『かなりや』の碑〜西條八十〜
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不忍池の弁天堂参道手前を左に行くと『かなりや』の碑がある。


『かなりや』の碑


唄を忘れた 金糸雀は
後の山に 棄てましょか
いえ いえ それはなりませぬ

唄を忘れた 金糸雀は
背戸の小薮に 埋けましょか
いえ いえ それはなりませぬ

唄を忘れた 金糸雀は
柳の鞭で ぶちましょか
いえ いえ それはかわいそう

唄を忘れた 金糸雀は
象牙の船に 銀の櫂
月夜の海に 浮べれば
忘れた唄を おもいだす

『かなりや』の最初ではなく、最後の部分が刻まれている。

うたをわすれた かなりやは
ざうげのふねに ぎんのかい
つきよのうみに うかべれば
わすれたうたを おもひだす

 大正7年の秋、不忍池畔にあつた上野倶楽部というアパートの一室を仕事部屋にしていた西條八十があたりを逍遥しているうちに得られた詩。

1918年、「赤い鳥」11月号に掲載された。

 「唄を忘れた金糸雀」は、文学に志をいだきながら日々の生活に追われている西條八十自身のことだそうだ。

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