松露庵烏明

俳諧武埜談笑』

明和7年(1770年)、烏明一門の月次集。

   月次定連
江都

犬啼は明石の岸歟小夜千鳥
   百卉


武蔵

こほしては雨待て居る椿かな
   兀雨

孝行に酔うふて見せたる新酒哉
   麦二

箕田
蝉の声樹々に崩れて今朝の秋
   文郷

掌へ植ては譽るすみれかな
   魚生


下つふさ

曽我野
投出した足に時宜なき火燵哉
   兎石

少年
若芝の中に動いてすみれかな
   眉尺


上つけ

市中に此神の木の落葉かな
   雨什


戸倉

蕣や見とれし人のおもて痩
   柴雨

陽炎や箒ぬれたる魚の棚
   鳥奴


上田

夕皃やある日は花にとまり馬
   麦二

葉柳や中に灯とほすかゝり舟
   雲帯

鷹匠の通り過たるおち葉哉
   如毛

土手築し人の植たる柳かな
   左十


鴻ノ巣
ぬれ色に壁もして置け初時雨
   柳几

   松露庵裡


馬士に胡桝しれたるあつさかな
   昨烏

何所からか雀入けり冬こもり
   百明

紅葉見や下りて見たれは仏の灯
   柴居

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