|
世界最大のベストセラー、一応まだ最新刊。やっと読むことができました。上下巻ですが、読み始めると早かったです。それにしても、巻が進む毎に、物語が次第にダークになってきています。最初の頃の明るく脳天気な展開よりは、数段好みではありますが。そして、毎度のどんでん返しで、律儀にあっと言わせてくれるストーリーテラーぶりは、やはりさすがと言うべきでしょう。 さて、揃って4年生に進級したハリーとハーマイオニーとロンのトリオ。彼らのこの年は、ホグワーツにとびきりのメインイベントが待ち受けていた。そのイベントとは、百年ぶりに開催されるという、「三大魔法学校対抗試合」。ホグワーツの他に、ボーバトン、ダームストラングという、ヨーロッパの名門魔法学校から選出された代表選手が、学校の威信をかけて様々な課題に取り組み、得点を競うというものである。栄光ある代表選手の選考は、伝統に則り「炎のゴブレット」に委ねられた。候補者の中から、各校1名の代表選手名を読み上げるはずの炎のゴブレットは、なぜか、ホグワーツの選手1名と並べて、候補にさえあがっていなかったハリーの名を、高らかに宣言した。 と、言うわけで、よく分からんうちに代表選手になってしまったハリー君は、今回も選ばれし者の苦難と栄光をこれでもかと味わうことになります。このあたりはしかし、苦難は半端でないながらも、トータルでは主人公、えこ贔屓されすぎの感があります。いつも自分が引き立て役になってしまうことでロンが怒ったのも、もっともだと思う。これまで君は人が良すぎたよ>ロン。 ともあれこの巻で、印象に残ったのはやはり、ダンスパーティのエピソードでした。14歳という、微妙な年頃になった3人の、3者3様のまぬけさが、微笑ましかったです。ここらで少し、健全路線から一歩踏み出して青春小説に行く気は…。ないだろうな、やっぱり。 ところでこれ、発売前の前評判で、メインキャラの誰かが死ぬと予言されていた気がしたのですが、今回特にメインキャラは誰も死ななかったのですけど。アレは何だったのだろう?ともあれ、次回で出てきそうな、スネイプ先生の過去話がとても楽しみです。 |
||
これより前の巻は、マンガ喫茶で読破済みでした。最近、アニマックスでアニメの再放送が始まったのを観ているうちに、原作の続きも読みたくなって、ついに買ってしまいました。人並み外れた心技体を備えた者達が目指す、究極の職業「ハンター」。主人公のゴン少年が、顔も知らない父親の後を追って、ハンターを目指す物語。18巻で話は一段落したようです。 うーん、この作品。実は非常に語りづらいのでした。おもしろいのかと聞かれれば、文句なくおもしろいのですけど、素直に絶賛するには引っかかるという難儀な代物なので。 一見、少年マンガの王道的熱血主人公のゴン少年。彼の成長物語という王道的テーマ。にもかかわらず、ストーリーは、お約束や王道的展開を排除し、どこまで捻った、あるいはひねくれた展開に持っていけるかに挑戦しているかのようです。少年マンガから逸脱するスレスレのところをアクロバティックに突き進んでいく手並みは小憎らしいほど。そして、いつ壊れるかという綱渡りの末に絶妙のバランス感覚で着地した物語には、やはり喝采を送るしかありませんでした。 でも、わざわざ綱渡りをしなくても、青年誌で好き勝手にやればよさそうなものなのですけど。そこを敢えて、少年誌の制約の中で読者を裏切るのが、作者の狙いなのかもなあ。なんとなく作者の妙な余裕としたり顔を感じて、素直に絶賛できなくなってしまうのでした。私も、相当にひねたマンガ読みです。 正直、便利な「ネン」能力なるものが物語に登場したときには、話が何でもありになりすぎないかと危ぶみました。それでも、力の限界と法則性はあるようなので、ひとまず安心しました。その後の、クラピカと幻影旅団編は、話が複雑になりすぎてどうなることかと思いましたが、なんとか収束しました。GI編は、人間がもしゲームの中に入ったら?という、誰でも考えそうな設定ながら、ゲームのディテールを、すみずみまでちゃんと設定したことによって、なかなか得難い臨場感で盛り上げてくれました。雑誌連載時に、どうみても下書きとしか思えない原稿が平気で載っている惨状を横目で見ていたせいで、物語自体も壊れてしまったのかと思っていたのですが、まだまだ期待できそうです。18巻からの新章…は、ある程度話が進んでから読もうっと。 |
||
最初に、眠子さんの日記で見かけて関心を持ったこの話。最近はあちこちの書評でも取り上げられています。やはり、密かに話題になっているらしい。で、読んでみました。泣けました。 家政婦の主人公が派遣された家には、通称、博士(はかせ)が独りで暮らしていた。博士は初老の紳士で、昔は博士号を持つ数学者であったが、交通事故で頭を打ち、記憶に障碍が残ってしまった。彼は、新しいことを80分しか記憶できない。80分以上前のことは忘れてしまうので、通いの家政婦の主人公に、毎朝初対面の挨拶をし、毎朝同じ質問をする。それ故、彼は永遠に変わらないものを愛し、追い続ける。数字と数式という、普遍なるものを…。 多くを語ってしまうよりは、是非とも読んで!と言いたいです。ここで思い出したのは何と、かの『アルジャーノンに花束を』(ダニエル・キイス)でありました。その美しさに、哀しさに、いとおしさに。胸締め付けられました。 |