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2009年 12月度
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Novels
『再びのぶたぶた』 矢崎存美 光文社文庫

『ぶたぶた』シリーズ新作。今回のテーマは「スピンオフ」だそうで。これまでの過去のエピソードに、どこかでリンクしている人が再登場したり、後日譚が拝めたり。おかげでまた、このシリーズを大々的に読み返してしまう羽目になりました。

まだ、リンクされているエピソードが一部見つかっていなかったりもしますが、懐かしかったです。中でも「桜色七日」は、すぐピンと来ました。リンクされていたのは『ぶたぶたの食卓』にあった話でしたが、こちらも読み返して改めてボロ泣きでございました。

Novels図書
『街の灯』/『玻璃の天』 北村 薫 文藝春秋

第141回直木賞を6度目の正直で受賞された北村さん。これは受賞作の『鷺と雪』へと続くシリーズの、第1作、第2作になります。

北村さんは、『円紫師匠と私』のシリーズは好きだったのですが、その後、次第に作品中で登場人物、特に女性が浮世離れしていくように思えて引いてしまいました。こんな女、今時おるかい!なツッコミが止まらなくて。
で、久々に読んでみた北村ミステリーは、舞台は戦前、主人公は裕福な家の純粋培養のお嬢様。彼女とコンビを組む切れ者探偵役は、宝塚のような、颯爽とした女性運転手。これはもはや、浮世離れがどうのというレベルをとっくに超越していると思います。なので、ほとんど些末なリアリティなんぞ必要ないファンタジーとして、この設定を楽しむことができました。まあ、昭和初期の良いお家の雰囲気はしっかりあったし、こんなお嬢様も、戦前なら本当にいたのかもしれませんから。さて。

お嬢様ながら好奇心旺盛で、ささやかな疑問を放置できない主人公と、彼女の疑問に表立っては回答せず、いつも礼儀正しく主を立て、解決に誘導する聡明な運転手ベッキー(別宮・べっく)さん。北村さん的日常の謎の解き手として、この2人はなかなか楽しいコンビだと思います。

第3作は、タイトルからしてベッキーさんの過去に関わる話になりそうな予感。楽しみです。