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『よつばと』9巻 あずまきよひこ 角川グループパブリッシング

最新刊の9巻目。いつもながらおもしろい。ここ数巻はおよそ、1冊に1話程度、非日常なイベントが含まれるという感じで、それ以外の日常編とのペース配分が秀逸です。が、何も特別なことが無くたって、やっぱりその日常もおもしろいのだ。

と、いうわけで、今回のイベントは気球大会に行ったこと。よつば視点でだだっ広い河原を駆け回るのはとても気持ちよかったのです。が、それと別に、今回妙に気に入ったのが、焼肉屋に行く話。
焼肉屋の席を予約するのに、あたりまえのようにヤンダを頭数に入れているジャンボといい、何か萌え。やべえ、今回のバナナジュース発言といい、ヤンダが妙に可愛く見えてきただよ(笑)

Novels図書
『追想五断章』 米澤穂信 集英社

家庭の事情で学費が工面できなくなり、大学を休学している主人公の芳光は、叔父の古書店になんとなく居候しながら店を手伝う日々を送っていた。そんな芳光に、ある女性が仕事の依頼を持ちかける。それは彼女の父親の遺作となった5編の小説を探すこと。

彼女の父は作家でも何でもなかったが、同人誌等に寄稿した短編が少なくとも5編は存在するらしい。少なくとも、というのは、それがいずれも結末の1行を明らかにしないリドル(謎)ストーリーで、彼女の元には、その5編の結末のみが残っているのだとか。1編10万円という報酬に釣られて、彼女の依頼を引き受けた芳光だったが、捜索はやがて、彼女の父親の関わった過去のある事件の真相に踏み込んでいくのだった。

ある人物の過去を、残された著作物から探索していくという形式は、デビュー作の『氷菓』を彷彿させます。なので本作は米澤さんにとって割と原点回帰的な作品なのかも知れません。
5編の短編のそれぞれと、用意された結末。それらの過去の事件との関わり。いつもながら、その巧みな構成に唸らされました。おもしろかった。

Novels図書
『武士道セブンティーン』 誉田哲也 文藝春秋

前作『武士道シックスティーン』に続く、剣道に打ち込む女子高校生の爽やかな友情物語、第2弾。2年生に進級した主人公達の、今回は九州に転校した早苗の話がメインです。

父親の仕事の都合で九州に行った早苗の転校先は、剣道の超名門校。なんとか剣道部に入部を許されたものの、新しい環境になじむのに苦労する早苗。なにしろ転入先の目指すところはオリンピック種目になるような「競技化された剣道」、すなわちルールの明確化されたスポーツとしての剣道であった。それが、香織が目指していた「武士道」とどう違うのか、上手く言えないまま、違和感をぬぐいきれない早苗だったが…。

一方の香織サンは、自分の剣道を精進する傍ら、部の今後のことを考えて後輩を指導してみたり、なかなかの成長ぶりを見せてくれます。そんな彼女が、中学生時代にパシリにしていた清水君と再会してやっかいごとに巻き込まれたり…と。清水君、あれきりはもったいないと思っていたら、しっかり出てきました。うまいなあ。

作中で2人はめったに顔を合わせないままでしたが、その変わらぬ友情が熱かったです。続きの『〜エイティーン』も楽しみ。