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『ハガレン』の荒川さんが今度は少年サンデーで週刊誌連載に挑戦。北海道の農業高校を舞台に、男子高校生の大地に足をつけた青春を描きます。 主人公八軒は、進学校での競争に疲れ、家族との折り合いの悪さもあって、寮のある農業高校「エゾノー」への進学を決めたらしい。サラリーマン生活から想像もつかない大自然の厳しさに触れ、体力勝負の学校生活でもまれつつ。農家子弟が多く、なんらかの将来ビジョンを持っている同級生に刺激を受けたり。生き物を相手にする仕事の現実にカルチャーショックを受けたりもしながら、たくましく成長していくのだった(笑)。 農業高校ネタは、荒川さんのエッセイ『百姓貴族』と共通するものもあり、作者自身の経験が存分に生かされているようです。話的には、少年サンデー掲載ということもあって、どうしてもゆうきまさみの『じゃじゃ馬グルーミング☆UP!』と比べたくなります。北海道で、ヘタレ主人公で、生き物育成で、癒し日常系なところなんか。 『じゃじゃ馬〜』は、淡々としたリアル日常の要所要所に、主人公のささやかな夢や成長のカタルシスを仕込んでいく、そのさじ加減が絶妙だったのですが、荒川さんも、意外にそういうのがうまい。『ハガレン』の派手なアクションやヒロイズムが無い分、地味ながらも噛むほどに味のある作品になりそうです。ただ農業の、家畜の生と死をめぐる現実は、本作の方が一段とシビアで重いかも。ともあれ、先が楽しみです。 |
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第17回日本ホラー小説大賞の「大賞」受賞作。 主人公のお初の故郷の農村では、毎年12〜17歳の少女達を、なじみの製糸工場に年季奉公に出すのが慣例となっていた。彼女らの奉公先は、比類無い品質の糸を生産するために、特別な蚕を独自の方法で育てているらしい。無垢な少女達がそこで出会うおぞましい事実とは…? いや、だいたいのネタは最初から予想がつくし、あとはどんだけ予想の上を行く地獄絵図があるかと期待してしまったのですが、なまじっか、雰囲気がじわじわ出ていただけに、先走った想像の方がよっぽど怖い考えになってしまった。おかげで本当のオチにはやや拍子抜け。これなら、ノンフィクションの女工哀史の方が、よっぽど怖い、かもしれません…。 |
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寡作な貴志さんには珍しく、『悪の教典』からあまり間をおかずに出版された本作。内容はホラーではないが、一般的なミステリーとも言えません。将棋に似たゲームをテーマに、知略を尽くした勝負の行方を描く、「本格ゲーム小説」とでも呼ぶべきでしょうか。 主人公塚田は、将棋のプロ棋士予備軍である奨励会の会員だが、プロへのハードルである四段の壁がどうしても越えられないでいる。そんな塚田がある日目覚めた時、周囲は奇妙な異世界であった。そこでは彼は「赤の王」と呼ばれており、様々な姿と能力を持つ18体の「駒」を率いて、「青の王」が率いる陣営と戦い、彼等を討ち破らねばならないという。 戦いは7番勝負と決められているのですが、なぜ自分は戦うのか、勝ったらどうなるのか、そして負けたらどうなるのか。納得できる答えのないまま、塚田は「ダークゾーン」で戦い続けます。 最近はホラー寄りの、密室脱出型RPGは多いですが、今回のような肉弾対戦型ゲームを実演してみる小説はあまりなかったかも。この設定を聞いたとき、真っ先に永井豪の『真夜中の戦士』が思い浮かびましたが、やはりそのあたりが元ネタのようで、作中でも『真夜中〜』や他の先行作品が、引き合いに出されていました。この異世界についてのオチもまあ、意外というほどでもなく、予想の範囲内だったし。 この話はやはり、ゲームを観戦すること自体が見所のようです。ほとんどスポーツのように、戦略、戦術を駆使しての勝敗の行方は、なかなか楽しめました。 |
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