加州の俳人
桜井梅室

梅室の句
雲みづの心かよふ土鍋あり、この菴泊。
ぐるりから月夜になるや雲の峰
朝寒や珍らしく成我からた
夕燕ひとつは谷へ帰りけり
柴折れは鶯いぬるゆふへ哉
朝がほにとりまかれけり槇の島
折れ兼て哀のさめる木槿かな
ぐらつゐて梅折にくき小舟哉
ふるまひや扇をならす秋の暮
久かたやきかぬ年なき郭公
花の雨日枝見おくらぬ人もなし
藁塚に塒(ねぐら)はなさて小夜千鳥
夕立や羽おり流るゝすみだ川
あつき日や立よる陰もうるしの木
手を負し猪のさまよふ花野かな
朝かほにあらく当るや稲の風
藪入や道の近きを本意なかり
見おろした柳見あぐる泊りかな
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