芭蕉関連俳書

『句兄弟』(其角編)


元禄7年(1694年)8月5日、其角自序。

廿三番

   兄
   東順

夏しらぬ雪やしろりと不二の山

   弟

雪に入月やしろりとふじの山



   東順ノ伝
   芭蕉稿

 老人東順は榎氏にして、その祖父江州堅田の農士竹氏と称。榎氏といふものは、晋子が母かたによるものならし。ことし七十歳ふたとせの秋の月を、病る枕のうへに眺めて、花鳥の情、露を悲しめる思ひ、限りの床ほとりまで神(たましひ)みだれず。終にさらしなの句をかたみとして、大乗妙典のうてなに隠る。

入月の跡は机の四隅哉



   壬申十二月廿日即興

打よりて花入探れんめつばき
   芭蕉



   甲戌仲秋

木母寺に歌の会ありけふの月
   晋子



 ○ 豪 句

六月や峯に雲置あらし山
   芭蕉

「旅のあれこれ」のトップページへ