G-NET 最新厳選災害防災特集:                                    

 

 

△▼△▼断片プレートが関東の地下に−地震の想定見直し必要か!− 

 

 1.始めに
 かなり専門的な話で、細かく説明するためには立体的な地下の見取り図が必要でブログで説明しづらいので、さらっと記述することとします。
 陸側のプレートの下に、フィリピン海、太平洋という2つのプレート(岩板)が沈み込んで複雑な構造を作っている関東地方の地下に、もう一つ新たな「プレート」が存在するという研究結果がまとめられ、産業技術総合研究所活断層研究センター(茨城県つくば市)の研究員によって、22日から千葉市で始まる地球惑星科学関連学会合同大会で発表されるそうだ。

                


 2.プレートとは
 プレートとは、地球の極く表層を覆う膜のようなもので、厚さ数十−百キロの板状の岩石層です。
 地球の表面は、ジグソーパズルのように十数枚のプレートに覆われいます。
 それぞれのプレートは、その内側にあるマントルの対流の影響を受けて、年に数センチという”ゆっくり”としたスピードで移動、別のプレートに衝突したり下に沈み込んだりしています。
 プレートは大きく分けて陸プレートと海プレートの2種類があり、海プレートは陸プレートに比べて重い岩石で出来ているために、陸プレートの下へ沈み込みますが、その際に陸のプレートを引きずれ込んだり、巻き込んだりします。
 引きずり込んだプレートが、やがて耐えられなくなって、反発するのが地震にあたります。その衝撃は陸のプレート内で起きる地震に比べ大きく、巨大地震と呼ばれることが多いです。
 また、プレートのこうした動きは、衝突や沈み込みとなり、プレート内に徐々にひずみを貯め、内陸で起きる地震の原因ともなります。

                       
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 3.最近の大地震
 関東大震災以来の大きな被害の生じた地震を発生年、死者・不明者数を合わせ整理してみます。
 プレートに伴う地震を○、内陸の地震を▼をつけて区別しておきます。
1)関東大震災○ 1923年 約142,000人
2)但馬地震 ▼ 1925年      428人
3)北丹後地震▼ 1927年    2,925人
4)北伊豆地震▼ 1930年      272人
5)三陸沖地震○ 1933年    3,064人
6)鳥取地震 ▼ 1943年    1,083人
7)東南海地震○ 1944年    1,223人
8)三河地震 ○ 1945年    2,306人
9)南海地震 ○ 1946年    1,330人
10)福井地震 ▼ 1948年    3,769人
11)北海道南西
    沖地震○ 1993年      202人
12)阪神・淡路
    大震災▼ 1996年    6,433人
13)新潟県中越
     地震▼ 2004年       46人
14)福岡県西方
    沖地震▼ 2005年        1人

 この状況から、2章で述べている「プレートの働きで歪が貯まると、内陸部の地震が数度起きて、その後巨大なプレートの地震が起きている」ということの繰り返しを理解して頂きたいのです。 

                       
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4.関東の地下
1)従来の考え
 太平洋の南側から西南日本へ向けて、「フィリピン海プレート」が押し寄せています。その「フィリピン海プレート」は相模トラフ(深い海底の溝)で陸側のプレート下へ北方向に沈み込んでいます。
 その先の関東地方の地下では日本列島東の太平洋側から沈み込む「太平洋プレート」の上に乗り上げ、北は群馬県の赤城山付近の地下まで延びていると考えられています。
2)新しい考え
 産業技術総合研究所活断層研究センター(茨城県つくば市)の遠田晋次主任研究員は、1979−2004年に関東地方の地下深さ200キロより浅いところで起きたマグニチュード(M)2.0以上の地震約15万個のデータから、三次元で震源の分布を再現して、プレートの形状を分析しました。
 その結果、次のような新しい考えに至ったようです。
 フィリピン海プレートは東京湾直下付近までしかなく、その先に延びていると考えられていたプレートは、実は独立のブロックだというのです。
 地下のプレートは部分的に4層になっていて、これまでフィリピン海プレートとみていたのは太平洋プレートの破片だというのです。
 その大きさは、約100キロ四方、厚さは約25キロだと分析しています。

 5.首都圏の地震への影響
 断片上プレートを含む4層構造からなることが確認されれば、「フィリピン海プレート」が一枚だとの前提で想定されている首都圏直下の地震の発生メカニズムが全く異なることになるため、メカニズムや地震の発生位置などの見直す必要に迫られる可能性があるわけです。
 遠田研究員は「関東の地下構造について突っ込んだ議論がされないまま首都圏直下型地震が迫っていると言われている。プレートの構造など地震発生の仕組みを根本的に検討し直す必要がある」と述べています。                    


 6.最後に
 地震が各地で起きている最中の話題なので、非常に気になります。
 今まで、信じて疑わなかったプレートの構造が全く違うわけ、しかも断片化したものを地下に挟んでいるというわけですから、関東地方の地下の複雑さを思い知らされます。
 22日から千葉市で始まる地球惑星科学関連学会合同大会での発表が如何に 評価され、今後の地震予知や対策に生かされるのか興味深く見守りたいと思います。

 <参考資料>
1)(産経Web H17.05.21) 関東地下新たなプレートか 産総研が学会発表 <リンク切れ>
2)朝日新聞 H17.05.21 朝刊 地震保険はまだ高いか <リンクなし>


首都直下にプレート破片、産総研など分析 地震多発の原因?(NIKKEI NET)よりH20.10.06紹介 
 東京を中心とする首都圏直下に、大地震の引き金となるプレート(岩板)の一部が砕けてできた破片がたまっていることが、産業技術総合研究所や米国地質調査所など日米研究グループの分析で分かった。この破片が周囲のプレートとぶつかって地震を頻発させていた。1855年の安政江戸地震をはじめ首都圏で地震が多発する原因とみられる。国際科学誌ネイチャー・ジオサイエンス(電子版)に6日発表される。

 首都圏は関東平野が乗るユーラシアプレートの下に、東から太平洋プレート、南からフィリピン海プレートが沈み込む。これまでは3つのプレートがせめぎ合うので地震が多いと単純に考えられてきた。

 研究チームは地震波などの分析から、関東平野の地下30―100キロメートルの深さに、厚さ25キロメートル、幅100キロメートルの巨大な岩の破片を見つけた。破片はプレートの間に挟まっていたという。この破片は太平洋プレートの一部が約200万―300万年前に壊れて破片になったとみられる。(07:00)

      

 

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