麦の穂の風にゆれたつ音聞ゆ雀つばくら啼きしきるなかに
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うちわたすこの麦畑のゆたかなるさまをし見れば夏たけにけり
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熟麦のうれとほりたる色深し葉さへ茎さへうち染まりつゝ
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うれ麦の穂にすれすれにつばくらめまひをり空に雲雀群れ啼く
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刈麦を積みあふらせて荷車のひとつ行くなりこの野の秋を
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立ち寄れば麦刈にけふ出で行きて留守てふ友が門の柿の花
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「麦の秋」は、牧水先生他界直前、此の地にての作。
歌の中に友とある、秋灯・鈴木浚一、生前の交遊を懐かしみ、其の柿の木の傍らに之を建つ。
昭和55年4月
協賛 裾野図書館短歌会
大悟法利雄『牧水歌碑めぐり』によれば、87番目の牧水歌碑である。
第15歌集『黒松』に収録されている。
昭和3年(1928年)3月3日、若山牧水は沼津を出発し、箱根を廻って伊豆へ旅をした。鈴木浚一は多賀まで牧水の供をしている。
同年9月17日、牧水は43歳で永眠。
昭和13年(1938年)9月13日、牧水没後10年で第15歌集『黒松』改造社発行。
浄因寺へ。
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