鈴木三重吉『古事記物語』
少名彦名神(すくなひこなのかみ)

五條天神社
皇后は、
「このお酒は、私がかもした酒ではない。薬の神の少名彦名神(すくなひこなのかみ)があなたの御運をお祝ひして、喜びさわいで造つて下されたお酒だから、のこさず、すつかり召し上つて下さい。さあさあどうぞ。」といふ意味の謡をお謡ひになりました。
宿禰は天皇に代つて、
「このお酒をつくつた人は、鼓を臼の上に立てゝ謡ひながら、舞ひながら、喜び喜び造つたせゐでございますか、それはそれは大層よいお酒で、いたゞきますと、ひとりでに歌ひたく、舞ひたくなつてまゐります。あゝ楽しや。」
とお答への謡を謡ひながら、ともどもにお喜び申しました。
後の世の人は、この皇后の、いろんな雄々しい大きなお手柄をおほめ申し上げて、お名前を特に神功(じんごう)皇后とおよび申してをります。
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