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警固断層の暫定確率 −「30年以内に最大6.5%」にアップ−

 

 1.始めに
 2005年3月20日に福岡県西方沖地震が起きた直後から警固断層の調査を続けていた高知大を始めとする各大学の研究者で構成する調査グループが、「警固断層調査」をまとめ、政府の地震調査委員会で8月10日に報告しました。
 「警固断層」の活動周期は従来考えられていたより短く、今後30年以内に動く確率は最大6・5%との推定されるというもので、これまでの0.4%とされた確立に比べ、著しく地震が起きる確率が高まったとの見解のようです。毎度のように分かり難い報道が多いので、噛み砕いて説明します。

         日本の地震地図     大地震の前兆現象

 2.調査・分析結果
1)調査方法
 福岡県西方沖地震が発生した直後から「警固断層との関係」が懸念されました。この点に関しては学者・専門家だけでなく、一般市民も同じように懸念を持ちました。
 そこで、高知大のほか東京、大分、広島工業の各大学の研究者で構成する調査グループは、警固断層の延長部がどうなっているのか、また、最後の活動はいつなのかなどを明らかにするため、警固断層の延長部に当たる博多湾内の海底地層の状況を船上より実施が可能な音波探査で行いました。これまでにも海上自衛隊で実施されてはいたのですが、警固断層の延長を論じるためには不十分な調査結果しかありませんでした。
2)分析結果
(1)博多湾まで延伸
 博多湾で調査をしている段階から、その延長は海底の地層に現れていて、警固断層が博多湾へ延びていることを明らかにしていました。
(2)活動周期
 博多湾内の地層で過去1万年に113回程度ずれた形跡を確認できたとして、同断層の活動周期を従来いわれていた16000年よりも大幅に短い「2900〜8800年」とする中間報告を発表しました。
(3)最後の大地震
 最後に大地震が発生したのは2500年〜4500年前で、現在が活動期に当たる可能性があることも明らかにしました。
(4)大地震発生の確率
 「今後30年以内に大地震が発生する確率」について、福岡西方沖地震が発生する直前に発表されたものは0.4%で可能性が極めて低いことを意図するものでしたが、今回、同グループが分析結果に基づいて発表したのは最大で6・5%程度とするものでした。
 これは、「九州の活断層の中で最も危険性が高い」と評価するもので、熊本県の布田川(ふたがわ)や日奈久(になぐ)断層帯中部に匹敵するものです。
(5)直ぐに地震がくるか
 警固断層は福岡県西方沖地震を受けて、活動の可能性が高まったとされますが、これまでの福岡市などの調査では、最後に活動した時期が10000〜16000年前と幅があり、活動期を迎えているかどうかが不明確でした。
 今回の分析結果、活動周期が最短の2900年とすれば、断層がいつ動いてもおかしくない時期を迎えていることになります。
 同グループは「すぐに地震が起きるのかどうかは分からない」としています。さらに、データを増やして、整合させて慎重に判断したいのでしょう。

 3.地震調査委員会の見解
 今回の報告を「重要な資料だが、これだけで評価やコメントはできない」との見解を示しました。これまでの様々なデータや分析に、今後行うことになっている陸上での調査も踏まえて、来年度半ばにも委員会としての「警固断層に関する評価」を出す予定のようです。
 地震調査委員会は、実は日本全国で相次いだ地震を受けて、昨年度までに発表していた「主要98断層帯」に加えて、今年度から警固断層など12の断層帯を新たに評価対象にすることにしたばかりなのです。
 だから、他の断層帯の調査も合わせて、もう少し時間をかけて、見解を示したいところなのでしょう。

 4.今後の計画
 陸上部の調査は産業技術総合研究所が計画中ですし、高知大などのグループもさらに調査、分析を進めることにしているようです。
 国立大学も独立法人化され、世間に注目を浴びるようなテーマをつかんで継続的に成果を出していかないと評価されなくなっているので、お互いに色々と協力・牽制しながら研究するというのがこれからのやり方になっていくようです。特に、建設業界のJVと同じように共同して取り組む仲間が欠かせなくなってもいるようです(単独では成果が乏しくなる)。

 5.最後に
 警固断層は、博多湾から福岡市中心部、春日、太宰府、筑紫野市などの地下を北西から南東に走っています。
 福岡市の既往調査によると、長さが約22キロといわれていました。また、これまでの調査では、マグニチュード7級の地震が発生する確率は、今後30年間で0・4%とされていました。
 政府の地震調査委員会による分類では、確率が「やや高い」グループとしていました。
 ところが、福岡県西方沖地震後の高知大などの調査で、沖合にさらに2・5キロほど長い可能性があることが判明し、福岡県西方沖地震を引き起こした断層とは、地下深くで一続きとなっている可能性が高いとみられています。

 そんな警固断層は、今後30年以内に動く確率が最大6・5%との推定され、「九州の活断層の中で最も危険性が高い」と評価されたのです。地震調査委員会としての正式な見解は来年度半ばになるようですが、これまでの見解が修正されることは確実です。

 今後は、福岡市民自身が、岡村真・高知大教授(地震地質学)がいわれる「警固断層は決して安心できない。断層上や周辺の街のあり方を考え直すべきではないか」のアドバイスを早めに生かし、街づくりに反映することが大切なようです。地震を恐れるのではなく、それに対処できる街に変えていく必要があるのだと思います。また、当面の備えも欠かせません。


 <参考資料>
1)朝日新聞 H17.08.11 朝刊 社会 警固断層、来年度中にも評価 <リンクなし>
2)(共同通信社 H17.08.11)30年以内の活動6・5% 警固断層で東大など推定
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050810-00000088-kyodo-soci
3)(西日本新聞 H17.08.11) 警固断層 周期縮まる 高知大など研究班発表 今は活動期? 最短2900年 
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050810-00000074-nnp-kyu

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