室生犀星のゆかり地
室生犀星の詩碑

伊東市桜木町の松川沿いに室生犀星の詩碑があった。
室生犀星の詩碑

じんなら魚
伊豆伊東の温泉(いでゆ)に
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じんならと伝へる魚棲みけり
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けむり立つ湯のなかに
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己れ冷たき身を泳がし
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あさ日さす水面に出でて遊びけり
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人ありて問はばじんならは悲しと告げむ
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己れ冷たく温泉(ゆ)はあつく
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されど泳がねばならず
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けぶり立つ温泉(いでゆ)のなかに棲みけり
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碑の裏に室生朝子の文章が刻印されている。
「じんなら魚」の詩は、大正13年刊行の室生犀星詩文集『高麗の花』に収められた。大正12年伊東に滞在、犀星34歳の作と思われる。「じんなら、じんなら、あはれなりけり」という詩句が晩年の長編小説『杏つ子』にも引用してある。魚るいが特に好きだった父犀星にとって、じんなら魚はより印象が深かったのであろう。『伊東の港』と題した随筆には湯鯉やじんならを知り、また黄金の果実夏蜜柑の実っている木をはじめて見た喜びが書かれてある。生前多くの著作の装幀をされた畦地梅太郎画伯に字刻をお願いした。
昭和46年3月
室生朝子
昭和46年の頃は、まだ松川の流れに「じんなら魚」を見ることができたが、今は絶滅してしまったそうだ。
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