります。ところが、山地という場所柄、急斜面が多く、既に地すべりや崩壊の危険が増している箇所も多くあります。こういうところでは、普段は長雨や集中豪雨によって災害が発生しますが、地震によっても地すべり・崩壊などの土砂災害
が起きます。そうした注意も大切です。また、新潟県中越地震では山のあちこちから滑り落ちた土砂が川を塞ぎ、天然ダム
を作り、上流域を水没させるという不幸な出来事も生じさせています。
こうした知見から、山の状態を把握しておくことが肝要です。活動度が高い活断層
が近くにあればなおさら、気を配り地震があった際にはそうした場所に近づかず、また、上流部に天然ダムができ、急に壊れて土石流として下流へ流れ下ることなども頭の隅において行動しましょう。
5.最後に
自分が住み、暮らす場所がどういった地質からなり、どこが危険でどこが安全なのか。普段、冷静に考えてみる必要をいま、突きつけられていると思います。
都会で働く人が「帰宅困難者
」として、帰宅支援マップ
を頼りに家路を徒歩で帰ってみようとするのと同じように、家の周辺を歩いて、どこに地震時の危険があるのか、どこへ避難すべきなのか、経路はどうすべきなのか家族と共に取り組んでみることを勧めます。
政府自体は、地方自治体に技術支援し、さらに細かな50メートル四方の防災マップの作成を促しています。
さらに、具体的な危険箇所などをわかり易くした「ハザードマップ
」の作成を徹底させ、国民の防災意識を向上させて、実害を少なくしようとしているのです。これから、身近な市町村でこの「ハザードマップ」の話題が多くなるものと思われます。是非、個人レベルでもやりましょう。
<参考資料>
1)(asahi.com)H17.10.20 首都圏・近畿圏は最も揺れる 内閣府が7段階の分類地図
http://www.asahi.com/national/update/1020/TKY200510190339.html
2)内閣府 政府広報オンライン





