[廿]一 晴 サト女此世ニ居事四百日。一茶見レ親百七十五日。命ナル哉今巳ノ刻歿。
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子におくれたるころ
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似た顔もあらば出て見ん一踊
| 落梧
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娘を葬りける夜
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夜の鶴土に蒲団も着せられず
| 其角
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「夜の鶴」は「焼け野の雉子夜の鶴」から。親が子を思う情がとても深いことの喩え。
松竹鶴亀
艸の戸も子を持て聞夜の鶴
『七番日記』(文化9年2月)
寳永三戌十一月廿二日、妙身童女を葬りて
霜の鶴土にふとんも被されず
「妙身童女」は其角の娘みわ。
宝永3年(1706年)11月22日、「みわ」は10歳で亡くなっている。
宝永4年(1707年)2月、其角は亡くなる。
業の鳥
紫の里近きあたり、とある門に炭団程なる黒き巣鳥をとりて、籠伏せして有けるに、其夜親鳥らしく、夜すがら其家の上に鳴ける哀さに
子を思ふ闇やかはゆいかはゆいと
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声を鳥の鳴あかすらん 一茶
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「紫の里」は、久保田春耕の居る高山村紫。
四五りん草
おのれ住る郷は、おく信濃黒姫山のだらだら下りの小隅なれば、雪は夏きへて、霜は秋降る物から、橘のからたちとなるのみならで、万木千草、上々国よりうつし植るに、ことごとく変じざるはなかりけり。

一茶のふるさと信濃町一茶記念館
九輪草四五りん草で仕廻けり
| 一茶
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老翁岩に腰かけて、一軸をさづくる図に、
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我汝を待こと久しほとゝぎす
| ゝ
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九輪草

成蹊子
成蹊子、こぞの冬つひに不言(ものいはぬ)人と成りしとなん。鶯笠のもとより此ころ申おこせたりしを、
成蹊子は田川鳳郎。「不言(ものいはぬ)人」は、中風による言語障害。『史記』(李広伝)「桃李不言下自成蹊」による。「鶯笠」は別号。
つの国の何を申も枯木立 ゝ
「つの国の」は「何」の枕詞。「津の国の難波の春は夢なれや葦の枯葉に風わたるなり」(西行『新古今和歌集』)をふまえ、「桃李」も今は「枯木立」と化したということ。