「海原の王者(VII)」について!



交響組曲「ドラゴンクエストVII」には海の音楽が2曲あります。
「小舟に揺られて」と「海原の王者」です。

組曲としては「小舟に揺られて〜海原の王者」というようにメドレー形式になっています。


アルト・フルートとコール・アングレによる木管楽器の柔らかい音色で始まるメロディ。
(小舟に揺られて)
ファンファーレと共にこのメロディが堂々たる海賊船の曲に変化します。
(「海原の王者」)


特に「海原の王者」では、ホルン隊が堂々と吹き上げるメロディに合わせて、弦楽器群とトロンボーン、そしてスネアドラムが一体となって「バンッ!ババババンッ!、ババババンッ!・・・」と、勇ましく伴奏を奏でます。

有名なラヴェルの「ボレロ」を思い出します。

ドラゴンクエストのコンサートでその様子を観ると、弦楽器群は弓の根元で力強く伴奏を奏でています。
その様子は本当にカッコイイです。

指揮をされているすぎやまこういち先生も、堂々と大きく胸を張ってタクトを振られます。

ホルンが「ダーン、ダーーン!!タンタン ダッダッダッダッダーン!」と勇壮に吹き上げると、伴奏を奏でていた弦楽器もこれに続いて「バッバッバッバッバン!」と負けずに奏でます。

ここも、もう、ホンっとカッコイイです。

この部分ですぎやまこういち先生は左手で拳を作られ、4分音符を4つ分、弦楽器に合わせて力強く振り下ろされます。

この「海原の王者」を演奏しているとき、すぎやま先生はご自分で音楽を指揮をされながら、まるで海賊船の先頭で大きな風を受けながら遥か遠くの水平線の先を見つめていらっしゃるようです。

曲が中盤に差し掛かると、トロンボーンがある種の穏やかさを持って優しく吹き上げます。
それに併せてフルート・オーボエ・クラリネットといった木管楽器が3連譜を奏でますが、僕はあたかも大きな海賊船の上を飛び交うかもめを表しているかのように感じます。

「海上にかもめがいるということは、陸地が近くにあるということを示している」と、聞いたことがあります。

おそらくこの「海原の王者」という曲には、これから始まる、広い未知の大海原への野心も込められていると思います。

海原の王者たる海賊船は陸地を離れたばかり。
長く険しい海の冒険は始まったばかりなのです。。。


ところで、この「海原の王者」と「小舟に揺られて」の2曲は同じメロディをモチーフとしています。
どちらの曲が先に作られたのでしょうか?

すぎやまこういち先生のお話では「『海原の王者』の方を先に作ったよ」とのことです。

つまり、最初に勇ましいイメージで音楽を作られ、その時にできたメロディを今度はのどかな雰囲気にアレンジをした、ということです。
1つのメロディで勇ましいイメージにもピッタリ!そしてのどかな雰囲気にもピッタリ!というのは、すぎやまこういち先生だから成し得る技。
本当にスゴイです。

ドラゴンクエストの数ある組曲の中でも、この「海原の王者」は僕が最も好きな音楽の1つです。
コンサートで演奏されるたびに、音楽から、そして演奏しているオケの姿からも感動を得られる名曲です!


                   

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