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想定の宮城県沖地震ではない −地震調査委員会での結論−

 

 1.始めに
 昨日2005年8月16日11時46分ごろに宮城県沖でマグニチュード7.2の地震が起こり、専門家の見方が割れているようです。
 本日8月17日に開かれる政府の地震調査委員会で結論が下されました。なかなか判断に苦しむ局面だったのですが、ブログしている間に「今回の地震は、想定の宮城県沖地震ではない」という風に結論が出たようです。
 これから、東北での地震対策が本格化するのではないでしょうか。また、そうしなければいけないのだろうと思われます。

 2.今回の地震に対する3つの見方
1)想定(警戒中)地震そのもの
 今回のが想定地震で、1978年の地震以降の太平洋プレートの沈み込みに伴うひずみが解消されたとの見方をするものです。
 石巻市の牡鹿半島にある基準点が約5センチ東に移動したという暫定的な解析結果を国土地理院が発表しましたが、この地殻変動からみても、「プレート境界型」であることは確かです。
 その「プレート境界型」で、震源が想定震源域付近であることなどが根拠のようです。
 この震源域では1936年11月3日にM7.4が発生し、1978年6月12日にもM7.4が発生しています。この領域の宮城県沖地震は、26年から42年の間隔で繰り返すといわれています。前回から27年しかたっておらず、ひずみのたまり方がやや少なく規模がM7.2と小さかったとみれば、十分に該当するわけです。
 この見方が取れるのであれば、宮城県の方々は「ガス抜き」ができたようなものですから、しばらく安心して暮らすことができるのです。
2)想定地震の一部
 規模が小さかったのは想定震源の約半分が割れたためで、残りがまだ割れ残っているととする見方です。
 もしそうならば、同じような規模の地震がもう1回起こり得ることになります。
3)想定地震とは別物
 想定地震と今回はまったく別ものだという見方です。前回2度の地震と似通ってはいますが、それらより南側にあり、深さも他のものより少し浅く別物と考えられなくもないのです。
 そうであれば、従来想定してきた「宮城県沖地震」は、より警戒しなければいけないものとなるのです。

 3.各専門家の見解
1)気象庁:余震分布
 16日夕方の記者会見で、今回の地震域を示すと考えられる「余震分布」が1978年の宮城県沖地震の震源域と一部重なるとすでに発表しました。このことは、「想定地震と今回の地震が何らかの関係があること」を示唆しているのです。なお、これ以上の見解となると、ことが甚大な災害に関することなので、政府の地震調査委員会での検討を待たずに発言できないのです。
 見方1)あるいは2)を肯定する内容のように思われます。
2)八木勇治・筑波大助教授:地震波による地下の破壊再現
 世界各地で観測された地震波を使い、25秒間続いた地下の破壊の様子を再現して、その結果、今回の破壊は1978年の宮城県沖地震の震源域の南端で発生し、さらに南の想定震源域外に進んだことが分かったとして、想定地震とは別物という説を主張しているのです。
 「1978年の震源域のひずみは、未だ解消されおらず、隣接部が切れたことで、むしろ地震の可能性が増えた」と警告しているのです。
 これは、見方3)そのものです。
3)今村文彦・東北大教授(津波工学)
 「地震の規模が半分以下で、津波の高さも想定の半分。宮城県沖地震とは断定しにくい」と述べ、前触れの可能性を指摘しています。
 見方3)と2)、どちらかというと3)なのでしょうか。
4)大竹政和・地震予知連絡会会長
 「判断に困っている。当初は前兆の地震ではないかと考えたが、時間がたつにつれて、余震分布が広がってきた。規模も大きめで、宮城県沖地震である可能性もある」と話されています。
                
          
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 4.今後の推移
 これまでに新聞等で発表されている内容からすると、大竹会長の「判断に困っている。当初は前兆の地震ではないかと考えたが、時間がたつにつれて(データが揃ってくると)、余震分布が広がってきた。規模も大きめで、宮城県沖地震である可能性もある」という考えに正直いって近いようです。
 宮城県沖地震だったとしても、今回の地震は想定される規模の3分の1程度の大きさで、まだ周辺にひずみが残っている恐れは高い。大竹会長は「ひずみが解消しきっていなければ、もう一度M7クラスの地震が発生してもおかしくない。警戒の継続が必要だ」と指摘しているように、慎重にならざるを得ない状態のように思えます。

 今後、次のような点などから、宮城県沖地震か否かを判断することになり、17日に開かれる地震調査委員会でも、この判断が焦点になりそうです。明確な結論が出しずらいでしょう。

▽余震の分布⇒時間が経つにつれ分布が広がってきている。
▽全地球測位システム(GPS)データ⇒石巻市の牡鹿半島にある基準点が約5センチ東に移動し、ほかに、南東に約4センチ移動した基準点が4点あった。
▽地震波を使った破壊過程の分析⇒1978年の宮城県沖地震の震源域の南端で発生し、さらに南の想定震源域外に進んだことが分かった。

 5.最後に
 このブログを書いているうちに「地震調査委員会の結論」が出ましたので、「始めに」や「最後に」を書き換えました。
 予定していなかった「地震調査委員会の結論」の要点を示しておきますが、東北地方とりわけ宮城県にとってより不安の増す「肝を据えてかかれ!」の内容のように思えました。福岡市内の「警固断層も不安を抱えた内容」で、関東や東海にも地震の不安が増しています。お互いに徹底した「地震対策、自己防衛」をする必要があるようです。
<地震調査委員会の結論>
 宮城県沖を震源に震度6弱の地震が起きたのを受け、政府の地震調査委員会の臨時会合が17日午前10時から、都内で開かれた。今回の地震が、以前から発生が予測されていた大規模地震「宮城県沖地震」か、あるいはその前兆かについて議論した。

1)結局、想定していた地震ではないとの結論に達した。(見方2)なのでしょうが、地震の規模を考えると、今回より大きな元々の想定地震がくるということのようです)
2)プレート(岩板)の境界の想定震源域の一部の地盤が崩壊した可能性が高く、プレーのひずみは完全には解消されないため、今後も警戒が必要である。(むしろ、不安定になったという見方を示唆しているようにも思える)
3)「宮城県沖地震」は、30年以内にM7.5前後の地震が99%の確率で発生すると予想されている。今回は、これに比べて半分以下のエネルギーであり、さらに震源は、「宮城県沖地震」で予測されている震源域の南端に位置していた。
4)今後30年の発生予測に変化はない。

 <参考資料>
1)(MSN-MainichiINTERACTIVE H17.08.17)宮城沖地震:想定地震か、前触れか 「地震国・日本」検証
 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20050817k0000m040158000c.html
2)(asahi.com H17.08.17)予告の地震か別物か、ひずみ解消がカギ 宮城沖地震
 http://www.asahi.com/national/update/0816/TKY200508160419.html
3)(asahi.com H17.08.17)牡鹿半島、5センチ東へ 国土地理院が暫定解析結果
 http://www.asahi.com/national/update/0816/TKY200508160385.html
4)(MSN-MainichiINTERACTIVE H17.08.17)宮城沖地震:予測の地震ではないと結論 調査委が臨時会合 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20050817k0000e040028000c.html
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