巨大地震のなぞ −どういう仕組みで起きるのだろう−
1.始めに
地震は、日本のような大陸の端の方にある島弧だと、四六時中起きていると考えて頂いた方が良いのですが、その中でも震度3当たりの揺れからニュースで取り上げられるようです。
昨年12月のスマトラ沖地震はマグニチュード9で、巨大地震の中でも「最も巨大な地震」になりますが、日本でもスマトラ沖地震のような巨大地震が起きる
のだろうか?その仕組みと可能性を整理しました。

2.地震とは
地下の岩盤が割れてずれる現象です。その原因は、後で述べるプレートの動きによって絶えず掛かっている力に耐えかねる状態になることによります。
岩盤が割れた範囲を震源域と呼びますが、ここでは繰り返し地震が起きます。なぜかというと、原因となる力が変わることなく掛かり続けているためです。
地震は、つまり、起きるところでは繰り返すということなのです。原因がなくならないから特定の場所で、繰り返し起きるのです。
3.トラフとは
海底にある細長い深いくぼみです。
このトラフは、海のプレートが陸のプレートに接して、その下へ潜り込む場所なのです。
静岡沖から四国沖にかけて、「南海トラフ」と呼ばれる海底の細長いくぼみがあります。
南海トラフ沿いには、東海地震、東南海地震、南海地震の各震源域が3つ並んでいます。
*地震災害論
4.プレートとは
プレートは、地球の表面を覆っている10数枚の板のようなもので、数十億年という長い時間をかけて、すれ違ったり、潜り込んだりしています。海のプレートの動きは年に数センチという極めてゆっくりした動きですが、確実に動きが継続しています。
海のプレートが潜り込む時は、陸のプレートは引きずり込まれるように一緒に動きます。でも、突然引き込む力に耐えられなくなって、プレートとプレートの境が引きちぎれて、陸のプレートが跳ね返ります。これが地震です。
絶え間なく動く海のプレートに陸のプレートが引きずられる「絶える期間」と一瞬にして引きちぎれる「地震の瞬間」が繰り返し起きるのです。
海のプレートを動かす力は、より地球内部のマントル対流というもので、人類の時間からすると絶えることのないものです。したがって、地震を起こす原因は変わらす、一定の時間間隔を置いて地震が繰り返します。
*プレートテクトニクスの基礎
*プレートテクトニクスの基礎(続)
*地球学入門
*地中海は沙漠だった
5.地震の同時発生
1)スマトラ沖
昨年12月のスマトラ沖地震は、長さが1200キロ以上という巨大なもので、いくつかの震源域が同時に動いたものだそうです。
スマトラでも1つの震源域の地震と複数の震源域の地震があるそうです。
2)南海トラフ
南海トラフの地震については、古文書や地層の調査からいつどの震源域が動いたかが詳しく調べられています。
(1)過去の活動 ●:動いた ▲( ):時間差で動いた −:動かなかった
南海地震、 東南海地震、 東海地震
684年(天武) ● − −
間隔(203年)
887年(仁和) ● − −
(212年)
1099年(康和) ● ▲1096年(永長) −
(262年)
1361年(正平) ● − −
(137年)
1498年(明応) ● ●
(107年)
1605年(慶長) ● ● ●
(202年)
1707年(宝永) ● ● ●
(147年)
1854年(安政) ● ▲(32時間後) ▲(32時間後)
(92年)
1946年(昭和) ●南海地震(M8.0)▲ −
1944年(昭和)東南海地震(M7.9)
(59年)
2005年(平成)?
(2)3つの地震の同時性
●東海地震の単独活動の例はない。
●東南海地震は単独の時と、東海地震と一緒の時がある。
●東南海地震が起きると、南海地震が起きることが多い。
*東海地震はいつ起こるのか
*東海地震がわかる本
*東海地震に備える企業の地震防災対策
*疎開児童が調べた「東南海地震被災の記録」
3)千島海溝
(1)過去の活動
根室沖地震 十勝沖地震
1843年 ● −
1894年 − ●
1952年 ● −
1973年 − ●
2003年 ●陸地寄り
(2)2つの地震の同時性
十勝や根室は、およそ500年に一度、巨大津波に襲われていることが、陸上の潟湖や沼地に運ばれた海底の砂などの存在から分かっています。
十勝・根室の最も新しい巨大津波の発生は、17世紀で、十勝沖地震と根室沖地震が同時に起きて巨大地震が原因だと考えられています。
上記したように、M8級の十勝沖地震と、M7.7程度の根室沖地震は、平均すると77年に1度のペースで起きていますが、500年に1度くらいは同時に起きるらしいのです。
6.同時発生の理由
なぜ、地震が同時に起きたり、起きなかったりするのかは、良く分かっていません。
海底の地下の複雑な構造が原因だという仮説もあります。
最近では、境界面の密着度が高く、一端動くと強い揺れを起こしやすい領域をアスペリティーと呼んで特別視しています。他の領域より壊れ難いところが一端切れると強い揺れを誘発するという考え方なのです。
7.最後に
南海トラフも千島海溝も、日本の太平洋側にあり、東北や九州(沖縄も含む)の太平洋側にもその深い細長いくぼみの連続部(日本海溝と呼ばれる)が続いていて、やはり地震の巣とも呼べる震源域があるのです。
したがって、太平洋沿岸ではいつ巨大地震が起きて、それに伴う巨大津波が起きないとも限らないのです。
だから、日本政府は津波ハサードマップを作って、非難経路・避難先・危険区域の明示と徹底訓練を地方自治体へ呼びかけています。各自治体もその必要性を認めていますが、予算と人材の関係から思うに任せない実態があるようです。
でも、命に関わることですから、自分の住む町の「ハザードマップ」及び「津波ハザードマップ(太平洋沿岸地域)」が整備されているのかどうか一度確認してみては如何でしょうか。いざという時にきっと役立つと思われます。
<参考資料>
1)朝日新聞 H17.07.28 朝刊 朝日NIEスクール 日本でも巨大地震? <まだリンクなし>
