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○ 日本映画(2009年)

ONE PIECE FILM ワンピースフィルム STRONG WORLD
2009年 日本(東映) 113分ワンピース
監督:境宗久
制作総指揮・原作:尾田栄一郎「One Piece]
主題歌:Mr.Children「fanfare」
声の出演:モンキー・D・ルフィ(田中真弓)、ロロノア・ゾロ(中井和哉)、ナミ(岡村明美)、ウソップ(山口勝平)、サンジ(平田広明)、チョッパー (大谷育江)、ニコ・ロビン(山口由里子)、フランキー(矢尾一樹)、ブルック(チョー)、金獅子のシキ(竹中直人)、海賊キタジマ(北島康介)
劇場版第10作で、ストーリーは原 作者の書き下ろし。漫画しか読んでいないので、映画というかアニメを見るのは初めてである。
ルフィたちの海賊船サニー号の頭上 に突如空飛ぶ謎の船が出現。船は、「ふわふわの実」を食べて重力を自由に操る能力を得た大物海賊シキのものだった。シキは、友好的なそぶりでルフィたちに 近づいたが、優秀な航海士を得るためナミをさらい、他のメンバーたちを空中の群島にちりぢりに振り落とした。
島々は、シキが能力を用いて空中に 浮かべたもので、シキの支配下にあった。独自の進化を遂げた島の動物たちは、シキが科学者に命じて島の固有種である草花のエキスを調合して作らせた薬に よって、凶暴化していた。シキの宮殿と村だけは、特殊なにおいを放つ木を周囲に植えることによって、怪獣たちから守られているのだった。シキは、海賊王ロ ジャーに敗れ、海軍に捕らえられていたが、脱獄し、20年かけて進めてきた計略を実行しようとしていた。それは海軍への復讐を兼ねたイーストブルー(東の 海)の破壊だった。
ナミを救出し、故郷イーストブルー への攻撃を阻止するため、麦わらの一味が、強敵金獅子のシキに立ち向かう。
映画が始まるや否や、普段から知っ てるワンピースでありながら、番外編とも言える本作の物語世界があれよあれよという間に組み立てられていく様はお見事。
強大化し凶暴化した島の怪獣たちと の戦いに始まって、岩や土を自在に操るシキとの村での戦い、シキとその子分たちとシキが招集した海賊たちと怪獣たちとルフィたちが入り乱れてのクライマッ クスの戦いと、話は一気に進む。一味は一時ばらばらになるものの、半ばあたりで集結するので、展開はストレートでわかりやすい。
シキと子分たちのやりとりは適度に お笑いが入っていて愉快だが、特にドクターの足音をおならの音にしたのは秀逸だ。
麦わらの一味は、船上、島内、殴り 込み、エンディングと頻繁に衣装を換えていてそれがまた楽しい。特に8人がスーツ姿でシキの宮殿に乗り込むところは、ねらい通りと思いつつも、やはり胸が すく。本編では銃器を使うことがないと見受けられる麦わらの一味だが、ここでは全員が銃器を手に二丁拳銃で連射。すぐ弾がつきていつもの戦法に入るのだが 映画ならではの試みか。
クレジットのタイトルバックでは、 白ひげやエースやシャンクスが姿を見せ(静止画だが)、どこまでもサービスが行き届いているのだった。
(2009.12)

漫画:
ONEPIECE ワンピース (41 巻

カムイ外伝

2009年 日本(松竹)120分
監督:崔洋一
原作:白土三平
脚本:宮藤官九郎 、崔洋一
出演:カムイ(松山ケンイチ/[少年時代]イ・ハソン)、スガル/お鹿(小雪)、半兵衛(小林薫)、サヤカ(大後寿々花)、水谷軍兵衛(佐藤浩市)、アユ (土屋アンナ)、絵師(PANTA)、吉人(金井勇太)、大頭(イーキン・チェン)、ミクモ(芦名星)、不動(伊藤英明)
★ネタばれあります★
17世紀の日本。非人の子として生まれ、生きるために忍びとなったカムイは、自由を求 めて忍びを抜け、かつ ての仲間から追われる身となる。
さすらいの旅を続けるカムイは、ある日、領主の馬の足を切り落として持ち去った男に興味を抱く。男は漁師の半兵衛で、良質の釣り餌を作るための最適な材料 として、命がけで馬の蹄を手に入れたのだった。嵐に遭い、漁村に流れついたカムイは、半兵衛一家に救われる。半兵衛の妻お鹿は、やはり抜忍で、幼いころの カムイに会っていた。カムイの正体を見抜いたお鹿はカムイを敵と疑うが、他の家族らはカムイを暖かく迎え、カムイは次第に漁村でのなごやかな生活にな じんでいく。
やがて、領主の馬を手にかけた犯人として、半兵衛は城の捕り手たちに捉えられる。カムイとお鹿は半兵衛を助け出し、一家は島に逃れる。島の周りには人喰い 鮫がうようよといて島人たちを悩ませていたが、渡衆と呼ばれる海賊のような男たちが島を訪れ、鮫退治を申し出る。
白戸三平の劇画から入る導入部、林の中で追っ手を迎え討つカムイ、半兵衛との出会い、漁村での暮らし、半兵衛の救出と逃亡、渡衆との出会い、カムイに思い を寄せる半兵衛の娘サヤカとの月日貝の約束、そしてラストの悲惨を極める展開と壮絶な対決シーンへと、物語は、おもしろいように進むはずなのだが、いまひ とつ気 持ちが高ぶらないのは、演出があっさりしすぎているせいか。
主役の松山ケンイチはもちろん(最初からとにかく走る!)、役者陣はいい。豪快で実直な漁師半兵衛役の小林薫、尊大で小心な領主役の佐藤浩市が好演してい るが、うれし い驚きは、渡衆の頭領不動を演じる伊藤英明。男前のダークな役がはまっている。

飯綱落とし、変異抜刀霞斬りなど、忍術の呼び名や解説が出てくるのは、昔テレビで見た「サスケ」を思い出さ せてくれ てなつかしかった。ところで、カムイも不動も刀の持ち方が逆手なのが気になった。原作を読んでなくて忍者のこともほとんど知らないのだが、忍者は、長い日 本刀ではなく、ああいう短めの刀(匕首?)をああいうふうに持つものなのだろうか。(2009.9)


BALLAD 名もなき恋のうた
2009 年 日本(東宝) 132分
監督:山崎貴
原案:原恵一(映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」)
出演:井尻又兵衛(草なぎ剛)、廉姫(新垣結衣)、川上真一(武井証)、川上暁(筒井道隆)、川上美佐子(夏川結衣)、文四郎(吉武怜朗)、仁右衛門(吹 越満)、お里(斉藤由貴)、彦蔵(波岡一喜)、儀助(菅田俊)、春日城主康綱(中村敦夫)、吉乃(香川京子)、大倉井高虎(大沢たかお)、安長(小澤征 悦)

アニメ「クレヨンしんちゃん」の劇場版の傑作「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパ レ!戦国大合戦」を実写でリメイクした作品。
小学生の真一とその両親が戦国時代(天正2年)にタイムスリップし、春日の 国で合戦に巻き込まれる。真一の目を通して、壮絶な合戦の様子や、城主の娘廉姫と武将又兵衛の純愛が描かれる。
山崎監督は、「ジュブナイル」「リターナー」などタイムスリップものの作品を手がけていて、時 間ネタ好きの私としては、次回作を楽しみにしている監督のひとりである。「ALWAYS 3丁目の夕日」 も今とは違う年代の雰囲気を味わえる作品でよかったのだが、「ALWAYS 続・3丁目の夕日」では、後半の展開の人々のあまりといえばあまりな善人ぶり やいわずもがなの台詞が気になってしまった。
で、本作は、とにかく甘い。
(★以下ねたばれあります!)
タイトルからもわかるように一番のテーマである廉姫と又兵衛の恋の描き方が 甘い。二人がお互いに相手を思っていることは最初から一目瞭然で、分かる人には分かる秘めたる思いという感じが全くない。又兵衛の帰還を知り、彼を迎える ため、城中を延々と走っていく廉姫の長回しカットはよかったが、全体的には、近くにいるのにお互いに思いを伝えられない二人のもどかしさが充分に溜めて描 かれていないので、めりはりがなく盛り上がりに欠ける。
合戦のシーンはよく、火縄銃の攻撃は興味深く見たし、最後が敵方の殿の大倉 井と又兵衛の槍の一騎打ちになるのもいい。が、小学生の子どもに泣きつかれたからと言って、敵の大将の首をとらない武将がいるものだろうか。実写で撮って はみたが、やはりこれは子ども向けの映画だということか。しかし、雑兵はばったばったと斬り倒しているのだから、残酷なシーンは見せたくないと言うわけで もないだろうし。そのへんがちぐはぐで中途半端に思えた。
タイムスリップものとしても、なんだかいまひとつ。戦国時代の人たちが携帯 電話を珍しがるところはテレビのCMにしか見えないし、カメラを珍しがるとこ ろもまるで新鮮みがない。タイムスリップねたとして特に膝を打つような伏線も見られない。最後の銃声など、もう少し時間ネタSFらしい秀逸な理屈がつかな いものか。
配役がよいなと思うところはあった。
原作のアニメでは、又兵衛は「鬼の井尻」とは別に「青空侍」とも呼ばれてい たと思う。腕のたつ武将でありながら、戦っていないときはぼーっとして青空ばかり見ている。草なぎ剛という配役を聞いて、合っていると思ったし、実際、彼 の武将はなかなかいいと思った。さすがにタイトルを「青空侍」とするわけにはいかんのだろうと思って「バラッド」という横文字のタイトルを受け入れたのだ が、しかし、本編に「青空侍」の件りは特に出てこなかった。
廉姫役の新垣、敵役の大沢たかお、文四郎役の吉武怜朗、城主の中村敦夫も悪 くなかったが、わたしは、真一の父、暁を演じた筒井道隆がよいと思った。戦国時代、戦いのさ中の城中でぼうーっと突っ立てる現代の若いお父さんという感じ がよかった。(2009.10)



20世紀少年 最終 章 ぼくらの旗




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