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首都圏巨大地震−プレート境界より浅く、被害想定の見直し必要−

 

 1.始めに

 朝日新聞や毎日新聞などの主要新聞が首都圏地下プレート、「境界の深さは推定より浅い」という内容で、取り上げていましたが、情報元(東京大学地震研究所の佐藤比呂志教授ら)の真意は一般国民まで旨く伝わっているのでしょうか。

 少し噛み砕いて、お伝えしてみたいと思います。なお、怯えるような問題でなく、これからの対処が大事なのではないでしょうか。

 2.巨大地震の原因

 一般的な話として、まず、巨大地震がどうして起きるのかを考えてみましょう。

1)プレート

 地球の表面は、以前にお伝えしたようにいくつかのプレートという厚さ数キロの板状岩盤に覆われています。いわば、モザイク状に10数枚のプレートに分かれていると考えられています。

 そのうちの数枚が日本の周辺にあります。 
http://plaza.rakuten.co.jp/gnetoffice/diary/20050413/
 
 また、プレートは大きく分けて、重たい岩石成分からなる海のプレートと、これより軽い岩石成分からなる陸のプレートがあります。

 日本周辺に限ると、海のプレートとして1)太平洋プレート、2)フィリピン海プレートがあり、陸のプレートとして3)東日本の北米大陸プレート、4)西日本のアムールプレートがあります。かっては日本の陸プレートはユーラシアプレートと呼ばれていたのですが、最近はGPS測定の結果などから大きく2つに分かれていると考えられるようになりました。

2)プレートの接触

 海のプレートは浮き出してくる端は、海嶺と呼ばれる部分にあります。その地中奥深くのマントルはここで上昇の対流を起こしていて、そこから横へ対流します。それにつられて、その上にある海のプレートも横へ動きます。年に数センチのゆっくりとした動きですが、全体の動きが止まることはありません。

 海のプレートは日本列島に向けても打ち寄せるようにぶつかってきます。

 日本列島上には陸のプレートがあって、海のプレートの行く手を阻みますので、重たい海のプレートの方が陸のプレートの下へ潜り込みます。

 潜り込むときに海のプレートと陸のプレートは擦り合わさります。

3)巨大地震

 抵抗がありますから、しばらくは引きずり込まれるようにたわみますが、やがて、耐えられなくなって、上に乗っかった陸のプレートが跳ね上がります。それが巨大な海溝型地震ということになるのです。

 3.2枚のプレートによる地震

 今、その発生が恐れられている東海地震東南海地震南海地震は、海のフィリピン海プレートが陸のアムールプレートにぶつかり、潜り込みで擦れ合うことでおきます。

 単純に2枚のプレートの擦れ合いを考えればよいのです。

 あとは、年に数センチという移動・変位にどれだけ耐え、いつ耐えられなくなって、どこで(主に深さ)どの程度の反発を起こすかで、地震の程度・揺れ・被害が決まります。

 また、地震の規模は、切れる長さが影響してくるので、活断層の連続性や過去の活動時期、活動規模が重要視されるのです。

 4.首都圏の巨大地震

1)過去の記録

 首都圏の巨大地震は、マグニチュード(M)7.9の関東大震災(1923年)やM8.1の元禄地震(1703年)などが繰り返し起きています。

2)今後の可能性

 今後、M8クラスの地震の間にM7クラスが起こる可能性もあるといわれています。

3)プレートの特徴

 やっと本題に辿りつきました。

 首都圏のプレートは、かっては単純に2枚と考えられていました。

 すなわち、海の太平洋プレートが陸のユーラシアプレートの下へ潜り込むために起きると考えられた時期が長くありました。

 その後、陸のユーラシアプレートが西日本のアムールプレートと東日本の北米大陸プレートに別れることになり、首都圏にあるのは北米大陸プレートということになったのです。

 今回、首都圏の地下には、実はフィリピン海プレートが潜り込んでいる。太平洋プレートと北米大陸プレートの間に第三のプレートとして割り込んでいる構造が物理探査によって明らかにされたのです。

 それらしい3枚の構造があることは、色々と伝えられていたようですが、フィリピン海プレートに当たるものを他のプレートの欠片(かけら)と考えていたようです。それそのものに力が掛かっていないと考えたわけでしょう。今から振り返ると、問題を過小評価したことになるように思えます。

4)巨大地震の震源

 首都圏直下の断面図は朝日新聞に掲載のものを参照してください。これを文章で補っておきましょう。

 日本列島には陸のプレートがあります。断面では、表層から左(北西)にかけて広がっています。

 そこへ、右側(海、東)から海の太平洋プレートが寄せてきます。

 さらに、画面の手前側(海、南東)から海のもう1つのフィリピン海プレートが割り込んでいるのです。

 それぞれに力が掛かり続けていますので、次のような箇所に震源の可能性があります。

(1)陸のプレート内 

(2)フィリピン海プレート上面 

(3)フィリピン海プレート内

(4)太平洋プレート上面

(5)太平洋プレート内

 5.物理探査結果の要点

 佐藤教授らは、地上で震動を起こし、地中から跳ね返って来る波から地下構造を調べる物理探査を房総半島や相模湾など関東4地域で実施しています。

 その結果、次のように結果をまとめています。(記事に添付された図が分かりやすかったのですが、午後には記事自体が削除されました。残念)

1)プレート境界

 関東南部では地下4〜26キロにプレート境界があった。

 従来の予測より5〜17キロも浅かった。神奈川県小田原市付近では深さ4キロ、房総半島南端や同県茅ケ崎市では同約10キロ、東京湾の最北部では同約25キロなど北へ行くほど深かった。

2)アスペリティー(境界面の密着度が高く、強い揺れを起こしやすい領域)

 いったんずれると強い地震を起こすアスペリティーも、小田原市付近と三浦半島付近の2カ所で確認した。三浦半島のアスペリティーは従来、約20キロ南の房総半島付近にあるとされていた。

 6.最後に

 首都圏で巨大地震が生じたときの各地の揺れは、(2)フィリピン海プレート上面を元にして推定して来ていたようです。

 今回、これがより浅くなったわけで、揺れは当然大きくなる心配があります。

 佐藤教授は「今回のデータをもとに、地震の被害想定を精査する必要がある」と述べていますが、被害がより大きくなるということでしょう。

 最近のことだったと思いますが、NHKで巨大地震を想定した衝撃的な映像が放映されましたが、あれももっと激しい映像に変える必要があるのかないのかも含め議論が必要かもしれません。

 佐藤教授らの意見を入れた被害想定がやり直され、適切な対策が施されることを願います。

 <参考資料>

1)(asahi.com H17.07.15)首都圏地下プレート、「境界の深さは推定より浅い」

  http://www.asahi.com/science/news/TKY200507140440.html
2) (MSN-MainichiINTERACTIVE H17.07.15)プレート境界型地震:関東の揺れ、予想より大きく <リンクなし>

3)△▼△▼丹波山地の微小地震減少1/2−M7級の地震が起きる可能性−

  http://plaza.rakuten.co.jp/gnetoffice/diary/200504130003/

4) △▼△▼丹波山地の微小地震減少2/2−M7級の地震が起きる可能性−
  http://plaza.rakuten.co.jp/gnetoffice/diary/200504130001/
 


 



 

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