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これまで未読であったので、文庫化されたのを機会に、読んでみました。市川ジュンさんの、歴史ロマン。北条政子が主人公です。 頑固で気が強く、情熱的な北条政子像は、割合一般的かも。特筆すべきは、長髪で都ぶりの、白皙の美青年に描かれた頼朝でしょうか。頼朝といえば、チョビ髭オヤジのイメージが強かったので、このアレンジはインパクトがありました。なかなか、楽しみです。 |
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これは、おすすめ。文句なし! 以前、あさりよしとおさんの「なつのロケット」を読んだときに、その元ネタとして挙げられていた本でした。実はその連想から、男のロマンてんこ盛りな話という先入観があったため、これまで手を出さずにいたのですが、このたび文庫化を機にトライ。予想外にハマりました。 主人公高野は新聞社に勤務する、往年の火星オタク青年。彼はかつて高校時代に、天文部ロケット班に所属していた。そこは、筋金入りのロケッティア(ロケット狂)の巣窟。高野と仲間達は高校の3年間、「本物のロケット」を打ち上げることを計画し、何度も打ち上げ実験を繰り返していたのだった。 彼らはしかし、ついに成功しないまま卒業の時を迎えた。それぞれに夢を追っていった先で、現実の壁にぶつかる日々の中で、ある日高野が担当した、ある過激派アジトの爆発事件。その爆発物の形状に、かつてのロケット班メンバーの痕跡を嗅ぎ取った高野は、メンバーの一人を訪ねる。そこで高野は、かつてのロケット班のメンバーが再び集まって、高校時代のロケット打ち上げ計画のリベンジを図っていた事を知ったのだが…。 ロケットを打ち上げるという夢。果ては宇宙に行くという夢。それらを正面から描きながら、決して荒唐無稽ではない。ロケット全般、その歴史や、科学的原理や、打ち上げに必要な作業や、経済的裏付けや。それらもろもろが本当に緻密に、リアルに描かれていることに感動いたしました。 そう、宇宙への夢がテーマで、科学的考証も、私の見る限り、かなりよくできているのに、多分これはSFですらない。まるで『プロジェクトX』ばりの、感動的なノンフィクションのようでした。一気に読んでしまった。おもしろかったあ |
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「すべての牙を持つ者の王」黒き神、ブラックワイルドの治める山の主は、見事な角を持つ「大いなる神の手」と呼ばれる鹿の王であった。その鹿に魅了された人間の少女は、種を超えて彼と添い遂げることを誓う。 同じ頃、台頭をはじめた「獅子の国」の軍が山に押し寄せる。蹂躙される山の民たち。黒き神は果たして、彼の世界を救うことができるのだろうか。 時代はヨーロッパの中世に下り、人間の世界が無秩序に拡大する兆しを見せる中、神たるブラックワイルドは、あくまでも気さくに飄々と生きております。しかしながら、その時代に生きる人間と獣たちは、抗いがたい受難の時を迎えます。正直、ブラックワイルド側の視点が身近すぎて、ワイルド・ローズ側の話に入り込めなかった。だって、仮にも神なら、民が苦しむ前に救ってやれないんですか?>B・Wセンセ。 今回、読んでいて、CG加工の多用が気になりました。加工した部分がどうしても、地の絵から浮いて見えます。手抜きでないのなら、ほどほどに願います。 |
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アジアの小国テオマバル。その国の、更に首都から離れたバヤン島に開発された「バヤン・アイランド・リゾート」。日本からその高級リゾート施設にやってきて、休暇を過ごす30代後半の女性3人。ところが、そのテオマバルでは、民族やら宗教やら階層やら、訳の分からない無数の政治勢力が台頭し、ついに政変が起こってしまう。3人は、命からがら「バヤン・アイランド・リゾート」を脱出するが…。 治安悪化中と知りつつ、わざわざやってきた日本女性の馬鹿っぷりは、なかなかリアルに痛いです。それぞれに、日本では問題を抱えていた3人の女性は、紛争地帯で何度も死ぬような目に遭いながらも、急にスーパーヒーローまがいの成長する訳でなく、日本での無駄に豊かな生活を悔い改めて、清貧を誓う訳でもないのですが、それでも、したたかに環境に順応し生き延びていきます。 正直、政変の描き方は、『インコは戻ってきたか』の方が、臨場感があった気がするし、彼女達が村で暮らすようになってからの展開は、あまり変化がなくて途中ダレましたが、読後は不思議と突き抜けた爽快感がありました。 そうだなあ。これまでにさんざん、「日本の豊かで平和な生活から一転して、主人公が凄惨な地獄に巻き込まれる話」をやってきた事ではあるし、今回は趣向を変えて、意図してじっくりと、主人公の女性達の成長を描こうとしたのかもしれません。 しかし、今回作中でアジアの村社会というのが、思ったより好感をもって描かれているのが意外でした。特に、生きるためにとことんしたたかに、その時々の権力者と渡り合っていく、村の男達が妙にかっこいい。楽園というにはあまりにささやかながら、日本を捨ててそこで生きるのも、選択肢の一つとして納得できるだけのものはありました。 意外だったのは、冒頭に登場したガイドの工藤さんが、あっさり退場してしまったこと。実はてっきり、彼が生きていて助けに行くものだと、思いこんでいたんですけど。日本の女、そんなやわじゃなかったのね。 |
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脱サラして、妻の実家の築地の仲卸業、「魚辰」の3代目を継ぐことになった赤木旬太郎。仲買人としては素人そのものであったが、鋭敏な味覚と、魚(の味)に対する飽くなき好奇心。そしてその明るく前向きなパワーでもって、責任重き3代目の座に挑み続けるのだった。 ダンナが買ってきたのですが、すっかり気に入ってしまいました。まずは、魚に対するウンチクが充実していること。どちらかというと、高級魚が登場することが多いので、あまりおかずのヒントにはならないかもしれませんが、それだけに毎回、魚が美味しそうで、なかなか目の保養です。そして、なにより、魚や魚河岸にまつわる、人情話がおもしろいです。 雰囲気としては、昔の『美味しんぼ』という感じ。魚と環境破壊が時折テーマにされるところも、なかなかそれらしいです。ただ、こちらの3代目は、政治家とのコネクションなど、はなから持っていないので、どんな問題に対しても、無力な1市民として悩み、体当たりで向かって行くしかありません。そのあたりは、ご都合主義が芸風となってしまった最近の『美味しんぼ』より、リアルで好感が持てます。 また、お約束!と思いつつ気に入っているのが、この素人3代目と好対照に描かれる、魚河岸のサラブレッドこと「新宮」の三代目でありました。言うなれば、姫川亜弓か、塔矢アキラといった位置づけで、自分の目利きに、絶対の自信と誇りとを持ち、更に、先ほどの環境問題等についても詳しく、常に主人公の何歩も先を行っている人。ならば、余裕で構えていればいいものを、主人公の天然さについ、ムキになってつっかかってきたりする。なかなか、美味しい役回りだったりします。 8巻まで読んだところでは、東京のスーパーで、ハモの付け焼きを売ろうとする話など、じんときてしまいました。 |
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CLAMPの最新作。これと、ヤングマガジンで同じ話を視点を変えて、同時連載しているようです。内容は…。きつい言い方をさせてもらえば、煮詰まった作家がよくやりたがる、自作キャラクター総出演のパラレルワールドファンタジーです。 一応は、『CCさくら』の小狼くんが主役。さくらのメインキャラたちが暮らす異世界で、ある日異変が起こる。それによって、さくらの記憶である「翼」は砕け、あらゆる次元の世界に飛び散ってしまった。小狼はさくらのために、さまざまな次元を旅し、彼女の「翼」を探し求める事になったが…、という設定。 この先、何が飛び出すか?相変わらず、話題性は充分です。 |
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『亡国のイージス』、『終戦のローレライ』ときて、残ったこれも読んでみました。内容は、『〜イージス』の冒頭にリンクする話になっています。福井作品の原型がここに…、と言う感じで楽しめましたが、さすがに、近2冊を読んだ後だと、全体的にもの足りなさも感じてしまいました。 ツッコミどころも少々。いくら天才ハッカーでも、ウィルス一個でペンタゴンを降参させるのは無理だって、とか。情報部の人間が、個人的感情で部下に管理者パスワードを使わせるのはやばくないか?とか。後でちゃんと、それが可能になるだけの理由も用意されてはいるのですが。 登場人物が、ほとんど私怨というのはあまりに純粋な感情で動いているところ。若者からおっさんまで、自分の青臭いアイデンティティのために命を賭けようとしているところなど、いかにも福井節やなあ。が、そこで、変わるべきであると俎上に載せられた、日本の現実の描かれ方がまだ弱いし、登場人物がその現実をしゃにむに変革しようとする動機も、それほど切羽詰まったものに思えず物足りない。まあ、どんなテロ行為によっても、正直、一般の日本人がそう簡単に目覚めるとは思えないので、意味あるのかなあ。 ウルマも、やはり「アヤナミ」がベースな感じでした。お約束? |
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『お葬式』,『厄落とし』等、コミカルでブラックなホラー短編が気に入っていた瀬川さんですが、これは少し傾向の違う長編伝奇小説です。山口県某所で発掘中の遺跡から出土した、細形銅剣。それは、北極星の禍々しくも強大な呪力を秘めた七星剣であった。 浪人生の主人公、那津は、失踪した兄の行方を追ってその発掘現場を訪ね、発掘された七星剣の盗難騒ぎに巻き込まれてしまう。七星剣の力とは?そしてその力を司る鍵とは? うーん、この作者、こうした伝奇小説は他にも書いているし、よく調べているとは思うのですが、個人的にはもう一声、でした。ネタとしては、それほど意外性もなく、作中の亜希子さんのレポートだけ読めば充分という感じでしたし、登場するキャラも、類型的で魅力に乏しい。コメディなり、ホラーなり、もう少し味付けに工夫がほしかったです。 |
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人気SFチックボーイズラブ「青の軌跡」シリーズ、最新作。最近出ないと思っていたら、いつのまにか出版社が変わっていました。何か事情でもあったのでしょうか? ともあれ、思いがけない新展開ではありました。おまけに「1巻」だけあって、当分この話が続きそうな気配。いえ、別にそれはかまわないんですけど。しかし、最近とみに、1冊の内容がウスくなってないか?少なくとも、5人しかいない登場人物の性格や人間関係なんぞを、毎回くどくど解説しなくていいので、もう少しサクサク話を進めてくれないだろうか。 この先、あの2人の派手なアクションとか、息詰まる心理ゲームとかを、見てみたい気もしますが、残念ながら久能さんは、そこまで描く力はないと思う。思うが、ともかくも、長引かせずに決着させて欲しいです。 |