1.始めに
阪神大震災のような直下型地震を引き起こす恐れがあるとして、政府の地震調査研究推進本部(本部長・中山文部科学相)が1997年に指定している全国98か所の「主要活断層」に、新たに12か所を加わえることにした模様です。
同推進本部の政策委員会が選定したもので、8月の本部会で正式に決定することになっています。
2.地震調査研究推進本部
阪神・淡路大震災を契機として、国では総合的な防災対策を推進するため、地震防災対策特別措置法を議員立法で制定し、地震調査研究推進本部を設置して、地震に関する調査研究成果を国民や防災関係機関に伝達・活用しようとしています。
地震に関する調査研究を行政施策に直結させることが、地震調査研究推進本部の役目なのです。その中には、地震調査委員会と政策委員会があります。
地震調査委員会は、各研究機関が行っている調査観測、交付金による各都道府県の活断層調査の結果を一元的に集約したり、観測計画の策定や評価を行ったりすることを行うものと思われます。
地震調査委員会は、長期評価部会と強震動評価部会に分かれて活動しています。主に学者先生たちが中心の活動のように思えます。
政策委員会は、文字通り政策面を担う活動をしており、調査観測計画部会、予算小委員会、成果を社会に生かす部会からなります。こちらは、政治家や官僚が中心なようです。
今回の12箇所の選定は、後者の政策委員会が選定したようです。おそらく、事前に学者が中心の地震調査委員会で検討をし、結論を出した上で、政策委員会へ提示したものだろうと予想されます。
純粋な学術的内容だけでは、地震防災に関わる発言はし難いし、予算的な裏づけがなけでば、政策の意味がありませんので、こうしたやり方をとっているものと思われます。
この後、本部長:文部科学大臣の出席する、8月の地震調査研究推進本部で正式に決定することになるのです。
3.選定の経緯と内容
阪神大震災が起きた翌々年の1997年に、地震調査研究推進本部(本部長・中山文部科学相)は全国98か所の「主要活断層」を選定しています。
今回は、その後に起きた新潟中越地震や福岡県西方沖地震など住宅が密集した地域で、阪神大震災のような直下型地震を引き起こす恐れがあるとして、新たに新潟県中越地震の震源だった可能性がある六日町断層帯や、福岡県西方沖地震を引き起こした可能性も指摘される警固(けご)断層帯を含めた12箇所を追加選定したものです。
4.選定の指標
全国には活断層といわれるものが2000箇所ほどありますが、その中から主要活断層として選定する際の指標は、次の2点に絞られています。
(1)長さが20キロ・メートル以上
(2)地層の分析から1000年あたり10センチ・メートル以上のずれが生じている
5.追加選定の主要活断層
1)幌延断層帯 : 北海道稚内市
2)サロベツ断層帯 : 北海道豊富町
3)花輪東断層帯 : 秋田県鹿角市
4)高田平野両縁断層帯:新潟県上越市ほか
5)六日町断層帯 : 新潟県南魚沼市ほか
6)曽根丘陵断層帯 : 山梨県笛吹市ほか
7)魚津断層帯 : 富山県魚津市ほか
8)安芸灘の断層帯 : 広島県大竹市、山口県岩国市ほか
9)宇部沖の断層帯 : 山口県・周防灘
10)警固断層帯 : 福岡市ほか
11)人吉盆地断層帯 : 熊本県人吉市ほか
12)宮古島断層帯 : 沖縄県・宮古島
*活断層の詳細を知りたい方は、参考図書の中に詳細なものも含まれますし、地域ごとには2万5千分の1の「都市圏活断層図」が発行されている地域もあります。こちらは1部千円で書店などで売っています。購入方法も示してありますので、国交省のHP「