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2005年 8月度
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『シャーリー』 森 薫 エンターブレイン

『エマ』の続きを待つ日の徒然に…。つい買ってしまいました。こちらは、13歳のあどけないメイドのシャーリーをめぐるシリーズ短編集。「シャーリー」以外の初期短編も2作収録されています。

13歳のシャーリーは黒髪おかっぱの無口な少女。ご主人は、28歳の職業婦人でブロンド美人。この2人が家で過ごす何気ない日常。まさに作者の趣味だだ漏れ状態ですが、シャーリーが可愛いから許します。
『宗像教授異考録』1巻 星野之宣 ビッグComicsSP

宗像教授の伝奇新シリーズ。ビッグコミックスで連載が始まったのは知っていましたが、このたびまとめて読むことができました。やはり、このシリーズは貫禄十分。小学館に移って、なかなかのお値段になってしまいましたが(\1300)、それだけの価値はありました。

今回は特に、『神南火』の忌部神奈さんが特別出演(というか、既にレギュラーか?)古代史をめぐる学者2人のガチンコ対決は見物でした。

『エマ』6巻 森 薫 エンターブレイン

いつもの上品な茶色のカバーをイメージしていたら、うっかり見逃すところでした。いつになく黒い表紙絵。内容も、急転直下しています、6巻目。ああ、続き読みてえ。
とにかく、ぼっちゃんがんばれの巻。これまでのヘタレを少し見直しましたが、まだ先は長い。ゆけゆけぼっちゃん、明るい明日のために。
『よつばと』4巻 あずまきよひこ 電撃Comics

4巻目にして、ようやく秋の気配。よかった、作中の時間はちゃんと流れていたようです。
去りゆく夏の思い出作りにいそしむよつばちゃんたち。ジャンボは本当にいい奴です(泣笑)。秋風に吹かれるふーかちゃん。あさぎ姉はもしかして、幼い頃はよつばちゃんに似た子だったのかも(強くて天然だし)

夏は終わっても、楽しいことはいっぱいあるさ。多分。
Novelsそ他
『ヴィーナス・シティ』柾 悟郎  ハヤカワ文庫

第14回(1993年)日本SF大賞受賞作。ハードカバーで発行されたのが1992年。近未来を舞台にしたの仮想現実SF。えむさん、長くお借りして申し訳ありません。
さて、本作。SFとしてはうーん。近未来ものの宿命なのかもしれませんが、もはやこれ、現実に追い抜かれていると思う。ネット社会も仮想現実も、当時としては目新しいアイテムであったのかもしれませんが、時の流れの前に、残酷なまでに古びてしまいました。それらはもはや、これの書かれた時代を思い出す、レトロアイテムの趣さえあります。この、時間による加速度的劣化に耐えなくてはならないとしたら、SFも難儀なことよのう。

ネット上の仮想空間ヴィーナス・シティ。ああそう言えば、あの頃は、パソコン通信の黎明期でした。発展を続ける日本経済。そういえば、ちょうどバブルの終わり頃だねえ。しかし、読んでいて何より違和感を感じたのは、仮想空間のヴィーナス・シティがとても、ハマるほどの魅力のあるものに見えなかったことでしょうか。おそらく、NIFTYをベースにしたためなのでしょうが、自分の理想の外見を手に入れた主人公が、いそいそとやってることというのが、パンクな雰囲気のバーで酒を飲んでダベっているだけというのがなんともなあ…。

高い金を払って仮想世界に逃避してくる人は、普通もっとどん欲だと思う。現実に不可能な欲望を叶え、妄想を充足させようとするはず。そしてそれは、傍目にはかなりえぐいものになることでしょう。それらに対応する結果、他人と交流するよりは、まず自閉して妄想に耽るための場所ありきになるのではないかなあ。

しかる後に、似たような嗜好を持つ人たちの交流の場としての、コミュニケーションツールも発達していくことでしょうけれど。何よりせっかくの仮想現実で、RPGの要素が全くないというのは信じられない。普通真っ先に企画されないかね。
と、いうわけで、古びた設定以外はさして見所のない話でした。ゴメン。
Novels
『ぺとぺとさん』木村 航  ファミ通文庫

好きな人に触れると、ぺっとりくっついて離れなくなってしまう妖怪、ぺとぺとさん。そんな妖怪が可愛い女の子で、ましてやクラスメイトなら…?。人間とそれ以外の「特定種族」が平和に共存する田舎の村で、主人公シンゴ(人間・中学生・男)はある日、水泳の授業中にクラスメイトの通称ぺと子に「ぺとられて」しまった…。人間と可愛い妖怪たちが繰り広げる、ほのぼの日常を描いたファンタジー。

んー、ほのぼの妖怪ものというのは、すごくツボではあるので、話自体はおもしろかったのですけど、いかんせん、文章がヘタです(キッパリ)。しかし、挿絵は可愛い。ぺと子もなかなかだし、こぬりちゃんなんて、思わずお持ち帰りしたいほど可愛いので、マンガ化、アニメ化向きだとは思うのですが、小説自体はなんだか脚本を読んでいるようでした。ロリ系美少女てんこ盛りで、男の子受け狙いが垣間見えるのがちょこっとイタめ。良くも悪しくも、こういうのが、今時のラノベなのかもなあ。
『月館の殺人』上 佐々木倫子/綾辻行人  小学館IKKI Comics

綾辻行人と佐々木倫子。豪華は豪華だが、今イチその意図が分からない組み合わせで、マンガ連載中の本作。どうなることかと思いましたが、読んでみると、佐々木倫子のボケ味が全開で、笑いまくりました。綾辻ミステリは実は読んだことはないのですが(と、いうか、以前読もうとして挫折した)お世辞にも明るい作風とは言えなかった覚えが…。やはりこれは、皆様おっしゃる通り、佐々木節の独走(暴走?)状態なのでしょうか。

さて、主人公は沖縄出身の女子高校生、空海(そらみ)。唯一の肉親と思っていた母親が他界して途方に暮れる彼女の前に、突然、彼女の祖父の使者と名乗る人物が現れる。彼女は北海道の祖父を訪ねて、豪華列車「幻夜号」に乗るのだが…。
幻夜号には、祖父の差し金らしい、6人の同乗者がいますが、それが揃いも揃ってテツ(鉄道マニア)。この少しずつジャンルの違うテツさん達の描写が絶妙でした。
とにかく続きが楽しみです。

Novels
『ブラック・ベルベット3 〜緑を継ぐ者と海へ還る少女』 須賀しのぶ
                コバルト文庫

『ブラック・ベルベット』シリーズ第3作。東の大都市ファウラーで、なんとか居場所を確保したキリ達女三人組。離ればなれになっていたファナと合流できたのもつかの間、キリは、ファナが余命幾ばくもない状態であることを知らされるが…。

ファナの命を救うため、再び大陸を横断して、ディートニアに向かうキリ達。ディートニアで待ち受けるものとは?相変わらず、肩の力の抜け具合がいい感じでした。今回、ファナが助からなかったのは意外でしたが、容赦ない展開が須賀さんらしいと言えなくもない。ただ、ファナとランディ商会のヘタレジョン君とのからみは好きだったので、そこはもったいなかったかもです。ところで、須賀さんもしや、『夕凪の街 桜の国』を読みました?

それと、今回のツボはやはり、さりげない「三大賞金首のキメラ大集合」でしょうか。思わず1巻から、また読み返してしまいました。さて、図らずもディートン教の本拠地に集結してしまった仲間達ですが、現状では戦うにはまだ圧倒的に戦力不足なのも事実。それが、この先どうなるかはやはり楽しみです。

ところで前巻で、いかにもまっとうな聖職者のごとく登場したハル神父。しかし、須賀さんに限って見たまんまはないだろうと身構えていたのですが、どうやら今回に限り?本当にその通りらしいです。珍しいこともあったもんだ。


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