ドラゴンクエストの音楽には、どのシリーズをとっても「序曲」・「王宮」・「街」・「冒険」・「戦闘」・「レクイエム」・「ダンジョン」・「エンディング」という決まったジャンルの曲が求められます。
すぎやまこういち先生は、どのシーンの音楽にも常に全力投球で取り組まれ、「何度も繰り返し聴いても飽きのこない美しい音楽」という事を大前提に作曲をされています。
そのおかげで、プレイヤーである僕らも一つ一つの音楽それぞれに思い出があって、その曲を聴いただけでゲームのシーンが思い浮かぶということがよくあります。
しかし、その中で「レクイエム」系の枠にある音楽というのは、比較的、その他のジャンルの曲に比べて聴く頻度が少なくなります。
そのためか、レクイエム系の音楽を聴いただけで「これはどのシリーズのレクイエムだ」とすぐに言える人は少ないようです。
(もちろん、僕を含めてみぎー工房に来てくださっている方はすぐに言えると思いますが・・・)
特にゲームをプレイ中に戦闘で全滅してしまった時、レクイエム系の音楽が流れるのですが、大抵の人はすぐにボタンを押してしまうため、レクイエム系の曲を最後までかみ締めて聴く人はそれほど多くないようです。
すぎやまこういち先生も
「
IIやIIIのレクイエムの曲なんかを、まともに聴いてもらったことなんかないんじゃないかなぁ・・・」
と少々苦笑い・・・(^^;
これをすぎやま先生ご自身で強く痛感されたのが、ドラゴンクエストIIIが発売された後に行われたコンサートのリハーサルのときのことです。
「
IIIの交響組曲をNHK交響楽団のフルメンバーでレコーディングして、実はNHK交響楽団の中には『ドラクエ愛好会』というのがあって、そのなかにかなりのドラクエフリークがいるの。
それでコンサートの時には、そのメンバーもIIIをクリアーしたあとだったから、音合わせをしている最中で『この曲あったねー』とか『この曲よかったねぇ』なんて、みんな演奏しながら言うわけ。
でも、『鎮魂歌』が出てきたときには、『こんな曲あったっけ?』だって。。。オイオイオイッってね(笑)」
これにはさすがのすぎやまこういち先生もガッカリなさったようで
「
そんな曲あったんだ。。なんて言われた時はショックだったなぁ(笑)」と・・・。
そういうわけで、その次のドラゴンクエストIVからは、全滅シーン以外でもレクイエム系の音楽が流されるようになりました。
IVでは「
エレジー」というレクイエム系の曲がアッテムトの滅びた街のシーンで流れたり、Vにおいては主人公が石像にされてしまった時に「
高貴なるレクイエム」が流れたりと、レクイエム系の音楽をBGMとしても使用されるようになったのです。
僕はドラゴンクエストシリーズのレクイエム系の音楽には、もっと広い視野においても「意味のある音楽」だと思っています。
僕自身を例にしていうならば、ドラゴンクエストをゲームする中で、全滅してしまった際に、あのレクイエムのメロディを聴くことによって「死の哀しさ」、「命の儚さ」を学んだ気がするのです。
アクションゲームなどで単にゲームオーバーとして流れるBGMとは違い、ドラゴンクエストのレクイエムの音楽は人の心に何かを残してくれるものなのです。
「
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