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宝島社の「このミステリーがすごい!」大賞で、最終選考に残りながら受賞には到らなかったが、加筆して出版にはこぎ着けたというパターンの作品。ジャンルとしては、今時流行りの江戸妖怪ミステリーで、一見して『しゃばけ』の影響が見て取れます。まあ、おもしろければそれもよしなのですが…。 主人公、周吉は一匹の白オサキに憑かれているオサキモチ。それ故、一般人に忌まれることもあるが、オサキの与えてくれる力により、孤児の身で生き延びてきた過去もあった。 江戸に出て、親切な商人に拾われ、手代としてまっとうに働く周吉だが、彼の行くところ、なぜか血生臭い事件が起こり…。 うーん、話にはかなり難が目立ちました。ほのぼのや人情よりは、グロさが目立ってしまったし、主人公も相棒のオサキも、あまり可愛くなかった。ミステリー的にも、ヤマオチイミのどれも弱かったし、恋愛要素も萌えない。選外もやむなしと言うしかありませんでした。やっぱり、このレーベルは地雷なのだろうか。 それでも、続編は出たようで、主人公コンビが今度は、賞金百両をかけて、ウナギ大食い大会に出る話(まんまや)。2作目にして、難点の方は、かなり解消されたとは思う。思いますが、面白いかといえば、まだ、それほどでも…、と言うしかないです。残念ながら。 この先この人は、化けることがあるのか?いや、難しいだろうな。 |
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紅玉いづきさん、久々の電撃文庫。デビュー作の『ミミズクと夜の王』と同じ国が舞台で、登場人物も重なっているので、「ミミズク〜」の後日譚でもあります。電撃文庫らしからぬ絵本のような装丁は相変わらずで、萌え系の挿絵が一切無いのが読者的にはすごくありがたい。やればできるんじゃない。 さて、占いが全てを決める占の国、ヴィオン。主人公、エルザはその国の王女だったらしいが、「国を滅ぼす」という御託宣を受けたがために、下町に捨てられ、浮浪児のように育つ。悪口雑言を芸にして、下町で「毒吐姫」の異名を取っていた彼女だが、成長した彼女に、今度は国の危機を救うというお告げが下る。自慢の声を封じられ、同盟国「レッドアーク」の王子に嫁がされることになったエルザが見たものとは。 夜の魔物の伝説のあるレッドアークの、どっかで見た王子様と、聖騎士と、聖剣の巫女。彼等のその後を知るのはなかなか楽しかったが、続編としてのインパクトが強烈だった分だけ、エルザの物語が食われて中途半端になってしまった感はありました。エルザもなかなか、好きなヒロインだっただけに、少しもったいなかったかも。 |
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祝!完結。 ここまで風呂敷を広げながら、それを鮮やかに畳んだ力量に心から拍手を。申し分の無い大団円でした。 ただ、あのラストには、細かいところで疑問もあり。今さらなので盛大にネタバレで。某所のスレによると、あのときエドの練金能力を対価にすることで、アルの肉体+魂+練金能力が取り戻せた説が有効でした。が、それって、あまりに不等価じゃないの? エドの練金力≒アルの練金力とすれば、アルの肉体と魂はオマケみたいな扱いになりそうで、いくらなんでも暴利すぎなんじゃ…。アルの練金能力も支払ったくらいで、丁度いいような気がしますが、どうでしょう。 |
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一気に読んでしまいました。 昨年、まさかの完結編が出たファンタジーシリーズ『獣の奏者』。重くしんどいテーマの中に、生命の強い輝きを描ききった名作の、これはその外伝です。本編では、あまり人間では語られることのなかった、結婚と恋愛をめぐる短編集。恋愛はやはり人生の一大イベントであるがために、本編の中にあると印象が強烈すぎて、バランスが悪くなるから、ということで、敢えて外伝にまとめたのことでした。 「刹那」はイアルとエリンの、過酷な人生におけるつかの間の避難所のような、王都での同棲生活。 「秘め事」はエサル教導師の、若き日の秘めた恋。 生の輝きと、それが刹那にすぎないという苦さ。それでも、それが自然な営みであるからには、避けて通れないのだという、達観とも希望ともつかぬ事実。ホント、苦さも含め、在る程度、年の行った人にこそ、しみじみと趣深い物語だったと思います。 「秘め事」で、全て了解しながら堕ちていく恋。出世コースを着実に歩みながらも、それを平気で捨ててはばからない、ユアンという男の抱える闇。一方、ジョウンのような男を選んでいれば、話は簡単だろうに、決してそうすることのない女の闇。ままならぬものよのー。 |
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