宮城県沖緊急調査 −M7.2が宮城県沖地震M7.5を誘発するか探る−
1.始めに
8月16日に起きた宮城県沖の地震は、マグニチュードM7.2で最大震度が6弱と大きな地震で、その正体も想定されていた「宮城県沖地震」そのものではないかと、細かく検討された末に、「想定とは別」の見解が政府の地震調査委員会から17日にも示されたばかりです。
今回起きた地震がその余震分布などから、想定されていた「宮城県沖地震」の震源域の一部を破壊して起きたことが分かっており、想定されていた「宮城県沖地震」を誘発する可能性さえあることは容易に想像がつくところで、今回、予算をつけて緊急調査することになったようです。
2.緊急調査の概要
1)目的
今月16日に起きたマグニチュード(M)7.2の「宮城県沖の地震」が、想定される「宮城県沖地震」(M7.5前後)を誘発するのかどうかを探ること。
2)事業元
文部科学省
3)調査名及び代表
科学研究費補助金による緊急調査(代表者=長谷川昭・東北大教授)
4)予算
1880万円
5)内容
(1)震源域周辺に展開している海底地震計を現在の23地点から38地点に増す
(2)15〜20キロ間隔の観測網で余震の発生状況を詳しく調べる
(3)海底の地殻変動データなどを解析する
3.なぜ、緊急調査か
こうした緊急調査にしては、かなりまとまった予算額から、調査結果に期待が持たれていることが伺えます。
調査の内容から、何を期待しているのか推察してみましょう。
(1)震源域周辺に展開している海底地震計を現在の23地点から38地点に増す
数にして7割り増し、しかも(2)のグリットを構成した観測網が構築できる。より精度の高い観測及びそのデータを用いた解析が可能となる。
(2)15〜20キロ間隔の観測網で余震の発生状況を詳しく調べる
今回の地震が、想定した「宮城県沖地震」の震源域の南部で起きたこと、余震がその震源域へ広がっていることなどから、今後起きるであろう「宮城県沖地震」も間違いなく、この領域で起きるであろうから、今回の余震の観測と共に、少し広い範囲で海底地盤の動きを海底地震計で常時観測して、いち早く「宮城県沖地震」を把握しようとするものだと思われます。
(3)海底の地殻変動データなどを解析する
海底地震計のデータを増やし、総合的に解析することで、震源域の動きを明らかにしたのではないでしょうか。
4.最後に
今回のM7.2「宮城県沖の地震」を得て、地震調査委員会およびこの緊急調査の関係者は、近い将来に「宮城県沖地震」が間違えなくくると確信に近いものを持っているように思えます。
この緊急調査は、それを待ち構えて、地殻変動を地震の事前から地震発生そしてその後と通して連続的かつ多地点で観測するつもりなのでしょう。「宮城県沖地震」及び「プレート境界型地震」の実態を解明しようという研究者にとってまたとないチャンスと思われます。
そこで、地震関連事業の主導権を握りたい文部科学省も進んで、多額の予算を付けて、緊急に取り組むこととしたのではないでしょうか。
かなり良質な成果が見込めるように思われ、調査結果報告を待ちたいと思います。
<参考資料>
1)(Yomiuri.On-line H17.08.20)「宮城県沖地震」誘発するか、文科省が緊急調査へ
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20050819ik21.htm
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