芭蕉関連俳書
『韻塞』(李由・許六共編)

| 韻 塞 | 李 由 選 |
| 十 月 |
| 宿明照寺 元禄辛未于時四十有八歳 |
| 当寺此平田に地をうつされてより、已に百年にを(お)よぶとかや。御堂奉加の辞に曰、竹樹密に土石老たりと。誠に木立物ふりて、殊勝に覚え侍ければ |
| 百年の気色を庭の落葉哉 | 芭蕉翁 |
| 千那子息 |
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| 山寺は山椒くさき火たつかな | 角上 |
| 極 月 |
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| 葱白く洗ひたてたるさむさ哉 | 翁 |
| 正 月 |
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| かぞへ来ぬ屋敷屋敷の梅柳 | 翁 |
| 三 月 |
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| 春の夜は桜に明て仕廻けり | 翁 |
| 四 月 |
| 信濃・上野を過、むさしの地にいりて芥子の花を見る。「馬頭初見米嚢花」といふ句の力を得たり。 |
| 熊谷の堤あがればけしの花 | 許六 |
| 白川の関こえける時、竹田の大夫装束つくろひける事おもひ出て |
| 卯の花をかざしに関の晴着かな | 曽良 |
| 六 月 |
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| あつみ山吹浦かけて夕すゞみ | 翁 |
| 宿山中 | |
| 蚤虱馬の尿するまくらもと | 翁 |
| 七 月 |
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| 訪艸庵 | |
| 秋さびし手毎にむけや瓜茄子 | 翁 |
| 九 月 |
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| 加州山中の重陽 | |
| 山中や菊は手をらぬ湯の匂ひ | 翁 |
| 桟や命をからむ蔦もみぢ | 翁 |
| 題十三夜 | |
| 月影やこゝ住よしの佃島 | 其角 |
| 閏 月 |
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| 寒 | |
| 月花の愚に針たてん寒の入 | 翁 |
| 堰@塞 | 許 六 選 |
| 元禄壬申冬十月三日許六亭興行 |
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| けふはかり人もとしよれ初時雨 | ばせを |
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| 野は仕付たる麦のあら土 | 許六 |
| 椎の花の心にも似よ木曽の旅 | ばせを |
| うき人の旅にも習へ木曽の蝿 | 同 |
