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明治末から大正にかけて、大陸に渡り、新天地を目指した日本女性の一代記、2作目。 前巻でほんの子供であった主人公フミは、「舞」に依って、大陸唯一の芸妓として立つことを決意する。ただ一人、焦がれた男、山村への想いを胸の奥深く埋め、パトロンの黒谷と共に、ひとすじの舞の道を極めることを選んだのだった。 そして数年後、ハルピンで舞姫「芙蓉」として活躍するフミ。時代はロシア革命直後のこともあり、シベリアやモンゴルに隣接する中国北部には、日本軍以外にも、様々な軍事勢力が入り乱れ、政治駆け引きを続けていたが…。 波瀾万丈の大河ロマン絶好調。恋あり冒険あり。男性陣もヘタレなりに、美味しいところで活躍してくれたし。第3部も楽しみにしております。しかし、これ、WEB連載時とかなり違うものになっていると聞いたのですが、果たして原型はどんなだったのか、ちょっと見てみたい気もするところです。 さて、この舞台の1918年という時代背景について。読んでいて、妙になつかしく感じてしまいました。大正7年、シベリア派兵、馬賊、ついでにロシアの亡命貴族。いやー、すっかり『はいからさんが通る』の世界だ。確か伊集院少尉が出征したのが、このシベリア派兵でした。もっとも、あの当時はその時代背景など、ほとんど分かっていなかったのですが。『はいからさん〜』も今読むと、ストーリーの端々に、かなり入念に時代背景が織り込まれていたことが分かって改めて感動でした。閑話休題。 本作も、作者のブログで、梶原にきさんの美麗イラスト入りフリーペーパー『舞姫新聞』が公開されています。それによると、須賀さん自身かなり趣味に走っている様子がうかがえて楽しいです。大陸狭しと走り回るフミの活躍をこれからも楽しみにさせて下さい。 |
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第21回日本ファンタジーノベル大賞の大賞受賞作、ということで新しい作家さんに挑戦してみました。 冒頭からいきなり、小さなカヤックで島影もない海を漂流している主人公、茉莉香。さすがに死を覚悟した彼女の船に、不思議な一羽の鷲が舞い降りる。鷲曰く、彼女はマブイ(魂)の抜けかけている状態だそうで、それ故、この世のものでない鷲と話せるのだとか。 一人死を待つのに到底耐えられない茉莉香は鷲を引き留め、フィエクサと名乗った鷲は、退屈しのぎと言いつつ茉莉香に、昔人間だったという身の上を語り始める。以下、物語は200年前の奄美大島に生きていたフィエクサ少年の回想へとシフトしていくのでした。 当時、薩摩藩に植民地化されていた奄美大島は、砂糖栽培を軸とした過酷な搾取にあえいでいた。窮乏した島民が、一部の地主を除いて、債務によって容赦なく奴隷化されていく社会。奴隷の子として生まれたフィエクサは、父親の借金によって奴隷となった少女サネンと出会う。孤独な2人は兄妹として助け合っていくことを誓うが…。 うーん、これはどうも、ピンと来なかったというか。回想の方は、少年少女が前向きに生きようとするものの、ひたすら救いのないままの話だったし。現在の茉莉香さんの方は、全くと言っていいほど共感できなかった。過去話くらいは、ベタでも、主人公達がナマに感情を吐き出す部分があってもよかったと思うのですが、最後まで淡々と距離をおいたまま、終わってしまったようで。一方、ワシのフィエクサは、少年の面影もない偉そうなおっさんで、やはり共感とか感情移入とかができにくかった。残念。 |
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楽しみにしておりました、「ユーラシアン・ラブストーリー」。ぶ厚いさが、何ともうれしい最新刊です。 さて、前巻でエイホン家の年の差カップルの件が一段落しましたので、今回は、エイホン家の居候であったイギリス人、スミス氏メインの物語。所用でアンカラに旅立つことになった彼は、ひょんなことから、5人の夫に相次いで先立たれたという、年若い未亡人の家に招かれるが…。 うー、いいところで終わってます。続き、続きを、早く! ところでこの巻は、ストーリーには直接関係ない、市場での買い食いの話がやたら楽しい。ただの昼食が、みるみる宴会になっていくのに、指をくわえて見入ってしまいました。そして、料理に添えられた、細かい美味しいエピソードがまたてんこ盛り。いかにもアミルらしいキジとザクロ。新キャラの、スミスの案内人アリさん。パリヤのツンデレっ子ぶり(4コマのも)等、堪能致しました。 |
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