No.54
「いやな予感がする」 ”I have a bad feeling about this.”
映画「バトルシップ」で、海軍大尉のアレックスが言う。これは、「スター・ウォーズ」シリーズの各作品で、必ず誰かが一度は口にするセリフとして有名だそうで、ファンの心を刺激するらしい。アレックスは、巨大な敵との戦いを控え、艦上に立って、二度このセリフを繰り返す。(2012.4)
No.53
「銃は持たない。運転をする。」 ”I don't carry a gun. I drive.”
映画「ドライヴ」で、主人公のドライバー、キッド(ライアン・ゴズリング)は、依頼人に逃し屋の仕事内容を説明をする。犯人がターゲットの店に侵入し、仕事を終えて出てくるのを待ち、彼らを乗せて車で逃走するのが、彼の仕事。これは、キッドが密かに思いをよせるアパートの隣人アイリーンの夫の犯罪に協力することに決め、彼が、強奪計画の一味に対して自分の仕事内容を説明したときに、言ったセリフ。「何があっても5分待つ。それ以上は待たない。」といういつもの説明のあとに続く。(2012.4)
No.52
「わたしに触っていて。」 “Put your hand back in my shirt.”
映画「ドラゴン・タトゥーの女」(2011アメリカ)の、リスベット・サランデール(ルーニー・マーラ)の言葉。過酷な境遇に生きてきて、自分に近づくものに対しことごとく敵意をむき出しにしていたリスベットは、ジャーナリストのミカエル(ダニエル・クレイグ)と会い、ともに40年前の少女失踪事件の調査をしていくうちに、彼に心を開いていく。ハリエットの居所を知っているらしいアニタの回線をハッキングし、アニタのパソコン画面を二人で監視しているシーン。ミカエルは、画面を見つめるリスベットの後ろから彼女の肩に腕を回し、いっしょに画面を見ている。彼が、何気なくその手をほどこうとすると、リスベットが画面を見たまま、さりげなく言う。初めてミカエルに会ったときは、触ったらただじゃ置かないとばかりにスタンガンをジーンズのポケットに忍ばせていたことを思うと、リズベットの変わりようがいじらしく、かわいい。(2012.2)
No.51
「三千世界の鴉を殺し主と朝寝がしてみたい」
映画「幕末太陽傳」の中で、何度もくちずさまれる。高杉晋作作(桂小五郎作という説もあるようだが)の都々逸で、最初は、高杉役の石原裕次郎が三味線を弾いて唄う。この映画を初めて見たのは、30年くらい前だと思うが、そのときからこの文句は覚えている。まず世の中の意の「三千世界」という仏教用語が大仰でいいし、「鴉を殺し」というそこはかとなく物騒な行為に続いて、「朝寝がしてみたい」という強烈な思慕の表現が、なんとも切なく色っぽくて、一度聞いたら忘れられなくなった。ということで、この映画というとこの文句についてのやりとりがあるフランキー堺と石原裕次郎の入浴シーンをまず思い出すという、妙な記憶の仕方をしているのだった。(2012.1)
No.50
「プロダクション・ヴァリューのことはもう言うな。空軍に殺されるぞ。」
言ったのは、映画「SUPER8 スーパーエイト」に出てくるケイリー(ライアン・リー)。ケイリーは、爆弾好きの中学生。チャールズが監督する8ミリ映画にゾンビ役で出演もしている。
“production value”は、チャールズがすぐ口にする言葉で、日本語では、「クオリティが上がるぞ!」と訳されていた。映画の質を高めるための要素ということらしい。本物の空軍兵士が行き交う手前で、兵士に扮したジョーが刑事役のマーティンと会話をするシーンを撮っているときも、チャールズはこの言葉を叫ぶ。あまりにどうどうと撮影していて、空軍の兵士達がいぶかり始めたので、あわてたケイリーがチャールズに言った台詞である。(2011.7)
原文は、“Stop talking about production value, the Air Force is going to kill
us.”(Imdbより)
No.49
「ひさびさに流されちゃったな。」
映画「岳−ガク−」の島崎三歩(小栗旬)の台詞。冬山に取り残された救助隊員の久美(長澤まさみ)と遭難者梶(光石研)を助けるべく、吹雪の中を登頂した三歩は、バクダンと呼ばれる雪崩に襲われる。無線機だけを残し雪崩に飲み込まれたかのように見えたが、やがて雪の中から顔を出す。雪崩後の雪原から起き上がってのさわやかなひと言である。(2011.5)
No.48
「詠春拳では、攻めと守りを同時に行う。」
香港のカンフー映画「イップ・マン」でイップ・マン(ドニー・イェン)が、若い弟子ウォンに、初めて詠春拳を教えたときに言ったことば。派手な動きよりも素早い手の動きを特徴とする詠春拳。守るため、争わないために戦うのだと、イップ・マンは説くのであった。(2011.1)
No.47
「くそ野郎が3人、1人の男をぼこぼこにしている。他の連中は黙って見てるだけ。なのに、あんたは、僕がどうかしちまったのかって訊いてくる。死んだっていいんだ、かかってこい!」
言ったのは、映画「キック・アス」の、キック・アスことデイヴ・りゼウスキ(アーロン・ジョンソン)。キック・アスの名が知れ渡るきっかけとなった戦いの場面。3人の男が、寄ってたかって一人の男に暴行を加えているのを止めに入ったキック・アス。ほぼ一方的にやられるながら、見も知らぬ男をかばおうとする彼に対し、襲撃側のリーダー格の男がなかば呆れ顔で「おまえ、どうかしちまったのか。全然知らないやつのために死んでもいいのか。」と尋ねる。それに応じての言葉。リーダーは、若干感じ入るところがあったらしく、暴行の手を止め、仲間を引き連れて去って行くのだった。その様子が、野次馬によって撮られ、YouTubeに流されるのである。原文は次の通り。(IMDBより)(2011.1)
Diner Fight Guy 1: The fuck is wrong with you, man? You'd rather die for some piece of shit that you don't even fucking know?
Dave Lizewski: The three assholes, laying into one guy while everybody else watches? And you wanna know what's wrong with me? Yeah, I'd rather die... so bring it on!
No.46
「あばよ、相棒」 “So Long…partner.”
映画「トイ・ストーリー3」より。17歳になったおもちゃの持ち主アンディは、ウッディだけはいっしょに持っていこうとしていたのだが、他のおもちゃたちを託したボニーがウッディをほしがるのを見て、ウッディのことも彼女に託すことにする。荷物を積んだ車に乗って新生活へ旅立つアンディを見送るウッディが発する、アンディへの別れの言葉。カウボーイらしく、西部劇風である。(2010.9)
No.45
「昔の君は、もっと、こう、すごかった。今の君は、すごさがなくなってる。」
映画「アリス・イン・ワンダーランド」。13年前にワンダーランドを訪れたことをすっかり忘れてしまったアリス(ミア・ワシコウスカ)。彼女に再会したマッド・ハッター(ジョニー・デップ)が、彼女に言う言葉。“muchness”を、吹き替えでは「すごさ」と訳していた。(2010.5)
“You used to be much more..."muchier." You've lost your muchness.”
No.44
「見合うぜ」俺が言った。「俺たち
に」
「見合うな」ヴァージルが言った。
ロバート・B・パーカーによる、ヴァージル・コールとエヴェレット・ヒッチの西部小説の3作目「ブリムストーンの激突」の一節。
「俺」は、語り手のエヴェレット。「見合う」は「コメンシュレイト(commensurate)」とルビが付いている。ヴァージルは、知らない単語が出て
くるとその意味を聞いて自分でも使おうとする。今回は、それがこの言葉。「同等の、相応の」と言った意味である。軍保安官が、ヴァージルとエヴェレットに
ブリムストーンでの保安官助手の仕事を提供したときにリスクに見合うほどの金は出せない、というときに用いた。これはその後、物語のクライマックス、町の
実力者パイクとその手下たちとの25対2の対決に赴く前に二人が交わした会話の一部。(2009.11)
No.43
「いいか、奴の話に乗るな。それが奴のねらいだからだ。奴が君の気分を害し、君がかっとなれば、向こうが優位になる。分かるか?」
映画「サブウェイ123激突」で、犯人との交渉役となった地下鉄職員ガーバー(デン
ゼル・ワシントン)に、アドバイスをするカモネッティ警部補(ジョン・タトゥーロ)の言葉。最初はいやな奴に見えたカモネッティだが、犯人との駆け引きに
真摯に臨むガーバーの姿を見るうちに、彼に協力し、プロとしての手腕を発揮していいところを見せる。原文は、以下の通り。
“Listen, don't let this guy bring you to his reality... 'cause that's
what he wants to do. He hurts you, you're gonna get angry... he's got
the advantage, understand?”
No.42
「みんなが、あなたがいないことに気づいたら、なんて言えばいいの?」
「おれは戻ってくる。」
映画「ターミネーター4」より。ジョン・コナーは、機械軍スカイネットの本拠地に潜
入させたマーカス・ライトからの連絡を受け、自らも敵地に侵入し、捕虜となった若き日の父カイル・リース救出に向かう。妻のケイトの問いかけに対して、
ジョンが答える言葉は、これまで本シリーズにおいて、T-800型ターミネーターが何度となく使ってきた有名な台詞。原文は以下の通り(Imdbより)。
Kate Connor: What should I tell your men when they find out you're gone?
John Connor: I'll be back.
No.41
「この3つを持って行け。WD-40、バイスグリップ、粘着テープ。有能なやつなら大概のことはこれ
で処理できる。」
映画「グラン・トリノ」で、ウォルト(クリント・イーストウッド)が、隣に住むモン族の少年
タオ(ビー・ヴァン)に言った台詞。
原文は次の通り(Imdbによる)。
"Take these three items,
some WD-40, a vice grip, and a roll of duct tape. Any man worth his
salt can fix almost any problem with this stuff alone."
ウォルトは、フォード社の工場に長年勤務していた男で、機械を直すのが得意。家のガレージには、たくさんの工具が置いてある。ウォルトは、タオに建設現場
の仕事を紹介してやるが、道具を持たない彼に自分の工具を貸してやるのである。WD-40は防錆潤滑剤、バイスグリップは工具メーカーの名だがレンチの代
名詞となっているようで、いずれにしてもプロっぽい。(2009.5)
No.40
私がこの戦いを始めたわけではありません。でも、決着はつけます。
映画「チェンジリング」のヒロイン、クリスティン・コリンズの言葉。行方不明の息子
ウォルターの捜索と発見を巡って、警察との壮絶な戦いに巻き込まれた彼女は、最後まで戦う決心をする。前半に学校で友だちと喧嘩をしたと報告するウォル
ターに彼女が「こっちから喧嘩をしかけてはだめよ。でも(喧嘩になってしまったら)ちゃんとけりをつけなさい。」と諭すシーンがある。その部分も含めて、
原文は次の通り(Imdbによる)。
I used to tell Walter, "Never start a fight... but always finish
it." I didn't start this fight... but by God, I'm going to finish it.
(23009.3)
No.39
死者が復讐を気にかけるとは思えない。
映画「007/慰めの報酬」のジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)の言葉。
家族の仇である将軍を射殺し復讐を終えたカミーユ(オルガ・キュリレンコ)が、「これでママは喜ぶの?」といったようなことを問いかけたときに、答えてい
う。
原文は、”I don't think the dead care about vengeance.”(Imdbによる)
その前に友人マティスが死んだときにも、ボンドはやむなく彼の遺体を通りのゴミ捨て場に置き去りにし、「友だちをそんなところに!」というカミーユに対
し、「死者は気にしない。」とクールに答えるのだった。(2009.2)
No.38
エマージェンシーなんて俺も初めてだから、どっちが操縦桿握っても大した違いはないよ。
映画「ハッピーフライト」の原田機長(時任三郎)の言葉。
エアスピード(対気速度)を計るビトー菅の凍結防止ヒーターが故障し雲に突っ込んだことで凍結。もう一つのビトー菅はバードストライク(カモメの衝突)に
よって破損し、エアスピードが分からなくなってしまうという事態が発生。フライト中のホノルル行き1980便は、エマージェンシーを宣言する。
原田は、キャビンに翼の様子を見に行って機内が大きく揺れたとき、チーフパーサー山崎(寺島しのぶ)をかばって、落ちてきた乗客のスーツケースを咄嗟に受
け止め、手首を打撲してしまったため、操縦を副操縦士の鈴木(田辺誠一)に任せる。こんなこと経験がないから無理です、という鈴木に答えて言った言葉。原
田はピンチの
ときはとりあえず笑う、という太っ腹で頼りになる機長である。(2008.11)
No.37
難しくはありません。ただ、思いこみによる盲点をついているだけです。たとえば幾何の問題に見せかけて、じつは関数の問題であるとか。
東野圭吾の小説「容疑者Xの献身」に登場する数学教師石神の言葉。草薙刑事に、先生がつくるテストの問題は難しそうだといったことを言われ、それに応じたもの。映画「容疑者Xの献身」では内海刑事と同じようなやりとりがあった。何気なくもらしたこの一言で、ガリレオこと湯川学は、旧友の辛く悲しい秘密に気づいてしまうのだった。
(2008.10)
No.36
どうやら我々は、人生において何かを得るよりも、失うことの方が多い年代に達してしまったようだ。
原文は、”We seem to have reached the age where life stops giving us things
and starts taking them away”
映画「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」で、インディの友人にして
雇い主である大学学部長のスタンフォースが言った言葉。
上からの圧力により、インディをかばって大学を去ることになったスタンフォースが、苦しい事情をインディに伝える場面。インディは、そこで父ヘンリーの死
を悼みながら机上にある遺影を見つめる。
が、そのあと、彼は、クリスタル・スカルを追う冒険の旅に出て、妻と息子を手にいれて戻ってくる。いくつになっても、失うことの多い人生などとは無縁のイ
ンディなのであった。(2008.7)
No.35
裏切り御免!
黒澤明監督による「隠し砦の三悪人」(1958年)において、真壁六郎太のライバルにして敵方の武将である田所兵衛が放つ言葉。日本映画史上、最も胸のすく捨て台詞のひとつと言える。
2008年のリメイク版「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」においても同じ台詞が2度出てくるが、こちらは音こそ同じだが似て非なるものである。 (2008.5)
No.34
歩くのが好きなんだ。普通の感じがする。
映画「ジャンパー」に登場するジャンパー(瞬間移動能力者)のひとり、グリフィンの
言葉。主人公のデヴィッドは、グリフィンの協力を得ようと彼の後について回るが、「ジャンプ」せず東京の街中をずんずんと歩いていくグリフィンに、「どう
して歩くんだ。」と訊ねる。それに対するグリフィンの答え。
原文は次の通り(Imdbより)。
Davey: Why are you walking?
Griffin: As a matter of fact, I like walking for a change! Makes
me feel normal.
No.33
やはり苦手分野のようです。
映画「L change the WorLd」。Lのマンションに侵入したテロ・グ
ループの手から真希を奪って逃げながらいう、Lの言葉。(2008.2)
No.32
わたしは、いつでも正しいの。まちがっているときでも、わたしは正し
いの
よ。
“I am always right. Even when I'm wrong, I'm right.”
映画「ルイスと未来泥棒」で、未来の少年ウィルバーの母親フラニーが、過去に
戻るルイスに向かってこうアドバイスする。自分の時代に戻ったルイスは、発明イベント会場で、カエルを追い回すちょっと変わった女の子(この娘が誰かは映
画を見ればわかります)に会う。「わたしはまちがってる?」と彼女に訊かれ、彼は「いいや、君はいつでも正しい。」と答える。アメリカ人は子どもでも気が
きいていると思わざるを得ないひと言だ。(2008.1)
No.31
あなたは、なんだかぎらぎらしすぎですよ。まるで抜き身の刀みたい。
映画「椿三十郎」で、城代家老奥方が、椿三十郎に向かっていう言葉。「でも、本当にいい刀は鞘の中に入っているものですよ。」と続く。1962年のオリジナルでは、入江たか子が、2007年のリメイクでは、中村玉緒が演じた。
No. 30
あんたが今オフィスにいるなら、おれたちはお互いに顔を見て話しているはずだ。
(If
you were in your
office right now we'd be having this conversation face-to-face. )
映画「ボーン・アルティメイタム」で、CIA捜査官
ヴォーゼン(デヴィッ
ド・ストラザーン)の裏をかいたボーン(マット・ディモン)が、ヴォーゼンに言う台詞。
「ボーン・スプレマシー」では、CIAのオフィスを望遠鏡で覗きながらやはりCIA
捜査官のパメラに電話
をかけ、彼女の嘘を暴いてみせる場面があった(本ページ下方
No.13参照)。今回も同様、パメラと電話で話し、「休みをとった方がいい、パム。疲れ
てるみたいだ。」(Get some rest Pam, you look
tired.)というところがある。前回のやりとりを知っているとより楽しめる。(2007.11)
No. 29
迷いもなく 涙もなく
はぐれ月夜に生きる
三池崇史監督による和製西部劇「スキヤキ・ウェスタン ジャンゴ」の主題歌「ジャンゴ〜さすらい〜」の一節であ
る。原曲はマカロニ・ウェスタン「続・荒野の用心棒」の主題歌で作曲はルイス・エンリケス・バカロフ。日本語の詞は
MAKOTO°。イタリア語と英語でしか知らなかったジャンゴの歌を、北島三郎が日本語で歌い上げるのを聞
く日が来るとは思わなかった。うれしい驚きだった。(2007.9)
No. 28
謝るな。謝るのは弱さ
のしるしだ。
映画「黄
色いリボン」でネーサン・ブリトルズ大尉(ジョン・ウェイン)が何回か口にする言葉。
言葉を聞いただけでは、タカ派のイメージと重なって自分の非を認めようとしない独善的な奴と思う人もいるかも知れない。
が、映画を見れば、経験豊かな年長者が、若者に向かって「自分の行動に責任を持て。謝らなければならないようなことは最初からするな。」と諭しているんだ
なとわかる。
原語は、"Never apologize, Mister. It's a sign of weakness."
(ここは、大尉が注意するとすぐ謝った若い士官に対して言ったものなので"Mister"と呼びかけている。)
(2007.7)
No. 27
瞳の色を変えることは
できない。「ギムレットを飲むには少し早すぎるね」と
彼は言った。
レイモンド・チャンドラー作、村上春樹訳「ロング・グッドバイ」から。ちなみに清水俊二訳「長いお別れ」では、
人間の眼の色はだれにも変えることはできない。「ギムレットにはまだ早すぎるね」と彼はいった。
となっている。原文は、以下の通りです。
Nobody can change the color
of a man's eyes."I suppose
it's a bit too early for a gimlet,"he said.
(2007.3)
No. 26
綺
麗に見えちまうもんだな。こんな目でも。
映画「どろろ」、百鬼丸の言葉。自分の目を取り戻したばか
りの百鬼丸が草原の花を見て言う。一対の魔物を倒し両眼を得た後、彼が初めて目にしたのは、月光の下に佇むどろろの姿だった。
(2007.2)
No. 25
父
とその同輩たちが危険を冒し、傷を負ったのは仲間のためだった。彼等は国のために戦っていたのかもしれないが、友のために死んだのだ。
映画「父親たちの星条旗」から、ドク/ブラッドリーの息
子であり原作者でもあるジェームズ・ブラッドリーのナレーションの一節。この前に「何故彼等がヒーローと呼ばれることを居心地悪く感じていたのか、私にも
わかってきた。」とある。(2006.12)
No. 24
あなたは居なさい、ぼ
くは行く。
「イシ 北米最後の野生インディアン」から。カリフォルニア・インディアンの
無数の部族のうち、イシが属していたのはヤナ族。ヤナ族はさらに四つの小部族に分かれ、言葉も違っていた。イシは、南部に住むヤヒで、そのヤヒ語の別れの
あいさつを直訳したもの。イシは、英語の「グッドバイ」のようにはっきりと別れを告げるのをためらい、こういう言い方をしたという。(2006.9)
No.
23
このテニスが終わると
同時に、あいつはキラ事件に触れてくる。夜神月(や
がみライト)にキラしか知らない事を言わせようと。
「DEATH NOTE デスノート」第3巻(大場つぐみ・
原作 小畑健・漫画 集英社 ジャンプ・コミックス)より。「デスノート」を手にし、大量殺人を行う「キラ」こと夜神月と、「キラ」を追う謎の探偵L(エ
ル)。正体を隠していたLは、月と同じ大学に入学し月に名乗り出る。Lの出方に
あせりつつも、テニスに誘われ勝負に応じる月。セリフは、テニスのプレイの最中にLの思惑を探る月が心の中で考えていること。敵と味方の腹の探り合いが本
作の大きな見どころであるが、その中でもこのテニスシーンは、二人が打ち合うボールとともに、双方の心の声が行き交ってとてもスリリング。
(2006.7)
No.22
ここで逢うたは盲亀の
浮木、憂曇華の花待ち得たる今日の対面、いざ、尋常
に勝負、勝負!
映画「花よりもなほ」で長屋の人たちが企画した仇討ちのお芝居の中で、仇討ちをする
後家役のおさ
え(宮沢りえ)が言う口上。
落語や講談などの仇討ち話で使われる常套句。映画の中では、この口上の意味がわからないおさえが宗佐に意味を尋ねるのだが、宗佐もわからず、隣人の浪人次
郎左右衛門が壁越しに聞いて解説してみせる。
「盲亀(もうき)の浮木(ふぼく)」も「優曇華(うどんげ)の花」もめったに起こらないことのたとえで、「ここで逢ったが百年目」の意味、千載一遇の機会
を表すとい
う。ちなみに「盲亀の浮木」は、目の見えない亀が百年に一度海面に顔を出した時たまたま海上を漂っている浮木と出会いその朽孔に入り込むことで、「優曇
華の花」は、仏教で三千年に一度咲き、そのときに如来が現れるとされている花のことだそう。(2006.6)
No.21
ありがとう大地、あり
がとう太陽、命をありがとう。いただきます。
TVドラマ「ギャルサー」(日本テレビで毎週土曜午後9:00から放映中)に出
てく
るカウボーイ、北島進之助(藤木直人)が、食事の前に必ず唱える感謝の言葉。渋谷にたむろしてイベントでパラパラを踊ることを生き甲斐とするギャルの集団
(ギャルサー)と、人探しのため
アメリカのアリゾナから何故か渋谷にやってきたカウボーイが絡むという、異色の取り合わせ。進之助が話す片言の日本語とギャル言葉が飛び交う、極彩色の脳
天気青春教育ドラマ。進之助は、どちらかというとウェスタン
ショーの芸人のようないでたち。銃は持たず、もっぱら投げ縄の技を披露する。生活習慣は、カウボーイというよりインディアンに近く、渋谷の公
園で野宿を
し、干し草を調達してきたりもする。渋谷のどこにあれだけの草を刈れる茅場が?(2006.5)
No.20
お前が先走ってこんな
屋上にいやがるからおれ達もここに集合するしかねェ
だろ
作品は、尾田栄一郎作「ONEPIECE(ワンピース) 四十一巻」。麦わ
らの一味サンジの台詞。世界政府直下暗躍諜報機関SP9(サイファーポールNo.9)に捕縛連行されたニコ・ロ
ビン奪還のため、ルフィたちは、司法の島エニエス・ロビーに乗り込む。単独で先に突入してしまったルフィを追って残りの5人も裁判所の屋上に集結。溝の向
こう岸の司法の塔にはCP9の面々と囚われの身であるロビンらがいる。その状況を説明した言葉だが、こうした状況説明台詞がときどき入る律儀さも
ONEPIECEの持ち味。(2006.4)
No.19
ていうか、どこにいて
も、絶対に誰かがいないような気がするんだけど、世
の中って。
作品は、藤野千夜著「ルート225」。年子の中学生の姉弟が突然パラレルワールド
に迷い込んでしまう。両親がいない、人間関係も微妙に違う。世界の異変に
戸惑う中2のエリ子の言葉。(2006.3)
No.18
帰りはおそくなる。
言ったのは「THE有頂天ホテル」の武藤田議員(佐藤浩市)。汚職疑惑の渦中にあっ
てホテルに潜伏中の彼は、全てを暴露して政界から身を引くか、全ての
罪をかぶって政界に貸しをつくりまくって汚点を背負った政治家として政界に踏みとどまるか、究極の選択を迫られていた(思いあまった第三の選択はあること
で破棄される)。 元愛人の一括で決意を固めた彼は、ホテルから逃走。「お客様は家族の
ようなものです。」という副支配人の新堂は、「いってらっしゃいませ。」と言って彼を裏口から送り出す。それに答えた武藤田の台詞。なん
てことない台詞がいちいちしゃれているのであった。(2006.1)
No.17
地元じゃ負け知らず。
テレビドラマ「野ブタ。をプロデュース」の主題歌となっている「青春アミーゴ」の一節。唄っているのは、修二と彰。
いわゆる昔の歌謡曲っぽいフレーズにのせて、「いつでもふたりでひとつだった」ふたりが、いきなり「地元じゃ負け知らず」とくるのが、おもしろい。
(2005.11) と思っていたら、今朝(12月7日)の朝日新聞に「青春アミーゴ」大ヒットの記事が。”ださかっこよさ”がうけてるそうな。
No.16
今、思い出した。あの子の名字も鈴谷というんだ。
SF小説「クロノス・ジョウンターの伝説」の「鈴谷樹里の軌跡」から。映画化
作品「この胸いっぱいの愛を」では、男女の立場が逆になるなど、原作と違う点がいろいろあるようです。(2005.10)
No.15
いい思い出だ。おれの悲惨な少年時代の思い出と取り替えてもらいたい。
映画「アイランド」で、施設から脱走した二人に手を貸す技師マックの言葉。
マックによって、リンカーンとジョーダンの二人は、自分たちが施設で培養されたクローン人間であることを知らされる。子供のころの思い出があると主張する
ジョーダンに対し、マックはその思い出も作られ、脳に植え込まれたものだと告げる。作られた記憶にはいくつかのパターンがあり、ジョーダンの幼い頃の思い
出は、農場
でやさしい祖母と楽しくすごしたというものだった。(2005.8)