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第13回日本ファンタジーノベル大賞 優秀賞受賞作。ハードカバーで出た頃から気にはなっていたのですが、つい読む機会を逸していたものが、このたび文庫化。ようやく読んでみれば、予想以上に面白い。もろ、好みではないですか。 一言で言うと、虚弱な律君が、2人の青嵐を連れて、殺人事件を解決する話…?(『百鬼夜行抄』より)あ、ちなみに、時代は江戸です。あやかしの跋扈する江戸の街で、夜な夜な起こる奇妙な事件。主人公は、江戸でも指折りの薬種問屋「長崎屋」の跡取り息子、一太郎。彼は極端に虚弱な体質で、何かあるたびに寝込んで床についていたが、ひょんなことから殺人事件に巻き込まれ、その奇妙な事件の謎を解く羽目になってしまった。 そんな彼の、強い味方は祖父が連れてきた2人のあやかし。普段は人型をし、それぞれ仁吉、佐助という呼名の、有能な手代として店を取り仕切っているが、その実体はかなり格上の、力のある妖物であるらしい。その二人をはじめ、家の中には小物のあやかしが(尾白・尾黒?)が無数にうろちょろし、外から来ては立ち寄って行く。そんな一太郎とあやかし達との日常を描いた、一風変わったファンタジーというよりミステリーでした。謎解きが、ややあっけないところはあったものの、面白かった。若旦那とあやかし達の関係は、お約束ながらツボでした。続きがぜひとも読みたいです。 困ったのは、読んでいて、美味しそうな(?)和菓子のオンパレードなもので、つい食べたくなってしまうこと。できればまんじゅうの1つも、傍らに用意してからお読み下さい。 |
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これも出ていたのだった。ついに五人目のパイロットのカヲル君登場。彼の登場シーンでは、さすがにあの場でピアノはないだろうと、突っ込みましたが、その後はだいたいのところ、アニメの話に沿っていました。 この巻は終章に向かう部分の前半分で、アニメで唐突に感じられた展開を、多少なりと補正していった感じ。そして、続く後半には、ショッキングなシーンのほとんどが残っているのであった。やっぱり、ここまで来たら最後まで見届けたいです。 |
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買おうかどうしようか迷った最終章の2冊。何しろ、カバーに紹介されたあらすじによると、戦争により蹂躙される少女が主人公だそうなので。ファンタジーというには、あまりに重く生々しい話になりそうで、つい引きそうになってしまいました。読み始めれば、私的にはそれほど重くもなく、おなじみの漫才もありの急展開で、一気に読んでしまいましたが。ラストはやはり感動ものでした。 ある日、主人公エンジュが、犬と平和に暮らしていた家に、武器を持った男たちが押し掛けてくる。外の世界はいつからか戦争が始まっていた。故郷を出て、世界規模の戦争に明け暮れる世界をさまようエンジュ。彼女を導く黒き神と白き神は? 5巻の巻末のおまけマンガでは、久々にパームキャラが、素で登場。なんだかんだ言っても私は、あのパーム世界が好きらしいです。今回堕ちるところまで堕ちた感じの「ゴーカン魔」カーターさん。お気の毒さま。それと、作者が知り合いのアメリカ人から聞いたという、あのスゲー台詞。あの場面で使うのがすごいよなあ。 で、いよいよWINGS本誌では、パームの連載が再開されます。今の所、期待と不安が半分ですが、この際腹を括って見届けたいです。 |
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宇宙飛行士の養成学校に通う少年少女たちの青春、6巻目。学校が特別プログラムとして、ライオンさんの同僚であった元宇宙飛行士を招く話他。この話、泣けました…。 アニメは少し観ました。原作に忠実にしようとがんばっていたのは分かる、分かるのだが、やっぱりこれは無理だったと思う。原作をまんま描いただけでも、どうしたってクサさや、押しつけがましさが入り込んでしまう。ここぞというエピソードだけに絞って短編にするならまだしもですが。 ところで、マリカちゃんの秘密は結局まだ分かりません。話自体は、あまり進んでいないです。 |
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『大阪豆ゴハン』の作者、サラ・イイネス改め、サライネスさん、久々の連載です。今度は舞台は東京ですが、大阪出身の主人公たちが繰り広げる、おしゃれなんだか、身も蓋もないんだか良く分からん日常を描いたホームドラマ(?)です。 主人公その1、ゴロちゃん。美大を出て、バブルのどさくさにまぎれて、デザイン事務所を設立。はっきり言ってオンナたらし。その目の秋波を送られた女はことごとく落ちるという、バンコランまっつぁおな特技を持つ。バツ3。 主人公その2、ハルキちゃん。ゴロちゃんの中高大学の同級生。ゴロちゃんの事務所に所属するイラストレーター。女運が悪く、手痛い経験の末、バツ1に。2人とも、いいおっさん。 この2人を中心に、事務所の人々やら、ゴロちゃんにひっかかる女やらが入り乱れて、繰り広げられる日常。皆様、よく考えるとけっこうハードな毎日を送っております。この、なんともいえないとぼけた味わいは健在でした。 ところで、このタイトルはどこからきたんだろう。 |
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飼い犬が、隣家の子供をかみ殺す。そんなおよそ考えたくない事態が起こってしまったとき、世間から孤立し、夫にも家族にも絶望した主人公は、ただ独り、飼い犬を連れて逃亡する。この子を殺させてはならない。 篠田節子さんの新作です。あいかわらず、着眼点が鋭い。何とも現代的なテーマで、あらすじだけ読んでもしっかり興味が湧くところがさすがです。 ある事件をきっかけに平凡な日常から逸脱していく主人公。彼女を取り巻く孤独と絶望。読んでいて、桐野夏生の『OUT』を思い出しました。ただ、この主人公はあそこまで突き抜けておらず、結末もやや、あっけないのですが。いざ読み始めると、続きが気になってほとんどラストまで一気読みでした。難を言えば、彼女の孤独というのがやや類型的に思えてしまったことかなあ。いや別に、そのあたりを突き詰めるのがテーマという訳でもないのか。 相変わらずの脂ののったエンターティナーぶりは健在でした。 |
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前作『始祖鳥記』に感動した飯嶋さんの最新作。なんだかんだで読むのに時間がかかってしまいました。 江戸時代初期、貿易とキリスト教排斥の狭間で揺れる幕府の対外政策。その時代の最前線であった長崎を舞台に、鎖国へと踏み出していく日本の一時代を描いた群像劇です。 この時代、山田長政らがシャムやルソンへ雄々しくこぎ出して行った「大航海時代」は既に過去のものとなり、幕府支配によること細かな規制が全国に浸透し、強化されていった。特に長崎では、キリシタン禁令をめぐる、庶民の生活の締め付けは凄まじく、随所で命がけの攻防が繰り返されていた。 そんな中で、名家の末次家に生まれ、長崎代官となった「不肖の2代目」末次平左衛門と、彼の幼なじみの「平戸町の火消しのお頭」こと平尾才助が主人公です(多分)。前述したように、暗く窮屈になっていく時代の流れに対し、己の器量の限りを尽くし渡り合っていく男達。現実を見つめ、その時点でできる最善の道を切り開いていった彼らの足跡は、決して明るい結末でないにもかかわらず、読後に不思議と突き抜けた爽快感がありました。 読んでいて、平左衛門や才助の登場以前にも、登場する人物が多く、途中まで誰の視点で話を追えばいいのかが、なかなか分からなかった。また、平左衛門の闘いに話の焦点が移った後にも、本筋と平行して、悲惨なキリシタン迫害譚があまり脈絡なく挿入されていたりした。そのせいか、「始祖鳥記」よりも多少とっつきにくく、話が散漫になった感がありました。完成度という点では、やや弱いかも。 体制による抑圧と、それに対する抵抗というのは、飯嶋さんに一貫したテーマで、それは今作にも明解に現れています。羽を奪われ、鎖国という檻の中に押し込められていく時代の中で、かすかにきらめく黄金なるもの。黄金の時への憧憬が胸を打ちます。 |
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「マのつく」シリーズ。久々の本編最新刊。前作シマロン編は一応決着したものの、「箱」の行方も、コンラッドの行為の意図も、不明なままに世界は動き続けています。今回の舞台は、前回名前のみ出ていた「小シマロン」。外交上、不穏な動きを見せはじめたこの国に、ギュンターが大使として派遣されることになった。ユーリと3男坊もいつものパターンで、強引にくっついて行くが…。 関係ないが、「赤鳩新型彗星便」に笑ってしまいました。元ネタはもう、10代の読者には分からないのかもしれないけど。そして、サラの登場シーンも、元ネタが分かり易すぎです。してみると、やっぱり彼は悪役(or ラスボス)なのであろうか。 一方、いよいよNHKBS2のアニメもスタートしました。コメディに徹していて、期待できそうです。果たして、原作のどのあたりまでやってくれるのだろう。 |