宮本八郎

『なりかや』(八郎編)


加舎白雄の二十七回忌追善集。

文化14年(1817年)9月、刊。宮本八郎編。岩根超悟序。

一茶の句が集録されている。

 這箇(この)集をあめるものは八郎騒人也。ことし白雄居士の二十七回忌を奠んと近隣の藻友あつめて法莚をふく。葛三詞宗は病ひになやみ、湘中に国を隔つ。留守の文机よく守り、よく勤む。此孝養譬ん方なし。されば「なり榧」と名付て我に序せよとある騒人がこゝろを感じて文化十四丑九月

谷戸山人超悟述

鶴をりてひとに見らるゝ秋のくれ
   白雄



分別の落ついたればきりぎりす
   超悟

何となく月には人の丈夫なり
   素檗

ならの葉やいやといはれぬ秋の声
   葛古

ひとり住山のこみちも出来る秋
   雨紅女

虫なくや傘たゝむ月あかり
   嵐窓

行あきや何かひとふしありさうに
   八郎

月の名残なけよいはとしいけるもの
   武曰

いたゞきの霜をかさねし九月哉
   梨翁

秋の夜やきのふわかれし人の文
   葛三

   追加

時鳥つゝじまぶれの野よ山よ
   一茶

  天明五年三月十七日

   俳諧歌仙

   山の堂といへるにあそびて

やま蜂の情松かさにくみ落し
   古慊

 岩間つゝじに小滝たばしる
   白雄

 先師一とせ草庵に旅寝の折から、かくみづから筆取てたのしむ事秋日。アヽむかしなつかし、とて此冊子の大尾となすものか。

梨翁

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