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遠藤淑子お得意の、ホームコメディ。藤沢家は今日も大騒ぎ。カメラマンで、海外に行ったきりの父親に代わり、一家を取り仕切る熱血長男以下、総勢何人なのか、実はよく分からなかったが、兄弟姉妹、力を合わせて強く生きるのであった。 「家族」がテーマ。それも、血がつながったり、つながらなかったり。当然、内容も説教と浪花節の大盤振る舞い、というわけで、読んでいてどうも、デジャヴを感じてしまいました。例によってボケもありますが、いつもよりやや少な目だっかも(当社比)。割と直球の家族愛に、感動する前に少々引き気味になってしまったようです。実はまだ、最後まで読み終わっていないのであった。 |
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以前1,2巻を読んで、その先を長いこと放置していたのですが、しばらく前からCookie誌を立ち読みするようになって、盛り上がっている展開に続きが気になって追いかけはじめました。このたび、珍しく古本屋にあった何冊かを購入。残りも揃えてしまいました。うん、今なら若い子の「恋愛のバイブル」と言われていることも、素直に納得できます。 1,2巻では、恋する自分に酔っているだけの、痛い女に見えた小松奈々が、今や読者のあこがれと共感を体現する存在になってまいりました。進歩無く、考えなしにふらふらと流されてばかりの奈々。傷つくのも悩むのも、よく考えると彼女の自業自得なのだが、その彼女に、なぜこうも感情移入してしまうのだろう。 恋愛において、至福とどん底の間を、めまぐるしく振れる針。この物語は針が刻々と指し示す瞬間を、鮮やかに切り取って描き続けます。主人公だけでなく、華やかな美男美女のいくつもの恋を描きつつも、某カップルを除いてほとんど誰も、幸福に安住できないでいます。「次はどうなるんだ(ハラハラ)」という状態をこれだけの長い間、引っ張り続けているのはもはや、名人芸と申せましょう。 と、言うわけで、少女漫画で今は、これが一番先が楽しみかなあ。願わくば、このテンションを維持したままで、最後まで突っ走って行ってくれますように。 |
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大和和紀さん久々、シリアスな新連載。どちらかというと『あさきゆめみし』の系統であるかも知れません。 昭和40年、京都祇園の舞妓となった主人公の目を通して描かれる花柳界。そこでトップであった実在の女性の手記を漫画化したものです。モデルの方自ら、「祇園」の本当の姿を知ってもらいたいとおっしゃるだけに、その描かれ方は詳細かつリアルです。いつもの痛快なコメディに比べると、内容は地味かもしれませんが、これはこれで、知らない世界を垣間見るおもしろさがあります。 こういうのを見ると、祇園という文化を育ててきた古き良き時代の豊かさというものを、考えさせられてしまう。かつて庶民には想像もつかない豊かな層がいて、「旦那」として、ああした世界を支えてきたのだろうけど。そういう人たちって、今でもいるものなのかなあ。 |
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現代ロンドンに、ひっそりと(?)暮らす異世界ラノンの元住人達。背広の妖精たちのフェアリーテール。1年近くぶりに続編が出ました。1巻は正直、登場するのがみんないい人過ぎて甘ったるい印象もあったのですが、2巻はそのあたりがぐっと読みやすくなっったと思います。 主人公がほとんど人間以外の姿で、文字通り走り回っていたこともあって、事件展開がスピーディだったし、新キャラの「ラテンスケベ中年」氏のおかげで物語にダークな陰影も出て参りました。また、元ラノン住人の様々な「魔法」の能力が見応えがありました。今回初公開のレノックス氏の種族的才能(笑)とか。悶絶モノの孵化したてのガブリエル犬とか。 読んでいて、やはり感じるのはケルト的世界への愛ですねえ。この文学的下地をこの先どう料理していってくれるか楽しみです。 |
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ここ数巻、王選びとは縁のない闘いが延々と続いていて、話が進まないのがつらくなっていたのですが、この巻は一言言いたくなりました。 …レイラ、好きだ…。 |
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ついでにこちらも借りたのはいいが、期限がやばくなったので、優先して感想を書いておくことにします。これはまた趣向が変わって、私立の女子校を舞台に、女の子の友情をメインにした話。といっても決して『マリみて』のような甘やかな話では無く、圧力をかけて水分を抜いたかのような、冷たく乾燥した雰囲気が、ページから漂ってきます。 最近、三浦さんの作品について「冷めた静謐な感覚」を指摘する書評をよく見かけましたが、なるほどこれか。女子校のぬるま湯の中で、自分を折って周囲に合わせることもなく、孤独を空気のように呼吸して存在する少女達。その痛みをニュートラルな視点から、突き放すことも甘やかすこともなく、非常に繊細に描ききっております。そのあたり、あまりに張りつめているので、読んでいて楽しいかというと、ちょっと微妙ではありました。 |
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『月魚』が割と気に入ったので、図書館から借りてきてみました。主人公の故郷の「拝島」は、島独特の古いしきたりを多く残す、一種独特の世界であった。島外の高校に進学し、夏休みで帰島した主人公悟史は、幼なじみとの旧交をあたためながらも、故郷の特異性を実感していた。折しも島では、島の守り神を祭る十三年に一度の「島の大祭」が始まろうとしていた。 と、言うわけで、主人公18歳の、ややオカルトがかった一夏の冒険譚です。と、言えば、なかなかツボな設定なのですが、読んでいる間は、どうもピンと来なかったなあ。主人公と幼なじみ光市に定められた、「持念兄弟」と呼ばれる独特の絆についても、なかなか萌えそうな設定のはずなのに、生かし切れていなかった気がして。ちなみに読んでいて、子供同士で兄弟に準ずる絆を定める風習ということで、皆川博子の『闇椿』に登場する「椿姉妹」なるものを思い出してしまいました。 ともあれ、ここでは主人公の性格があまりにまっすぐに過ぎたせいか、彼視点の物語にうまく入り込めなかったようです。どちらかというと、神社の次男坊の荒太さんとそのご友人の話の方がおもしろそうだった。そちらをメインにししたほうがよかったかもです。 |
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「流血女神伝」の2年ぶりの本編、新章です。『砂の覇王』のラストが、かなり駆け足だったこともあり、その補完的エピソードも交えつつ、ゆるゆると新展開に向かっていきます。いやー、久々のカリエ主人公の本編はやっぱりおもしろい。読む前はとても想像がつかなかった彼女のマヤラータとしての生活やら、バルアンとのらぶらぶエピソードやら、読んですんなり納得がいきました。 まあ、主人公の相手はハレム持ちの男なわけだし、友だちと夫を共有する結婚生活も、さらっと書くしかないよなあ。 ともあれ、今回はザカール編。タイトル通り、傍目に順風満帆なカリエの背中に、ラクリゼ編から連なる暗い影が見え隠れします。これまで「流血女神伝」では、神々の意志が人の世に干渉してくる神話的側面は、時折顔を出したものの、決してメインでありませんでした。ここにきて初めて、それが物語の前面に出てきたようです。もしかして、シリーズ全体を通してのストーリーが、ここでようやく本筋にたどりついたってやつですかい?とするとまだ、ここらは折り返しな予感だったりして。 さて、今回は、カリエとコルドの漫才に笑いました。それとカリエの出産シーンも、あまりの彼女らしさが楽しかったこと。また、妊婦カリエとエドとの会話の、いかにもエドらしい正論がよかったです。 今回、ルトヴィア組は、揃ってドツボにハマったようで、あのドロドロぶりが、いっそすがすがしいほど。そして、今回初登場のラクリゼ弟。正直言って、ラクリゼが簡単にあしらわれてしまうような強大な敵とは思わなかったです。と言うわけで、次の中編(多分)が、すっげえ楽しみです。 |
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この作者はこれが初めてでしたが、ほのかなボーイズテイストと、独特の雰囲気ある作風の噂は聞き及んでおりましたので、文庫化された機会に手を出してみました。 内容は、昔ながらの古本業を営む2人の青年が主人公の連作短編です。目利きと経験がものをいう業界で、重鎮であった祖父の老舗を若くして継いだことで苦闘する本田真志喜(ましき)。真志喜の家に、幼い頃から出入りしていた「せどり(不明瞭な経路で入手した本を、古本屋に持ち込む稼業のこと)」の息子で、この業界で頭角を現すようになった、瀬名垣太一。2人の間には、瀬名垣が昔犯したある罪の記憶が、暗く横たわっていた…。 うーむ、これ好きです。主人公2人のさりげない、それでいて濃密な感情表現。絶対に喪いたくない者を目の前にして、為すすべもなく立ちすくみ、ぐるぐるする主人公達。この抑制のきいたテンションの高さは、ありそうでなかなかないと思います。 即物的なエロはいっさいないので、人によっては物足りないかもしれませんが、私はこれがいい。何も起こらないところが肝なのだと思います。 |