G-NET 最新厳選災害防災特集:警戒中の大地震  地質屋情報局

 

警戒中の大地震 −37年間隔の宮城県沖地震なの−

 

 1.始めに
 最近は地震がたびたび起きるので、地震のことばかりブログしたくないというのが本心なのですが、そうも言っておれない。多くの読者の期待を裏切るわけにはいかない。
 本日2005年8月16日に起きたマグニチュード7.2最大震度6弱の「宮城県沖地震」について、概要的にまとめておきます。

 2.地震概要
1)発生時刻:16日午前11時46分ごろ
2)震源:宮城県沖(牡鹿半島の東南東80キロ付近)
3)震源の深さ:約42キロ(最初は20キロぐらいと浅さを強調していたが、修正)
4)地震の強さ:マグニチュード(M)7.2
5)震度6以上:国内では3月20日の福岡県西方沖地震以来

 3.警戒中のプレート境界?
1)プレート境界の地震の仕組み
 東北地方の太平洋沖では、海側の「太平洋プレート」が西進して、陸側の「北米プレート」の下へ沈み込んでいますので、その境目では陸のプレートを引きずり込むような力がかかり、陸のプレート及び境界部にはひずみがたまり続けます。
 ひずみに耐えられなくなると、陸側のプレートが跳ね上がる地震が周期的に起きています。宮城県沖では、平均37年の間隔でM7・5前後の地震が発生してきました。
2)そろそろ警戒中だった
 前回の宮城県沖地震は1978年で、すでに30年近くが経過しています。太平洋プレートは弛まなく押し寄せてきています。これは、地球内部のマントル対流による影響でプレートが動かされているため、動きは年に数センチと鈍いけど、確実に動いているので、プレートの境界部で生じるひずみもほとんど同じ間隔で溜まるのです。
 言い換えると、同じぐらいの年数を経て、大地震が繰り返すのです。
 このため、政府の地震調査委員会は「次の宮城県沖地震が30年以内に起きる確率は99%」と、警戒を呼びかけてきました。
3)警戒中の宮城県沖地震か?
 宮城県沖は、全国で最も大地震の発生確率が高い地域だといわれています。
 政府の地震調査委員会は、今年1月に確率を最新データに基づいて見直し、20年以内の確率を88%から90%へ、10年以内は39%から50%へ引き上げたばかりでした。
 この付近では地殻に大きなひずみがたまっているため、プレート境界以外の地震つまり内陸部の地震も発生しやすいといわれています。
 2年前にはM7・0とM5・5の地震が立て続けに起きて、いずれも震度6弱の揺れを記録しました。その地震は、警戒されていた「宮城県沖地震」ではなく、内陸部での活断層の一種の撓曲での地震活動でした。撓み(タワミ)が出来た部分にひずみが集まり、耐えられなくなって起きた地震でした(記憶に頼っていますので、正確ではありません)。
 今回の地震は、かねて東北沖のプレート境界で警戒されてきた「宮城県沖地震」と同じ海域で起きていますが、想定されていたマグニチュード(M)7・5前後よりは一回り小さめの規模で、M6・8だったとしていましたが、先ほどのマグニチュードをみると7.2に修正されているようです。結局、想定していた地震に良く似てることになります。
 気象庁は、明快な回答をしていませんが、やがて判断が示されるものと思われます。

 4.最後に
 気象庁は、プレート境界に特有の地震かどうか、波形の解析を進めるとともに、今後、大地震につながる前兆でないかどうか、慎重に観測を続けているそうです。
 また、「太平洋プレートと陸側のプレートとの境界付近で起きた本震に余震を伴うタイプの地震で、今後、マグニチュード5後半の地震が起きると考えた方がいいと余震に対する警戒を呼びかけています。
 今回の地震が、警戒中の本命地震だとすると、37年かかって溜まったひずみの「ガス抜き」が終わったことになり、かなり気が楽になるのですが、気象庁も慎重に判断しているものと思われます。
 震源の深さを約20キロから約42キロに修正、地震の強さをマグニチュード6.8からマグニチュード7.2に修正してきている点など、本命に合わせていく軌道修正なのかもしれません。
 今現在、余震の分布を熱心に記録解析しているはずです。その結果、丸1日たった当たりで余震域の全容が分かり、想定された警戒中の大地震の予想発生領域と一致すれば、本命であるか否かを明確にするのではないかと思われます。

 <参考資料>
1)朝日新聞 H17.08.16 宮城県南部で震度6弱 県内でけが人多数 
  http://www.asahi.com/national/update/0816/TKY200508160209.html
2)読売新聞 H17.08.16 警戒中のプレート境界か、37年間隔で大地震 
  http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20050816i308.htm
3)共同通信社 H17.08.16 宮城県南部で震度6弱 政府が官邸対策室  http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=main&NWID=2005081601001568
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