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おや、今更と思いつつ、手にした『西魔女』完結編。書き下ろしかと思ったら、昨年のハードカバー版のラストに収録されていたのね。知らなかったです。 ともあれ、もう1冊。それもフィリエルとルーンの、限りなく本編に近い続編が読めるのはうれしいことです。 『西魔女』本編の最終巻で、次期女王が3人擁立されることが決定されたものの、この星の統括管理システムたる「フューリ」はそのことを簡単には認めようとしなかった。特に、フィリエルの女王たる資質を真っ向から否定するフューリ。現女王は、この世界の開始時点のままに硬直したフューリを破棄し、新しい柔軟な管理システムとして、フューリの端末であった「バード」を採用することを決定する。かくしてフィリエルは、フューリを破棄することを課せられ、バードと共に旅立つのであったが…。 この世界のシステムは、本編ラストで盛大にネタばらしされましたが、かなりのところ忘れてしまっておりました。なので明らかになった設定にしても、そうだったかな?と自分で納得させながら読む羽目に。バードの人間放れしたワザについては、もう何でもありということにしておきましょう。 ともあれ、この主役2人は基本的に好きなので、2人の冒険は見ていて楽しかったです。ルーンもとうとう、ついいぢめたくなるキャラであることが暴露されました。自覚せーよ。 ただ、今回好みの問題ですが、挿絵が今いちでした。初期の牛島慶子さんの絵が最もイメージであった私としましては、今回イラストで統一された新装版にはかなり抵抗があります。ルーンのレアンドラと絡んでいる場面も、ちょっとなあ… そして、最後までやっぱり、ディー博士は登場しないままでした。いったい、どこにいるんでしょうか? |
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『西の魔女が死んだ』『からくりからくさ』他でおなじみの梨木香歩さんが、イギリス留学中の体験を綴ったエッセイです。とっしゅさんのサイトで紹介されていたので、気になっておりました。 読む前には、このいかにもすがすがしいタイトルから、どこか浮世離れしたイギリスのカントリーライフをイメージしておりました。「伝統、質素、田園、幻想と文学」といったイギリス的な美学を取り上げて、それを盲目的に絶賛する「イギリス本」の類なのかと。冒頭の「庭にリスの来る」田舎の生活はまさにそのイメージ通りでしたが、内容はそれだけにとどまらない、シリアスなテーマを多分に含んでいました。作者は、留学中のかの地で起こった事件をユーモアたっぷりに描くだけでなく、その裏にある現実を見据えながら、日本人である自分がそれに出会った意味について、静かに真摯に問い続けているようでした。 作者が14年前に暮らしていた下宿の女主人、ウェスト夫人のこと。その下宿屋の歴代の個性豊かな、というより、ほとんどアナーキーな下宿人達。また、その隣近所のパワフルなおばさん達。 作者はそこで見聞きする、人種差別や政治や戦争体験についても、目を逸らさずに、あくまでも個人の体験として関わっていきます。イデオロギーに走ることなく、問題の大きさに思考停止することなく、柔軟に向かい合うこと。その読後感は、最近の梨木さんの作品に共通するものでした。どっしりと持ち重りのするテーマでありながら、決して救いがないわけではない。どことなく『パーム』(獣木野生)に通じるものを感じました。 |
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第14回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。この賞の歴代受賞作は、なかなか力作が多いので、期待して読んだのですが。うーん、これ。ファンタジーなのかもしれないが、あまり物語ではなかったような…。 あまり長くないこの1冊が、何と50を越える数の短い章から構成されています。そして、その1つ1つの章は、いくつかの連続したストーリーの一部であったり、ストーリーから突然派生した挿話のようであったり。その参考文献のようであったり。 メインとなるストーリーは、かつて「庭」の研究家であった、作家の「私」と、太平洋戦争末期に、収容所を脱走して奇妙な世界に捕らわれた「おれ」によって交互に語られます。その2つのストーリーは、冒頭以外、結局互いにほとんど関連のないままに続いていきます。その合間合間に、関連あるような、ないようなごく短い挿話が散在し、ちりばめられていく。当然ながら、それらはやがて、どこかに収束していくものと期待していたのですが、結局それが最後まで、互いに関係なく終わってしまったのは、正直、肩すかしでした。それぞれの、短い文章が醸し出すイメージは鮮烈で、特に、「庭」の描写には凄味すら感じたものなのですが…。 結局これ、長い長い詩だと思って、言葉の喚起するイメージを楽しむための作品なのかなあ。その断片に、意味なんぞ求めてはいけないのか? |
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へんてこりんな、ショートファンタジー。ある日、霜月家にやってきたペットは何と、100年生きたオオサンショウウオ(!)。そのサンショウウオの「サンちゃん」は、人語を話し、やたら人情に厚い浪花節な性格。良くて妖怪。下手すりゃオバQといったキャラ。そのサンちゃんが、霜月家の面々と繰り広げる、ほのぼのストーリーです。 なにしろ、町中であたりまえのように道行く人と話し込むサンショウウオもサンショウウオだが、それを見ながら、天然記念物として保護しようとするお役人もお役人だ。よく考えるとかなりシュールな設定と、内容のけっこうベタな人情話が、今イチかみ合っていない気がする1巻目なのでした。ほのぼのストーリーから、突然、地球の磁場がなくなって、人類絶滅か?などという話にかっ飛ぶこのセンスは、なかなか好きなのですけど。 もう少し設定がこなれたら、この違和感もなくなるでしょうか。少し様子見です。関係ないが、近所の水族館には、丸太のような特大サンショウウオがいて、10年前からずっと、同じ水槽の中でうずくまっています。なんとなく親しみがわいてしまった。 |
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空島の冒険続く。「神」エネルの正体も見えてきたものの、どう見ても単なるイヤな奴ですな。で、話も全くというほど、進んでおりません。 雑誌の方でもまだこの章が続いているようです。この際、空から連中が帰ってくるまで、しばらくこの続きは買わないことにしようかしら。 |