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岩本さんのSFシリーズ。上巻を読んで楽しみにしていた”中”巻です。下巻は10月発売予定だそうなので、結末が本当に楽しみです。終わり。 …じゃなくて。いやー、話が一段とスケールアップしてまいりました。上巻では曲がりなりにも、普通の高校生をやっていられた主人公ですが、さすがに、そうも言っていられなくなってきたようです。「洋上の船に囚われたるお姫様を、ハンドメイドの飛行機を操縦して助けに行く」ような、ウルトラCさえやってのけます。お祭り屋のクラスメイト達が、彼のために一丸となって手を貸してくれたり、昔のジュブナイル小説を彷彿させました。今時の高校生は、こんなに熱くないよな。きっと…(偏見)。 しかしながら、こういう、世界の危機に勇者が立ち上がる、のような、壮大なスケールの話を、今時1冊の小説でやってしまうのも、もったいない気がします。たとえば、ゲーム化されたら楽しめそうな感じ。最後にあっという結末が用意されているとか。見てみたいです。 |
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『精霊の守り人』に続けて、「守り人シリーズ」の2作目。今回は、文句なく、バルサが主人公です。『精霊〜』で、説明されたバルサの生い立ち。それは、ほんの少女の頃に、故国での陰謀に巻き込まれ、生きるために、ただひたすら逃げ続けなければならなかった、哀しい過去でした。 それから25年。当時、陰謀に関わった者は全員他界しており、バルサのほとぼりは完全に冷めているはずでした。少なくとも、バルサは、そう思って、故国のカンバル王国に帰ることにしました。それによって彼女は、自分自身の過去に踏ん切りをつけるつもりでした。 しかし、当時の陰謀は、いまだ王国に根深く生き残っていた。25年前の出来事は、陰謀の首謀者の意のままに、彼らを英雄とたたえる物語となり、バルサたちは、極悪人とされたままだった。その陰謀に、再び巻き込まれたバルサは、改めて25年前の過去の亡霊に対決することになる。彼女自身がそこから自由になるために。 よかったです(;_;)。文句なしの力作でした。陰謀に、過去に、理不尽な運命に、全力で対決するバルサの姿には、『ゲド戦記』にも似た、圧倒的な迫力がありました。クライマックスの「槍舞い」は圧巻だった。 また、バルサが今回、自分の気持ちにだけ忠実に動いていいるのも、よかったです。死者の敵討ちや、汚名の返上という、大義名分ではない。ただ、自分が納得したいだけ、という彼女のスタンスは、潔かったです。 最後に、特筆すべきは、このシリーズ。出てくる食べ物が本当に美味しそうです。異世界の気候や風俗も細かく描写されているし、ファンタジーの醍醐味かも。とってもおすすめです(^^)。 |
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『西の魔女が死んだ』を読んで、短編ながら、そのみずみずしい感覚が、すっかり気に入ってしまった梨木香歩さん。これは、彼女の長編にして、本格ファンタジーです。 中学生の照美の家の近所には、バーンズ屋敷と呼ばれる、住人のいない洋館があった。荒れ放題の屋敷と広い敷地は、近所の子供達に絶好の冒険を提供していた。照美は友人の綾子のおじいちゃんから、バーンズ屋敷の過去について教えてもらった。その屋敷には、昔、イギリス人の姉妹が住んでいたこと。そして、広大な屋敷のどこかに、「裏庭」と呼ばれる、もう一つの世界への入り口があったこと…。 バーンズ屋敷から、その「裏庭」の世界に入りこんでしまった照美。元の世界に戻るための冒険が始まります。読んだ感想は、うーん、ちょっと…。思春期の少女に向けての、メッセージがひしひしと伝わって参りましたが、あまりにこのテーマ性が強すぎて、読むのがつらくなってしまいました。 作品中で「傷」という言葉が、繰り返し出てきます。「裏庭」の世界は、その他にも、自我にかかわる象徴的な言葉やアイテムのオンパレードで、何が何でも、そこで成長しなくてはしなくてはならないのだー、と照美ににじり寄って来そうなほどです。もし私が、思春期の昔に読んだとしても、きっと「ほっといて!」と叫んでしまうかも。ちょっと、力みすぎではなかったかなあ。 バーンズ姉妹の姉娘、レイチェルおばあさんのエピソードは、見違えるほど生き生きしているのに。なんだかなあ、でした。 |
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ついに完結です(;;)(;;)。長かった。いやー、長かった。この物語を15巻まで一気読みしてハマったのが、ちょうど1年前。そして、今年の5月にようやく雑誌での完結を見届けたときは、やや虚脱。最終回を(立ち読みで)読み終えた瞬間は、何とも言いようのない「うーん…」な読後感でした。正直、唐突に思えて、物足りなかった。 あれは、ハッピーエンドであったのか?ジェルミはあれで救われたのか?いくつもの割り切れない「?」が投げ出されたままに感じました。しかし、このたび、最終回を単行本で読み返して、また、印象が変わりました。作中でジェルミとイアンは、同じ所をぐるぐる回っていたようでしたが、その堂々巡りの中で、それでも、1つ1つ、物語は救済に向かって動いてきたのだと、納得いたしました。 せっかくなので、ネタバレ感想をまとめました。こちらからご覧下さい。 ともあれ、これだけのものを、よくぞ最後まで描き抜きました。モー様、どうぞ、ゆっくり休んでください。次作を、のんびりとお待ちしております。 |
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ちょっと、ぶっ飛び奇気味の笑えるホラーを集めた短編集。前作『お葬式』が気に入ったので、これも古本屋で見かけてGETしました。うん、相変わらずおもしろい。このちょっとブラックで、シニカルな笑いはこの人の持ち味ですね。好きです。 この中では、特に「初心者のための能楽鑑賞」がよかったです。こんなふうに、お能を観ながら思い切り寝られたら、とても気持ちよさそう。 |
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高さん、elmerさん他のページで好評であった、児童文学のシリーズです。これはその3部作の第1作。作者が日本人の、ファンタジー3部作というと、つい「勾玉シリーズ」などを連想してしまいます。これもそんな感じの力作でした。 舞台は、<新ヨゴ皇国>。この国は、神の子孫である帝によって統べられており、その建国の歴史は神話として伝わっていた。 主人公バルサは、この国で用心棒を生業とする女性。しかも、年齢は30ですので、児童文学としては、かなり異色だと思われます。ともあれ、ある日バルサが、川に落ちたこの国の第2皇子の命を救ったことから、物語は始まります。 用心棒としての腕を見込まれ、皇子の命を救うことを依頼されるバルサ。12歳の皇子は、正体不明のとんでもない魔物に取り憑かれており、それ故に、父帝にすら頼れない命の危険にされされていた。 皇子チャグムとともに、決死の逃亡を図るバルサ。命賭けの旅の最中で、2人はいやおうなく、皇子の体に宿るものの正体を探ることになる。そこには、この国の建国にかかわる秘密が隠されていた…。 おもしろかったです。古代日本に少し似てはいますが、このオリジナルな世界は、しっかりと実在感を持って描かれていたし、登場する人々も魅力的でした。ただ、さすがに児童文学なので、展開は早いです。謎はすぐ解けるし、皇国の中枢にいる連中が柔軟に、自分たちに都合の悪いはずの事実を受け入れたりします。それ以外のところは、苦労人のバルサの視点から描かれているので、なかなか権力に対する見方などはシビアです。 ストレートにチャグムの成長物語と見てもいいし、バルサと幼なじみのタンダの、ちょっと茶飲み友達の入ったラブストーリーと見ても味があります。「妖怪婆さん」なトロガイも、お約束だがいい味です。第2部も楽しみです。 |
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以前、角川ルビー文庫で全3巻で出ていた、「桐原家の人々」シリーズ。なにしろルビー文庫なので、最初はボーイズを意識したらしいのですが、内容はそこからどんどんかけ離れていって、ドタバタホームコメディとなってしまったという作品でした。 そのパワフルな漫才と、しんみり人情加減が、大好きだったのですが、このたび、そのシリーズ最新作というか、番外編が出ました。これまで、既刊分が、少しずつ中公新書から、加筆されて再発行されてきたものの、新作は本当に久しぶり。うれしかったです。 内容は、本編で主人公を食っていた、桐原家年長者組の若い頃。特に零君の学生時代の話です。感想は、思ったよりシリアスでした。まあ、作品中であれだけの人が亡くなれば、無理もなかったのかもしれません。リン君と零君のつきあいも、思ったよりヘビーだったです。その分ラストは、グッと泣けました。よかったです。 次作は「スカーレット・ウィザード」の外伝だそうです。その次は「レディ・ガンナー」の続きでもいいなあ。 |
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この巻も、盛り上がりっぱなし。いよいよ、佐為とあの人が、互い戦で対決です。雑誌掲載時には、毎週ワクワクしながら、真剣に立ち読みしておりました。すごい、すごいです。表紙の佐為がまた壮絶にきれいです。 ただ、今は雑誌の展開が気になって、気になって。実は、この後、もっとすごい展開になっているんですよー。ああ、続き読みたいー。 |
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