『その行脚』(諸九尼撰)

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有井浮風の追善集。

宝暦13年(1763年)5月、浮風一周忌。

湖白菴行状記

享保戊戌のとし、先師筑紫行脚を待得て、二三の親友と共に桂宇、己々、文雄等同時に入門す。門下に遊ひ、弟子の禮をとりて湖白の二字を授け給へり。



辞世

蕉門三世 湖白菴浮風居士

つれもありいまはの空にほとゝきす
 千鳥菴後婦
暮むつはその暁やほとゝきす
   諸九



浮風のぬし、ほとゝきすを句の終りとして、身まかりたまひぬと聞ゆ
 東武
月は西枕は北へほとゝきす
   凉袋



ことし中夏の頃、洛下湖白菴の主人、つれもありいまはの空にほとゝきすと一章をとゝめて無為に帰る。予は東西の旅にあり、漸神無月の半、柴門に草鞋をほとけは、可因子より告越されし文さえ干あへぬ五月雨の空を今はたおもひ出て

薄墨にいまはの空や初しくれ
   蓼太

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