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△▼△▼揮発性有機化合物 −2006年春にも規制開始−
1.始めに
忘れないうちにまとめて置かなきゃと思っていたのですが、地震があったり、JR宝塚線の脱線事故があったりして、先延ばしになっていることがたくさんあり、順次記述していきます。ちょっと読むにはつらいかも知れませんが、先できっと役立つ資料になると思いますので、書き留めます。
2005年3月30日に、 揮発性有機化合物(VOC)の排出抑制策について、政府の中央環境審議会の専門委員会により「大規模排出企業の規制基準」を盛り込んだ最終報告書がまとめられました。

空気の汚れを感知する『換気予報』
2.揮発性有機化合物(VOC:Volatile
Organic Compounds)
揮発性有機化合物とは、英語のVolatile Organic Compoundsの訳で、VOCと略しています。
「大気中の発がん性物質や光化学スモッグの原因」になるといわれる恐いものです。
常温常圧で空気中に容易に揮発する物質を総称するもので、主に人工合成されたものを指しています。
水よりも重く、粘性が低くて、難分解性であることが多いので、漏れると地層の粒子間に浸透して、敷地内の土壌や地下水を汚染します。
大気中に放出された場合には少し様子が違います。すなわち、光化学反応を受けて、オキシダントやSPM(浮遊粒子状物質)の発生に関わると言われています。
どちらにしても具合の良くない品物です。
炭化水素が主体ですが、炭素(C)、水素(H)だけでなく別の元素を取り込んでいる場合もあるため、炭化水素類(HC)の範疇を越えているようです。
日本が高度成長した1970年代初頭から農薬とか、電気工場・半導体工場において洗浄剤などとして大量に使用されました。洗浄するのには非常に具合の良い魔法のような品物だったのです。
当時は法律で規制するようなこともなく、野放し状態で、文字通り敷地に放置され、土壌にそのまま廃棄されていました。今考えると、背筋が寒くなるような行為も無知に近い状態の人々は次々に廃棄したのです。
それが工場跡地の再開発等が行われるに当たって、今次々に汚染の実態が明らかになってきています。私たちの身の回りにも汚染された敷地(稼動・閉鎖・再開発など)があるかもしれません。
参考⇒下方に規制の対象になる業種分野を示していますので、皆さんの身の分かりにないかチェックしておきましょう。また、家庭の中でも部屋の空気を汚染するものがないかもチェックしましょう。1章で紹介している『換気予報』なんか役立つかもしれません。
また、大気中に放出されるVOCは、国内で年間約185万トンと試算しています(環境省)。諸外国と較べて単位面積当たりの排出量が高く、濃度も高いのが特徴です。
2004年の大気汚染防止法改正により、浮遊粒子状物質、光化学オキシダントの生成原因となるVOCの排出が規制されるようになりました。
今回の処置は、この規制を大規模排出企業に限定して具体的な規制基準を示して実効性を上げようとするものだと思われます。

VOCの減衰 エンゼロイド ゲル 240ml
3.VOC規制の対象と関連業種
分野 用途
関連業種
(1)塗装 :塗料の薄め液など :自動車メーカー
(2)印刷 :インキに含有 :印刷
(3)接着 :接着剤に含有 :粘着テープ・工業用接着シート製造
(4)洗浄 :金属類の洗浄剤に含有 :電機メーカー
(5)化学 :化学製品製造過程で使用 :化学品製造
(6)貯蔵 :ガソリン貯蔵の際に発生 :石油精製
どこかで、本人や家族のいずれかが関わっているのではないでしょうか。それほど、様々な分野に跨り、関連しています。
<防衛策も紹介>
4.実態と規制
1)実態
(1)4大大気汚染物質の1つ
◆揮発性有機化合物(VOC)
◆窒素酸化物(NOx)
◆硫黄酸化物(SOx)
◆浮遊粒子状物質(SPM)
(2)様々な害
発がん性物質や光化学スモッグの発生源
2)規制
(1)未規制
4大大気汚染物質の中で唯一、規制がなかった。
⇒利用価値が高く、産業界に欠かせない物質だったのではないでしょうか。
(2)国内の排出量
◆国内の年間排出量:約180万トン
◆塗装、自動車、印刷、化学など工場:150万トン
そのうちの約6割が塗装業者が排出
(3)大気汚染防止法改正(環境省、2004年)
◆目標:2010年度までに30%削減
◆初規制の対象:年間排出量が50トンを超える施設(数千)
◆中小企業も例外でない

5.実効性重視の取組
従来の環境規制は、環境省と経済産業省が見えない場所で綱引きして規制値を決めていましたが、今回の改正大気汚染防止法では産業界もデータを持ち寄って一緒に取り組んだといわれます。その点が画期的だったと思います。
規制値づくりは2月までの半年余り、排出抑制専門委員会の下に設けた塗装、洗浄など6小委員会で検討したようですが、委員は73名、うち50人を産業界の代表が占めたようです。
業界ごとに排出データを持ち寄り、事務局の素案をもとに規制値と対象施設の規模を決めたとのことです。私もこのこのような事務局をやったことありますが、この方たちが一番大変なんです。縁の下の力持ちという奴です。役人あるいはそれを支えるコンサルタントなどがやります。
6.最後に
環境問題は、限られた企業や人の問題でなく、日本国中、どんな場所、どんな人、どんな時代にまで影響を及ぼす可能性があります。
そういう意味で、多くの人の叡智を集め、理解と協力を得た上で、施策を実行することが大切だと思います。そういうことでは、今回の取組はまさに新しい時代の幕開けに相応しい試みだと思います。
次の世代へ少しでも良い地球環境を残せるように、全てのヒトが気持ちと実効性を共有すべきではないかと思います。なお一層の努力をして頂けますように関係者の方々にお願いしたく思います。さらに、より良い環境に変えていくために国民が全て努力すべきとも考えます。

<参考資料>
1)朝日新聞 H17.03.31 朝刊 経済 来夏製有機化合物 来春にも規制開始 <リンクなし>
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