白雄関連俳書

『春のおとずれ』


寛政2年(1790年)、成立。

まとかたの矢落の柳静なり
   白雄

岸のやなぎあとなく船はこがれたり
   信上田麦二

朝風ややなぎを見ればさかさ川
   柴居

太白星のさやかに梅を離れたり
   相大山宣頂

笛に馴る黄鳥の音ぞ口おしき
   信上田如毛

梅が香のみだるゝ夜より散そめし
   信上田雲帯

かへる鴈ものかりそめに聞やすし
   曾我原馬門

人の日やひとに生れてうたはるゝ
   虎杖

かへりてる壁の日かげや梅の風
   上田雨石

菜の花や便りなき洲にひと蕪
   武飯能轍之

薄すみれ咲やこぼるゝやぶ柑子
   毛呂碩布

雨はるにさだまりてころもふたつかな
   都久裳

通すかに野鴨静なる春の雨
   曾我野雨塘

うそ啼て楼の便りきく日哉
上毛大久保里恭

雉子啼て夕となりぬ汐ぐもり
   吹上喬駟

松風を頂にくれを啼かはづ
   岱路

利根川やさからひがまし春の風
   仙台三千彦

春風やふと吹れたる神詣
   戸倉女楚明

つま琴におぼろ憎しや窓の月
   八王子星布

西山やとぶさをちらす花の中
   重厚

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