|
はるかな昔、「OUT」誌でアニパロ等を発表していた、なにわあいさん。同誌無き後はずっと、あちこちで育児・家庭エッセイを描いていました。我家の子供達が小さい頃に、この育児マンガを好んで読んで以来、ずっと追いかけております。
浪花家の子供達も年相応に成長したので、これはタイトル通り、作者一家のオタクな日常をネタにした実録エッセイマンガです。ポケモンの限定カードを買うために、イベント会場で4時間並んだ話や、オーストラリアのSF大会に行った話や、白い服しか着ないご主人の話や。ほのぼのした話に思わず笑わされてしまいました。しかし、ここ2年ほど4コマ誌で連載されていた話のうち、収録されていない話が、かなりあるような気がするのだけど。ほとんど一話分使って、塩沢兼人さんの追悼をしていた回など、読みたかったのですが。
そういえば、昨年の冬コミで、この人の同人誌を買ったっけ。買うのに15分並ぶ盛況でした。アンジェリークネタとか、おもしろかったわ。
|
|
岩本さんの、「青春SF」(とでもいいましょうか)ついに完結。結末まで2転3転する展開に、目が離せないまま一気読みでした。
では、思いっきりネタバレで。この結末がおもしろかったかというと…。うーんんん。正直、今回は『星虫』ほどハマれなかったです。いつものあのカタルシスを、感じることができませんでした
星虫3部作を読んで思ったのですが、岩本さんは、作品のアイデア自体の新鮮さで勝負できるまれな作家であるということ。小説としての完成度は決して高くないが、「誰も思いつかなかった」話を描ける作家。そして今日び、これはもったいないことだと思う。器用な作家なら、誰も思いつかないオリジナルネタが1本あったら、それを引き延ばして3年くらい、書き続けるかもしれないのに。
そして、今回も、ストーリーは申し分なかった。ただ、これは、締め切りに間に合わせるために、よっぽど急いで書いたのではないでしょうか。どうも、読んでいてそのあたりが、よーく分かってしまいました。文章やエピソードがどうにもぎこちないままだったし、場面場面で、説明的な描写が多すぎる。なにより、全人類の存続を賭けた究極の選択であったはずなのに、あの単純バカの主人公が、1人で何も考えずに立ち向かうのは、さすがに無謀過ぎたのではないだろうか。
結局のところ、尚顕は世界の片隅で、分相応な意地を通そうとジタバタしているうちに、棚ぼた式に世界を救ってしまったという印象が…。さすがに、そこまでかっとんだ経験には、感情移入できませんでした。彼の、人類の存亡を賭けた選択の瞬間は、読者にとっての「他人事」のまま、盛り上がらずに終わってしまったような気がします。…もったいないよおお。
唯一、ビュンがかわいかったです。
|
|
祥伝社400円文庫の短編ミステリー。内容は中学生の女の子の1夏の体験。ただし、ものすごくハードな体験です。主人公、渚の義理の姉(つまり兄のヨメ)が、ある日ストーカーにレイプされ自殺してしまう。犯人のストーカーはその後事故死するが、その死が殺人の疑いを抱かれ、渚の兄が疑われる。渚は、兄の疑いを晴らして、平穏な生活を取り戻すことができるか?というもの。
言っちゃ悪いですが、この400円文庫のシリーズ。安いのはいいが、やはり内容がウスい。どうしても、作家が「気楽に、適当に書いた」と感じさせてしまうものが多いようです。さすがにミステリーとしては、ちょっとなあ。ただ、最後の1ページのインパクトは、さすがでした。
|
| 『狼には気をつけて』3巻 遠藤淑子 花とゆめコミックス |
富豪の少女アレクサンドラと、探偵フォレストの、ほのぼのコメディ。相変わらずの遠藤淑子節がいいです。『ヘヴン』での、どシリアスぶりが、少し不安だっただけに。ただ、いつものテーマ性というか、説教臭さも少しばかり多めな感じでした。エヴァンジェリン姫のような、思いっきり脳天気なやつも、そのうちお願いしたいです。
|
| 『西洋骨董洋菓子店』1〜2巻 よしながふみ 新書館Wingsコミックス |
このたびのテレビドラマ化で、話題になっております。よしながふみさんは好きな漫画家なのですが、これはホモネタもあるということで、様子見しておりました。ボーイズの、特にマンガはダンナが読む危険があるので、あまりきわどいのは、やばいのですけど…。
噂に違わぬおもしろさでした。内容は、言うまでもなく男4人のケーキ屋繁盛記(笑)。心配された「魔性のホモ」ネタも、さらっと描かれていたし。まずは、読んでいてめいっぱい笑える、これが肝要。また男キャラが、ホモ、非ホモも問わず、セクシーでフェロモン全開。これも何より。そして、ケーキがまた、うっとりするほど美味しそう。というわけで、何から何まで目の保養、な1作でありました。本当にこういう店があったら、貢ぎまくってしまうかも(^^;
しかし、橘さんは資産家のようですが、そうでもなければ絶対、採算取れないよな、あんな店。
|
|
『最終戦争シリーズ』文庫4冊目。これは特に、タイムパトロール小角を主人公に彼の活躍を描いた『パトロールシリーズ』をまとめたものらしいです。このあたりはアクションSFの雰囲気。
違法に過去に干渉する犯罪者を取り締まるのが、重要なお仕事のはずなのに。熱血漢の小角は、毎度、追いかけている時間犯罪者たちの抱えている情緒酌量事項に、懲りずに振り回されているのでした。いやー、とことん女運の悪いやつ>小角。セラフィムとの時を翔る大恋愛は、なかなか見応えがあります。
|
|
普段あまり読まない人ですが、一度角川ホラー文庫のアンソロジー『亀裂』に載っていた「備えあれば…」という短編が、おもしろかった記憶があり、手に取ってみました。これは、肌の若さを預けておくという銀行(^^;)に、自分の10年分の若さを貯金してしまったOLの話で、主人公が若さや美貌に執着する様子を、ブラックに笑いのめしておりました。
これも、そんな感じの短編集です。基本的に、欲望に正直に生きる人々の人間模様を冷めた所からコミカルに描いております。華やかな世界でのし上がろうとあがく、男と女なんぞ、自分にとって、この世で一番かけ離れた世界なもので、終止気楽に読めました。いや、最後の「やさしいだけでは生きられない」は、ちょっと怖いか。
|
|
めぼしい新刊が出ないので、積読本をぼちぼち消化しております。これは、タイトルの通り、北陸能登を舞台にした怪異を集めた短編集です。この土地の生の言葉で語られる、9つの奇妙な物語。実は、これに収録されている「箪笥」という短編が、怖いホラーとして某所で紹介されていたので、手に取ってみました。
方言を効果的に使ったホラーというと、最近のもので、岩井志麻子の『ぼっけえ、きょうてえ』が、思い浮かびます。『ぼっけえ、きょうてえ』では、方言が使われることによって、土俗的なリアリティが倍増されておりました。方や、この『能登怪異譚』では、方言と素朴な挿絵によって、物語が、あたかも土地に伝わる説話や昔語りであるかのように表現されていた感じ。「箪笥」は怖いというよりは、昔話や、わらべうたにある、ある種の不条理感が凝縮されていたように思いました。好きだなあ。
半村良さんて、『石の血脈』しか読んだことが無かったのですが、こういう枯れたのも書くのね。
|
| 『ゴーストハント』6巻 いなだ詩穂/小野不由美 なかよしKC |
悪霊シリーズコミック版。この巻から、コミックス書き下ろしになりました。『悪霊になりたくない』の前半部分です。
いやーコワイ。原作でも屈指の怖いシーンが、見事に映像化されております。その他、「鳴海調査員」の不穏な笑顔とか。吹き出して笑うリンさんとか。最強の森まどか女史。ある意味無敵な安原少年。いやー見所満載でした。後編もとても楽しみです。
ところで、カバーの麻衣のガーターストッキングは、誰の趣味?
|
| 『彼氏彼女の事情』12巻 津田雅美 花とゆめコミックス |
翼ちゃんと一馬君編、ひとまず完結。内容はベタというか、いかにもLaLa!な展開でした。みんなして思春期の苦悩しておりましたが、音楽シーンがあいかわらず素敵でした。一馬君が翼ちゃんへの想いを込めて歌う、陰陽の伝説のライブシーンは、圧倒されました。
さて、次からはようやく、ありまとゆきのん編になるらしい。お願いですから、あまり暗くしないでね。
|
| 『ヒカルの碁』14巻 ほったゆみ/小畑健 少年ジャンプコミックス |
前巻から続く、佐為と塔矢名人との互戦。周囲が固唾を呑んで見守る中、世紀の大勝負の行方は?いやー、すごかったです。その他に、ヒカルと倉田6段との初手合わせとか、手に汗握るネタが目白押し。そして、いよいよ…。
まもなく始まるアニメも楽しみ(^^)。ところで、塔矢名人て、本当はいくつ?
|
|
初出1980年の作品。時間ものSFの傑作と聞いて、読んでみました。物語の導入は20世紀の日本。高校生が、教室の窓から外を眺めていたり、中学教師が仕事返りに一杯やっている、という日常の一コマからスタートします。
そこから次第にスケールアップしていき、ついには時間テーマの、『百億の昼と千億の夜』といった壮大なスケールに広がっていく物語。歴史の黎明期から、人類の目を時間に向けさせないために暗躍し、人類を時間の檻に閉じこめてきた「奴ら」。そして、「奴ら」に対抗し、時間を人類に解放すべく活動してきた主人公達。時を越えて繰り返される、その壮絶な戦いの果てにあるものとは?
今、読んでも確かにすごい。傑作というのもうなずけました。めくるめく時間の中を縫って飛翔する蝶のイメージが鮮烈でした。ただ、惜しむらくは、山田正紀作品に登場するキャラって、あまり印象的ではないのよね。ついでに、この挿絵も。哀しいほど内容に合ってないんですけど。
|